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ナメクジを駆除したい!今すぐできる方法と発生を防ぐ対策

ナメクジの駆除方法やその際の注意点とあわせて、事前にできる予防策についてご紹介します
ジメジメと湿気の多い、イヤな時期とともに出てくるナメクジ。クネクネした独特の見た目が不気味で、家の中や周辺で目にした時にはゾッとしますよね。そのまま放っておくと、知らない間に卵を産み付けられて大量発生……なんてこともありえるため、1匹でも見かけたらすぐにでも対処することが大切です!
そこでこの記事では、ナメクジの駆除方法やその際の注意点とあわせて、事前にできる予防策についてご紹介します。

ナメクジの生態とは?

まず、より対策がしやすいように、ナメクジがどのような生物なのか簡単に説明していきます。

ナメクジの特徴

ナメクジは、殻が退化した貝類の1種で、雌雄同体なのが大きな特徴です。2匹いればオスメスに関係なく双方ともに産卵して繁殖し、1回につき数十個、年間にして数百個もの卵を産みます。繁殖期は冬と春をまたぐ11月~4月頃で、1~2カ月程度で卵がかえり、そこから2~3年ほど生息。卵も成体と同様に、土の中や鉢底といった、暗く湿った場所に産み付けられます。

ナメクジの好きなもの

ナメクジに食べられたいちご

ナメクジはジメジメと暗い場所が好きな他に、植物の葉を好んで食べる習性があります。細かな歯を持っているので、野菜や果実もかじって食べることが可能。なかでも好きなのは花びらや新芽などのやわらかい植物で、特にキク科を好みます。そのためナメクジを除けたい植物のそばに、マリーゴールドを植えておとりにするケースもよく見られます。

ナメクジの天敵、苦手なもの

天敵はさほど多くありませんが、身近な生物としては、マイマイカブリやコウガイビルはナメクジを捕食します。またナメクジは植物を好むものの、椿は嫌う習性があり、忌避剤としても利用できます。

ナメクジの発生しやすい場所

ナメクジは、基本的に日中は人目に付かない場所に隠れています。特にナメクジが好んで発生しやすい場所もあるので、家の周辺に次のような要注意ポイントはないか、チェックしてみましょう。

ジメジメした湿気の多い場所

ナメクジは湿っぽく暗い場所が好きで、ジメジメとした隠れやすいところに生息したり卵を産んだりします。例えば室内なら排水溝周辺、北向きの日が当たりにくい玄関など。場合によっては暗めのベランダから、網戸のすき間などを通って部屋に侵入してくることもあります。

プランターや葉っぱの裏、土の中

対策をしていない鉢植えは、湿気がある暗所ですぐ上には食べ物(植物)と、ナメクジにとって住みやすい場所になります

植物はナメクジの主食で、なおかつ湿気も日陰もできやすく、庭や家庭菜園などがあると生息しやすい好環境ができてしまいます。もしガーデニングをするのであれば、なるべく湿気がこもらないようにするなどの対策も必要です。

野菜についてくることもある

ごくまれではありますが、家庭菜園などの野菜に付着しているケースもあります。成虫ならすぐに見つけられますが、卵は半透明の数ミリほどの大きさなので、目視するのが難しい可能性も。誤って食べてしまうと、人体に悪影響を与えることもあるため、食べる前にしっかり水洗いするなどの注意が必要です。

ナメクジの発生しやすい時期

ナメクジの繁殖期は冬から春頃ですが、基本的には年中生息しているため、季節に関係なく発生します。特に梅雨に入る6~7月、台風が多い8月下旬~10月上旬あたりは、湿度が高くなるので出現しやすいシーズンです。

ナメクジが発生する原因は?

ではなぜナメクジが寄ってきてしまうのか、主な発生源についても見ていきましょう。

餌となる植物があること

ここまでにも出てきているように、ナメクジは好きな餌を求めて、家の庭やバルコニーなどの植物に寄ってきます。また植物があることで隠れられる場所ができてしまうため、そこで繁殖してどんどん増えてしまう原因にもなります。

ジメジメした暗い場所があること

ナメクジは湿気と暗所がそろった場所で生息するので、そういった条件が整いやすい、鉢植えの中・植木・排水溝に住み着きます。そこにナメクジが2匹以上集まってしまうと繁殖できてしまうため、気が付かない間に増えているケースも多々見られます。

ナメクジは人体に害がある?

