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不動産投資が「やめとけ」と言われる理由|向いていない人と成功のポイントを解説

不動産投資が「やめておけ」と言われる理由や成功させるためのポイントを解説します
「不動産投資はやめたほうがいい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。不動産投資にはリスクがともなうため、慎重になるのは当然です。しかし、理由を理解して適切に対応すれば、不動産投資を成功させられる可能性は高いでしょう。また、自分が不動産投資に向いているのかどうかを知ることも重要なポイントです。

本記事では、「不動産投資はやめておけ」と言われる理由、不動産投資に向いていない人の特徴、成功するためのポイントを詳しく解説します。

記事の目次

なぜ不動産投資は「やめとけ」と言われるのか

なぜ不動産投資は「やめとけ」と言われるのかを解説します
なぜ不動産投資は「やめておけ」と言われるのかを解説します

不動産投資を検討する際、「やめておいたほうがいい」と助言されることがあります。なぜ「やめておけ」と言われるのでしょうか。その理由は、リスクの大きさや将来的な不確実性があるためです。

しかし、否定的な意見をしっかりと理解し、リスクへの備えを万全にすることで、不動産投資の成功率をより高められるでしょう。ここでは、なぜ不動産投資は「やめておけ」と言われるのかを解説します。

空室や家賃滞納で収入が途絶えるリスクがある

不動産投資の主な収益源は家賃収入ですが、空室が続いたり、入居者が家賃を滞納したりすると、収入が安定しないリスクがあります。特に、投資用ローンを組んで物件を購入している場合、家賃収入を見込めない状況が長引けば、管理費やローン返済が大きな負担となり、経営が難しくなることも考えられます。

このようなリスクを軽減するためには、空室リスクが低いエリアの物件を選ぶことが重要なポイント。例えば、駅の近くや大学、ビジネス街の周辺など、需要が安定している立地を選べば、空室期間を短く抑えられる可能性が高まります。

また、家賃滞納のリスクを抑えるために、入居審査を厳格におこなったり、保証会社を利用するなどの対策も有効です。さらに、万が一のために余裕資金を確保しておくことで、空室や家賃滞納が発生しても、経営への影響は少なく済むでしょう。

経年劣化による高額な修繕費用のリスクがある

不動産は築年数が経過するにつれて老朽化し、維持管理にかかるコストが増加します。特に外壁や屋根、防水設備、エレベーターなどの修繕費用は、築年数が20年、30年と経過するごとに大きくなる傾向にあります。また、設備が古くなると、入居者が敬遠しやすくなり、空室率の上昇にもつながる可能性も。

特に古い物件の場合、定期的なメンテナンスを怠ると、突発的な修繕費用が発生するリスクも高まります。例えば、水回りの配管が劣化し、漏水事故が起きると、修理費用だけでなく、入居者への補償なども発生する場合があります。

そのため、少なくとも年に1回は給排水設備や電気配線の点検をおこない、必要に応じてメンテナンスを実施することが重要です。こうした予防的な対策を取ることで、大規模な修繕費用を抑え、安定した不動産経営が可能となるでしょう。

税金や管理費による収益の減少リスクがある

不動産投資では、家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。固定資産税や都市計画税などの税金、建物の管理費、修繕積立金、ローンの返済費など、さまざまな支出が発生します。特に、物件の管理を不動産管理会社に委託する場合、管理手数料がかかるため、収益がさらに圧縮されることになります。

これらの費用を考慮せずに不動産投資を始めてしまうと、家賃収入があっても手元に残る利益がほとんどない状況に陥るでしょう。そのため、事前に年間の維持費や必要経費をしっかり計算し、十分な利益を見込めるかどうかを確認することが重要です。また、長期的な経営を視野に入れ、収益が安定するまでの資金計画をしっかり立てることも大切です。

不動産会社によるトラブルのリスクがある

不動産投資を始める際は、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。しかし、すべての不動産会社が投資家の利益を最優先に考えてくれるとは限りません。なかには、自社の利益を優先し、売れ残った物件や収益性の低い物件を強引に勧めてくるケースもあります。

このようなリスクを回避するためには、複数の不動産会社と相談し、異なる視点から情報を得ることが大切です。また、自身でも不動産投資に関する知識を身につけ、物件の収益性や市場動向を客観的に判断できるようになりましょう。書籍を読んだり、セミナーに参加したりして、基礎知識を学ぶことで、不利な契約を結ぶリスクを減らせます。

