このページの一番上へ

引越し荷造りが終わらないとどうなる?間に合わないときの対処法や荷造りのコツを解説

引越しは、思っている以上に大変なものです。物件が決まれば、あとは荷物を運ぶだけというわけではありません。不用品の処分、電気・ガス・水道など生活インフラの利用停止手続きや転出・転入届の提出など、やるべきことは山ほどあります。そのため、仕事や育児など、普段の生活と並行して進めるのは難しいかもしれません。特に、引越しの荷造りが思ったように進まず、引越し当日まで準備が終わらなくて困ったという声もよく聞かれます。
では、もし引越しまでに荷造りを終えられなかった場合どのように対処すればよいのでしょうか。本記事で、そのような事態を招かないための荷造りのコツと共に詳しく解説します。

記事の目次

引越しの準備が終わらないとどうなる?

引越しの荷造りが終わらないとどうなる?

まずは、引越しの準備が終わらなかった場合、どのような状況になるのか確認しておきましょう。

梱包費用が追加請求される

まず考えられるのは、引越し会社が梱包を手伝うというパターンです。この場合、梱包作業分の費用を追加で請求されることもあります。
引越し会社の担当者は、1日で複数の引越し案件を抱えていることが多くなっています。それぞれの所要時間を見込んでスケジュールを組んでいるため、悠長に待っていることはできません。手伝ってもらった分の作業代を支払うとしても、迷惑がかかることは理解しておきましょう。

引越し自体がキャンセルになる可能性がある

場合によっては、引越しそのものがキャンセルになることもあります。それは、国土交通省が定める「標準引越運送約款(ひょうじゅんひっこしうんそうやっかん)」で示されるとおり、荷造りは転居する本人の義務であるためです。そのため、引越し作業が始まるときまでに荷造りが完了していないのは、利用者側の違反となります。引越し会社は、引越し作業そのものを拒否してよいとされているのです。

運送会社を再手配することになる

引越しの際には大家さん、あるいは管理会社との間で、あらかじめ退去日が決められているでしょう。そのため、引越し会社に運搬を拒否されたからといって、荷物を運び出さないわけにはいきません。退去日まで少し猶予がある場合は、改めて引越し会社を手配することになります。

自力で運ぶことになる

改めて引越し会社を手配するにしても、すぐに対応してくれるところが見つかるとは限りません。特に引越しのニーズが増える3月~4月や9月~10月は、当日から近日中に予約を取り付けるのは難しいでしょう。そうなると、自力で荷物を運ぶしかなくなります。

【残りの日数別】引越しの荷造りが終わらないときの対処法は?

引越しの荷造りが終わらないときの対処法は?

引越し会社へ依頼している以上、準備が終わらないまま約束の日時を迎えるのはマナー違反です。事前に間に合わないことが想定されるのであれば、必要な対処をおこなわなければなりません。ここからは、引越し当日までの日数別に、荷造りが終わらないときの具体的な対処法を紹介します。

引越し当日まで3日以上ある場合

引越し当日まで3日以上あるときは、次の3つのいずれかで対処するのがおすすめです。

引越し会社へ日程変更の相談をする

1つ目は、引越し会社へ日程変更の相談をするという対処法です。標準引越運送約款では、解約手数料または延期手数料は、引越しの2日前から発生するものと定められています。そのため、引越し当日まで3日以上ある場合は、基本的にキャンセル料が発生しません。

引越し会社の荷造り代行サービスを利用する

2つ目は、引越し会社の荷造り代行サービスを利用するという方法です。引越しの日程変更を相談した場合、例えキャンセル料が発生しなくとも、希望する日時へ変更できるかは分かりません。しかし、荷造りのための増員であれば可能かもしれません。

家族や友人に手伝ってもらう

荷造りのサポートが難しかったり、引越し会社の中には荷造りや梱包に対応していなかったりする場合もあります。その際は、家族や親しい友人に手伝ってもらうのも一つの方法です。インテリア小物や食器など、あまりプライバシーに踏み込まないものを中心に手伝ってもらいましょう。

