犬を室内で飼いたい!犬が安全で快適に暮らせる部屋づくり

記事の目次
犬を飼う前に契約や規約を確認
まず、賃貸物件に住んでいる場合、今住んでいる物件でペット飼育が可能なのか確認しましょう。最初に契約した時に渡される「重要事項説明書」や「賃貸借契約書」、「管理規約」などにペット飼育についての可否が書かれているはずです。
もし、書類を紛失してわからない場合は、不動産会社や大家さん(貸主)に聞いてみましょう。無断で飼いはじめることは絶対にいけません。万が一、飼育がバレた際には強制的に退居させられる恐れもあるので注意しましょう。
ペット可物件でも「飼育規約」の確認が必要
たとえば、賃貸借契約などの書類に「ペット可(相談可)」と書かれていたとしても、すべての動物が飼えるわけではありません。なかには「ハムスターなどの小動物のみ」「犬猫はNG」など、飼育できる動物が限られている場合もあります。
そのため、犬を飼っても問題ないかかどうかを確認し、飼いたい犬の種類、大きさ、頭数などを伝えて事前に了承を得ておきましょう。
また、賃貸物件でペットを飼育する際、敷金や礼金が上乗せされることが多いため、あとからペットを飼う場合にも敷金や礼金を別途払わなければならないことも。ペットを迎え入れる前に不動産会社や大家さんに相談してみましょう。
犬にとって快適な部屋とは?
室内で犬を飼うためには、犬が住みやすいように室内を整えてあげる必要があります。犬の健康を守るためにも、犬と人がお互い快適に過ごすためにも安心・安全な部屋づくりは大切。それでは、一体どのような部屋にすれば、犬は喜んでくれるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
犬にとって安全な部屋である
犬は部屋のなかにあるものに興味津々です。しかし、部屋のなかには人間にとって無害でも、犬にとっては危険なものがたくさん潜んでいます。まずは、なにが犬にとって危険なのかをしっかりと理解して、安全な部屋作りをおこないましょう。
誤飲・誤食するものは置かない
とくに子犬の場合は、ヘアゴムやペットボトルのふた、ハンカチや靴下、みかんのネット、子どものおもちゃやボールなどあらゆるものに興味をしめします。
犬の口に入りそうなものは置きっ放しにせず、すぐに片付けるように癖づけましょう。大きなものでも、かみ砕いて食べてしまうことがありますので注意してください。
犬が誤飲・誤食してしまう異物のなかでも、とくに危ないのが糸などのひも類です。胃の中に入ったひもがこすれて胃腸の粘膜に傷を付けたり、絡まって腹膜炎や腸閉塞を起こすこともあり、最悪の場合、命を落とす可能性も。紐だけに限らず「ものを出したらしまう」を習慣づけて、犬が間違って異物を口にしないようにしましょう。
床材は滑りにくいものにする
フローリングの床は、犬が走ったときや、ソファから飛び降りたときに足を滑らせてしまうことがあります。とくにダックスフンドなど胴長短足の犬、チワワなどの華奢な犬、あるいは肥満気味の犬などは、足を滑らせることでひざや腰の関節を痛めてしまうかもしれません。また、転倒すると骨折や脱臼の恐れもあります。そのため、元気に部屋中を走り回れるよう、滑りにくい床材を選んであげるとよいでしょう。
とはいえ、マンションの床の多くはフローリングです。その場合はカーペットやコルクマットなどを敷くことで十分に予防ことができます。
引越しのタイミングで犬を飼うのであれば、入居時にクッションフロアを敷いておくと滑りにくいですし、もし犬が粗相したときも床に染み込まずに掃除もらくでしょう。ペット用の消臭効果のあるクッションフロアも販売されています。
賃貸物件の場合、退居する際に「原状回復」をしなければなりませんが、クッションフロアは剥がすだけでキレイなままのフローリングに戻せるので、原状回復費用が高額になる心配もありません。
電気コードなどは隠す
部屋のなかには、愛犬にとって危険なものがまだまだあります。そのひとつが電気コード。お迎えする犬が子犬の場合、歯の生え変わりの時期に口の中がむずかゆくて、違和感を解消するために噛みごたえのよい電気コードを噛んでしまうことも少なくありません。
子犬に限らず、電気コードの弾力性は犬にとって魅力なようで、好奇心やストレス解消のために噛んでしまう場合もあります。運が悪ければ、感電することもあるので非常に危険です。コンセントカバーをする、線をカーペットの下に隠すなど、電気コードを犬に見せないようにしましょう。
犬が入ってはいけない場所には仕切りをする
ケージから出して室内で遊ばせるときは、階段やベランダ、台所など犬が入ったら危険なところに柵を設けておきましょう。ジャンプ力のある犬種もいますので、飛び越えられない高さの柵を選びましょう。とくに台所には犬にとって害となる玉ねぎやアルコールなどもあります。あらかじめ台所に入れないようにしておけば、安心して料理に集中できるでしょう。
犬にとって危険な植物を置かない
観葉植物や花の中には、犬が口にすると中毒を起こすものがあります。アイビーにはサポニン、ポトスやモンスレラ、スパティフィラムなどサトイモ科の植物にはシュウ酸カルシウムといった毒性物質が含まれ、間違って食べてしまうと嘔吐したり、口の中に炎症を起こしたりします。また、ユリやアサガオ、アジサイの花なども危険なので室内に置かないようにしましょう。
人間にとっては嗜好品のチョコレートやブドウ、レーズンなども、犬にとっては危険な食べ物です。チョコレート、コーヒー、お茶などに含まれるカフェインなどの成分が原因で下痢や嘔吐を起こします。最悪の場合は命にかかわるケースもあるので、十分に気をつけてください。
犬にとって安心できる部屋である
危険なものを排除したら、次は快適に過ごせる部屋づくりにとりかかりましょう。いったい、犬はどのような部屋だと安心してくつろげるのでしょうか。
家族の気配を感じられる
犬はもともと仲間と一緒に行動し、生活している社会性の高い動物です。ですから、ひとりで過ごすことはあまり得意ではありません。べったり一緒にいなくても、常に家族の気配を感じられると安心してくつろぐことができます。そのため、ケージは家族が集うリビングなど、常に人の気配が感じられる場所に置いて安心させてあげましょう。
犬の専用スペースがある
ひとりぼっちになると不安になる犬ですが、人間同様、自分だけのパーソナルスペースでくつろぐ時間も必要です。ケージやサークル、クレートなどを利用して、犬が落ち着ける場所を作ってあげましょう。
ペットホテルや病院に預ける際なども、日常的にケージやサークルを使っていると馴染みやすくなります。犬の体格に合わせて、ゆったりとくつろげるサイズのものを選んでください。小型犬ならば、子ども用のティーピーテントなどを利用するのもおすすめです。
犬にとって快適なレイアウトをつくるポイント