ナメクジは単純に気味が悪いだけでなく、実際に人間の生活に悪影響をおよぼす衛生害虫といわれています。ナメクジが発生してしまうと、以下のようなリスクも考えられるので注意しましょう。

寄生虫で感染症を起こす可能性がある

過去にはナメクジを食べて亡くなった人もいます。駆除の際は十分注意しましょう

ナメクジは、「広東住血線虫(かんとんじゅうけつせんちゅう)」と呼ばれる寄生虫を持っている可能性があり、誤って人体に入ると健康被害を引き起こすケースがあります。広東住血線虫症に感染すると、1~2週間ほど体内に潜伏してさまざまな症状が発生し、髄膜脳炎(ずいまくのうえん)を発症することも……。

髄膜脳炎になると頭痛や発熱などを引き起こすものの、通常は完治するとされていますが、場合によっては後遺症や死に至る危険もあるため注意が必要です。

家庭菜園への食害を引き起こす

ナメクジは家庭菜園や庭で育てた植物を食べるだけでなく、農作物の食害も引き起こします。キャベツ・白菜・キュウリ・ナス・イチゴ・みかんなど、野菜も果物も何でも食べてしまい、せっかくの収穫物にまで悪影響を与えるので要注意です。

自分で今すぐできるナメクジの駆除方法

ではここからは、実際にナメクジを見かけた場合に、自宅でもすぐにできる対処法をご紹介していきます。

熱湯をかける

熱湯をかけると、タンパク質が固まってゆで上がったような状態になって死滅するので、非常に即効性もあるシンプルな駆除方法です。特に薬剤も使わないため、赤ちゃんやペットがいる場合にも無害で安全。もちろんやけどしないように、駆除場所から遠ざけるように気を付けましょう。

ただし室内の場合は、熱湯によって床や壁などを傷めてしまう可能性があり、フローリングや大理石といった内装材には注意が必要。また屋外の場合も、植物にかけると枯らしてしまうケースがあるため、避けたほうがいい方法です。例えば玄関付近やベランダといった、コンクリートやタイルなどの場所に適しています。

<メリット>

  • すぐに用意できる(コストもかからない)
  • 即効性がある
  • 赤ちゃんやペットがいる場合にも悪影響がない

<デメリット>

  • 室内では基本的に使いにくい
  • 家庭菜園など植物がある場所もNG

塩をかける

ナメクジといえば…という駆除方法ですが実は効果が薄い方法です

古くからよくいわれている代表的な方法で、塩によってナメクジの体内から水分を取り除くことで、脱水状態にして駆除します。ですが塩をかけるだけでは、実際にはただ体が弱るだけで、駆除できるわけではありません。塩が少なかったり水がかかったりすると復活するので、あとから熱湯などで死滅させて完全に退治する必要があります。

もし室内で塩を使うのであれば、床材などへの影響は少ないですが、しっかりと念入りに掃除することが不可欠。小さなお子さんやペットがいる場合には、塩が残った部分を誤ってなめてしまう可能性もあるので気を付けましょう。ちなみに鉢植えや庭などに塩を振ると、植物が弱ってしまうこともあり、あまりおすすめできません。

なお砂糖を使っても、塩と似たような効果はありますが、アリの発生原因になるので要注意です。

<メリット>

  • すぐに用意できる(コストもかからない)
  • 赤ちゃんやペットへの悪影響が少ない

<デメリット>

  • 死滅しないため後処理が必要
  • 家庭菜園など植物がある場所には使いづらい

重曹をかける

重曹を使っても、塩と同じような方法で駆除することが可能。自宅の掃除用として用意がある場合、すぐに使いやすく手軽な方法です。重曹も薬剤ではなく、有害な物質も発しないため、比較的安全に使えます。

