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中古マンションリノベーション事例「リゾートにいるような非日常感と 暮らしやすさを両立」

雑誌「relife+」に掲載された中古マンションリノベーション事例から、今回は埼玉県さいたま市 Tさんの事例をご紹介。ブルーのグラデーションが彩る変化に富んだ空間には、色で癒やされるだけでなく、扉を開けるたびに違う世界へワープするような遊び心に胸がときめく。(text_ hiromi sakamoto photograph_ ayako mizutani)

  • 工事費:1350万円(税・設計監理料込み)
  • 埼玉県さいたま市 Tさんの家
  • 家族構成:本人36 歳
  • 築年数:29 年(1993 年築)
  • 専有面積:59.80㎡

使うたびに心が弾む、美しいデザイン

「家にいるときはできるだけのんびりしたい」と願うTさんの思いをくんで、設計を託されたブルースタジオの石井健さん、木村裕一さんは、日常から少し離れて、リラックスできるようなエッセンスをちりばめました。そのひとつが、ブルーのグラデーションが彩る変化に富んだ空間です。色で癒やされるだけでなく、扉を開けるたびに違う世界へワープするような遊び心に胸がときめきます。収納も同様で、寝室の先にあるウォークインクロゼットはTさんのお気に入り。リビングと寝室の色の切り替わりやアーチの入り口に、非日常を感じるそう。「デザインも気に入っていますし、起きてすぐ着替えられるので便利」と、使い勝手も良好です。

寝室の奥に配置したアーチの入り口を抜けると、約3畳のウォークインクロゼットが。棚板やハンガーポールが適所に取り付けられている。「出し入れしやすく、洋服も選びやすいです」とTさん。布団などの大きなものここにも収納している

寝室の扉はリビングのインテリア要素にもなっている
ソファの近くに造作した本棚には、本だけでなくお気に入りの雑貨も。「自分の好きなものを集約したコーナーは、眺めるだけで心地よくなれます」 

玄関の壁には大容量の収納棚を取り付けた。靴以外にも様々な物がしまえるので玄関はいつもすっきり

廊下の扉付き収納は掃除機置き場としても活用。内部もブルーに塗装されている

一体化したDKとインナーテラスで開放感たっぷり

眺望のよさを生かして、キッチンは窓に向かって調理できるペニンシュラ型に。快適に使えるようにシンクやワークカウンターは広く取り、ダイニングテーブルはワークカウンターとフラットにつなげて造作。配膳がラクで移動もしやすく、つくりたての料理がすぐに食べられます。ダイニングはタイル敷きのインナーテラスと融合しているので、心地よい光や風と相まって、まるでリゾートのテラス席で食事をしているような気分に。朝はここでコーヒーを飲んでゆっくりするのが至福のひとときだそう。

「キッチンに立つと気分が上がるので、料理の頻度も増えました」

キッチンとダイニングはコンパクトにまとめて、ゆとりを持たせた空間に。窓際の床をタイルで仕上げてインナーテラスとしたので、半屋外のような気分も味わえる

電子レンジなどの調理家電は、背面収納にまとめて配置。冷蔵庫は、リビングから死角となる壁際のスペースに収め、生活感が出ないように配慮した

カウンタートップは、傷や熱に強い人造大理石を採用。床は掃除がしやすいビニールタイルにしたので、多少の水や油はねは気にならない

住まい全体のトーンに揃えて、キッチンもブルーでコーディネート。ダクト類もブルーに塗り、天井や壁に馴染ませている

開放的なリビングとは打って変わって、濃いブルーをまとった寝室は、幻想的な雰囲気でおこもり感もたっぷり

大きな鏡や広いカウンターなどを備えて、使いやすさとホテルライクなデザインを融合させた洗面台。「ピンクのアクセントタイルもかわいくてお気に入りです」

左・物干しポールを天井に取り付け、室内干しもできる脱衣室を新設/右・洗面台の裏側に設けたオープン棚は、死角になる利点を生かして最上段をインターネットのルーター置き場に

左・青と白のコントラストがさわやかなトイレ。センサー付き照明を取り付けて機能性もアップ/右・タイル選びにもこだわった在来工法のバスルーム。オーバーヘッドシャワーやワイドな浴槽がラグジュアリーで、リゾートホテルのようなリラックス感が
OTHER SPACES & DETAILS

右上・シェードのデザインがレトロなペンダントライト。「この照明を付けたことで、洗面がよりかわいらしい雰囲気になりました」/左上・「水が垂れにくくて使いやすい」と、使い心地のよさが気に入っているキッチン水栓/右下・読書好きのTさんが熱望した本棚は、壁に造り付けたオリジナルデザイン。本のほかに海外旅行のお土産やかわいいパッケージの雑貨などを並べて、ディスプレイ棚としても活用している/左下・インナーテラスの床に貼った六角形の磁器タイル。釉薬による色のムラが味わい深く、空間全体の表情も豊かに

リノベのきっかけと物件探し

以前は1Kの賃貸マンションに住んでいたTさん。コロナ禍で家にいる時間が長くなったことや、マンションリノベを計画している友人との会話などがきっかけになり、中古マンションの購入+リノベーションに興味を持つようになったそう。

「物件探しも含めて依頼したかったので、ブルースタジオさんに依頼を決めてから物件を検討しました。生活圏が今までと変わらないほうが安心して暮らせると思い、同じエリアの物件に。現在のマンションは、ゆったり暮らせる広さがあり、天気のいい日は富士山も見える眺めのよさが気に入って購入を決めました」

リノベーション会社はどう選んだ?

手始めに、友人が紹介してくれたリノベーション会社に相談したものの、いろいろと迷うことがあったそう。そんなときに招かれたのが、リノベーションしたマンションで暮らす知人宅。「遊びに行ったお宅の設計を手掛けたのが、ブルースタジオさんだったんです。とってもおしゃれで、その知人も『依頼してよかった』と言っていたので、さっそくブルースタジオのオンラインセミナーに参加。と同時に、ほかの会社もいくつか検討しました」。しっかりと比較検討したうえで、自分の感性に合っていて、物件探しから依頼できるブルースタジオに決めたそうです。

住んでみて感じたこと、よかったこと

「壁の色は白以外にしたいという希望はお伝えしましたが、想像以上に素敵な空間にしていただいて満足しています。置きたかった観葉植物も、提案されたインナーテラスのおかげで気兼ねなく飾れるように。また、以前は読書やパソコン作業をするときに場所を自由に選べませんでしたが、今は気分に合わせて好きな場所を選べるのが楽しくて。どの空間もお気に入りです」

と、笑顔で話すTさん。キッチンからは洗濯や部屋干しができる脱衣室に直接行き来でき、家事もストレスフリーに。「掃除をするのも楽しくなりました」と、おうち時間を満喫中です。

建物データ

<建物規模>地上11階建ての11階<設計期間>2021年8月~10月<工事期間>2021年10月~12月<設計>フィールドガレージ<施工>シグマテック

2つの窓に面するようにLDKを配置し、どのスペースもゆとりを感じる広さを確保。外出時の身支度や帰宅時の手洗いなどに配慮して、洗面台は廊下に配置。廊下の間口が1300mmと広いので、部屋感覚でゆったりと使える

※この記事はrelife+(リライフプラス) Vol.44に掲載されたものを転載しています。
※relife+は、オンライン書店にてご購入いただけます。amazonで【relife+】の購入を希望される方はコチラ

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