
マンションリノベーション事例「料理も家具も映えるタイルと調和する機能的なL型キッチン」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都江東区關川さんの事例をご紹介。ヴィンテージ家具や古いものが大好きな夫妻は、床とキッチンの壁に赤茶色のタイルを貼り巡らせたノスタルジックな住まいにリノベーション。L字型のキッチンは、調理師として働く奥さまの使い勝手にもこだわりました。(text: asami Shimamura photo: koji yamada)
- 東京都江東区 關川さんの家
- 夫40歳(会社員) 妻34歳(調理師)長男2歳 (取材時)
- 工事費:1500万円(税込み・設計料別)
- 築年数:40年(1981年築)(取材時)
- 専有面積:61.48㎡
- 設計・施工:nu(エヌ・ユー)リノベーション
“好き”だけを詰め込んだ妥協ゼロのリノベ
「いつか家を買うなら、自分たちの好きなようにリノベしたい」と、結婚当初から考えていたという關川さん夫妻。ご主人の勤務先が遠かったことや長男の誕生などもあって、通勤しやすいエリアで中古マンションを購入してリノベすることに。
「イメージづくりのために雑誌やSNSを見ていると、いいなと思うのはnuさんの事例ばかり。個別相談はnuさんにしか行っていませんが、ここなら自分たちの思い描くリノベができそう、と確信して依頼しました」(奥さま)。
そんな夫妻の心を射止めたのは、管理状態がよく、見晴らしのいい現在のマンション。リノベ済みでしたが、バスルームのみを残してスケルトンに。
「配管も工事済みだったので、リノベ予算を少し抑えられました。新品のキッチンや洗面は売却して、その分を予算にオン。間取りが古かったからか物件自体は安く購入できましたし、予算内で思う存分リノベを楽しめました」
と夫妻は振り返ります。“好き”を詰め込んだ住まいには、友人や奥さまの妹たちがよく遊びにくるそうです。



大きな鍋も置きやすい高火力のガスコンロ

こだわって選んだワークトップは質感も高さもお気に入り

一気に引き出せて見た目スッキリ!な一枚扉

設計担当の原布慈子さんの提案だったという一枚扉の引き出しは、中に収納されているものを上から見渡しやすく使いやすい
キッチンに似合うチェストを食器棚に

食器類は、閉めたときも美しいチェストに整然と収められている
フルオーダーで、デザインも使い勝手も大満足
フィンランドを代表する建築家で家具デザイナーでもあるアルヴァ・アアルトの自邸のようにしたい、と希望した關川さん夫妻がリノベーションでつくり上げたのは、どこかノスタルジックな住まい。特に印象的なのは、床とキッチンの壁に貼り巡らされた赤茶色のタイル。落ち着いた雰囲気の住まいに丸テーブルやアルテックのドムスチェアがマッチしています。
「ふたりともヴィンテージ家具や古いものが大好きなので、渋めの空間にしたかったんです。床もタイルにするのは少し勇気がいりましたが、気に入っています」(奥さま)。
デザインへのこだわりもさることながら、調理師として働く奥さまはキッチンの使い勝手にもこだわりました。まず、作業スペースは広く。手が届きにくい吊り戸棚などは付けず、収納は腰から下の位置を中心に。そして、たくさんの調理器具が収まるよう、収納はたっぷり。「おかげで家で料理する時間がより楽しくなりました」と、デザイン面も機能面も満足のいく仕上がりになりました。


寝室の隣にあるWICは、夫妻の洋服をまとめて収納できる大容量。レトロなガラス入りの扉が空間に馴染んでいる


自然光が反射して室内にやさしく光が届くよう、窓際の床だけ白いタイルで仕上げた

ソファの背面は寝室。壁の一部を開けて、リビングとのつながりを持たせた。ソファは座り心地がよく、ご主人はよくテレビを見ながら寝てしまうのだそう

「湿気がこもらず、ゲストや子どもが手を洗いやすい」と使い勝手に満足しているオープンな洗面台。壁の素材を統一してひと続きにすることで、LDKに馴染ませた


Favorite Kitchen Items

奥さまいちばんのお気に入りアイテムは、田園調布にあるヴィンテージ家具店「イホランデ」で購入したマグカップで、スウェーデンを拠点に活動するアーティストの作品。「抽選販売に当選してようやく購入できたので、すごく大切にしています。」

建物データ
<建物規模>地上14階建ての11階 <設計期間> 2021年8月~10月 <工事期間>2021年11月~2022年1月 <設計・施工>nu(エヌ・ユー)リノベーション

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.47に掲載されたものを転載しています。
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