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リノベーションマンション事例「ヴィンテージの扉や家具で楽しむ。築48年、3層のマンションリノベ」

雑誌「LiVES」に掲載されたマンションリノベーション事例から、今回は西野さんご夫妻の事例をご紹介します。両サイドから光が入る、明るく眺めのいい空間。2匹のロングコートチワワと過ごしながら、好きなアンティークテイストのインテリアで飾る暮らし。( text_ Yasuko Murata photograph_ Akiko Osaki)

物件名の「わさび」と「オミソシル」は、西野健二さんと愛さんご夫妻が一緒に暮らす2匹のロングコートチワワの名前だ。西野さんご夫妻は、好きなテイストで家づくりをすることと、犬たちと楽しく暮らすことを目的に、築48年の中古マンションを購入。エキップの伊達宏晶さんに設計を依頼し、フルリノベーションを行った。物件はマンションにはめずらしい3層のメゾネットで、玄関、寝室、LDKが折り返し階段でつながっている。

寝室からLDKへと向かう階段。木製のブロックを置いて小さなステップをつくり、小型犬でも昇り降りできるようにした。固定はせず、不要な時は取り外す。

玄関土間と廊下がフラットに連続。半階上がると寝室がある。

「東西の2方向に大きな窓があり、明るくて風通しと見晴らしが良いところが気に入りました。4~5年かけて探していたのですが、都心で予算内だと景観の良いところはほとんどなかったので、この開放感はいいなと思いました」(健二さん)

既存の天井を取り払い、躯体のコンクリートを白く塗装。細めの梁が並ぶ珍しい構造。

2つの個室の間仕切り壁を撤去した広い寝室。一角にご主人のクローゼットと書斎スペースを設けた。窓の高さに合わせて棚を設置し、一部をデスクとしている。

ヴィンテージの家具や古着など、古いものが好きなお二人。築年数は経っているが、管理や手入れが行き届いたこの建物の雰囲気や、ユニークな造りにも惹かれたという。
リノベーションは、既存の間取りをベースとして活かしているが、壁に面していたキッチンを対面型にして、浴室は居室だったスペースに設けている。配管の問題で水まわりの場所の変更は困難であることが多いが、可能な範囲で移動させることで、昔の小さな造りから広く快適な空間へと生まれ変わらせた。

広々とした空間にゆったりと家具が並ぶLDK。既製品のシステムキッチンの周囲に幕板を造作。インテリアのテイストを合わせつつ、配管を隠して収めている。

「ヴィンテージの建具を使いたいなど、お二人の希望ははっきりしていました。それが活きるように、リノベーションは白い塗装と木を中心にして、仕上げはシンプルに。そこにプラスして、犬たちも快適に過ごせる空間にするためのアイデアをいくつか提案しました」(伊達さん)

寝室の扉はネットで見つけたヴィンテージ。ガラスによる抜けが圧迫感を軽減。

LDKに置いたソファと犬用のボックス型の小屋をセットで造作。壁側に置いたり、L字にレイアウトしたりと、配置を変更して楽しめる。既存の洗面室はとても狭い空間で、躯体の壁に囲まれていて広さも変更できなかったため、犬たちのトイレスペースとして活用。階段には木製のブロックを置いて、犬たちも昇り降りしやすく工夫した。

アーチ形の出入口が印象的なボックスは、わさびとオミソシルのための小屋。ソファの間に挟んで配置するなど移動が可能。サイドテーブル的な使い方もできる。

左がオミソシル、右がわさび。ともに11歳。造作ソファの座面の下は収納になっている。

元浴室を洗面室に。洗濯機の寸法を基準に収納や天板を造作。

犬のトイレスペース。下を空けてヴィンテージの扉を設置。

「ヴィンテージはもちろん、インダストリアルな雰囲気も女性的なかわいい空間も好きです。背景がシンプルだから、家具や小物など飾るもので飽きたら変えられるのも魅力。今後もいろいろなテイストを楽しんでいきたいです」(愛さん)

キッチンのコンロ横の壁には六角形のモザイクタイル。調味料も飾るように配置。

天井からロープを吊るして流木を固定し、ハンガーポールに。

建物データ

〈物件名〉わさび(♂)とオミソシル(♀)とアンティーク〈居住者構成〉夫婦〈専有面積〉65.25㎡〈バルコニー面積〉3.0㎡〈主要構造〉鉄筋コンクリート造〈設計・施工〉エキップ〈設計期間〉3ヶ月 〈工事期間〉2ヶ月〈既存建物竣工〉1969年〈リノベーション竣工〉2016年

※この記事はLiVES Vol.95に掲載されたものを転載しています。
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