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猫をマンションで飼う前に!飼育のポイントや気をつけておくべきこと

日本における猫と犬の新規飼育頭数は、コロナ禍前の2019年に比べて2020年・2021年と増加傾向にあります。特に猫の需要は年々高まっており、猫を飼ってみたい、または飼うことを検討しているという人は多いのではないでしょうか。本記事では猫をマンションで飼うことができるのか、できるとしたら何に注意する必要があるのか、わかりやすく解説します。

参考:一般社団法人ペットフード協会
2021年(令和3年)全国犬猫飼育実態調査 結果(PDF)

マンションで猫は飼える?

一部条件でNGというケースもありますが、ペット可(相談可)物件やペット共生型物件なら猫を飼うことができます。逆に、どんなに猫にとって暮らしやすい環境が整っていたしても、ペット不可物件では飼うことができません。現在住んでいる物件がペット不可の物件であれば、飼うことをあきらめる、もしくはペットが飼えるお部屋へ引越す必要があります。隠れて飼うことは厳禁ですので、絶対にやめましょう。

猫はマンションで飼いやすい?

犬と比べると、猫はマンションでも飼いやすいペットといえるでしょう。その具体的な理由について、猫を飼う際に気をつけたいポイントと共にご紹介します。

飼いやすいポイント

散歩の必要がない

犬は運動不足の解消などを目的としてお散歩しますが、猫は基本的にお散歩が不要です。キャットタワーなど、室内に上下運動ができる環境があれば問題なく、完全室内飼育ができます。お散歩は一定の時間を求められるので、散歩の必要がないだけで飼いやすいと感じる方は多いでしょう。

お留守番が得意

猫は犬と比べて、「散歩の必要がない」「トイレの粗相が起こりづらい」「置き餌を一気食いしてしまうリスクが低い」ため、比較的お留守番させやすいといわれています。犬と違い集団行動をする生き物ではないため、単独でのお留守番も不安を感じにくいそう。もちろん個体差があるので、飼い猫の性格を把握して少しずつお留守番の練習をすることが大切です。

鳴き声が小さい

猫は鳴くことはあっても、犬のように吠えることはありません。鳴き声も犬に比べて小さいため、マンションで飼っても近隣トラブルにつながるリスクは低いといえるでしょう。ただし、発情期のメスは独特な大きな声を出すことがあります。乳腺腫瘍などの病気予防の意味でも、避妊や去勢手術を受けるようにしましょう。

サイズが小さい

一般的な猫は、中型犬や大型犬のように大きくなることはありません。体重は重くて6~8kg程度、通常なら3~5kgほどです。そのため、狭いアパートやマンションでも飼いやすいという特徴があります。

気を付けたいポイント

壁や床、家具にキズがつく

猫は爪とぎの習性があるので、壁や家具などにキズがつくおそれがあります。爪とぎはストレス発散にもなるため、猫の爪とぎをやめさせることは難しいでしょう。爪とぎをする専用の場所を設け、ここが爪とぎの場所であることを教えてあげれば、壁や家具などで爪とぎをしてしまうリスクは減るでしょう。

トイレのにおいが強い

猫には体臭がほとんどありませんが、その代わりにトイレのにおいが強いといわれています。そのため、トイレをこまめに掃除して、においが部屋に移らないよう工夫することが大切です。猫は比較的きれい好きな動物なので、トイレのしつけができていれば粗相することは少ないでしょう。飼い始めたタイミングで、しっかりトイレのしつけをおこなってください。

抜け毛や吐しゃ物などの掃除の必要あり

猫は自ら毛づくろいする際、抜け毛を飲み込んでしまうことがあります。少しの量であれば便と一緒に排出されますが、毛の生え代わる季節など抜け毛が多い場合は、胃や腸のなかで固まって毛玉を口から吐き出すことがあるでしょう。そのため、抜け毛や吐しゃ物の掃除もこまめにおこなう必要があります。

