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3人家族に最適な間取りは?必要な広さと間取りの特徴や使い方を解説

3人家族に適した間取りや理想のリビングの広さ
子育てのタイミングで引越しを検討するご家族も少なくないと思います。しかし、子どもの年齢によってライフスタイルも変わるため、どの間取りを選べばいいのか悩みますよね。
そこで今回は、実際に3人家族でお住まいのファミリーに、現在お住まいの物件についてさまざまな角度からアンケート調査を実施。どのような間取りに住んでいて、どのような部屋作りをしているのか、これからお子さんが産まれる予定の新米パパとママも必見です!
賃貸とマイホームにおける金銭面の違いなどもあわせてご紹介するので、賃貸物件かマイホームを購入するかお悩みの方も、ぜひチェックしてみてくださいね。

記事の目次

3人家族に必要な部屋の広さは?

国土交通省の「住生活基本計画 」によると、3人家族に必要な広さは以下のとおりです。

  • 最低居住面積水準:40平米
  • 誘導居住面積水準(マンション):75平米
  • 誘導居住面積水準(一戸建て):100平米

最低居住面積水準とは、世帯人数に応じて、健康で文化的な住生活を過ごすうえで必要不可欠な住宅の面積のことです。また、誘導居住面積水準とは、多様なライフスタイルに合わせ豊かな生活を過ごすことのできる住宅面積のことをいいます。

子どもの成長に合わせて、もう少し広い部屋に住みたい……と考えるご家庭も少なくないと思います。そこで、子どもの年齢別に誘導居住面積水準を算出してみました。

 

子どもの年齢別・誘導居住面積水準
  3歳未満 3~6歳未満 6~10歳未満 10歳以上
マンション 60平米 65平米 70平米 75平米
一戸建て 81.25平米 87.5平米 93.75平米 100平米

※3歳未満は0.25人、3歳~6歳未満は0.5人、6歳以上10歳未満は0.75人として算定

子どもが6歳以上になるとマンションでは70平米、一戸建てでは90平米以上あるとゆとりのある暮らしができるようです。小学校にあがるタイミングが住み替えを検討する目安となりそうです。

3人家族はどんな間取りに住んでいる?

お子さんが1人いらっしゃる3人家族の方に、現在どのような間取りにお住まいかアンケートをおこないました。

(回答サンプル数:278人)

65%のファミリーが、1人1部屋、もしくは、書斎・寝室・子ども部屋を作ることができる「3LDK」と回答。続いて、寝室・子ども部屋が作ることができる「2LDK」も、20%と比較的高い割合を占めています。
お子さんがまだ小さいファミリーは「1LDK」の物件を選択しているようでした。一方で、4LDK以上にお住まいのファミリーは15%と、お住まいの地域やライフスタイルで間取りを選択する幅も変わるようでした。

現在住んでいる間取りを選んだ理由は?

3人家族の方に現在お住まいの間取りを選んだ理由について詳しく聞いてみました。

1LDKを選んだ理由

3人家族で1LDKを選んだ理由は以下のとおりとなりました。

    みんなの声
  • 子どもはまだ乳幼児で収納がたくさんある部屋だったので。旦那が転勤で、今後引越すと思われるので今後のことはあまり考えてないです。(20代/女性)
  • 夫婦二人暮らしの時にちょうどいいと思って選んだ。現在は手狭に感じる。(20代/女性)
  • 寝室とリビングがきっちり分けられるから。(20代/女性)
  • 値段や立地の折り合いで。(30代/女性)

まだお子さんが小さいうちは、家族3人で川の字になれば寝室は1つでも十分ですし、1LDKでも問題なさそうです。とりあえず家賃を抑えやすい1LDKの物件を選んでおき、いずれマイホームを購入するために今のうちに貯金していく方法もあります。特に短期的な住まいとして考えるなら、1LDKもいい選択肢といえるでしょう。

