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マンションリノベーション事例「小上がりにロフト、ゴロ寝できるリビング。居場所がたくさんある家」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は神奈川県横浜市Tさんの事例をご紹介。ご主人の要望である「眺望のいいお風呂」を叶えるべく、段差やタテ空間を有効に活用したリノベーションを実施。LDKの一部に生じた段差には、家族が思い思いの場所に腰掛けて過ごしている。廊下の天井裏を利用してロフトもつくり、「遊び心のある空間が欲しい」という奥さまの希望も実現しました。(text:mamiko tonoki photo:susumu matsui)

  • 神奈川県横浜市 Tさんの家
  • 夫49歳(会社員) 妻46歳(会社員) 長女11歳 次女9歳(取材時)
  • 築年数 38年(1985年築)(取材時)
  • 専有面積 79.45㎡
  • 設計・施工 たすかけ

名古屋に暮らしながら関東の物件探しを開始

「景色を楽しみながらお風呂に入りたい」というご主人の希望がきっかけで始まったTさん宅のリノベーションは、結果的に段差やタテ空間を有効に活用したプランとなりました。
以前はご主人の仕事の都合で名古屋市内の賃貸マンションに暮らしていたTさん家族。将来、資産となる家が欲しいと望むご主人と、「住むなら関東エリアに」という奥さまの希望で、名古屋に暮らしながらの物件&リノベ会社探しが始まりました。リノベーション会社のマッチングサイト「リノベりす」で数社をピックアップした中で、リモートでの家探しにも柔軟に対応してくれた、たすかけに依頼することに。

廊下→小上がり→ダイニングへ、くるりと回遊できる間取り

小上がりには玄関ホール側からもアクセスできる。玄関ホールにも洗面台があるので、帰宅後すぐに手洗いをし、棚に荷物をしまい、机で勉強、という一連の流れがスムーズにできる動線になっている

小上がりにはランドセルなどがさっとしまえる収納棚と掘りごたつ式のテーブルを設けた。畳の下は大容量の収納スペースとして活用している
小上がりにはランドセルなどがさっとしまえる収納棚と掘りごたつ式のテーブルを設けた。畳の下は大容量の収納スペースとして活用している
壁式構造のため撤去できない壁と梁をうまく生かして大きな開口をつくり、緩やかに場を分けている。リビングとダイニング、ダイニングと小上がりの床にはそれぞれ20㎝の段差を設けた。家族は思い思いの場所に腰掛けて過ごしている
壁式構造のため撤去できない壁と梁をうまく生かして大きな開口をつくり、緩やかに場を分けている。リビングとダイニング、ダイニングと小上がりの床にはそれぞれ20㎝の段差を設けた。家族は思い思いの場所に腰掛けて過ごしている

「眺めのいい浴室」から始まったリノベは、遊び心あふれる空間に

奥さまの新しい勤務先がある沿線で物件を探し、バルコニーからの眺めがいい現在のマンションを購入しました。間取りは、「眺望のいいお風呂」というご主人の要望を受けて、浴室をバルコニー側に大移動。そのためには給排水管の勾配を取る必要があるため、LDKの床の一部を上げることに。結果、LDK内に段差が生まれました。「リビングにビーズクッションを置いてくつろぎたい」という希望を受けてカーペット敷きにしたリビングが最も低く、そこからフローリングのキッチンとダイニング、畳の小上がりと2段階で床レベルを上げてプランニング。また「遊び心のある空間が欲しい」という奥さまの希望で、廊下の天井裏を利用してロフトをつくることに。

ロフトには子ども室からもWICからもアクセスできる

廊下の天井裏を活用して、子ども室と向かいのWIC、どちらからもからアクセスできるロフトを造作した。使用頻度の低いものの収納スペースなどとして利用する予定
廊下の天井裏を活用して、子ども室と向かいのWIC、どちらからもからアクセスできるロフトを造作した。使用頻度の低いものの収納スペースなどとして利用する予定

廊下の天井裏をロフトにしてスペースを有効活用

住戸のいちばん南側にある主寝室から廊下を見たところ。右手がWIC、左手に子ども室がある。コストダウンも兼ねて、廊下は壁と天井をラーチ合板で仕上げた 

左/ときには子どもたちの遊び場としても活用されているロフト 右/ロフトには、壁に取り付けたハシゴで上れるようになっている。子ども室は将来2室に分けることも想定して2か所にドアをつけた
左/ときには子どもたちの遊び場としても活用されているロフト 右/ロフトには、壁に取り付けたハシゴで上れるようになっている。子ども室は将来2室に分けることも想定して2か所にドアをつけた