猫は散歩が必要ない、犬に比べて鳴き声が小さい、そして体格が小柄なので狭い部屋でもあまり場所を取らないなど、マンションでも飼いやすい特徴があります。ただし、爪とぎの習性があるため壁や家具などを傷つけたり、トイレのにおいが強いのでこまめな掃除が必要だったり、飲み込んだ毛を吐き出すことがあるなど注意すべきこともあります。初めて猫を飼うなら、いざ飼ってから失敗しないよう、事前にいくつかのポイントを確認しておきましょう

猫を飼う前に確認すべき5つのポイント

猫を飼いたいなら、あらかじめ以下5つのポイントについて問題ないか確認しておきましょう。

猫アレルギーの人はいないか

自分を含めた同居者のなかに猫アレルギーの人はいないか、アレルギー検査をして確認しておきましょう。もしアレルギーの人がいた場合は飼うことを諦めるか、猫と居住区を分けるなどの工夫が必要になります。アレルゲンを減らすための猫用の餌も販売されていますし、日々の掃除や猫のお手入れを定期的におこなうことや、空気清浄機でも部屋に舞うアレルゲン物質を軽減することはできます。アレルギーでも猫を飼うことができるか、医師と相談してみましょう。

毎日お世話ができるか

猫はきれい好きな動物なので、毎日のトイレ掃除やブラッシングなどのお世話が必要です。仕事が忙しくて猫の世話をする時間がないという人には、猫の飼育は難しいでしょう。または出張などでやむをえず長い間部屋を空けるという人は、その期間だけ自分の代わりにお世話をしてくれる人がいないか事前に確認しておきましょう。

飼育費や電気代を払えるか

餌代や予防接種費用、冷暖房費など、猫の飼育にはある程度のお金がかかります。具体的には、餌代なら月3,000円程度、3種混合の予防接種は1回につき3,000円から5,000円程度(子猫時に2回、2歳までは年に1回程度、2歳以降は3年に1度の間隔)、さらにトイレや爪とぎグッズ、ブラシ、ケージ、キャリーケース、おもちゃなども必要です。

また、猫が病気になったときは動物病院で診察を受けることになりますが、人間とは違って医療費は全額自己負担です。内容によっては、かなり大きな費用がかかるでしょう。任意で加入できるペット保険もありますが、月々の保険料がかかってきます。猫を飼うだけの経済力があるかどうかも考え、十分に検討しましょう。

部屋のスペースを確保できるか

猫は水平方向だけでなく垂直方向にも移動します。そのため、キャットタワーや高さの異なるケージ、キャットウォークといったアイテムを備えてあげましょう。運動不足やストレスの解消になります。最近では、壁を傷つけずに設置できるキャットタワーを自作する人も増えています。部屋の間取りや広さを確認し、どのようなアイテムを配置できるか考えておきましょう。

マンションで猫を飼育するための4つのポイント

マンションで猫が快適に暮らせるためポイントを、4つにまとめました。もし不足しているものがあれば、猫を飼う前に整えましょう。

猫が落ち着ける場所を確保する

猫は高い位置にある、狭い隠れ家のような場所を好みます。例えば、キャットタワーの上に設けられた、視線を遮ることのできる暗い空間などは猫のお気に入りです。窓際で、外の様子を眺めくつろぐことも多いです。こうした、猫にとって安心できる場所を確保できるよう工夫しましょう。

爪とぎの場所を教える

猫には爪とぎの習性があるので、所定の位置でするように教えましょう。爪とぎの場所がないと、壁紙や家具などで爪をといでしまうかもしれません。猫の爪とぎアイテムには種類があり、段ボールや布、麻などさまざま。猫によって好みの材質が異なるので、いろいろと試してあげるといいでしょう。

