
セカンドハウスリノベーション事例「スッキリと洗練された空間と憧れの家具で実現した暮らしやすい家」
雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は東京都港区
Hさんの事例をご紹介。夫婦ふたりでの暮らしを念頭に、壁の撤去でゆったりとさせ、移動しやすいLDKを実現。眺めのよさを生かすため、キッチンは一部対面式に。機能的かつ風景を楽しみながら作業できる環境が整いました。(text_ atsuko tanaka photograph_ ayako mizutani)
- 東京都港区 Hさんの家
- 家族構成:夫60 代 妻50 代 長男20 代
- 築年数:22年(2000 年築)
- 専有面積:83.95㎡
質感豊かな素材を組み合わせた極上のリラックス空間
都心にある夫妻のマンションは築22年。郊外にも家があり、都心のほうは新築時に購入し、現在はセカンドハウスとして使用しているそうです。
「いずれは便利なこちらをメインにしたいので、私たち夫婦がもっと快適に暮らせるよう変えたいと思いました」(奥さま)
リノベの依頼先は、奥さまが「求めていたのはこれ!」と確信したというFILE。
「洗練された内装が魅力的。多少フェミニンな印象もあったので、夫はどう思うかなと思ったのですが、ショールームでリアルな生活空間や家具などを見て、大いに納得してくれました」(奥さま)

2室をつなげて開放感がアップしたLDK。タイルを貼ったパイプスペースが緩やかに視線を遮り、場を分けている。窓際のカウンターデスクは角度がつけられ、ふたりでさりげなく向かい合えるデザイン
夫婦ふたりでの暮らしを念頭に、壁の撤去でゆったりとさせ、移動しやすいLDKを実現。眺めのよさを生かすため、キッチンは一部対面式に。機能的かつ風景を楽しみながら作業できる環境が整いました。

右上・座り心地のよいオリジナルのソファ。デンマークの生地メーカー、クヴァドラのウール地が張られている。「色見本を前にかなり長いこと迷いましたが、仕上がってみてとても満足」(奥さま、以下同)/左上・デスクワーク用に選んだフィン・ユールの108chair。「憧れのフィン・ユールの椅子をこの機会にと、FILEさんに相談して即決しました」。背もたれと座面がフレームから浮いたように見える軽快さが魅力/右下・ハンス・J・ウェグナーのママ・ベアチェアとオットマン。その名のとおり、母熊に抱かれているような形状が特徴/左下・オリジナルのカスタムオーダー家具。開けるとすっきりと内部に収まるジャバラ式の扉を採用。「無垢材が好きなご主人のセレクト。ウォールナット材を1本1本張り合わせた精巧なつくりの扉が素晴らしいです」
心落ち着く空間を形に
居室や廊下の床は歩行音の静かなカーペット敷きに。素材のウールサイザルは、吸湿性と耐久性に富むのもメリットです。また、壁は塗り壁のような機能としっとりとした美しさを持つクロス「エコフリース」を採用。
「家具は、無垢材のカスタムオーダー家具、憧れのウェグナーやフィン・ユールのチェアを配置。オリジナルのソファもカバーの色合いや座り心地が格別でくつろげます」(奥さま)
質感の豊かさを重視して選んだ素材を組み合わせ、心落ち着く空間を形にしました。

キッチンは作業効率のいいU型。「部屋が広くないので壁付けにする案もあったのですが、外の景色を見ながら洗い物をしたくて、シンク側を対面式にしました」。扉は室内のインテリアと統一性を持たせ、水回りというより居室の雰囲気


広いワークトップは、美しさと耐久性を兼ね備えたクォーツストーン製


浴室はオーダーユニットバスを採用。壁や床は感触のいいタイル仕上げ、浴槽はホーロー製。空間自体はユニットバス構造なので防水性はバッチリ


洗面・脱衣室はランドリールームを兼用。リビングの延長のようなつくりで、居心地を高めた

このほかバスルームは、特にご主人の要望をかなえた場所。自由度の高いオーダーユニットバスを採用し、他のスペースと同様、質感と機能性に優れた空間となりました。
「今は二拠点での暮らしですが、将来に向けて、理想とする住まいができて満足。まだ頑張れるうちに思いきったリノベーションができたのも、正解だったと感じています」(奥さま)

建物データ
<建物規模>地上15階建ての9 階<設計期間>2020年12月~ 2021年9月
<工事期間>2021年10月~ 2022年1月<設計>FILE

※この記事はrelife+(リライフプラス)premiumNo.2に掲載されたものを転載しています。
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