オープンなアイランドキッチンの背面にはゆったりとしたバックカウンターを造作した。通路幅がゆったりしているので作業がしやすい。奥の白い引き戸は浴室へ続く

以前はユーティリティ(家事室)だったキッチン横のスペースに洗面台を設置。何かと便利に使っているそう。ゆったりとしたワークトップは、ちょっとしたテーブル代わりにも

家族みんなが大満足の住まいに

プライベートスペースはシンプルに、家族が集まるLDKは自然素材を取り入れた仕上げとするなどして、コストをコントロールする工夫も。
ご主人は眺めのいい浴室に、フルタイム勤務の奥さまは家事効率の良さに大満足。子どもたちは、のびのび過ごせるリビングや小上がり、ときにはロフト、と自由に移動して、思い思いの時間を楽しんでいるようです。

家族がいちばん長い時間を過ごすリビングにはソファなどの家具を置かず、カーペット敷きの開放的なスペースに。テレビボードは造作。無印良品のボックスやカゴがちょうど収まる高さに設計した
家族がいちばん長い時間を過ごすリビングにはソファなどの家具を置かず、カーペット敷きの開放的なスペースに。テレビボードは造作。無印良品のボックスやカゴがちょうど収まる高さに設計した
左/玄関のオープンな下駄箱は、家族4人分の靴をすべて収納できるよう棚を多めに設置した。トイレ内に手洗いを設置できなかったため、玄関ホールにサブの洗面台を設置したが、帰宅時や来客時などに気軽に使えて、想像以上に重宝している 右/トイレにはニッチを設けて小物を収納。ブルーのクロスですっきりとした印象に
左/玄関のオープンな下駄箱は、家族4人分の靴をすべて収納できるよう棚を多めに設置した。トイレ内に手洗いを設置できなかったため、玄関ホールにサブの洗面台を設置したが、帰宅時や来客時などに気軽に使えて、想像以上に重宝している 右/トイレにはニッチを設けて小物を収納。ブルーのクロスですっきりとした印象に

ご主人自慢の浴室は、窓から景色を一望できる見晴らしのいい空間。日当たりも風通しもいいため、室内干しスペースとしても大活躍している 

左/廊下から見たLDK。廊下とダイニング、リビングにある段差は、室内用の階段の規格と同じ20㎝と、またぎやすく違和感がない高さに設定 右/LDKと小上がりの壁は珪藻土。手仕事の温もりが伝わるような粗めの仕上げにしている。ガラス入りのドアが、暗くなりがちな廊下や玄関に光を届ける
左/廊下から見たLDK。廊下とダイニング、リビングにある段差は、室内用の階段の規格と同じ20㎝と、またぎやすく違和感がない高さに設定 右/LDKと小上がりの壁は珪藻土。手仕事の温もりが伝わるような粗めの仕上げにしている。ガラス入りのドアが、暗くなりがちな廊下や玄関に光を届ける

小上がりとロフトをつくった理由は?

小上がりは、ゲストが泊まりに来たときに客間として使える空間を希望したところ、提案されたもの。

「子どもたちがのびのびと遊べる場所も欲しかったので、つくってよかった」

と奥さま。第2のリビングとして、またワークスペースや子どもたちの勉強スペースとしても大いに活用している。廊下の天井裏のロフトは、「遊び心のある空間が欲しい」という奥さまの希望によって実現した。

気に入っているポイントは?

リビングとダイニング、ダイニングと小上がりの間に設けた20㎝の段差が思いのほか便利、とご主人。

「リビングにはソファなどの家具は置かず、じかに座ったりゴロゴロしたりして過ごしています。家具がなくても段差に寄りかかったり腰掛けたり、テーブル代わりに飲み物を置いたりもできるので気に入っています」。

子どもたちは、ロフトでお絵描きや読書をすることもあるそう。

建物データ

<建物規模>地上5階建ての4階<設計期間>2022年7月~8月<工事期間>2022年9月~10月<設計・施工>たすかけ

壁式構造のため、撤去できないLDKの壁はうまく生かして空間に馴染ませた。浴室をバルコニー側に移動し、洗面・浴室があった場所をWICに変更。LDと和室は、リビング、ダイニング、小上がりとし、居室間に段差を設け、変化に富むスペースに

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.47に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ

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