2LDKを選んだ理由

3人家族で2LDKを選んだ理由は以下のとおりとなりました。

    みんなの声
  • 物件の立地や価格帯が気に入って。間取りはそこまで気にしていない。(30代/女性)
  • まだ子ども部屋が必要ないと思ったから。(30代/女性)
  • あまり部屋が多くても持て余しそうだった。(30代/女性)
  • 少し狭いかと思いましたが、立地も悪くなかったので、広さは妥協です。(50代/男性)
  • 特に子育てを意識した訳ではなく漠然と。(50代/女性)
  • 新築時ハウスメーカーの提案、実際の生活をイメージしながら決めました。(60代/男性)

2LDKの物件になると、部屋の割り振りも柔軟にしやすく、実際に住みはじめてから子どもの成長に合わせて模様替えもしやすいでしょう。こうしたバランスのよさもあってか、「間取りは意識しなかった」といった旨のコメントも、いくつか見られました。3人家族の2LDKであれば、お子さんが独立したあとも部屋を持て余しにくく、比較的使い勝手のいい間取りです。

3LDKを選んだ理由

3人家族で3LDKを選んだ理由は以下のとおりとなりました。

    みんなの声
  • 3LDK、狭くなくて部屋数もちょうどいいため。(20代/女性)
  • 子供に部屋をあげられる間取りだったから。(20代/女性)
  • 4人家族になることを想定して。(30代/女性)
  • 3人家族でそれぞれに部屋を一つずつと考えて。(30代/女性)
  • 家を購入した時は、夫婦二人だけで老後まで生活する予定だったので、特に何も考えずに決めた。(40代/女性)

3LDKになれば家族1人ずつに部屋が作れますし、コメントにもあるように、お子さんが2人になっても使いやすい間取りです。夫婦1部屋・お子さん2人に各1部屋にすれば、生活上でも特に問題ないでしょう。長期スパンで住むことを考えるなら、やはり前述の2LDKや3LDKが無難なのかもしれませんね。

3人家族の理想のリビングの広さは?

3人家族の場合、リビングはどれくらいの広さが理想なのでしょうか。

(回答サンプル数:248人)

15帖~18帖が30%と、一番多い結果となりました。6~10帖、11~14帖も20%以上いることから、リビングはおおよそ10帖~18帖あれば問題なさそうです。また間取りのアンケートでは、3LDKと部屋数が多い物件が好まれているようでしたが、リビングに関しては21帖以上求める声が少ないようでした。こうした点からもわかるように、部屋数が多い場合、自分の部屋で過ごす時間も多くなるのか、リビングの広さはあまり必要としていないようです。反対に広すぎると3人家族では、リビングのスペースを持て余してしまうのかもしれませんね。

子ども部屋はいつから用意した?

3人家族のご家庭では、どのタイミングで子ども部屋を与えている(与える予定)のでしょうか。

 

子どもの年齢 人数
小学生未満 113人
小学生 167人
中学生 45人
高校生 12人
大学生 10人
子ども部屋を与える予定はない 20人

(回答サンプル数:367人)

もっとも割合が高くなったのは「小学生」からで、宿題など自分で勉強する機会が増えることを理由に子ども部屋を作るケースが多いようです。中学生以上から子ども部屋を与える比率はかなり少なくなっており、子ども部屋はわりと小さいうちから作る傾向にあるようですね。
家族とはいえプライバシーはありますし、お子さん自身で自分の時間を作れる空間があるのは、自立心を養うきっかけにもつながるでしょう。もちろんご家庭によって育児方針は異なり、どれが正解というわけでもないので、じっくりお子さんの様子や希望を伺いながら決めていくのがベターです。

子ども部屋を作る際に気を付けたポイントは?

