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アパート経営のデメリット15選|メリットや対処法を考慮したうえで検討しよう

アパート経営のデメリットを解説します
アパート経営は「株式投資よりも安全」だといわれており、始めようと思っている方が多いでしょう。しかし、アパート経営に関する知識を身に付けないまま始めると、当然失敗してしまうこともあります。アパート経営にはメリットだけではなく、デメリットもあります。アパート経営を成功させるためには、どのようなデメリットやリスクがあるのかをしっかり理解することが大切です。本記事ではアパート経営のデメリットを中心に、メリットや対処法をご紹介します。アパート経営を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

アパート経営のデメリット15選

アパート経営のデメリット15選を解説します
アパート経営のデメリット15選を解説します

アパート経営には、以下のように多くのデメリットがあります。

  • 初期費用が高額になりやすい
  • 家賃収入が減っても毎月固定の支出が必要になる
  • 税金に関する知識が必要になる
  • 思うような収益が得られない
  • 空室リスクがある
  • 家賃滞納のリスクがある
  • 金利上昇のリスクがある
  • 自然災害のリスクがある
  • 老朽化リスクがある
  • 家賃の下落リスクがある
  • 立地条件に影響されやすい
  • 管理会社選びで失敗すると大きな影響が出る
  • クレーム対応が必要になる
  • 不利な契約を結ばされることもある
  • 買い手がつきにくく売りづらい

まずは、アパート経営でどのようなデメリットがあるのか以下で詳しく見ていきましょう。

初期費用が高額になりやすい

アパート経営では、初期費用が高額になることがデメリットのひとつです。構造によって異なりますが、一般的なアパートの建築費は7,000万円から1億2,000万円程度と見積もられています。

しかし、アパート経営には建築費のほかにも、保険料や登録免許税など、さまざまな初期費用が必要です。金融機関のローンを組んで始めることが一般的ですが、高額な初期投資が必要なため、家賃収入をしっかり確保できなければ多額の負債を抱えてしまう恐れがあります。

そのため、ターゲットとする入居者に本当に必要な設備投資かを見極め、無駄な初期費用を抑えることが重要です。

家賃収入が減っても毎月固定の支出が必要になる

アパート経営では、アパートローンの返済や税金、管理費用など、毎月一定額の固定支出が発生します。家賃収入が減少した場合でも、これらの支出は変わらないため、赤字となる危険性があります。

収支バランスが崩れないよう、事前に複数のシミュレーションを立てておきましょう。事業計画作成時には、建築会社や管理会社、不動産関係者に相談し、より現実的な計画を立てることが重要です。

税金に関する知識を学ばなければならない

アパート経営では経営ノウハウだけでなく、税金に関する知識も必須です。アパート経営は個人事業主として扱われるため、毎年自分で確定申告をおこなわなければなりません。

しかし税金の知識がないと、適正な納税ができず、税務署から指摘を受ける可能性もあります。特に1年目は収支が多くなりやすく、税金制度も複雑に絡んできます。

確定申告に不安がある場合は、税理士への依頼を検討するといいでしょう。税理士に依頼すれば確定申告の手間が省けますし、的確なアドバイスも受けられます。

思うような収益が得られない

アパート経営をしている方の平均年収は540万円といわれています。しかし、あくまでも平均であり、アパート経営を始めたすべての方が、このような収益を得られるとは限りません。

実際に思ったほどの収益が上がらず、後悔している方も多くいます。

思うような収益を得られなかった理由のひとつに、表面利回りではなく実質利回りで計画を立てていないことが挙げられます。適切な事業計画を立てるためには、空室リスクなどのリスクも加味した実質利回りをもとに検討することが重要です。リスクに関しては次項で解説します。

空室リスクがある

アパート経営での大きなリスクは、空室が発生することです。空室が長期化すると、家賃収入がなくなるだけでなく、室内管理のコストも発生するため、金銭的なデメリットが大きくなります。

アパートを建設する前に、その立地の賃貸需要をしっかりと調査することが大切です。アパート経営を成功させられるかは、建設前の立地分析次第といっても過言ではありません。駅からの距離や周辺施設、人口動態など、入念な事前調査が不可欠です。

家賃滞納のリスクがある

アパート経営では、入居者による家賃の滞納が起こる可能性があります。家賃が滞納されると、本来得られるはずの家賃収入がゼロになり、アパートローンの返済に影響が出ることも。