事故や災害による不動産価値の下落リスクがある

不動産投資では、物件に事故や災害が発生すると、その価値が大きく下がるリスクがあります。例えば、入居者が室内で死亡した場合や、事件・事故が発生した場合、その物件は「事故物件」として認識され、新しい入居者を見つけることが困難になります。これらの理由から、賃料を引き下げざるをえなくなり、収益が大幅に減少する可能性も。

また、日本は自然災害が多い国であり、地震や台風、洪水などの影響を受けやすい地域では、建物が損壊するリスクも。仮に建物が損壊してしまった場合、その間の家賃収入はゼロになるだけでなく、修繕工事の費用もかかります。

こういったリスクを軽減するために、火災保険や地震保険に加入し、適切な補償を受けられるよう準備しておくことが重要です。保険の内容をよく確認し、必要に応じて追加補償もつけておき、万が一の事態に備えましょう。

節税目的の投資による損失リスクがある

不動産投資を節税対策として始めるケースもありますが、必ずしも節税効果を得られるとは限りません。特に、課税所得が900万円以下の投資家の場合、節税効果は限定的です。不動産投資には、固定資産税や修繕費用、管理費などの経費がかかるため、税金を抑えたつもりが、トータルで見ると赤字になることも少なくありません。

また、長期的に見る場合、不動産売却時の譲渡所得税も考慮する必要があります。取得から6年を超えて売却する場合、譲渡所得税率は約20%ですが、所得税や住民税と比較すると、それほど大きな節税効果は期待できません。

そのため、不動産投資をおこなう際は、節税だけを目的とするのではなく、収益性や資産価値を慎重に見極めたうえで判断することが重要です。

ローン返済が滞るリスクがある

多くの方が投資用ローンを組んで不動産投資を始めますが、将来にわたって安定的に返済できる保証はありません。ローン返済が難しくなる可能性もあることから、「やめておけ」と助言されることもあります。

例えば、空室期間が想定より長引いたり、周辺に競合物件が増えたりして家賃を引き下げざるをえない状況になると、収入が減少し、ローンの返済が厳しくなる可能性があります。一時的には貯蓄や給与で補填できたとしても、長期間にわたって負担が続くと、経済的な余裕がなくなってしまうことも。

また、現時点では順調に経営できていても、10年後や20年後には市場環境が大きく変わることもあります。将来的なリスクを見越した資金計画を立てることが重要です。

相談を受けた人が相談者を心配している

不動産投資の相談を受けた人が「やめておけ」と助言する背景には、失敗して負債を負ってほしくないという心理もあるでしょう。特に不動産投資を経験したことがない人ほど、不動産投資に対して消極的な意見を述べる人も少なくありません。すでに不動産投資をしている人であれば、具体的なアドバイスをくれることもあります。経験者だからこその否定的な意見が出ることもあるでしょう。

そのため、引き留められた際には、その人の経験や背景を考慮し、冷静に判断する必要があります。

不動産投資を避けたほうがいい人とは?失敗しやすい人の特徴

不動産投資を避けたほうがいい人の特徴を解説します
不動産投資を避けたほうがいい人の特徴を解説します

不動産投資は魅力的な資産運用方法の一つですが、誰にでも向いているわけではありません。特に、適切な知識や準備がないまま始めると、大きな損失を招く可能性があります。以下のような特徴に当てはまる方は、不動産投資を慎重に考えたほうがよいでしょう。

自己資金が少なく、ローンだけで物件を購入しようとしている人

自己資金がほとんどなく、投資用ローンを利用して不動産を購入しようと考えている方は、投資には不向きです。なぜなら、十分な貯蓄がなければ、そもそも金融機関の融資審査に通らない可能性が高いためです。

また、仮に審査に通ったとしても、月々のローン返済が重い負担となり、予期せぬトラブルに対応できなくなる危険性があります。金融機関による融資の審査基準は公開されていません。しかし、一般的には収入の安定性、頭金の有無、信用情報、職業などが重視されます。投資用ローンを組む際には、物件価格の10%〜30%程度の自己資金を準備しておくことで、審査に通りやすくなるでしょう。

すべての資金をローンに依存して投資を始めると、空室が続いた場合や家賃収入が想定より低かったりした場合に、返済が困難になる可能性が高いです。万が一の事態に備え、一定の自己資金を持っておいたほうが安心でしょう。

