【初心者向け】カブトムシの飼い方ガイド!飼育環境や注意点をわかりやすく解説

そこで、本記事ではカブトムシの飼い方について詳しくご説明します。
記事の目次
カブトムシはどんな生き物?
カブトムシはコガネムシ科に含まれる、コガネムシの仲間です。オスに大きなツノが生えているのが特徴で、日本にはヤマトカブトムシやコカブトムシなどの種類が生息しています。樹液を食べ、視力がなく夜行性です。
カブトムシの寿命
カブトムシの寿命は短く、個体差はあるものの、成虫になってから生きられるのは2~3カ月程度といわれています。
カブトムシの成長過程

カブトムシは卵から生まれ、卵からかえった幼虫は9~10カ月を土の中で過ごします。成長するとさなぎとなり、成虫となるタイミングで地上へ現れますが、そのあとはわずか2~3カ月で生涯を終えます。そのため、一生のほとんどを土の中で過ごす昆虫です。
カブトムシで人気のある種類
カブトムシにはコレクターも多く、とても人気な昆虫の一つです。過去には、ヘラクレスオオカブトが300万円で落札されたこともありました。以下に、国内で手に入りやすく人気のあるカブトムシについてご紹介します。
ヤマトカブトムシ

体長:オスは30~80mm
特長:体が大きくて角の長いオスが強く、オスは角を使って戦います。体調は赤茶色や黒色です。
分布:日本全土(沖縄には固有亜種のオキナワカブトも生息)
金額:500~600円程度
日本で「カブトムシ」と呼ばれるものは、基本的にこのヤマトカブトムシを示します。ペットショップやホームセンターなどでも販売されているので、誰でも手に入れやすいでしょう。
アトラスオオカブト

体長:100mm程度
特長:頭角と胸角で合計3本の角があり、気性の荒いカブトムシです。
分布:マレー半島やインドシナ半島を中心とした東南アジア
金額:1,000~5,000円程度
外国産のカブトムシとしては、比較的安価で手に入れることができます。気性が荒くケンカしやすいため、特に初心者は単独飼育がおすすめです。
ネプチューンオオカブト

体長:150mm程度
特長:体と同程度にもなる長い角があり、胸角の下にオレンジ色の毛が生えています。
分布:コロンビアやペルー、エクアドルといったアンデス山脈周辺の熱帯雨林
金額:1万円程度
大きな体に長い角を持ち、日本でも人気のある希少種です。大人しい性格で初心者にもおすすめですが、低温管理が必要となります。やや手間はかかりますが、ポイントさえおさえれば飼育することが可能です。
サタンオオカブト

体長:55~115mm程度
特長:光沢のある黒い体で、胸角に無数の毛が生えています。
分布:南米ボリビア
金額:2~3万円程度
希少価値が高く、過去には100万円以上で取引されたこともある高級種です。2年ほど幼虫として過ごすため、成虫になるまで育てるのは時間がかかります。
ヘラクレスオオカブト

体長:50~150mm程度
特長:世界でもっとも大きな種類で、胸角や前翅部が黄褐色です。寿命が長く1年以上も生きることがあります。
分布:中南米を中心として標高の高い場所に生息
金額:5~10万円程度
ギリシア神話の英雄「ヘラクレス」の名を持つ、世界でもっとも大きなカブトムシです。幼虫は安価に購入できますが、1年半以上を幼虫として過ごすため、初心者の飼育は少し難しいでしょう。
カブトムシの飼育に必要なもの