さらに、滞納した入居者が退去しない限り、新規入居者の募集ができないため、機会損失が生じてしまいます。対策としては、滞納時に入居者に代わって管理会社が立替払いをしてくれる「滞納保証」の手厚い会社を選ぶことがおすすめです。管理会社によって滞納保証の内容は異なるので、事前に確認し、しっかりとした滞納保証を提供してくれる会社を選びましょう。

金利上昇のリスクがある

多くの方がアパートローンを組んでアパート経営を始めていますが、金利上昇の影響で、最終的な返済額が増えるリスクがあります。特に変動金利の場合は、契約当初は低金利でもあとあと上昇する可能性があります。日本では現在、低金利が続いていますが、今後金利が上がる可能性もゼロではありません。

金利上昇のリスクに備えるためにも、固定金利期間を長くしたり、自己資金を多めに用意したりして借入額を抑えることがポイントです。自己資金を多く用意すれば、借入額が少なくなるので金利上昇リスクを低減できるでしょう。

自然災害のリスクがある

地震や火災、豪雨などの自然災害によって、アパートに被害がおよぶリスクがあります。特に日本の住宅地域は木造住宅が密集しているため、一度火災が発生すると延焼被害に見舞われる可能性が高くなります。

また、日本は地震が多い国でもあるため、万が一の時のためにも地震保険に加入しておいたほうがよいでしょう。火災保険だけでは地震や津波による被害を補償してもらえませんが、地震保険は地震や津波による損害を補償してくれます。

老朽化リスクがある

アパートの資産価値と入居者の満足度を維持するためには、建物の老朽化にともなう修繕が欠かせません。日常のメンテナンスに加え、5~10年おきに修繕をおこなう必要があります。

大規模な修繕が必要な場合は、百万円単位の費用がかかります。修繕費用は家賃収入から積み立てて準備しておくことが一般的です。

少しでも負担を減らすためにも、長期的な資金計画を立て、将来の大規模な修繕費用も見越して準備をするようにしましょう。また、修繕費は経費として計上できるため、税金の負担を抑えるためも領収書の管理も徹底することをおすすめします。

家賃の下落リスクがある

一般的に、アパートの築年数が経過するにつれて、物件の競争力が低下するため、家賃は低下していきます。築年数が経つほど修繕費の負担も大きくなり、手元に残る家賃収入は減少していくでしょう。

家賃低下に備えるためには、立地条件に優れた物件を選ぶことが重要です。駅近くや繁華街の近くなど、立地がよければ、ある程度の築年数が過ぎても家賃下落を最小限に抑えられる可能性が高くなります。

立地条件に影響されやすい

これまで見てきたように、アパート経営では立地条件に大きく影響を受ける可能性があります。例えば、近くに大学や企業がある場合は需要が見込めますが、これらの施設が移転や閉鎖でなくなってしまうと、一気に需要が失われてしまいます。

そのため立地を選ぶ際は、将来的な環境変化も考慮することが大切です。近隣の開発計画や人口動態、公共施設の移転計画なども入念に調査し、リスクを最小限に抑えられるように確認しておきましょう。

管理会社選びで失敗すると大きな影響が出る

アパート経営では、管理会社選びを誤ると、経営を失敗してしまう可能性があります。管理会社は物件の管理全般を代行してくれる会社です。アパート経営では管理会社に管理業務を委託するケースがほとんどでしょう。

しかし、管理会社の仕事ぶりが悪ければ、入居者の確保が難しくなり、物件の維持管理もずさんになって修繕費がかさむなど、さまざまな弊害が生じます。

そのため、単に仲介会社の紹介だけで決めるのではなく、自分で比較検討をおこなうことが必要です。管理手数料や物件から管理会社までの距離なども重要な比較ポイントです。事前に確認しておきましょう。

管理会社が物件の近くにあれば、クレーム対応が迅速になり、入居者の満足度が下がりづらくなるでしょう。

クレーム対応が必要になる

集合住宅であるアパートでは、入居者間のトラブルが起きやすいことがデメリットです。ゴミ出しや騒音など、さまざまな理由で入居者同士のトラブルが生じることがあります。

自主管理の場合はオーナーがトラブル対応に追われ、その対応次第では入居者が退去したり、評判が下がって新規入居者を確保しづらくなったりするリスクもあります。

管理会社に依頼する場合は、クレーム対応力の高い管理会社、もしくは具体的な対処方法を提案してくれる管理会社を選ぶことが大切です。クレームは避けられないものとして、日頃から迅速に対応できるように準備を整えておきましょう。

