CATV(ケーブルテレビ)とCATV付き賃貸とは?メリット・デメリットと契約前の注意点を徹底解説

では実際に、CATV付きの賃貸物件に入居すると、どのような便利さがあるのか気になりますよね。そこで今回はCATV付きの賃貸物件について、大まかな概要から具体的なメリット・デメリット、入居時に気を付けておきたいポイントなどを解説していきます。
記事の目次
CATV(ケーブルテレビ)とは?

そもそもCATV(ケーブルテレビ)とは、通常の地上波放送に加えて、衛星放送(BS・CS)やその他の有線放送がテレビで視聴できるサービスを指します。CATVでは、各ケーブルテレビ会社の専用アンテナで受信した放送電波を、ケーブル回線を使って各住戸に届ける仕組みになっています。
こうした有線接続により、電波の届きにくい山間部などでも、安定してテレビ放送が視聴可能に。また、各ケーブルテレビ会社による電波の配信サービスでもあり、なかにはインターネットや固定電話などのサービスも併用できるケースもあります。
CATV付き賃貸物件とは?
前述にもあるように、CATVを視聴するには、各住戸に電波を配信するためのケーブルが敷設されている必要があります。そこでCATV用の有線がすでに敷かれている賃貸となるのが、「CATV付き物件」です。ちなみにCATV付きの賃貸物件とはいえ、入居すれば自動的に視聴できるわけではありません。なかには入居してすぐにでも利用できる場合もありますが、CATV付き賃貸物件とは、あくまで視聴できる環境が整っている部屋を意味します。物件ごとに、CATVを視聴するための手順は異なるので、入居前に確認しておくようにしましょう。なおCATV付き賃貸物件に入居するメリットやデメリットは、後述から詳しく解説していきます。
CATVの契約方法
CATVは物件ごとに視聴するための手順には違いがあり、そもそも契約方法にもいくつかのパターンがあります。大きく分けると、物件の賃貸契約時に自動的に付いてくるタイプと、入居後に各自でケーブル会社と直接契約するタイプの2つ。また、利用料金の支払い方なども含めると、さまざまな契約方法があるので、あらかじめ各物件に入居する前に把握しておきましょう。その他にもCATVの視聴には専用のチューナーが必要ですが、部屋に付属されていたり自前で購入したりなど、物件ごとに変わってくるので事前にチェックしておくことをおすすめします。
CATV付き賃貸物件に住むメリット
では実際に、CATV付きの賃貸物件に住むことで、どのような利便性があるのか詳しく見ていきましょう。
天候や立地・通信障害に左右されにくい
通常のテレビ放送の場合、各住戸のアンテナで電波を直接受信して視聴する仕組みになっています。そのため、大雨や積雪などの悪天候の他、周囲が高い建物に囲まれているなどの立地や通信障害により、電波の届き方が不安定になるケースも見られます。
一方でCATVは、ケーブルテレビ会社を介して、各住戸には有線で電波が届くため、周りの状況に関わらず、画質なども含めていつでも良好な状態で、さまざまなチャンネル放送を安定して視聴しやすいメリットがあります。
チャンネル数が豊富