カブトムシを飼育するには、適した環境づくりが大切です。まずは基本的な用具として、飼育するにあたり以下のものを揃えましょう。
飼育ケース(虫かご)
飼育ケースは、カブトムシの家になります。体の大きさに応じて、余裕のある大き目なものを選びましょう。昆虫用のプラスチックケースのほか、水槽で代用することも可能です。なお、カブトムシは飛ぶことができるため、必ず蓋のあるケースを使用してください。
昆虫マット
朽ち木が粉状に砕かれたものです。市販されている昆虫マットか、昆虫腐葉土を用意しましょう。園芸用の腐葉土もありますが、使用する場合には農薬が使われていないものを選んでください。
エサ(昆虫ゼリー)
カブトムシのエサには、市販の昆虫ゼリーを用いるのが一般的です。栄養バランスを考えて開発されており、価格も安く購入できます。ただし、種類によっては昆虫ゼリーが適さない場合もあるので、飼育するカブトムシによっては注意が必要です。
エサ台
カブトムシがひっくり返すなどしてゼリーなどのエサがこぼれるのを防ぐため、できるだけエサ台を使用しましょう。ある程度の大きさがあるものなら、後述する登り木としての役割も担ってくれます。
朽ち木、樹皮
飼育ケースの中には、朽ち木や樹皮を敷き詰めましょう。幼虫にとってはエサになりますし、成虫となった後はカブトムシにとって布団の代わりになります。なお、山や森、公園などで拾う人もいますが、害虫が棲みついている可能性があるので市販のものがおすすめです。
登り木
カブトムシがひっくり返った際には、つかまれる木があると起き上がりやすくなります。また、自然に生きるのと同じように登ったり、隠れたりするのにも、登り木があるとカブトムシが過ごしやすくなります。
霧吹き
カブトムシは乾燥を好まないため、元気に過ごすためには適度な湿度が求められます。ただし、水浸しになっていたり、結露していたりする環境は逆効果です。霧吹きを使い、昆虫マットが乾かない程度の状態を保ちましょう。
カブトムシを飼うのに必要な費用
カブトムシを飼育するには、購入時と月々とで以下のような費用が必要です。
初期費用
- 生体価格(ペア):1,000円~10,000円程度
- 飼育ケース:2,000円~2000円程度
- 昆虫マット:300円程度
- エサ:500~1,000円程度(50個)
- エサ台:100~500円程度
- 朽ち木、樹皮:1,000円程度(5リットル)
- 登り木:200~1,000円程度
- 霧吹き:100円程度
生体価格は種類や大きさによって異なります。霧吹きやエサ台などは、100円均一ショップなどで探すこともできるでしょう。
月々にかかる費用
カブトムシを飼育し始めると、月々どのような費用がかかるのでしょうか。以下で、幼虫期と成虫期とに分けてご説明します。
幼虫期
幼虫は飼育ケースと幼虫用マット(20リットル程度)、そして霧吹きがあれば羽化させられるでしょう。飼育ケースと幼虫用マットは、いずれも1,000円ほどで購入できます。エサとなる腐葉土などはマットに含まれているため、その他に毎月発生する費用は特にありません。
成虫期
成虫になるとエサが必要です。昆虫ゼリーなら1日1個で十分なので、費用は月500円程度に収まるでしょう。このほか、毎月定期的に必要な費用は特にありません。昆虫マットは、汚れが目立つようになったら交換するとよいでしょう。
カブトムシに必要なお世話

カブトムシを飼育する際、気を付けたいお世話の方法をご説明します。
エサをきらさないようにする
エサの残量を確認し、切らさないようにしましょう。また、暑い時期はエサが悪くなりやすいため、たとえ残っていても必要に応じて早めに交換します。
飼育ケース内の湿度を一定に保つ
カブトムシは乾燥した環境が苦手なので、霧吹きなどを使って湿度を保ちましょう。マットの表面を確認し、乾かないよう定期的に湿らせてあげてください。
飼育ケース内の室温を一定に保つ
カブトムシはあまり暑さが得意でないため、25度以下を目安に室温を保ちましょう。特に30度を超える温度は、カブトムシにとって危険な環境です。直射日光を避け、できるだけ日陰など涼しい場所での飼育が適しています。
腐葉土やマットを交換する
腐葉土やマットの状態を確認し、汚れが目立つようなら交換しましょう。汚れたまま放置すると不衛生ですし、周囲へ臭いが及んできます。
カブトムシを飼う時の注意点
カブトムシを飼う際には、以下のような点に注意してください。
直射日光が当たらないようにする
飼育ケースの温度、あるいはカブトムシの体温が上がり過ぎないよう、直射日光の当たらない場所で飼育しましょう。
室外で飼わない
カブトムシは室内で飼育してください。室外ではダニやアリ、コバエなどが寄って来ることがあります。また、万が一ケースから逃げてしまった場合、室外だと見つけることは困難です。
スイカやメロンを与えるのを避ける
スイカやメロンを、カブトムシのエサとして与える人が少なくありません。しかし、これらは水分が多過ぎるため、身体を壊してしまう可能性があるので避けましょう。
一つのケースに複数のカブトムシを入れない
なかには気性の荒いカブトムシもいるため、同じケースで複数のカブトムシを飼育するケンカしてしまうかしれません。ケンカするとストレスになるほか、他のカブトムシが怪我する可能性があります。そのため、できるだけ一つのケースに複数のカブトムシを入れるのは避けましょう。
求愛時「キュウキュウ」音が鳴るので寝室から遠ざける
カブトムシは夜行性のため、夜間になると活発に動きます。特につがいで飼っている場合、求愛時には「キュウキュウ」という音がうるさく感じるかもしれません。音で起きてしまう可能性があるので、寝室からは離れた場所で飼育するのがおすすめです。一人暮らしであれば、玄関などに置くとよいでしょう。
カブトムシの産卵からさなぎの飼い方