短期間で大きな利益を狙っている人

不動産投資を短期間で大きく稼ぐ手段と考えている場合、現実とのギャップに直面する可能性があります。基本的に、不動産投資は長期的に運用し、安定した家賃収入を得ることを目的とするものです。物件購入から数年で大きな利益を得ることは難しく、数十年単位で運用して初めて成果が出ることが一般的。

短期間で利益を狙うなら、為替や株式投資などの別の投資手法を検討することも一つです。不動産投資は、焦らずじっくり資産を増やしていくスタイルの人に向いています。

高いリターンを期待している人

「不動産投資は儲かる」のイメージを持ち、過度に高いリターンを期待している方は、一度冷静になって考えましょう。不動産投資の利回りは物件の立地や種類によって異なりますが、一般的には4.0%〜6.0%程度が目安とされています。一見すると高利回りに感じるかもしれませんが、実際には税金、修繕費用、管理費などのコストがかかるため、想定した利益を得られない場合もあります。

不動産投資での「利回り」とは、投じた資金に対して得られる収益の割合を指しますが、これは長期的なリターンではありません。利回りが高いからといって、必ずしも大きな利益を生み出せるとは限りません。不動産投資は短期で莫大な利益を狙うものではなく、長期的に安定した収益を得ることが基本であることを理解しておきましょう。

不動産の基礎知識がない人

不動産投資は単に物件を購入して、貸し出すだけのシンプルなものではありません。物件選びや経営方法、法律、税金など、多くの専門知識が求められます。知識がないまま投資を始めてしまうと、不動産会社の勧めるままに割高な物件を購入してしまったり、思わぬトラブルに巻き込まれたりする可能性があります。

不動産投資を検討するなら、事前に関連書籍を読んだり、セミナーに参加したりして、最低限の知識を身につけることが重要です。不動産投資に関する知識があれば、適切な判断を下しやすくなり、リスクを回避できる確率も高まるでしょう。

物件管理を完全に管理会社に任せたい人

不動産投資を検討する際、「物件の管理はすべて管理会社に任せればいい」と考えている方もいます。しかし、完全に丸投げしてしまうと、管理が適切におこなわれないリスクが生じます。管理会社も複数の物件を担当しているため、自分の物件のメンテナンスや修繕があと回しにされる可能性も。

例えば、建物の劣化が進んでいるにも関わらず、適切な修繕がおこなわれなければ、入居者からのクレームが発生し、最悪の場合、退去が相次ぐことも考えられます。管理を依頼する場合でも、定期的に状況を確認し、必要に応じて指示を出すなど、オーナーとしての責任を持つことが大切です。

最低限の勉強時間を確保できない人

不動産投資を勉強する時間を確保できない方も、慎重に考える必要があります。不動産投資は、物件選び、収支計算、リスク管理など、幅広い知識を求められるため、十分な知識を持たずに始めると失敗する可能性が高くなります。

知識が不足していると、情報の正否を判断しにくく、悪質な業者に騙されるリスクも高まるでしょう。最低限の学習時間を確保できるかどうか考えたうえで、不動産投資をおこなうかを判断しましょう。

不動産投資を成功させるためのポイント

不動産投資を成功させるためのポイントを解説します
不動産投資を成功させるためのポイントを解説します

不動産投資で成果を出すためには、事前の準備や計画が重要です。特に、物件選びや市場調査をしっかりおこなうことで、リスクを抑えながら安定した収益を目指せます。ここからは、不動産投資を成功へと導くためのポイントを詳しく解説します。

投資の目標を明確にする

不動産投資を始める際には、まず明確な目標を設定することが大切です。「毎月○万円の家賃収入を得る」「将来的に売却益を狙う」など、具体的な目標を持つことで、戦略を立てやすくなるでしょう。

目標が不明確なまま投資を始めると、どのような物件を選ぶべきか、どのタイミングで売却すべきかなどの判断が難しくなり、結果的に損失につながる可能性があります。目標が明確であれば、リスク管理も容易になるため、収益を最大化するための工夫ができるでしょう。

また、投資期間や出口戦略も考慮することが重要です。短期間で利益を得るのか、長期保有して安定収入を狙うのかによって、選ぶべき物件の条件やエリアが変わります。目標をしっかりと決めたうえで、投資計画を立てましょう。