前述でも少し出てきたように、CATVではBS・CSなども含めて、幅広いチャンネルを楽しめる特徴があります。例えば地域に特化したコミュニティチャンネルでは、地元の行事の様子や災害時の周辺情報などの放送を視聴できることも。また各ケーブルテレビ会社による、独自のオリジナルチャンネルを観ることもでき、より豊富なコンテンツが揃っているのも大きなメリットです。地上波放送以外にも、さまざまなチャンネルを楽しみたい場合におすすめできます。
セット割やキャンペーンが充実している
ケーブルテレビ会社によって異なりますが、CATVとあわせてインターネットや固定電話のサービスを利用できるケースもあります。その他にも、スマートフォン・ガス・電気などが一緒に契約できる場合も。なおかつCATVとのセット契約で、利用料金が割引されるなど、各種キャンペーンを活用できるのもメリットです。また割引だけでなく、セット契約にともなうプレゼントやキャッシュバックなどが付いてくることもあり、さまざまなサービスをお得に使える可能性も高い利点があります。
設置工事が不要である
CATVを利用する場合、そもそも視聴できる環境でなければ、ケーブルを引き込む工事を自分で手配しなければなりません。さらに賃貸物件の場合は、必ず管理会社や大家さんからの許可が必要です。もちろん管理会社や大家さんから承諾を得られなければ、工事もできないので、結果的にはCATVの利用ができない可能性も。
一方でCATV付きの物件なら、すでに視聴環境が備わっているため、ケーブル工事の手配などの心配もなく入居できるメリットがあります。
お得に視聴できるケースもある
例えば専用チューナーも付いてくる物件なら、自前で用意する必要がなく、CATVを利用する際の初期費用を抑えることが可能。また場合によっては、入居者向けのサービスとして、物件オーナーがCATVの有料チャンネルの利用料金を負担してくれることもあります。もちろん物件により異なりますが、CATVを利用するためのコストを軽減できる可能性があるのもメリットです。
CATV付き賃貸物件に住むデメリット

CATV付きの賃貸物件では、安定して多彩なコンテンツが楽しみやすくなる一方で、あらかじめ想定しておきたい次のような注意点もあります。
家賃と別に利用料金がかかる
CATV付きの賃貸物件では、毎月家賃に加えて別途利用料金もかかります。また仮にBS・CSなどの独自のチャンネルを視聴しないにしても、アンテナがない物件では、地上波放送を観るためにCATVの有線接続を利用しなければなりません。したがって通常のテレビ放送だけを視聴する場合でも、自動的にCATVの利用料金がかかってしまうケースも。特にCATVの視聴を必要としていない時には、こうした料金面も考慮して検討しましょう。
プランを選べないことがある
入居にあたって自動的にCATVの契約が付いてくる場合、すでに物件側で利用プランが固定されており、自分の好みのサービス内容を選べないケースもあります。さらに入居とCATVの契約がセットになっている際には、地上波を含めたテレビ放送を視聴しないにも関わらず、利用料金が発生して余計なコストがかかってしまうことも。特に「動画配信のサブスクリクションサービスを使っていてテレビは観ない」などの時には、契約前に不動産会社に相談しましょう。
インターネットの速度が遅いことがある
CATVを通じてインターネットを利用する場合、通常の光回線とは異なるテレビ用のケーブルが使われていることから、一般的なプロバイダーに比べて通信速度が遅くなりやすい傾向にあります。例えばオンラインゲームやリモートワークで使おうとすると、CATVのインターネットでは通信速度が足りないケースも。在宅勤務で利用したい時などには、光回線によるインターネットが使える物件のほうが適している可能性もあるので、しっかりと検討しておきましょう。
CATV付き物件に住む時に気を付けること

ではCATV付き賃貸物件を選ぶ際に、より適した契約内容なのか見極めるためにも、入居前には以下のポイントも十分に考慮して検討してみましょう。
月額利用料を確認する
ケーブルテレビ会社ごとにさまざまなプランがあり、当然ながら月額利用料も異なります。基本的には毎月の固定費として加算されることになるので、家賃に対してどれくらいのプラスアルファになるのか、事前にきちんと確認しておきましょう。同じような条件の部屋でも、CATVの有無次第で、家賃の金額が変わる可能性もあります。
また物件によっては、入居者側の利用希望に関係なく、部屋を借りる際に自動的にCATVの契約が付いてくるケースも。そうした場合には、もし利用しないのであればCATV月額利用料分が余計な出費になってしまうため、あらかじめ契約形態も十分に把握しておきましょう。
支払い方法を確認する
一般的には、毎月の家賃と同時に支払う場合が多く見られますが、なかには別途引き落としやケーブル会社への振り込みなどが必要なケースもあります。また支払う内容も、例えば「有料チャンネル分のみ」など、入居者側でどれくらい負担するのか物件によって異なります。毎月の固定費に影響する部分でもあるので、事前に支払い方法もしっかりと確認しておきましょう。
サービスの提供範囲を確認する
入居者側で契約内容を選ぶにしても、物件で指定されているにしても、各利用プランでどのようなサービスがあるのかチェックしておくのも重要です。例えば物件側ですでに利用プランが決められている場合、必要なサービスが付いていないと入居してから日常的に不便に感じてしまう可能性もあります。また反対に、不要なサービスが含まれていると、その分余計な出費になってしまうケースも。必要なサービスが確実に利用できるプランなのか、詳細まで十分に確認しましょう。
費用対効果を考える
例えば幅広いコンテンツが楽しめたり、他のサービスとの併用による割引があったりなど、CATVを利用するメリットはいくつもあります。ただし、実際に受けられるサービス内容と費用のバランス感も考慮しておかないと、結局のところ余分なコストになってしまう可能性も。例えばインターネットが使えても、通信速度が足りずに別のプロバイダーを契約せざるを得ない場合や固定電話は設置しない場合など、大きな負担になりかねません。そもそも本当にCATVが必要なのか、きちんと見極めておくことも大切です。
CATV付き物件の探し方

