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空き巣が狙いにくい家とは?防犯対策のポイントや被害に遭った際の対処法

住民がいない間を狙って窃盗などをおこなう空き巣。少しでも犯罪に遭わないようにして、安心して生活をするためにどのような対策をすればよいのでしょうか。この記事では、空き巣による被害状況や、空き巣に狙われにくくするための対策をご紹介します。しっかり対策すれば空き巣被害に遭いにくくなりますので、ぜひ参考にしてください。

空き巣による被害状況

まずは、空き巣による被害状況を解説します。

特に多い空き巣の侵入経路は?

空き巣の侵入経路の種類と割合は次のとおりです。自分の住んでいる家が、どのような経路で侵入されやすいかを把握しましょう。

  一戸建住宅 中高層住宅 その他の
住宅
表出入口 2,686 1,043 1,444
非常口 13 6 4
その他の出入口 2,605 20 85
縁側・ベランダ 1,651 270 773
居室 3,658 62 522
その他 1,685 20 128
その他 246 6 34
不明 1,007 163 255
13,551 1,590 3,245

出典:警察庁「令和3年の犯罪」

一戸建て住宅だと圧倒的に窓からの侵入が多く、半数を占めます。一方、中高層階の住宅は3分の2が玄関で、次にベランダからの侵入が多い傾向です。

空き巣が狙う時間帯は?

空き巣が狙う時間帯は、一般的に10:00~16:00が多いとされています。住民が会社や学校に行っていて、家を空けていることが多い時間帯だからです。また、住宅街だと比較的歩行者も少なく、目撃されにくい時間帯でもあります。

空き巣が侵入を諦めるのはどんな時?

空き巣は家の中へ侵入するために時間がかかると、諦めることが多いとされています。よく言われているのは、侵入するために5分以上かかると、多くの空き巣は諦めるということです。つまり、空き巣対策として侵入するまでに時間がかかるようにするのが効果的だといえるでしょう。

空き巣が嫌がる家の特徴

実際の空き巣被害の傾向を踏まえて、空き巣がどのような家を嫌がるのか4つの特徴をご紹介します。

補助鍵がある

1つ目は、補助鍵があることです。ドアや窓の補助錠が付いていると、シンプルに鍵が増えるため、侵入までの時間が長くなります。特に一軒家では窓から侵入されるケースが多いため、窓の補助鍵が重要です。外出時は窓を必ず閉め、補助鍵もできるだけ付けることをおすすめします。ホームセンターなどで後付けの補助錠も販売されています。また、マンションの場合はオートロックがあることで防犯性は上がります。

防犯カメラなどが設置されている

最近では安価で取り付け可能な防犯カメラも増えています

2つ目は、防犯カメラ・センサーライト・センサーアラーム・防犯砂利などの防犯グッズが設置されていることです。それぞれの防犯グッズ自体にも効果があることはもちろん、防犯意識が高いことをアピールできます。防犯意識が高い家にわざわざ空き巣に入るのはリスクが高いため、空き巣から狙われにくくなるでしょう。

見通しがいい

3つ目は、家が見通しのいい場所にあることです。不審な行動をしていたら目立つ場所は、空き巣も避ける傾向があります。何かあっても隠れる場所がなかったり、押し開けようとしていることがわかったりする場所は避けると言われています。

地域住民の人通りが多い

4つ目は、地域住民の人通りが多いことです。地域の人が多く通る場所は、地域住民以外がいたらとても目立ちます。人通りがあり目撃者がいる可能性が高く、地域住民ではない人物が怪しい行動をしていたらすぐに通報される可能性が高いため、空き巣が狙う可能性は低くなります。

空き巣に遭わないための対策

次は実際に自分の家が空き巣に遭わないようにするための対策方法を、6つご紹介します。できることから取り組み、少しでも防犯意識を高めましょう。

施錠をしっかりする

1つ目は、施錠をしっかりすることです。とても基本的なことですが、鍵が開いていたらすぐに家の中に入られてしまいます。また、裏口など玄関以外のドアの鍵もこまめにチェックして閉めましょう。オートロックが付いているマンションの場合、自分が入ったあとはドアが閉まりきるまで確認してください。後ろからついてきて、マンション内に侵入されてしまうことがあります。