引越し2日前~当日の場合

引越し当日まで2日以下となったら、いよいよ時間との戦いです。次の方法でなんとか乗り切りましょう。

必ずやらなければならないことを優先する

引越しのときは家具や小物の埃が気になったり、不用品を仕分けたくなったりするかもしれません。しかし、引越し当日が近づいたら、すべておこなうのはあきらめましょう。例えば冷蔵庫や洗濯機の水抜きなど、必ずおこなわなければならないことから着手し、優先順位を考えて作業を進めてください。

荷物を細かく仕分けせず段ボールへ入れる

荷物を細かく仕分けるのは時間がかかるため、猶予がなくなったら片っ端から段ボールへ入れていきます。荷物の整理は後回しにして、新居に引越してからおこないましょう。

不要なものは引越し会社に引き取ってもらう

引越しで不要なものが出たら、リサイクルショップで買い取りをしてもらおうと考える方がいるかもしれません。しかし、引越し会社に引き取ってもらう方法もあります。引き取り料金を支払うことにはなりますが、売ってお金にするより、荷造りを間に合わせることのほうが大切です。

引越し後に宅配便で運んでもらう

そこまで大きなものでなければ、引越し会社に荷物を搬出してもらった後、自分で段ボールへ詰めて宅配便で送ることも可能です。

自力で運ぶ

自家用車があるなら、新居と旧居を往復して自力で運ぶという方法もあります。

引越しの荷造りはいつから準備する?

引越しの荷造りはいつから始めるの?

引越しの荷造りをスムーズに完了させるには、どのようなスケジュールで進めるのがよいのでしょうか。ここからは、引越しの荷造りを進める理想的なステップを紹介します。

引越し荷造りにかかる時間の目安

一般的に引越しの荷造りには、単身なら1週間〜2週間、家族の場合は2週間~3週間ほどかかるといわれています。ただし、これはあくまで目安です。もともと荷物が多い方や荷造りにあまり時間を割けない方は、さらに日数を要するでしょう。また、住んでいる家が広ければ、それだけ荷造りの手間も増えます。
また、何人で荷造りするのかでも時間は変わるでしょう。荷造りが長引きそうだと思うのであれば、1日でも早く準備を始めることが大切です。

理想的なスケジュール

引越しの準備における理想的なスケジュールは、次のとおりです。

1カ月前

1カ月前になったら、まずは持っていくものと買い替えるものに分けてリストアップしましょう。なぜなら、何を持って行くかによって、引越し会社の作業内容が変わるためです。そのため、リストが完成してから引越し会社に見積もりを出してもらいます。また、買い替えるものは入居日に合わせて配送・設置してもらえるよう、購入を進めましょう。

3週間前

3週間前になったら、不用品の処分に取りかかりましょう。不要品は捨てるのではなく、フリマアプリなどを活用することでお得に処分ができるのでおすすめです。

2週間前

遅くとも2週間前には、荷造りを開始してください。まずは、梱包に必要な道具や資材を揃えることから始めましょう。具体的に必要なものについては、後ほど詳しく紹介します。

1週間前

1週間前になったら、引越し当日までに使わないものをすべて梱包しましょう。残りの1週間で少しずつ進めようと思っても、仕事や家事など普段の生活と並行しておこなうのは難しいものです。客間や寝室の奥など、梱包済みの荷物を置くスペースを確保します。引越し会社がスムーズに運び出せるよう、動線をイメージしながら荷造りを進めてください。

引越し前日

引越し前日には、当日使うものを除きすべての荷造りを済ませます。同時に、家電の運搬準備をおこないましょう。冷蔵庫は中身を空にするだけでなく、水抜きも必要です。そして、電源を落としたら、ケーブル類を掃除してまとめておきましょう。荷物を搬出した後にチリや埃が出るため、掃除機や掃除道具は最後に梱包します。