子ども部屋を作る際に、どのような点に気を付けたのか聞いてみました。

 

順位 理由 票数
1 生活環境 73
2 親の目が届くようにする 67
3 収納や整理整頓を重視 43
4 部屋の広さ 40
5 鍵について 23
6 家具のレイアウト 21
7 勉強しやすさ 13
8 プライバシーの保護 12
9 安全性 10
9 子どもの希望を聞く 10

(回答サンプル数:367人)※複数回答可

1位は、「生活環境」、2位は「親の目が届くようにする」、3位は「収納や整理整頓を重視」という結果に。では具体的にどのようなことを重視したのでしょうか、具体的に見ていきましょう。

生活環境

「生活環境」を重視した親御さんの意見は以下のとおりです。

    みんなの声
  • 成長するにつれて、日中も自分の部屋で過ごすことが多くなると見越して、一日で一番陽当たりがよく明るい位置にしました。いまはまだ未就学児なので、使用はしておらず、五月人形など物置状態になっています。(30代/女性)
  • 窓があって南向きの明るい部屋を子供部屋にしました。(40代/女性)
  • 古い家なので、寒くないような部屋をあてがいました。(50代/男性)

お子さんが長い時間を過ごす空間にもなるので、やはり生活環境を重視するご家庭が多いようです。コメントにもあるように、子ども部屋は寝室などとは異なり、勉強したり趣味に集中したり日中で使うことも多いスペース。できるだけ快適な部屋にしておくためにも、暑さ・寒さ対策や日当たりも大切ですよね。

親の目が届くようにする

「親の目が届くようにする」を重視した親御さんの意見は以下のとおりです。

    みんなの声
  • 部屋にこもって何をしているかわからないことがないように、オープンにしておく。(40代/女性)
  • 小学校低学年の頃は、リビングから近い部屋を子ども部屋にして、高学年になってから、2階に移しました。(50代/男性)
  • リビングの延長を子ども部屋にした。都市部で家が狭いのでやむを得ずだが、友達が来ても開けっ放しで一緒に遊べて目も届く。(60代/女性)

特にお子さんが小さいうちは、子ども部屋で完全な1人にしてしまうと危険なケースも。本を読んだり勉強したりする分には何ら問題はありませんが、何か道具を使って遊んでいる場合には、ケガをしてしまうことも考えられます。実際に「子どもの年齢で部屋の位置を変えた」とのコメントもあり、お子さんにとってまだ自己管理が難しいうちは、親の目が届くほうが安心でしょう。

収納や整理整頓を重視

「収納や整理整頓」を重視した親御さんの意見は以下のとおりです。

    みんなの声
  • カバンをかけたり帽子や上着をかけたりできるようにとにかく収納をたくさん作った。(20代/女性)
  • マンションでしたので、ウォークインクローゼットがある部屋を子ども部屋に選びました。(30代/女性)
  • 子どものものを全部そこに集約できるよう収納などの配置を考えた。(40代/女性)

洋服だけでなく、おもちゃ・本・勉強道具など、子ども部屋はたくさんの荷物が集まりやすい一面もあります。さらに習いごとや部活をはじめると、それに使うアイテムも増えていくでしょう。そうなると、やはり子ども部屋の収納は充実していたほうが、お子さんにとっても使いやすくなります。大きめのクローゼットやラックがあると、整理整頓もしやすいでしょう。

自宅に和室はある?

子育てするのに和室があると便利だとよく聞きますが、皆さんのご自宅には、和室があるか聞いてみました。

(回答サンプル数:426人)

約7割のご家庭は和室があるようですね。一人暮らしや同棲のケースでは、畳よりもフローリングに人気が集まるようですが、子育て世帯に好まれる間取りや設備は異なるようです。

和室があってよかったと思うことは?

では、実際に和室があるとどのように便利なのでしょうか。和室があるご家庭に聞いてみました。

    みんなの声
  • リビング続きで和室がありますが、疲れた時に子供の様子を見ながら横になることができてよいです。畳で床が固くないので子供が和室を気に入って遊んでいます。(30代/女性)
  • 生後5、6カ月頃から動きがダイナミックになり頭から転んだり、寝返りで布団から飛び出すことも多いが、和室だと頭や顔へのダメージもそこまでひどくならずに済んだこと。(40代/女性)
  • 子供が小さい時に、家族みんなで寝る時に和室は便利です。(40代/男性)
  • 便利だと思う。男の子なので戦える場所として。(40代/男性)

お子さんが小さいうちは、一緒に遊んだりお昼寝したりするのに和室が便利なようです。フローリングよりも畳のほうがやわらかく、衝撃も吸収しやすいので、小さいお子さんにとっての安全面でも和室が有効だったコメントも見られました。お子さんが大きくなってあまり子ども用には使わなくなっても、家族がくつろぐリビングや来客用としても使えますよ。

【3人家族】間取りを選ぶ際のポイントは?