防犯性の高い鍵にする

2つ目は、防犯性の高い鍵にすることです。鍵にはいくつか種類があり、特に防犯性が高いといわれているのは「ディンプルキー」です。

ディンプルキーは鍵の表面に小さな複数の穴が開いていて、複製が簡単にできません。また、空き巣によく使われる鍵穴に工具を差し込んで鍵を開けるピッキングという手口がありますが、ディンプルキーだと簡単に開けることはできません。時間をかければピッキングされてしまう可能性もありますが、空き巣は侵入までに時間がかかることを避けるため、ディンプルキーにしておくと狙われにくくなるでしょう。

防犯センサーなどを設置する

3つ目は、防犯センサーなどの防犯グッズを設置することです。防犯センサーとは、侵入者を検知するために建物に設置するセンサーのことです。侵入者を感知すると、明かりが付いたり光や音で周りに知らせたりすることができます。取り付けるための初期費用はかかりますが、防犯グッズによって空き巣を未然に防ぐことができます。

郵便物を溜めない

郵便物がたまっていると郵便受けに入りきらず、郵便物が抜き取られる可能性もあります

4つ目は、郵便物を溜めないようにすることです。郵便受けに郵便物が入りっぱなしだと、長く不在にしていたり、だらしない性格だったりすることが明らかになってしまい、空き巣の標的にされやすくなります。そのうえ郵便物から勤務先や経済状況、旅行などのスケジュールを知られてしまう可能性も。
日々、郵便物を回収することは、防犯にもつながりますので意識していきましょう。30日以内の長期不在にする場合は、郵便局に不在届を出しておくと安心です。

窓に防犯フィルムを貼る

5つ目は、窓に防犯フィルムを貼ることです。上記でご紹介したようにどの住居でも窓から侵入されるケースが多い傾向です。窓から侵入するための手口としては、窓を割ったり鍵の周りだけくりぬいたりします。そのため、窓ガラスが割れにくいようにする防犯フィルムを貼っておくことで、窓から侵入されにくくなります。

家の周りにものを散乱させない

6つ目は、家の周りにものを散乱させないことです。家の周りが散らかっているとだらしないと判断され、空き巣から狙われやすくなります。また、家の周りに置いてあるものが、空き巣が隠れたりベランダに登ったりするために使用されてしまうこともあります。家の周りを片付けておくことで、防犯対策になるでしょう。

空き巣に狙われやすい地域の特徴

次に、空き巣に狙われやすい地域の特徴を7つご紹介します。これから引越しをする場合は、なるべく避けたほうが空き巣に狙われにくいでしょう。

人通りが少ない

1つ目は、人通りが少ないことです。人通りが少ないと、空き巣に入るのを目撃される可能性が少なく、捕まりにくくなります。人通りが多すぎるとうるさいなどのデメリットもありますが、空き巣対策にはある程度の人通りがある場所を選ぶとよいでしょう。

繁華街が近い

2つ目は、繁華街が近いことです。繁華街のように不特定多数の人が行き来する場所は、人混みにまぎれて逃げやすいため、空き巣に狙われやすくなります。また、駅が近いと空き巣をしたあとすぐに電車に乗って遠くへ逃げやすいため、標的にされやすいとされます。

高い塀の家が多い

3つ目は、高い塀の家が多いことです。高い塀は家の敷地内に侵入されにくく、家の中の様子がわかりづらいため、防犯対策になります。しかし、一度侵入されてしまうと、外から空き巣の被害に遭っていることが見えません。そのため、空き巣にとっては作業がしやすい環境になってしまいます。特に家を長く空けることが多い家庭は他の防犯対策と組み合わせるなど工夫が必要でしょう。

街灯が少なく暗い

夜、暗い街は他の犯罪も起こりやすいといわれています

4つ目は、周辺に街灯が少なく暗いことです。空き巣は主に日中の時間帯に実行されることが多いですが、夜に被害がないわけではありません。特に仕事などで夜遅くまで家を空ける家庭は夕方以降も狙われやすいです。
街灯が少なく暗い地域だと、空き巣をしたあとに暗闇にまぎれて逃走しやすいため、空き巣の被害に遭う可能性があります。

