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新築アパート投資の特徴と注意点は?メリット・デメリットを比較

新築アパート投資の特徴とメリット・デメリットを解説します
安定した家賃収入を期待できることで人気の「新築アパート投資」。しかし、初期費用の高さや経営の手間といったデメリットもあるなど、慎重に判断すべきポイントも多く注意が必要です。

本記事では、新築アパート投資の特徴やメリット・デメリットを解説します。新築アパート投資を検討している方やリスクを抑えたい方は参考にしてください。

新築アパート投資とは

新築アパート投資の特徴を解説します
新築アパート投資の特徴を解説します

新築アパート投資とは、新たに建築されたアパートを購入し、入居者から家賃収入を得る不動産投資です。
新築物件は最新の設備を備えており、入居者の需要が高く、空室リスクを抑えやすい特徴があります。一方で、初期費用が高額になりやすいため、将来的な収益性を見極め、慎重に運用することが重要です。

新築アパート投資の利回りの目安

新築アパート投資の利回りは、一般的に表面利回りで4〜6%、実質利回りで3〜5%程度が目安となります。表面利回りは年間家賃収入を物件価格で割った数値ですが、管理費や修繕費、税金などのコストを考慮した実質利回りのほうが、より正確な収益性を示します。

新築物件は設備が新しく、修繕費を抑えられるため、利回りは比較的安定しやすくなります。しかし、土地の購入費や建築コストが高いため、中古物件と比べると利回りは低めになりがちです。

新築アパート投資のメリット

新築アパート投資のメリットを解説します
新築アパート投資のメリットを解説します

新築アパートは、中古アパートと比較して魅力的な点が多く、入居者の需要が高い物件です。では、具体的にどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。新築アパート投資を検討している方は参考にしてください。

空室リスクが少ない

新築アパートは最新の設備やデザインを備えており、入居者の需要が高い点が強みです。また、初期の段階では設備の劣化や修繕がほとんど必要なく、快適に住めることから、長期的に住む方も多いです。賃貸市場では新築物件が優先的に選ばれる傾向にあるため、競争力が高く、短期間で入居者が決まりやすくなります。

維持費・修繕費を抑えやすい

新築アパートは最新の建築技術や耐久性の高い設備が導入されているため、築年数が浅いうちは大規模な修繕が不要です。外壁や屋根、配管設備などの劣化が少ないため、修繕費がかかりにくく、安定した収益を見込めます。また、メーカー保証やアフターサービスが適用されるケースも多く、故障時の負担を軽減できる点も魅力です。

不動産投資ローンの審査に通りやすい

新築アパートは資産価値が高いため、金融機関からの評価も高くなります。安定した賃貸需要を見込めることから、不動産投資ローンの審査にも通りやすい傾向にあります。また、新築物件は減価償却期間が長いため、税制のメリットを活かせる点も魅力です。ただし、融資条件は金融機関ごとに異なるため、金利や返済期間を比較し、自分に合った資金計画を立てることが重要です。

売却先が見つかりやすい

新築アパートは築年数が浅く、設備や建物の劣化が少ないため、売却する際にも投資家や法人などの買い手が見つかりやすいでしょう。また、賃貸需要が安定している場合、すでに入居者がいる状態で売却できるため、購入希望者にとっても魅力的な投資対象となります。ただし、立地や市場の状況によって不動産価格は変動します。新築アパート投資を始める際は、念入りに市場調査をおこないましょう。

希望の間取り・設備を反映しやすい

新築アパートの場合、建築段階から投資家の意向を反映できるため、ターゲットとする入居者層に合わせた設計が可能です。例えば、単身者向けならコンパクトな間取りと収納スペースの充実。ファミリー向けなら広めのリビングや防音対策を施すことができます。

競争力の高い物件に仕上げることで、入居率の向上や賃料の維持につながり、安定した運用が期待できます。

新築アパート投資のデメリット

新築アパート投資のデメリットを解説します
新築アパート投資のデメリットを解説します

新築アパート投資には多くの魅力がありますが、一方で注意すべきデメリットも存在します。建築費用や土地の購入費により初期費用が高額になりやすいことや、築年数の経過とともに資産価値が下がることは懸念点になるでしょう。では、新築アパート投資のデメリットを解説します。デメリットが大きいと感じた方は、中古アパートも検討しましょう。

初期費用が高額になりやすい

新築アパートにかかる費用は、土地の取得費や建築費用だけではありません。設計費や登記費用、不動産取得税など、多くのコストが発生します。また、入居者を募集する広告費や、共用部分の電灯など必要に応じた家電の設置費用も考慮しなければなりません。さらに、新築アパートは中古アパートと比較して価格が高く、ローンの借入額が大きくなるため注意しましょう。

投資回収まで期間がかかりやすい

新築アパートは初期費用が高額なため、家賃収入で回収するまでに時間がかかります。また、初期費用を回収していない間に家賃の相場が変動したり、空室が発生すると回収スピードが遅れる可能性があります。