では実際に3人家族向けの間取りを選ぶ際に、あらかじめ考えておきたいチェックポイントを見ていきましょう。

夫婦の寝室はどうする?

部屋数に影響する要素として、夫婦の寝室があります。寝室を個々に分け、さらに子ども部屋を作る想定でいくと、3LDK以上は必要です。また、2LDKの間取りの場合は、10帖など広めの部屋にシングルベッドを2つ設置し寝床を分けるといった、家具やレイアウトを工夫して対応する方法もあります。

書斎や仕事部屋を設ける?

テレワークが多い場合には、やはりリビングや寝室とは別に、集中できる部屋があったほうが便利です。もし書斎や仕事部屋を作るのであれば、少なくとも夫婦の寝室と子ども部屋とは別に、もう1つ部屋が必要でしょう。そうなると、もし子ども部屋を作る前提なら、2LDK+DEN(※)、3LDK以上の物件を選ぶのがベターです。

※DENとは、…書斎など、趣味を楽しむための小部屋のこと

子ども部屋を設ける?

これまでにも出てきているように、子ども部屋が必要なら、少なくとも2LDKはあるのがベストです。もし1LDKで子ども部屋を作ろうとすると、リビングと夫婦の寝室を兼用するなどの間取りになってしまいます。子ども部屋を考えるのであれば、なるべく部屋数はあったほうが便利でしょう。

収納スペースはどれくらい必要?

どの部屋にどのような収納を確保するのか考えておかないと、荷物が収まりきらずに部屋が狭くなる・出かける前の準備がしにくいなど、あとから不便に感じてしまうことも。事前に夫婦とお子さんの洋服や荷物がどれくらいあるのか確認したうえで、各部屋の収納スペースを決めていきましょう。

来客の頻度はどれくらい?

もし家族や友人を招いて食事をするなど、人がよく集まる場合には、リビングは広めのほうが便利でしょう。両親や来客を泊める回数が多いのであれば、客室を設けておくとベターです。このように来客面も考慮するのであれば、その分間取りも充実させる必要があります。

個室とリビングどちらを重視する?

間取りを決めていく際には、リビングと個室のバランスを考えることも大切です。仮に家族でお互いに個室にいる生活スタイルが多くなるのであれば、リビングはさほど広くなくても問題ないでしょう。反対にそれぞれの個室は寝るくらいにしか使わないなら、リビングが充実しているほうが便利です。どこに重点を置くのか決めておくと、間取りだけでなく、家具の配置や収納スペースなども考えやすくなります。

タイプ別にみる、3人家族におすすめの間取り

部屋の数だけでなく、リビングの広さや収納量も間取り選びで重要なポイントです

ではここからは、間取りのタイプ別に分けて、向いている家族構成やおすすめの物件例などを紹介します。

「1LDK」がおすすめの3人家族の特徴

  • 子どもがまだ幼い
  • 普段リビングで過ごすことが多い
  • 交通・生活利便を優先したい
  • なるべく家賃を抑えたい
  • 今後住宅購入を考えている
  • 荷物が少ない

まだお子さんが乳幼児期であれば、あえて子ども部屋を設ける必要性も低いでしょう。さらにもう1人お子さんを産む予定があるなら、家族が増えるタイミングで引越しを考えるのもひとつの方法です。1LDKのような部屋数の少ない間取りなら家賃も低めなので、なるべく節約して将来の資金を貯めたいファミリーにおすすめです。

【1LDK・65平米】間取りの実例

6歳以下のお子さんがいることを想定し、不動産情報サイト アットホームに掲載されている賃貸物件のなかから、1LDK・65平米の間取りをピックアップしてみました。

間取り:1LDK(LDK14.5帖、洋室9帖)
面積:65平米

賃貸物件の1LDKの広さは平均的に40~50平米が多く、65平米だと、1SLDKなどの間取りも多くみられます。こちらの物件はメゾネットタイプの物件で、ウォークインクローゼットなど収納も充実。1LDKでトイレが2カ所設置されているのもうれしいポイントです!