ケージやサークルの位置
ケージやサークルは、人の気配を感じられる場所に置くほうがよいとお伝えしましたが、実際にレイアウトするとなると、どのような場所がよいのでしょう。
人の動線から離れた場所
リビングは人の気配を感じられるものの、頻繁にウロウロする場所にケージを置くと、人が動くたびに犬の視界に入って落ち着いてくつろげません。ドア付近など生活動線は避けて、できるだけ静かな場所を選んであげましょう。
窓や玄関付近は避ける
直射日光があたる窓際は避けましょう。日光浴は必要ですが、長時間直射日光を浴び続けると熱中症になることがあります。また、皮膚が弱い犬種の場合、皮膚炎や皮膚がんにかかる危険性も高まりますので、朝夕問わず直射日光に直接当たらない場所にケージを設置してください。また、犬は耳がいいため玄関や窓から外の音が聞こえると落ち着きません。
トイレの位置
トイレはケージのなかに置いてもよいのか、それとも別の場所に設けるべきなのか。犬が落ち着いて排泄できる場所についても考えておきましょう。
人の動線から離れた場所
犬のトイレの設置場所でオススメなのがリビングです。リビングにトイレを置いておくと、家族の目に留まりやすく、すぐに掃除をすることができます。ただし、ドアの近くなど人の出入りが激しい場所だと、落ち着いて排泄することができません。
壁に寄せた場所など少し隠れたところに設置してあげましょう。階段の下のデッドスペースなどを活用するのもいいですね。デザイン性のあるパーテーション(パーティション)をつけると、おしっこの飛び跳ねを防止するととともにインテリアとも馴染みます。
ケージやサークルから離れた場所
犬はとてもキレイ好きです。寝床を清潔に保つためにも、トイレはケージやサークルから離して設置したほうが好ましいでしょう。スペースの問題などでケージのなかにトイレを置く場合は、通常よりも広めのケージを選んでください。子犬の頃は自分のフンを食べてしまうこともあり、癖がついてしまうと成犬になっても治りづらいです。そういった意味でも、できればトイレはケージやサークルの外に置きましょう。
犬とおしゃれに暮らすインテリア事例
犬を飼っていると、誤飲や誤食を防ぐために部屋のなかをいつも清潔に保とうとするようになります。そのため、自然とシンプルで厳選したモノに囲まれた暮らしができそうです。これからご紹介する実際に犬を飼っている人たちの部屋を参考に、犬と一緒に快適に過ごすための部屋づくりのヒントにしてください。
【1K】一人暮らしの場合
一人暮らしの場合、部屋の間取りはワンルームや1Kが多いかもしれません。他の条件を譲歩してでも、なるべく面積が広めの部屋を選ぶことをおすすめします。できれば、キッチンと部屋はしっかりと分かれているほうが望ましいでしょう。

こちらのお部屋は、犬が室内でもたっぷり遊べるよう、床の上にものを置かずにすっきりとさせているのがポイントです。おしゃれな突っ張り金具を使って木の板や有孔ボードを設置して見せる収納にしたり、天井近くに棚を作って犬の届かない場所に収納したり、上手にDIYして床に物を置いていません。見せる収納にすると買うものを厳選するようになり、無駄な買い物もなくなりそうですね。
【1LDK】二人暮らしの場合
二人暮らしならば、どちらかが仕事で出張があったときや病気のときなどにも、どちらかが犬の世話をできるので安心です。1LDKの間取りはリビング・ダイニング・キッチンと寝室が分かれているので、愛犬も人も快適に過ごせそうです。

2人暮らしのこちらのお部屋は、リビングにほとんどものがなくて、とてもスッキリしています。床もぴかぴかに掃除されていて、愛犬の誤飲・誤食の心配もなさそうです。ローソファは圧迫感がなく、部屋を広々と見せてくれますし、犬のくつろぎスペースにもなります。
ケージの代わりにテントを置いて、犬専用のパーソナルスペースを作ってあげているのもいいですね。
まとめ
いかがでしたか? 実際に犬を飼っている人のお部屋を見ると、イメージが湧いてきたのではないでしょうか。毎朝、目が覚めたら愛犬がそばにいる生活は、とっても楽しいものです。
ただ、きちんと犬が安心して過ごせるよう部屋を整えておかないと、愛犬を思わぬトラブルに巻き込んでしまいます。本記事を参考に、犬も人も安心して楽しく過ごせる快適な部屋を作りましょう。
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