新築アパート投資を成功させるためには、長期的な運用計画を立て、安定した入居率を維持する戦略が重要です。

家賃が下落しやすい

新築時は最新の設備や清潔感があり、比較的高い家賃で入居者を募集できます。しかし、築年数が経過すると競合する新築物件が登場し、相対的に魅力が低下するため、家賃を下げざるをえないケースが多いです。物件の価値を維持するために、定期的なリフォームや設備のアップグレードなどの工夫が必要です。

新築アパート投資にかかる初期費用

新築アパート投資にかかる初期費用を押さえましょう
新築アパート投資にかかる初期費用を押さえましょう

新築アパート投資を始める際は、多額の初期費用がかかります。下記の項目は、新築アパート投資にかかる主な初期費用です。

初期費用の内訳 概要
土地購入費 新築アパートを建てる土地の購入費用
建築費用 新築アパートを建てるための費用
登記費用 登記手続きを司法書士に依頼する際の費用
不動産取得税 アパートを建てると課される税金
土地の仲介手数料 土地購入の際に不動産仲介会社に支払う費用
広告費 入居者募集をする際の費用
設備の購入費用 トイレ・浴室など設備を購入する際の費用
ローン手数料・保証料 融資手続きをする金融機関に支払う費用
印紙税 ハウスメーカーと締結する工事契約書や、金融機関から借り入れる金銭消費貸借契約書に貼るための印紙の購入費用
火災保険料・地震保険料 アパートが火災や地震で損害を受けた際に、補償を受けるための保険料
水道分担金 水道の利用申し込みの際、自治体の水道局に支払う費用
管理委託費用 アパートの管理業務を委託する会社に支払う費用

なお、土地の購入費や土地の仲介手数料は土地から購入した場合のみかかる費用です。土地の有無によって、必要な初期費用が異なるため注意しましょう。

アパート建築費用の坪単価相場

新築アパート投資の初期費用で特に高額になる部分が、土地の購入費と建築費用です。国税庁の2024(令和6)年分「地域別・構造別の工事費用表」の1平方メートルあたりの工事費用を1坪に計算し直すと、工事費用の相場は下記のとおりです。

地域 木造 鉄骨鉄筋
コンクリート造
鉄筋
コンクリート造
鉄骨造
東京都 71万円 115万円 127万円 116万円
神奈川県 68万円 126万円 109万円 108万円
大阪府 68万円 116万円 100万円 97万円
愛知県 68万円 104万円 100万円 97万円
福岡県 68万円 104万円 100万円 97万円

※小数点以下は切り捨て

例えば、東京の50坪の土地に鉄筋コンクリート造で6室建てる場合、127万円×50坪で6,350万円の建築費用が必要です。土地を所有していない場合は、土地の購入費が追加でかかるため、初期費用がより高額になるでしょう。

新築アパート投資を始める際の注意点

新築アパート投資を始める際の注意点を解説します
新築アパート投資を始める際の注意点を解説します

新築アパート投資を成功させるためには、市場調査・資金計画・出口戦略の3つのポイントが重要です。長期的に安定した収益を得るために、需要の高いエリアを見極めて建築コストを慎重に検討しましょう。

では、新築アパート投資を始める際の3つの注意点を解説します。

市場調査を念入りにする

新築アパート投資を検討しているエリアの人口動向や賃貸需要など、安定した入居者を確保できるか念入りに市場調査しましょう。近隣の大学や企業、交通アクセスの利便性、商業施設の有無など、住環境の魅力を把握することがポイントです。

また、同じエリア内の賃貸相場を調査し、競合物件と比較して適正な家賃設定が可能かを検討し、投資する立地を見極めましょう。

資金計画を立てる

収支計算の際は、表面利回りだけでなく実質利回りを重視しましょう。固定資産税や管理費、修繕費などの運営コストから、長期的なキャッシュフローをシミュレーションすることが重要です。また、金融機関の融資条件を比較し、現実的な返済計画を立てることで、資金繰りのリスクを軽減できます。空室リスクや家賃の下落にも対応できるよう、返済シミュレーションは入念におこないましょう。

出口戦略を立てる

出口戦略とは、物件をどのタイミングで売却するかを計画することです。運用中に状況が変わった場合の戦略も合わせて計画しておきましょう。例えば、築浅のうちに売却して譲渡益を狙う方法や、一定の期間運用して収益を得てから、建物の価値が下がる前に売却する方法などがあります。売却時の市場動向やエリアの将来性を見極めながら、売却が難しい場合に備え、リフォームや建て替えなどの選択肢も考慮しておくと安心です。

まとめ

新築アパート投資は、入居者の需要が期待できる一方、初期費用が高額になるなどデメリットもあります。新築アパート投資を成功させるためには、立地選びや資金計画を慎重におこない、長期的な視点で運用しましょう。また、入居者ニーズを的確に把握することも安定した投資の鍵です。本記事で紹介したメリット・デメリットを踏まえ、賢く新築アパート投資を進めましょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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