「2LDK」がおすすめの3人家族の特徴

  • 仕事部屋を確保したい
  • 子ども部屋を確保したい
  • もう一人子どもが欲しい
  • 普段はリビングで過ごすことが多い
  • 長く住み続ける予定(購入も検討)
  • 荷物が多い

2LDKになると、リビングとは別に2部屋確保できるため、より使い方の幅は広がります。ライフステージに応じて各部屋の割り振りを変えられるので、将来的にも長く見据えた物件を選びたい場合におすすめです。

【2LDK・75.3平米】間取りの実例

10歳以上のお子さんがいることを想定し、不動産情報サイト アットホームに掲載されている賃貸物件のなかから、2LDK・75.3平米の間取りをピックアップしてみました。

間取り:2LDK(LDK19.5帖、洋室6.5帖、洋室6.5帖)
面積:75.3平米

賃貸物件の2LDK・70~75平米の間取りは一般的なので、物件選択の幅も広いため理想の間取りも見つかりやすいでしょう。こちらの間取りはLDKが19.5帖もあるので、子どもがある程度大きくなっても広々と使うことができそうです。

「3LDK」がおすすめの3人家族の特徴

  • 夫婦の寝室を分けたい
  • 趣味部屋や仕事部屋を確保したい
  • もう一人子供が欲しい
  • 長く住み続ける予定(購入も検討)
  • 荷物が多い

3LDKも2LDKと同様に、部屋数が多い分、ライフスタイルに合わせてカスタマイズができます。特に夫婦でそれぞれの個室がほしい場合には、2LDKにしてしまうと子ども部屋がなくなってしまうため、3LDKはないと厳しいでしょう。お互いに自分の時間を大切にしたいご家庭には、3LDK以上がおすすめです。

【3LDK・75.1平米】間取りの実例

10歳以上のお子さんがいることを想定し、不動産情報サイト アットホームに掲載されている賃貸物件のなかから、3LDK・75.1平米の間取りをピックアップしてみました。

間取り:3LDK(LDK15.8帖、洋室6.5帖、洋室6帖、和室6畳)
面積:75.1平米

賃貸物件の3LDKの広さは・70~80平米の間取りは一般的なので、物件選択に困ることもなさそうです。3LDKと部屋数が多くなると、和室がある物件もちらほらみられます。子どもが幼い時期は、和室があると便利です。理由としては、転んで頭を床にぶつけたなんて時でもフローリングよりも和室の方がクッション性もあって安心です。また、夏は涼しく冬は暖かく過ごせるのでお子さんのお昼寝時にも最適です。

3人家族の場合、賃貸と購入どちらを選ぶべき?

それぞれのご家庭でライフスタイルには違いがあるため、どちらがいいとは一概にはいえません。賃貸にもマイホームにも、メリット・デメリットがあります。

例えば賃貸なら、すぐに住み替えができる・固定資産税がかからないなどのメリットがある一方で、資産にはならないのがデメリットです。自分の所有物にできないため、生涯家賃を払い続けなければなりません。

またマイホームなら、間取りや設備を自由にカスタムできる・将来的な資産になるなど、いくつものメリットがあります。ただし購入すると、メンテナンスが必要となる・引越しがしづらいといった部分はデメリットになるでしょう。

このように、双方ともにメリットとデメリットがあることを考慮したうえで、例えば次のような視点から、賃貸かマイホームを購入するのか検討していくのがおすすめです。

ライフスタイルや将来設計による

例えば転勤が多い仕事など、引越しをする確率が高い場合には、住み替えがしやすい賃貸のほうが向いています。もしくは、まだ将来設計が固まっていない・家族が増える可能性があるといったケースでは、賃貸にしておいたほうが無難。しっかりと先を見据えてから、より計画的にマイホーム購入を考えることをおすすめします。