引越し当日

引越し当日は、荷造りの最終チェックをおこないます。棚の奥に小物が残っていないか、部屋の隅に落としものがないかなど、しっかり確認しましょう。忘れがちなのがカーテンと照明です。これらも、運ぶには段ボールに梱包しなくてはいけません。

引越しに必要な道具・資材

引越しの荷造りをする際は、次のものを揃えましょう。

  • 段ボール
    段ボールは、ホームセンターなどで購入できますが、スーパーやドラッグストアへ行くと譲ってもらえるお店もあります。

  • ガムテープ
    ガムテープは、できれば布タイプを用意しましょう。紙テープより強度があり、剥がれにくいのがポイントです。

  • 新聞紙や緩衝材
    食器などの割れものを包む際、新聞紙や緩衝材が必要になります。タオルや衣類でも代用可能です。

  • ハサミ・カッター
    段ボールや緩衝材をカットする際には、ハサミやカッターを使います。

  • 油性マジック
    段ボールに封をしたら、荷物の内容や新居での搬入先を記載します。そのとき、油性マジックが必要です。水性でも書けますが、ガムテープに書くとはじいてしまうので油性タイプがおすすめです。

  • ビニール袋
    ビニール袋は、ゴミや小物をまとめるのに便利です。

自分で家具の分解や組み立てをおこなう際は、ドライバーも必要になります。また、引越し作業中は思わぬところで手を傷つけてしまうことがあるため、軍手もあるといいでしょう。結束バンドや輪ゴムも、ケーブル類をまとめるのに役立ちます。

引越しの荷造りする際のコツやポイント

引越しの荷造りのコツやポイントをご紹介します

この章では、荷造りのコツとポイントを紹介します。

引越しに必要な用具は事前に揃えておく

荷造りは、期間を設定して集中しておこなうほうが効率がよいでしょう。荷物の整理や梱包作業に必要な道具や資材は、事前にひととおり揃えておきましょう。

日常で使用しないものから梱包する

梱包は、日常生活であまり使わないものから着手しましょう。梱包した後で「やっぱり必要だった」と、段ボールを開封して探すのはとても大変です。引越し作業が終わるまで使わないかどうか、しっかり確認した上で作業を進めましょう。

部屋・カテゴリーごとに分けて梱包する

新居での荷解きを想定して荷造りをするのも、引越し作業をスムーズに進めるポイントです。新居のどの部屋で使うものなのかを考え、分けて梱包してください。例えばキッチン関連のアイテムでも、食器と調理器具を別にするなどカテゴリー別で分けておくのがおすすめです。

重いものは小さめの箱に入れる

スムーズに運搬できるよう、重いものは小さめの箱に入れましょう。大きい箱だと持ちにくいだけでなく、底が抜けてしまう可能性があります。

ハンガーボックスや衣装ケースを使用する

ハンガーボックスや衣装ケースは積極的に使いましょう。ハンガーボックスは、ハンガーにかかった状態のまま洋服を出し入れするだけなので、荷造りはもちろん荷解きも楽になります。一般的には衣装ケースも、中に入っているのが衣類であれば、中身が出ないよう引き出しを固定するだけでそのまま運んでもらえます。

引越しの荷造りをする際の注意点

引越しの荷造りをする際の注意点とは?

ここからは、引越しの荷造りをする際の注意点について解説します。

不用品は早めに処分する

不用品は、すぐに処分できるとは限りません。ものが少ない方が引越し作業そのものもスムーズに進みますし、もう使うことがないとわかった時点で対応するとよいでしょう。不用品の処分方法は、大きく次の4つに分けられます。

粗大ごみ

不用品を粗大ごみとして出す場合は、自治体の粗大ごみ回収サービスを利用します。受付センターに回収を申し込み、指示に従って適切に処分しましょう。

不用品回収サービス

手間を省きたい方には、不用品回収サービスがおすすめです。特に、高級家具や本などは査定対象となることが少なくありません。買い取ってもらえるものがあれば、回収・処分の費用から差し引いてくれることもあります。しかし、基本的には高額な処分料金がかかるものだと認識しておきましょう。