市場調査を徹底してから購入する

不動産投資を成功させるためには、物件の購入前に市場調査を十分におこなうことが重要です。エリアごとの賃貸需要や相場を把握することで、適正価格で物件を購入できます。

相場を理解せずに高値で購入してしまうと、家賃設定が難しくなり、空室リスクが高まる可能性も。一方で、適正価格や割安な物件を見極められれば、運用益や将来的な売却益を確保しやすくなります。

市場調査の方法としては、以下が挙げられます。

  • 不動産情報ライブラリを活用する
  • レインズ・マーケット・インフォメーションでデータを確認する
  • 不動産ポータルサイトで同じエリアの物件と比較する
  • 不動産会社から直接情報を得る

それぞれ詳しく解説します。

不動産情報ライブラリを活用する

不動産情報ライブラリは、国土交通省が提供している無料のWebサービスで、不動産取引価格に関する情報を閲覧できます。実際におこなわれた取引事例が地域別や種類別に掲載されており、土地や住宅の相場を把握する際に役立ちます。また、住所や地図、最寄り駅などから検索できるため、特定エリアの取引価格の傾向をつかめるでしょう。

レインズ・マーケット・インフォメーションでデータを確認する

レインズ・マーケット・インフォメーション(REINS Market Information)は、不動産流通推進センターが提供するWebサイトで、過去の売買実績に基づいた価格情報を確認できます。不動産会社が利用する「REINS(レインズ)」の業者間データベースの一部を一般公開しているものです。マンションや一戸建て、土地などの取引価格が詳細に掲載されています。間取りや築年数なども含めた条件指定が可能で、精度の高い市場分析ができるため、チェックしてみましょう。

不動産ポータルサイトで同じエリアの物件と比較する

「不動産情報サイト アットホーム」などの不動産ポータルサイトを活用すれば、現在入居者を募集している賃貸物件の家賃相場を簡単にチェックできます。検索機能を使ってエリア、築年数、間取り、広さなどを絞り込むことで、比較対象となる物件を探しやすくなります。リアルタイムの相場感や、物件ごとの特徴を把握する際におすすめです。

不動産会社から直接情報を得る

実際の売買現場で取引をおこなっている不動産会社に直接相談する方法も、市場調査の重要な手段の一つです。プロならではの視点で、最新の価格動向や地域の特性、今後の見通しなどの具体的なアドバイスをもらえることがあります。

地元に根差した不動産会社であれば、そのエリアならではの情報を持っていることも多く、インターネットだけでは得られない生の情報を得られる可能性も。これらの情報を活用し、適切な物件を選びましょう。

物件選びは慎重におこなう

不動産投資の成功を左右する大きなポイントが、物件選びです。焦って購入するのではなく、慎重に比較検討することが大切です。物件を選ぶ際には、以下の要素をチェックするとよいでしょう。

  • 最寄り駅やバス停までの距離が近いか
  • 周辺にスーパーマーケットや商業施設があるか
  • 学校や病院などの生活インフラが整っている
  • 近隣物件の入居率は高いか
  • 賃貸需要が見込めるエリアかどうか

これらのポイントを考慮し、長期的に安定した収益を得られる物件を選びましょう。

コストをできるだけ削減する

不動産投資で安定した収益を得るためには、資産管理の徹底が欠かせません。管理費や税金などの支出を把握し、無駄なコストを削減することで、利益を最大化できます。具体的には、以下の費用を定期的に見直すことが重要です。

  • 管理費・修繕積立金
  • 管理会社への委託費

コスト管理を怠ると、思わぬ支出が増え、収益が圧迫される可能性があります。逆に、定期的にコストを見直し、削減できる部分を見つけることで、長期的に安定した利益を確保しやすくなります。

失敗事例から学び、リスクを回避する

不動産投資を成功させるには、成功事例だけでなく、失敗事例にも目を向けることが重要です。失敗を分析し、同じ過ちを避けることで、リスクを最小限に抑えられます。例えば、「新築物件を購入したが、近隣に競合物件が増えて空室が増加した」「入居者の審査が甘く、家賃滞納が続いている」などの失敗事例があります。この場合、賃貸需要が安定しているエリアを選ぶ、入居審査を厳しくするなどの工夫ができるでしょう。

失敗の要因を把握することで、事前に対策を立てることが可能です。情報収集を怠らず、成功事例と失敗事例の両方を参考にすれば、投資のリスクを抑えながら安定した収益を目指せるでしょう。