不利な契約を結ばされることもある

アパート経営では、サブリース契約などの不利な契約を結ばされる可能性があります。サブリースとは家賃保証制度のことで、十分に内容を理解せずに契約すると、オーナーに不利益がおよぶ場合があります。

サブリース契約では、空室時の家賃保証はあくまで一時的なものであり、ずっと補償されるわけではありません。また、定期的な家賃の見直しもあり、空室状況でオーナーに支払われる家賃補償額が異なります。満室時でも一定額までしかオーナーに入ってこない点も、デメリットのひとつでしょう。

不利な契約を結ばされないためにも、契約内容をしっかりと確認・理解したうえで契約をおこなうことが重要です。不安な点があれば、納得がいくまで説明を求めましょう。

買い手がつきにくく売りづらい

中古のアパートは買い手が少なく、売却が難しい点もデメリットです。経営が破綻した場合でも、物件を処分できなければ、赤字が膨らむリスクがあります。

最悪の場合、自己破産に追い込まれる可能性も。売却を決意しても、買い手がつかない場合は希望売却価格を大幅に下げざるを得ません。そのため、アパート経営を始める際には、いつ頃売却して撤退するかなどの「出口戦略」も立てておく必要があります。

アパート経営のメリット11選

アパート経営のメリット11選を解説します
アパート経営のメリット11選を解説します

上記では、アパート経営のデメリットを多く解説していきましたが、もちろんメリットもあります。
アパート経営をはじめる際は、メリットとデメリットを比較したうえで慎重に検討することが大切です。
アパート経営には以下のようなメリットがあります。

  • 安定収入が期待できる
  • 相続税対策ができる
  • 賃貸需要が広く期待できる
  • 費用を抑えて投資できる
  • 利回りを高くしやすい
  • 建設する土地を選ばない
  • 貸主を守る法整備が整っている
  • 家賃保証会社が多く存在している
  • 価格が下がりにくく売却しやすい
  • 管理会社の切り替えが簡単にできる
  • 管理の仕組みが確立している

それぞれのメリットを詳しく解説していきます。

安定収入が期待できる

アパート経営は長期的に安定した収入が得られるのが最大のメリットです。住居系の賃貸需要は景気の波を受けにくい傾向があり、安定した収入が期待できるでしょう。

2020年の新型コロナウイルス流行の影響があった年でさえ、前年比で家賃指数がわずかに上昇していました。

また、アパートは複数の住戸があるため、仮に一部で空室が出ても影響はそこまで大きくありません。一戸建て賃貸などでは、空室になれば収入がゼロになってしまいます。

一方でアパートでは、常に一定の家賃収入が見込めるため、収入の安定性が高いといえます。

店舗やオフィスの事業系賃貸は、景気変動の影響を大きく受けがちです。例えば、景気が悪くなるとテナントの解約や賃料値下げ要求が相次いでしまい、大幅な収入減が避けられないでしょう。

さらに最近ではリモートワークの浸透で、オフィス需要自体が低迷しており、今後ますます厳しい事業環境になることが予想されます。

相続税対策ができる

アパートなどの収益物件は、相続時の評価額が時価より低く算定されるため、相続税対策になります。例えば、現金1億円の場合、その相続税評価額は「1億円」です。

しかし、都心の収益物件で時価1億円の物件の場合は、3,000~4,000万円程度で相続税評価されることがよくあります。相続性評価額は一定のルールに基づいて算出することが決められています。基本的に、収益物件の相続税評価額は時価よりも低くなるのが一般的です。

評価額が抑えられることで、現金資産を持つ場合と比べ、相続税の節税効果が得られるのです。

賃貸需要が広く期待できる

アパートの賃貸需要は立地を問わず存在するため、賃貸経営しやすいのが大きなメリットです。

店舗やオフィスビルであれば、駅至近の駅前立地や商業集積地などの、限られた立地条件を満たさなければ需要が見込めません。一方、アパートは郊外でも工場や大規模施設の従業員などをターゲットにできます。

アパートの場合、居住人口が一定数見込める土地であればどこででも経営が可能です。

費用を抑えて投資できる

アパート経営は不動産のなかでも比較的規模が小さいため、投資しやすいのもメリットのひとつです。オフィスビルやマンションの場合は、建築するだけで数億円の費用が必要ですが、アパートの場合は1億円未満で抑えられます。