ただしナメクジが完全に隠れる程度の量をかけて、動かなくなるまで様子を見て退治する必要があります。また重曹は弱アルカリ性のため、酸性土を好む植物の付近で撒いてしまうと、枯らしてしまう可能性があるので要注意。
反対に弱アルカリ性の土が好きな植物なら問題はありません。

<メリット>

  • 自宅にあればすぐに用意できる(コストもかからない)
  • 赤ちゃんやペットへの悪影響が少ない

<デメリット>

  • 死滅しないため後処理が必要
  • 酸性土を好む植物がある場合はNG

ビールでわなを作る

ナメクジはビールのにおいを好んで寄ってくるため、ペットボトルなどの捨てる容器に5cmほど入れ、トラップを作って駆除する方法もあります。そのままビールのなかで溺れて死滅する場合もありますが、ビールの成分に殺虫効果はなく、逃げられてしまう可能性も。ビールトラップのなかに駆除剤や台所洗剤を混ぜておくと、殺虫剤にできます。

ただし小さなお子さんやペットがいる際には、誤飲してしまう危険があるので要注意。また発泡酒よりもビールのほうが効果は高いですが、トラップのために用意する場合には、少しもったいないように思えるかもしれません。

<メリット>

  • 殺虫効果のアレンジをしておけば、トラップだけで駆除できる
  • おびき寄せて駆除できるので何匹もまとめて退治可能

<デメリット>

  • 子どもやペットがいる家庭では使いづらい(誤飲の危険あり)
  • ビール代がかかる(発泡酒よりも効果大)

箸でつまんで敷地外に出す

家から離れた空き地などに追い出せそうなら、シンプルに箸やトングなどで捕まえて駆除する方法もあります。例えば1匹しか見かけていない場合の応急処置であれば、敷地外に追い出すのもいいかもしれません。

ただし平坦な道だと戻ってくる可能性もありますし、近所のお宅の敷地に入ってしまうのも迷惑になるため、あくまで一時的な対処法と考えたほうが無難。また捕獲する際には、直接触ってしまわないように、必ずビニール手袋などを着用しましょう。

<メリット>

  • すぐ確実に捕獲して退治できる

<デメリット>

  • 捨てるのに手間がかかる(死滅させないと戻ってくる可能性あり)
  • 何匹もいる場合には対処しきれない

市販の駆除剤を使う

やはり確実なのは、スプレータイプや毒餌タイプなど、ナメクジ専用の駆除剤を使う方法です。近寄らずに退治できて、即効性もあり、何匹か発生している時にもまとめて駆除できます。ただしナメクジは昆虫ではないため、通常の殺虫剤では効かない可能性があります。必ずナメクジ用のタイプを使用しましょう。
また成分によっては、小さなお子さんやペットに悪影響が出ることもあり、室内では使いづらいかもしれません。

<メリット>

  • 何匹出てきても確実に駆除できる
  • 近寄らずに退治可能

<デメリット>

  • ナメクジ専用の殺虫剤を用意する必要がある
  • 小さな子どもやペットに悪影響の危険性あり

ナメクジを駆除する際の注意点

ナメクジを駆除する際に気を付けたいのが、当たり前かもしれませんが安全性です。ここまでに見てきた駆除方法をふまえながら、以下のような点にも注意しながら退治していきましょう。

素手で触らない

前述のとおり、ナメクジには人体に有害な寄生虫がいる可能性があります。素手で触ってしまうと危険なので、駆除する際にはゴムやビニール製の手袋などを使うほうが安全でしょう。もし誤って触れてしまった場合には、すみやかにしっかりと水と石鹸で洗い流すようにします。

環境にあわせて駆除方法を考える

先ほどまでに見てきたように、それぞれの退治方法は、使用する材料次第で駆除する場所に与える影響にも違いがあります。例えば内装の材質や植物との相性だったり、ペットや小さな子どもに対する安全性だったりは異なるため、状況に適した方法を選ぶようにしましょう。