飼っているカブトムシが産卵した場合、どうやって育てたらいいか分からずに慌ててしまう方は多いでしょう。産卵から幼虫になるまでの育て方を、以下にご説明します。
産卵(7月~8月)
カブトムシが産卵するピークは7~8月です。成虫になって2~3週間ほど経つと交尾を始めます。意図的に産卵させようという方は、オスとメスをケースへ1匹ずつ入れましょう。交尾後、1週間ほどで産卵が始まります。卵はひとつではなく1日に数個、数日かけて合計20~50個の卵が産まれます。
なお、産卵するのは腐葉土やマットの中です。メスのカブトムシが長く潜って過ごしているようなら、産卵している可能性があります。ただし、産卵後すぐ卵を探さないようにしましょう。手で触れた際、傷ついたり壊れたりしてしまう可能性があります。1カ月ほどすれば確認しても構いませんが、その後は再度、腐葉土やマットに穴をあけて埋め直してあげてください。
孵化(ふか)(8月~9月)
8~9月頃になると卵が孵化します。ここからの幼虫期が、カブトムシにとってもっとも長い期間です。生まれたばかりの幼虫は「1令」と呼ばれ、大きさは8~10mmほど。その後、腐葉土を食べて成長していきます。
脱皮・さなぎ(9月~6月)
カブトムシの幼虫は脱皮を繰り返しながら大きくなります。生まれて1週間ほど経つと脱皮して「2令」に、その後また3週間ほどで脱皮して「3令」になり、この頃には大きさも40mmほどになるでしょう。3令まで育ったら、そのまま土の中で冬を過ごします。翌年春には100mm前後に成長し、さらに脱皮してさなぎになります。
ペット不可の物件でもカブトムシは飼える?
犬や猫などと違い、昆虫くらいならペット不可の物件でも、黙って飼育できると思われる方がいるかもしれません。しかし、カブトムシは夜行性のため、夜に活動する音が近隣に聞こえて迷惑になる可能性があります。そのため、カブトムシを飼育したいなら、事前に大家さんや管理会社へ確認しておいた方がよいでしょう。また、引越しを機にカブトムシを飼うのなら、あらかじめペット可の物件を探し、不動産会社へ確認しておくと安心です。
まとめ
カブトムシの飼い方について、詳しく解説しました。カブトムシは種類によりますが、初心者でも飼いやすい昆虫です。ペットショップやホームセンターなどで安価に売っている種類もありますし、飼育にもさほどお金がかかりません。ただし、直射日光を避けるなど注意点がありますので、本記事を参考にしながら飼い始めてみてはいかがでしょうか。
ただし、ペット不可の物件に住んでいる場合は、黙って飼わず事前に大家さんや不動産会社に確認してください。夜に活動する音がうるさく、近隣の迷惑となってトラブルにつながることも考えられます。これから引越してカブトムシを飼おうと検討している方は、あらかじめペット可の物件を選び、不動産会社に確認してから住み始めるのがおすすめです。
物件を探す