リスクを把握し、適切な対策を取る

不動産投資には、さまざまなリスクがともないます。成功するためには、リスクを理解したうえで適切な対策を取ることが欠かせません。主なリスクとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 空室リスク
    入居者がなかなか見つからず、家賃収入を得られない状況が続くリスクです。周辺の賃貸需要を調査し、競争力のあるエリアを選ぶことが重要です。

  • 家賃滞納リスク
    入居者が家賃を滞納することで、収益が不安定になるリスクです。入居審査を厳格におこない、保証会社の利用を検討することで、家賃滞納のリスクを軽減できます。

  • 修繕リスク
    建物は時間とともに劣化し、修繕が必要になります。大規模修繕に備えて、事前に修繕費用を積み立てておくことが重要です。

これらのリスクを踏まえたうえで、適切な対策を考え、計画的に不動産投資を進めるようにしましょう。

信頼できるパートナーを見つける

不動産投資を成功に導くには、頼れるパートナーの存在が必要です。投資初心者が一人で判断を下すと、知識不足でリスクの高い選択をしてしまうことがあります。物件選びや資金計画の立案には専門的な知識が求められるため、経験豊富な不動産会社やアドバイザーの意見を取り入れることがポイントです。

信頼できる不動産会社を選ぶ際には、過去の取引実績や評判、対象エリアへの理解度などを事前にチェックしましょう。実績が豊富で地域に詳しい不動産会社と組むことで、不動産投資の成功率を高められます。

また、投資相談を受けられる専門機関やセミナーの活用も有効です。知識を深めながら、自分に合ったパートナーを見極めることで、より安全な不動産投資を実現できるでしょう。

利回りだけで物件を選ばない

不動産投資を成功させるためには、利回りの高さのみを基準に物件を選ばないことが重要です。高利回りの物件は魅力的に映りますが、その背景にはさまざまなリスクが潜んでいることもあります。例えば、築年数が古い物件は表面利回りが高く見えることがありますが、修繕費用がかさむケースが多く、結果的に収益を圧迫する場合も考えられるでしょう。また、立地条件が悪い物件は空室率が高くなる可能性があり、安定した家賃収入を見込めないことも。

長期的に安定した収益を得るには、利回りだけでなく、物件の状態や周辺環境、将来的な需要の変化など、さまざまな要素を総合的に判断することが大切です。多少利回りが低くても、長期間にわたって安定収益を確保できる物件を選ぶことが賢明な戦略といえます。

一定の資金を貯める

不動産投資をスムーズに進めるためには、あらかじめ十分な資金を確保しておくことが欠かせません。資金不足の状態で投資を始めると、突発的な修繕費用や空室リスクへの対応が難しくなり、資金繰りが苦しくなる可能性も。

自己資金が充実していると、金融機関からの融資を受けやすくなるだけでなく、借入額を抑えられるため、毎月の返済負担を軽減できます。一般的に、物件価格の10〜30%程度を自己資金として準備しておくことが理想とされています。

また、自己資金が多いほど金利の優遇を受けられる場合もあるため、長期的な収益性の向上にもつながるでしょう。投資計画を立てる際は、将来的なキャッシュフローを見据えながら、無理のない資金計画を作成することが大切です。

投資物件を購入する前に綿密なシミュレーションをおこなう

不動産投資を成功させるためには、物件購入前に詳細なシミュレーションをおこない、将来の収支をしっかりと見極めることが重要です。

具体的には、ローンの返済額、固定資産税、管理費、修繕費用などの支出項目をリストアップし、想定される家賃収入や空室率を踏まえて、長期的な収支バランスを計算してみましょう。また、金利の上昇や家賃相場の変動など、不測の事態にも対応できる余裕を持った計画を立てることが重要です。

実際の不動産投資では、想定外の出費が発生するケースも珍しくありません。そのため、万が一のリスクにも対応できるよう、十分な予算を確保し、無理のない資金計画を作成しておくことが求められます。事前にシミュレーションを重ねることで、投資のリスクを最小限に抑え、安定した経営が可能になります。

まとめ

不動産投資は、安定した収益や資産形成が期待できる一方で、「やめておけ」と言われるようなリスクやデメリットも存在します。自分自身の性格やライフスタイル、資金力に合っているかを見極めることが重要です。

リスクを正しく理解し、慎重に情報収集や物件選びをおこなえば、不動産投資で成功することは十分に可能です。焦らず計画的に、一歩ずつ進めていきましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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