投資額が少ないほど借入金も抑えられるため、返済負担も軽減できるでしょう。

また、自己資金を多く用意できれば、安全性の高い賃貸経営が可能です。他の不動産投資よりも比較的リスクが小さいため、不動産投資が初めての方にもおすすめです。

利回りを高くしやすい

アパートはワンルームタイプが建設可能で、木造や軽量鉄骨造での建設も可能なため、良好な利回りを実現しやすいメリットがあります。ワンルームならファミリータイプのような広い賃貸面積は不要なので、建設コストを抑えられます。

また、居住用途なら比較的建設コストに優れた木造や軽量鉄骨造が選択できるのもメリット。

一方のマンションは高層になればなるほど、高額な鉄筋コンクリート造を採用せざるをえず、コストが高くなります。同じ住居系の賃貸物件でも、アパートは利回りがもっとも高く期待できる点が特徴です。

建設する土地を選ばない

アパートは建築規制が緩いため、土地を選ばず比較的簡単に建設できるメリットがあります。工業専用地域と市街化調整区域を除けば、ほとんどの住宅地でアパートの建設が可能です。

建築基準法上、用途地域の制限を受けるのは高層の集合住宅のみで、低層のアパートであれば 建築可能な場所が多いのです。

一方、高層賃貸マンションは容積率の規制が厳しく、建設できる土地が都心部などごく一部に限られてしまいます。

アパートは基本的に2階建ての物件が多いです。戸建て住宅の建築が可能な土地であれば、基本的には問題なく建設できるでしょう。立地選びの選択肢が豊富なのも、大きなメリットのひとつです。

貸主を守る法整備が整っている

2020年に賃貸住宅管理業務適正化法が施行されたことで、初めてアパート経営で貸主を守る法整備ができました。従来は借主の権利を守る借地借家法しかなく、貸主保護の法制度はありませんでした。

新しい法律では、ハウスメーカーや建設会社に対し、不当なサブリース契約の勧誘を禁止しています。過去にサブリース会社と貸主の間でトラブルが多発していた背景を受け、アパート経営に関する貸主保護の法的土台が作られました。

法整備が進んだことで、アパート経営の安全性が大きく高まっています。

家賃保証会社が多く存在している

アパート経営では入居者の家賃滞納リスクに備え、さまざまな家賃保証会社が存在しています。家賃保証会社とは、入居者が家賃を滞納した際に、保証会社が家賃立替払いをおこなってくれる会社のことです。

入居者側でなかなか連帯保証人が立てづらい状況が続いているなかで、保証会社を利用することで、安心して賃貸経営ができるでしょう。

一方、店舗やオフィスのような事業系物件向けの家賃保証会社は少ないのが実情です。アパートなどの住居系物件であれば、手厚い保証内容のプランを選択できるため、家賃滞納リスクに対する備えが十分にできるメリットがあります。

価格が下がりにくく売却しやすい

アパートの売却価格は利回り基準で決まるため、築年数が経過しても価格が下がりにくいメリットがあります。収益性が維持できる限り、評価額は下がりづらい傾向にあるのです。

都心では新築アパートに人気が集中しがちですが、郊外部でも収益性がしっかりしていれば高値で取引されるケースも見受けられます。

むしろ最近では、人口減少で戸建て住宅の売却が難しい地域でも、アパートだけは売却できるケースが増えています。

管理会社の切り替えが簡単にできる

アパート経営では、管理会社の切り替えが比較的簡単にできるのもメリットです。アパート経営の管理を手がけている管理会社が多くあるため、貸主は自由に会社を選べます。

入居者の募集力に長けた優秀な管理会社を選べば、常に高い入居率を維持できます。一方で入居者募集が不得手な管理会社に依頼していると、空室が増え続ける状態になりかねません。

そのような場合には、新たな管理会社に切り替えることで、スムーズに空室を解消できる可能性が高いでしょう。

しかし、店舗やオフィスとなると、対応できる管理会社が限られてくるため、容易に切り替えられず、問題が長期化する可能性があります。自分に有利な条件で管理会社を選べる点は、大きなメリットです。

管理の仕組みが確立している

アパート経営では管理の仕組みがすでに確立されていることもメリットです。アパート経営の管理では、「管理委託」と「サブリース」の主に2種類があります。どちらを選ぶかによって管理業務の範囲が異なります。

管理委託は管理会社に外注する形で、建物所有者と入居者が賃貸借契約を結ぶのが特徴です。一方のサブリースは、建物所有者がサブリース会社に一棟を丸々貸し出し、サブリース会社が入居者と転貸借契約を結ぶ形式となっています。