CATV付きの賃貸物件を見つけるためには、大きく分けて以下のような2つの方法があります。
- 不動産情報サイトで「CATV」付き物件を検索する
- 不動産会社に訪れて、「CATV」付き物件を探してもらう
基本的には通常の物件を探すのと同じように、不動産情報サイトで「CATV付き」を検索条件にしてリサーチするか、不動産会社に相談する方法が考えられます。なお不動産情報サイト アットホームでは、希望の“こだわり条件”から、「CATV付き賃貸物件」に絞って検索することが可能です。もしCATV付き賃貸物件をご検討であれば、ぜひ活用してみてください。
CATVについてよくある質問

ではここからは、CATVに関するまとめとして、よくある質問をピックアップして整理していきます。
CATV付き物件とは
まずCATVとはケーブルテレビ会社による有線放送サービスで、地上波・BS・CSをはじめ、地域限定番組や各社によるオリジナルチャンネルなど幅広いコンテンツ楽しめます。そしてこのCATVを利用するためのケーブルが引き込まれており、視聴できる環境が用意されているのが、CATV付き物件です。
CATV付き物件でインターネットは利用できる?
最近ではインターネットも含めて契約できるケースも多く見られますが、通常は各社が提供する有線放送のみを基本プランとしている場合が一般的です。各物件ですでに契約されている、もしくは入居者自身で選ぶプラン次第で、インターネットが利用できるかどうかは異なります。インターネットの利用を希望する際には、あらかじめ各物件のCATVの契約内容を確認しましょう。
CATV付き物件に入居すれば利用できる?
なかには、入居と同時に自動的にCATVが契約される場合もありますが、すべての物件で部屋を借りたら必ず利用できるわけではありません。CATVの視聴環境はあるものの、サービスの契約自体は入居者の任意で決められるケースもあります。CATVの契約方法は物件ごとに異なるので、あらかじめ確認しておくようにしましょう。
CATVは無料で利用できる?
CATVの月額利用料は、入居者側で負担するのが一般的です。賃貸情報の家賃欄に「CATV利用料」との項目が記載されているケースもありますが、特別明記されていない場合でも、毎月の支払い額に含まれるのが基本。なかには、サービスとして大家さんが負担してくれる物件もありますが、通常は無料ではなく入居者で負担して利用します。
まとめ
例えば「スポーツ観戦のために衛星放送を視聴したい!」など、地上波以外のさまざまなコンテンツを楽しみたい場合には、CATV付き賃貸物件がおすすめ。CATVの利用には視聴用の設備が必要となるため、元々建物に備わっているCATV付き賃貸物件を選ぶことで、導入の手間や負担を省くことができます。もちろんCATVを利用する分、毎月の料金はかかりますが、より多くのチャンネルや安定した視聴が楽しめるなどのメリットも。ぜひ本記事も参考に、CATV付き賃貸物件も含めて、より快適な住まいを探してみてください。