リサイクル

必ずリサイクルできるとは限りませんが、リサイクルショップに持ち込んだりネットオークションに出品したりして買い取ってもらうのもいいでしょう。誰かに使ってもらえれば無駄になりませんし、買い取りでお金も受け取れます。

譲渡

不用なものを知人や友人など、誰かに譲渡するという方法もあります。第三者を介さないので、余分な手続きがなく手っ取り早く処分ができるでしょう。

重要書類や貴重品の管理に気を付ける

重要書類や貴重品など、万が一紛失して困るものは管理に気をつけましょう。これらのものは、できる限り自分で運ぶのがおすすめです。

家電の配線を整理する

家電の配線は、輪ゴムなどを使ってコンパクトにまとめましょう。伸びたままで運ぶと、引っかかって破損する恐れがあります。また、接続を外す前の状態を撮影したり、ケーブルと差し込み口に同じ番号を付けたりすると、新居で迷わず元通りに繋げられるでしょう。

家電の水抜きをする

冷蔵庫と洗濯機は、あらかじめ水抜きしなければなりません。忘れがちな作業ですが、運搬中に水が漏れると周囲のものが濡れてしまいますし、故障の原因にもなるので注意しましょう。

引越し作業のモチベーションのあげ方

引越し作業中のモチベーションのあげ方についてご紹介します

引越し作業がなかなかスムーズに進まないときは、やる気を高める工夫をしましょう。例えば、以下のように小さなゴールを設定する方法があります。

  • 今日はクローゼットの服だけ片付ける
  • 本棚を半分だけ整理する など

やるべきことを細かく区切って毎日少しずつ進めるようにすると、気持ちが楽になるかもしれません。
また、作業中に好きな音楽をかけたり、気分の上がるアロマを炊いたりするのもモチベーションアップに繋がります。長時間かけてじっくり作業するときは、「半分終わったらお菓子を食べる」など、休憩とプチご褒美を組み合わせるのも有効です。
作業そのものに目を向けると、あまり気分が上がらないかもしれません。しかし、大変なのは少しの間だけです。引越し作業が終われば、新しい部屋での暮らしが待っています。そんなポジティブなイメージを持ちながら作業を進めると、きっとモチベーションを維持しやすくなるはずです。

まとめ

引越しの荷造りが終わらないと追加費用が発生したり、最悪の場合は引越しそのものをキャンセルされるリスクがあります。余裕を持って終えられるよう、荷造りは早めに始めることが大切です。単身なら1週間〜2週間前、家族の場合は2週間~3週間前を目安に、荷物の梱包に着手しましょう。
荷造りをする際は事前に道具や資材を準備し、日常生活で使わないものから梱包していきます。また、新居のどの部屋に運ぶものかをイメージしながら進めると、引越し先での荷解きが楽になるのでおすすめです。本記事の内容を参考に、手順に従って効率よく、モチベーションを維持しながら、引越しに間に合うよう荷造りを進めてください。

執筆者

フジタミホ

企画編集・ライター・ブックライター/野菜ソムリエ

企画編集として15年以上経験を積み、現在は主にフリーライターとして活動。得意なジャンルは暮らしと食。“情報過多迷子”を救うべく、日常に取り入れたくなるわかりやすい情報発信に努める。趣味は水泳と太鼓。太鼓のプロ集団に入ることを目標に、娘とともに切磋琢磨中。

関連する記事を見る
引越し時に、食器や花瓶など割れモノをしっかり梱包しておかないと輸送中に破損することも。この記事では食器の種類ごとに梱包方法を紹介。刃物の取り扱いやダンボールへ詰める時の注意点など、梱包作業の参考にしてください!
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る