駆除が難しい場合はプロに依頼する

思わぬところに侵入経路や住処があることも……。何度もナメクジを見かける場合は要注意です

大量に発生していたり、退治しても何度も見かけたりするようなら、専門の害虫駆除会社に依頼するのがベストです。簡単に手が届かないような場所に原因がある可能性もあるため、プロに任せて根本的に解決するのが無難でしょう。

ナメクジの予防対策

今までにはナメクジが出てしまった場合の対処法を見てきましたが、ここからはそもそも出ないようにする予防対策をご紹介。次のようなポイントを押さえながら、ナメクジの侵入を防ぎましょう。

室内でできる予防策

屋外でナメクジを見るよりも、室内に出てきたほうが気持ち悪いですよね。とはいえ季節によっては、何かの拍子にナメクジが外から入ってきてしまうケースもあります。ではまず、部屋のなかで発生させないための予防対策を見ていきましょう。

湿気を取り除く

前述したように、湿った暗い場所にナメクジは集まってくるため、できるだけ水気を溜めておかないようにする工夫も必要です。例えば、湿った生ごみをなるべく放置しないなど。特に排水溝を這って上ってくる場合が多いので、台所や風呂場などの水回りは清潔に保つようにしましょう。

網戸などの細かい隙間をなくす

ナメクジは体を伸縮させられるため、小さな穴からでも出入りできます。例えば窓のサッシや網戸が経年劣化して変形してしまうと、簡単に気付かないようなすき間ができ、そこが侵入口になることも。もしどこかすき間ができているようであれば、補修テープなどで埋めるか、修理して補強しておくことをおすすめします。

屋外でできる予防策

特にガーデニングをしている場合には、食害に遭う可能性も高いですが、きちんと植物たちを守る方法もあります。では以下からは、屋外での予防対策もご紹介します。

ジメジメした暗い場所をつくらない

家の周りに雑草が生い茂っているとナメクジ以外にもさまざまな虫などが住みついてしまいます

室内と同様に、ナメクジが集まってこないように、屋外でも湿気・暗所対策をしておきましょう。例えば、ベランダの排水溝付近にある落ち葉はこまめに掃除する・バケツや空いた植木鉢に水を溜めておかないなど。

また雑草が生えていると湿気がこもりやすいため、きちんと定期的に刈るようにしましょう。ナメクジは土のなかにも生息するので、時々掘り返すのも効果的。
プランターも地面に直接置いてしまうと、その下にナメクジが寄ってきてしまうため、園芸用のラックを使用するか、吊るすタイプにするのがおすすめです。

コーヒー殻、木酢液、竹酢液、椿油粕を撒く

いずれもナメクジが苦手とするものなので、例えばコーヒー殻を植木鉢に撒いたり土に混ぜたりしておくと、忌避剤として使えます。コーヒーの他に、木酢液や竹酢液をスプレーしておくのも効果的です。また椿油粕を肥料として土に混ぜておくと、ナメクジ駆除につながります。

いずれも市販されているものですが、念のため各植物との相性も確認してから使用するようにしましょう。

市販の忌避剤を使用する

より確実な効果を出したいのであれば、市販のナメクジ用の忌避剤を使うのがおすすめです。植物向けや排水溝向けなど、用途ごとにさまざまな種類が出ているので、より適したものを使うようにしましょう。特に小さなお子さんやペットがいる場合には、有害な成分が入っていないか、安全性も事前に確認します。

銅線を巻く

ナメクジは銅から発生されるイオンに弱く、寄ってこない性質があります。そこで植物付近にワイヤーやテープなどを巻いて予防する方法もあります。植木鉢などに3~5cm程度の幅で貼り付けておけば、ナメクジも上がってきにくくなります。

まとめ

目にするのもイヤなナメクジですが、実際に健康被害や食害などを引き起こす危険もあり、見つけたら放置せずに必ず駆除するのが鉄則。今回見てきたように、一般家庭にあるものを活用して対処するのも可能なので、すぐにでも退治することをおすすめします。またナメクジと遭遇しないためには、あらかじめ予防しておくことが大事です。

より衛生的で快適な住まいづくりをするためにも、ぜひ本記事を参考に、ナメクジ対策をしてみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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