どちらの方式も管理メニューが整備されているため、建物所有者は自分で管理業務をおこなう必要がありません。管理メニューを選ぶだけで管理してもらえるため、負担を少なくしながら賃貸経営できる点が魅力的です。

アパート経営のリスクを回避するための5つの方法

アパート経営のリスクを回避するための5つの方法を解説します
アパート経営のリスクを回避するための5つの方法を解説します

アパート経営にはメリットもありますが、多くのデメリットもあります。アパート経営のリスクを回避するためにも、以下の5つの対処法を確認しておきましょう。

  • 立地が悪い場合は買い換える
  • 適切な管理方式を選ぶ
  • 自己資金はできれば3割以上準備する
  • コストバランスを考えたアパートを建設する
  • 資産規模は買い替えで大きくする

立地が悪い場合は買い換える

アパート経営では、立地条件は極めて重要な要素です。需要が低い場所でアパートを建ててしまうと、空室が目立ち、経営が行き詰まる可能性が高くなります。

そのため、元々の土地の立地が悪ければ、買い替えを検討するのが効果的です。アパート経営は20年、30年と長期に渡る事業ですから、立地条件が悪いと将来にわたって苦労をともなうことになります。

持ち物件であれば、条件のよい別の土地に物件を買い替えるのがおすすめです。売却した資金を購入費用に充てられるため、新規購入よりもコストを抑えられるでしょう。

適切な管理方式を選ぶ

先述したように、アパート経営の管理方式には、「管理委託」と「サブリース」の2種類があります。
管理委託では、管理会社に家賃収入の5%程度の管理手数料を支払う代わりに、入居者の募集から管理業務全般を任せられます。しかし、空室が発生した際のリスクは、オーナー自身が負うことになります。

一方のサブリースは、サブリース会社から満室想定時の80〜85%程度の手数料が差し引かれた固定賃料がオーナーに支払われます。収益性は低いものの、空室リスクはサブリース会社が負担してくれます。

どちらの管理方式がよいかは一概にいえません。どちらの管理方式もメリットとデメリットがあるため、立地条件に合わせて適切な方式を選びましょう。

自己資金はできれば3割以上準備する

アパート経営では、できれば自己資金を3割以上用意しておくとよいでしょう。自己資金は〇〇円以上用意しなければならないという決まりはありませんが、従来から「3割」が目安とされています。

3割が目安とされているのは、金融機関が融資をおこなう際に、担保価値を市場価格の7割で評価している点が挙げられます。金融機関側からすると融資額が市場価値の7割程度であれば、売却されても回収できると判断しているのでしょう。

また、十分な自己資金を用意しておけば借り入れ金額を減らせるため、返済負担も軽減できます。

コストバランスを考えたアパートを建設する

アパートを新築する際は、質の高い施工と適正なコストのバランスが何より重要です。施工の質が悪ければ、すぐに修繕が必要になり、コストがかさむ可能性も。

一方で、過度に高級な仕様を追求しすぎても、建築費が大幅に高くなり、投資額が膨らんでしまいます。アパート経営は利回りを重視する投資だからこそ、コストに見合わない高級仕様は避けたほうがよいでしょう。

施工実績が豊富で信頼できるハウスメーカーに建築を依頼し、何度も打ち合わせを重ねたうえで建ててもらいましょう。

資産規模は買い替えで大きくしていく

アパート経営では長期的に資産規模を拡大していくことが重要です。買い替えでは、もともと所有するアパートを売却することで、まとまった自己資金を確保できます。その自己資金を元手に新たにアパートを買い替えれば、適切な自己資金割合で資産規模を増やしていけるでしょう。

ただし、買い替えで資産規模の拡大を狙う際は、資産が増えるまでに時間がかかります。これはアパート経営に限った話ではありませんが、資産が増えないからといって焦らないようにしてください。

まとめ

本記事ではアパート経営のデメリットやメリット、対処方法を詳しく解説しました。アパート経営は不動産投資のなかでも比較的挑戦しやすいといわれていますが、もちろんリスクもあります。リスクを理解せずにはじめると、アパート経営に失敗してしまうかもしれません。

アパート経営をはじめる際は、メリットとデメリットをしっかり理解したうえで、慎重に検討する必要があります。また、わからないことや不安なことがあれば、不動産会社や管理会社に遠慮せず相談しましょう。プロの視点からアドバイスを受けられるため、アパート経営の力になってくれるでしょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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