
【2DK】マンションリノベーション事例「家具のようなキッチンと斜めの壁で広々 LDKに!」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都世田谷区 Nさんの事例をご紹介。マットなグレーで統一されたキッチンは、 IKEAのシステムを利用。取っ手のないシンプルなデザインが美しく、換気扇のダクトは、吊り戸棚に合わせてつくった扉で隠しています。(text_ miki matsuura photograph_ hiroshi kiyonaga)
- 工事費:約740万円(税・設計料別)
- 東京都世田谷区 Nさんの家
- 本人38歳
- 築年数:41年(1981年築)
- 専有面積:43.74㎡

生活感のないホテルライクな空間
生活感のないホテルライクな住まいを希望していたNさん。「中古マンションはどれも似たような間取りで、リノベ済みの物件も多い」と感じたことから、自分好みの空間にリノベーションしたいと、物件探しからサポートしてくれるリノベーション会社のリビタに相談。通勤に便利なエリアで駅近、リノベされていない、などの条件で選んだのが、2DKで約44㎡の物件でした。


家具のようなキッチンを実現
Nさんが「生活感のない」空間にするためにこだわったのは、最も生活感が出やすいキッチンを家具のようにスッキリ仕上げること。また将来家族が増えた場合に備えて、個室を2 部屋確保することも要望しました。リビタからの紹介により設計を担当したオフィス・エコーの江本響さんは、壁式構造のマンションならではの特性を生かし、構造壁を現しとしたデザインを提案。キッチンはIKEAのキャビネットや面材などを利用し、「家具のようなキッチン」を実現しています。Nさんがこだわった木毛セメント板や濃い色のパーケットフローリングといった個性を主張する素材も、グレーのキッチンと見事に調和。LDK 全体がくつろげる空間になっており、狭さは感じられません。
生活感を排除しスッキリとしたDK

キッチンからリビング側を見たところ。躯体現しの天井と掃き出し窓が、コンパクトな空間に開放感をもたらしている。パーケット張りのフローリングは、アカシアのブラックオイル塗装
「アカシアのパーケットフローリングは、特に気に入っています。コストはまあまあかかりましたが、面積が広ければもっとお金がかかったので、コンパクト物件でよかったです(笑)」(Nさん)
コンパクトながら開放感のある暮らし
また、北側の和室を一新した寝室に加え、LDKの一角にフリースペースを設けることで、2つの個室を確保。斜めの扉や室内窓でLDKとつなげることで、コンパクトながら開放感のある空間を実現しています。浴室は、「もともと浴槽につかる習慣がなく、ジムですませることも多い」ためシャワーのみとし、扉をガラスにすることで開放的に。生活感が出やすい洗濯機はあえて別にスペースを設けて扉で隠し、コンパクトでもスッキリとしたサニタリーとするなど、ゆとりのある暮らしを楽しんでいます。
扉を斜めに配し室内窓で明るい空間に


LDKとつながり、コンパクトでも明るさが感じられる空間。床材にはOSB合板を採用し、軽やかに仕上げつつコストを抑えている

廊下からの眺め。BoConceptのダイニングテ ーブルは折り畳み式で、天板をたたんで壁付けにすれば省スペースに。インパクトのあるシャンデリアはロイズ・アンティークスで入手
斜めの壁で個性的な玄関の存在感を強調

グリーンのメラミン化粧板の収納と木毛セメント板が独特の存在感を放つ玄関。サニタリーを配した廊下左側の壁は、奥に行くほど狭くなっているため、手前の玄関が広く感じられる


WICの扉を省いて寝室に広がりを演出

6畳の和室はウォークインクロゼットを備えた寝室に。扉を省くことで行き来がスムーズになり、室内も広く感じられる

シャワーのみでOK! ガラス扉で開放感を


「もともとシャワー派なので」(Nさん)、浴槽をなくして広々としたシャワールームに。ガラス扉も広がりを感じさせる
建物データ
<建築規模>地上3階建ての2階<設計期間>2020年9月~ 11月<工事期間>2020年12月~ 2021年2月<プロデュース>リビタ<設計>オフィス・エコー<施工>ヨシナガ工業

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.45に掲載されたものを転載しています。
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