間取りによっては賃貸が合うケースも

住みたい間取り次第では、賃貸のほうが選択肢の幅が広く、よりご自身の家庭に合った物件を選びやすい可能性もあります。では実際に、物件数にどの程度の差があるのか、以下で詳しく見てみましょう。

賃貸と分譲の物件数を比較してみる

「不動産情報サイト アットホーム」に掲載されている賃貸物件と中古マンションの物件数を調べてみたところ以下の結果となりました。

 

  1DK~2DK 2LDK~3DK 3LDK~4DK 4LDK以上
東京都 賃貸物件 99,551 23,451 7,886 1,503
中古マンション 4,063 8,928 9,776 838
神奈川県 賃貸物件 35,078 14,157 4,782 899
中古マンション 1,416 3,908 6,951 906
千葉県 賃貸物件 20,942 10,628 2,747 642
中古マンション 360 1,270 3,214 585
埼玉県 賃貸物件 21,634 10,679 3,203 826
中古マンション 469 1,761 3,947 444
北海道 賃貸物件 22,845 7,119 1,809 415
中古マンション 359 578 1,423 587
宮城県 賃貸物件 6,022 2,944 660 155
中古マンション 186 695 1,175 240
愛知県 賃貸物件 68,138 35,619 11,178 1,723
中古マンション 453 1,351 3,458 1,180
大阪府 賃貸物件 49,024 19,459 9,722 1,079
中古マンション 1,092 3,322 5,634 1,007
広島県 賃貸物件 10,761 6,344 2,218 325
中古マンション 89 266 579 197
福岡県 賃貸物件 47,517 24,337 7,091 1,283
中古マンション 467 913 2,271 845

※「不動産情報サイト アットホーム」に公開されていた物件数(2022年11月時点)

上記の表にあるような都心部では、特に1LDK~2LDKの物件であれば、賃貸のほうが圧倒的に件数は多いことがわかります。もし1LDK~2LDKの間取りで検討しているなら、賃貸のほうが理想の物件に出合える確率も高くなりそうです。

家賃と月々のローン返済額を比較してみる

やはり賃貸とマイホームとの比較で気になるのは金銭面ですよね。そこで次からは、賃貸の家賃とマイホームの住宅ローンとの金額差を、具体的にシミュレーションしながら解説していきます。

賃貸物件の家賃相場

東京都の家賃相場
1DK~2DK 11.9万円
2LDK~3DK 17万円
3LDK~4DK 21.5万円

※「不動産情報サイト アットホーム」に公開されていた家賃相場(2022年11月時点)

東京都の家賃相場は、1DK~2DKで約11.9万円、2LDK~3DKで約17万円3LDK~4DKでは約21.5万円、4LDKで約31万円となります。2LDK以上の物件だと相場はぐっと上がりますが、あくまで目安なので、立地や設備などの条件を変えれば家賃は抑えることが可能です。また賃貸なら引越しもしやすいので、収入が増えてきたら広い間取りに住み替えるなど、ライフスタイルに応じて物件を選んでいく方法もあります。

中古マンションの価格相場

東京都の中古マンション価格相場
1DK~2DK 4,374万円
2LDK~3DK 5,993万円
3LDK~4DK 5,984万円
4LDK 7,051万円

※「不動産情報サイト アットホーム」に公開されていた価格相場(2022年11月時点)

1LDKはおおよそ2,400万円~4,000万円、2LDKでおおよそ4,400万円~5,000万円になるようでした。
ちなみに、アットホームのローンシミュレーターを使って、2LDK、4,500万円の中古マンションを頭金なし・35年ローン・変動金利(0.38%)で購入した場合、月々の返済額はいくらになるか調べたところ11.4万円(管理費・修繕費除く)となりました。

賃貸の場合は、収入が減った際などに家賃を下げることができますが、分譲は月々のローンの支払いを下げることはできません。収入が不安定、近々転職を予定している場合などはしばらく賃貸物件で様子をみることをおすすめします。