壁や床を保護する

猫はグルーミングした際に毛玉などを吐き出すことがあり、床面が汚れてしまうかもしれません。あらかじめクッションフロアなどを敷いておくと、掃除がしやすくなり手間がはぶけます。また、壁紙や家具などには、爪とぎ防止の保護シートなどを貼っておくと安心です。

トイレの場所を覚えさせる

猫はにおいを嗅いで、その場所がトイレだということを認識しています。飼い始めの頃には粗相してしまうかもしれませんが、便やおしっこなどをトイレの砂に混ぜてにおいを嗅がせ、そこがトイレであることを覚えさせるようしつけてください。トレーニングをすれば、すぐにトイレの場所を覚えてくれます。

ペット可物件に住もう!物件探しのコツ

猫を飼うためには、住まいがペット可物件であることが最低条件です。ペット不可物件で猫を飼うことは、さまざまなトラブルの原因になるのでやめましょう。ここでは、ペット可物件を探すコツについて解説します。

ペット可(相談可)物件は少ない?人気条件は妥協も視野に

ペット可(相談可)物件は、物件全体のわずか1、2割ほどしかありません※。猫相談可の物件は、さらに数が絞られます。そのため、「駅チカ」「築浅」などの条件を盛り込み過ぎると、物件が見つからないことも……。ある程度、お部屋の条件を緩めて探すことをおすすめします。

※2022年6月20時点で「不動産情報サイト アットホーム」に掲載されている、東京23区の賃貸居住用物件の数から算出

ペット可(相談可)物件でも猫はダメ?細則を確認しよう

ペット可(相談可)物件でも猫の飼育はダメだったり、ペットは一匹までだったりと細則が設けられていることがあります。そのため、契約する前に猫が飼えるか確認することが大切です。細則の内容がわかりにくいときは、管理会社や不動産会社の担当者に「この物件は猫を飼ってもいいですか?」と直接聞いてみましょう。また、ペット可(相談可)物件の多くは、敷金か礼金をプラス1カ月分多く支払うケースが多いです。予算オーバーにならないよう、こちらもあわせて確認しておきましょう。

低層階を検討しよう

マンションで猫を飼う場合、2階から5階の間が好ましいといわれています。1階だとほかの猫との縄張り意識が生じて、スプレーなどの問題行動を起こしてしまうかもしれません。また、5階以上の高層階になると、万が一転落したときのリスクが高まるほか、虫や鳥などが飛ばない空域になってしまい、動くものを観察して楽しむことができなくなってしまいます。

動物病院に近い物件を探そう

猫の体調が優れなそうなときや、ワクチン接触、去勢・避妊手術の際など、ペットを飼っていると何かと動物病院にお世話になることが多いです。動物病院が近くにないと、長い道のりを慣れないキャリーバッグで連れていくことも大変ですし、猫にとってもストレスになってしまいます。そうならないためにも、物件を探す際には近所に動物病院があるかどうかも確認しておきましょう。

まとめ

猫をマンションで飼う前に、あらかじめ知っておきたいポイントや注意点について解説しました。猫は散歩が必要なく、鳴き声も小さいのでマンションでも飼いやすい動物です。しかし、注意しないと壁や床、家具などを傷つけてしまう可能性があります。飼育する前に、まずはメリットとデメリットの両面を十分に理解しておきましょう。

また、猫を飼うとエサや電気代などの費用が発生するほか、家に猫が遊んだり寛いだりできる場所を確保しなければいけません。現在住んでいるマンションが猫を飼うのに適した環境なのか、本記事で取り上げた内容を参考にチェックしてみましょう。いざ猫を飼うと決まれば、爪とぎ場所の確保など猫が暮らすのに適した環境を整え、飼い始めからトイレなどのしつけに取り組んでください。

現在のマンションで猫を飼うことが難しければ、引越すのも一つの方法です。せっかく引越すなら、動物病院の近さなど飼育しやすい物件を探すとよいでしょう。ペット可(相談可)の物件は少ないため、希望条件を緩めてみるなど工夫しながら探すのがおすすめです。

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