住宅ローンを組むなら40歳までに家を購入しよう

国土交通省の「令和2年度 住宅市場動向調査」によると、住宅ローンの平均返済期間は以下となりました。

種目 平均返済期間
新築マンション 31.1年
中古マンション 25.3年
新築一戸建て 31年
中古一戸建て 27.2年
注文住宅(建築費) 32.4年
注文住宅(土地購入費) 34.2年

当然ですが住宅ローンは返済するのが前提のため、借入時の審査では、年齢も大きな基準になります。さらに完済年齢の上限も80歳に決まっているため、もし35年ローンを組むのであれば、45歳までには返済をスタートさせる必要があります。

上記の表からもわかるように、住宅ローンの返済には、30年前後かかるのが一般的です。なるべくまとまった収入のある定年前後までに返済したいと考えるのであれば、平均して25年ローンになる中古マンションを買うにしても、少なくとも40歳までには申し込むのが理想。マイホーム購入には、住宅ローン返済開始時の年齢も考慮しておきましょう。

3人家族が子育てしやすい物件選びのポイントは?

お子さんのいる3人家族で快適に生活するには、育児がしやすい環境の整った物件を選ぶことが大切です。では具体的に、どのような物件が子育てに向いているのか、以下から解説します。

対面キッチンであること

対面キッチンであれば、料理をしながらリビングにいるお子さんの様子も見られるので安心です。壁付けになっていると、家族とのコミュニケーションも取りづらいですが、対面ならお子さんにこまめに声をかけながら料理ができます。家事と育児の両立にはぴったりですよ。

リビングが広い(10帖以上)

特にお子さんが小さいうちは、広いリビングの一角を遊ぶスペースにすれば、子ども部屋はなくても事足ります。乳幼児期は親の目が届く範囲で遊んでもらったほうが安全なので、広いリビングで常にお子さんの様子を見られる環境にしておくのもおすすめです。

和室がある

畳に使われる井草は吸湿性・放湿性に優れており、体温の高い子どもにとって、和室は夏でも快適に過ごしやすい空間でもあります。反対に冬場でもフローリングほど冷たくならないため、寒くても暑くても、お子さんのお昼寝には和室がぴったりです。

防音性がある

集合住宅の場合は、お子さんの泣く声や走る音など、騒音トラブルになる可能性もあります。物件の構造によって防音性は異なりますが、比較的音を防ぎやすいのは、鉄筋コンクリート造(RC造)です。特にマンションやアパートなら、木造よりも鉄筋コンクリート造を選ぶといいでしょう。近隣住民とトラブルにならないためにも、遮音シートやカーペットを床に敷くなどの工夫も必要です。

収納スペースが充実している

衣類やおもちゃなど、子ども用の荷物も多くなるので、ウォークインクローゼットといった収納が充実していると便利です。きちんと大人と子どもで分けられるほうが整理整頓もしやすいので、なるべく各部屋に収納がある物件を選ぶとよいでしょう。

リビングを通らないと子ども部屋に行けない

リビングと子ども部屋がそれぞれ独立していると、お子さんの様子が見えづらくなるのが難点です。さらにいずれお子さんが思春期を迎えて、自分の個室にいる時間が増えることも考えると、家族と顔を合わせやすい環境を作っておくことも大切です。外から帰ってきてそのまま自分の部屋に直行できてしまうと、会話の機会も減ってしまいますし、家族間のコミュニケーションのためにもリビングを通る間取りがベターです。

まとめ

家族3人で心地よい毎日を過ごすためには、各家庭のライフスタイルに合った住環境にすることが大切です。今後の将来設計もきちんと考えたうえで、現時点で適しているのはどのような物件なのか、十分に検討していきましょう。そのためにも本記事を参考にしつつ、まずはしっかりと家族で相談しながら、より快適な暮らしができる住宅を探してみてください。

<アンケート調査概要>
対象/全国20 歳〜65歳の3人暮らしのファミリー
調査方法/インターネットリサーチ
調査時期/2022年12月

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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