幹線道路や線路が近い

5つ目は、幹線道路や線路が近いことです。幹線道路や線路に近い地域は大きい音が常にしているため、侵入するために窓を壊してもばれにくくなります。また、逃走ルートも確保しやすく、地域住民以外の人通りもあるため人混みに紛れて逃げやすいので、空き巣の標的になる可能性が高まるでしょう。

街が雑然としている

6つ目は、街が雑然としていることです。道路にゴミが落ちていたり、壁や地面に落書きがあったりするような街は、治安が悪いと判断されがちです。街自体の防犯意識が低いと考えられ、空き巣のターゲットになりやすいでしょう。

単身者や共働き世帯が多い

7つ目は、近隣に単身者や共働き世帯が多いことです。日中に働きに出ている住民が多いと、目撃者も少なく空き巣に入りやすくなります。なるべく、留守にしていることや家族構成を外からわからないように工夫しましょう。

空き巣が狙いを定めている前兆とは?

空き巣は突発的にするのではなく、入念に下見をしてから犯行を実行することが多い犯罪です。侵入経路や時間帯を検討するために、空き巣は一定の行動をします。その空き巣の前兆になることを、ここで3つご紹介します。

電話で在宅時間を確認

1つ目は、電話で在宅時間を確認することです。非通知の電話が自宅の固定電話にかかってきて、無言で切れることはないでしょうか。一度電話に出ると他の曜日や時間帯に再度かかってきて、不在の時間帯を調べている可能性があります。空き巣の下見を防ぐためには、登録していない電話番号からの着信を拒否する設定にしたり、留守番電話のメッセージを「留守にしております」から「ただいま電話に出ることができません」に変更したりして、対策をしましょう。

石やチョークで“マーキング”

2つ目は、石やチョークで下見してわかったことをマーキングしておくことです。マーキングの内容は、家族構成や不在の時間帯などです。例えば男性はM、女性はFと表記し、「920〇」は9時から20時の間は不在で侵入できるという暗号を家の周辺に記すことがあります。

空き巣のグループや地域によって表記方法が異なったり、空き巣ではなく訪問販売員が付けたりすることもあります。どちらにせよ家の周りに見覚えのない怪しい暗号が書かれていたら、すぐに消すようにしましょう。

インターホンで在宅を確認

3つ目は、インターホンで在宅を確認することです。住人が在宅か直接確認することができ、万が一住人がいたら訪問販売などを名乗って対応してきます。空き巣を決行する当日におこなわれることが多いでしょう。空き巣は顔や姿を記録されることを嫌がるため、録画機能付きのモニターインターホンがあると被害に遭いにくくなります。

もしも空き巣に遭ったら?被害を受けたあとの対処

ここからは、実際に空き巣の被害に遭ってしまった時の対処方法をご紹介します。パニックになってしまいがちですが、被害状況を把握し適切な方法で対処するために知っておくと安心です。

まずは警察に通報する

まずは身の安全を確保してから通報しましょう

まずは、警察に空き巣の被害に遭ったことを通報しましょう。この時、まだ犯人が家の中にいる可能性もあり、鉢合わせをしたら危険なので、外に出て電話をかけてください。警察が到着してから現場を確認し、一緒に被害状況を把握します。片付けなどはせずにそのままの状態にしておきましょう。警察との状況確認が終わってから被害届を出します。

銀行、クレジットカード会社、保険組合などに連絡する

銀行の通帳・クレジットカード・保険証などが盗まれていた場合は、すぐに盗難被害に遭ったことを管理している機関に連絡しましょう。特にクレジットカードは簡単にお金を使うことができ、カード番号を知られるだけでも使われてしまいます。そのため、利用の停止とカード番号の変更の申請が必要です。保険証は再発行が必要になるため、会社の健康組合や住んでいる地域の役所などに連絡してください。

保険会社に連絡する

空き巣で遭った被害は、契約した内容によっては火災保険などで補償されることもあります。建物が補償範囲内であれば、壊された鍵や窓の修理のために保険金が下ります。また、家財も保険の対象にしていれば、現金やブランド品なども補償範囲になる可能性もあるため、一度保険会社に確認してみましょう。

壊されたものがあれば修理する

空き巣によって鍵や窓が壊されてしまったら、なるべく早く修理をおこないましょう。早く日常に戻るためにも、当日対応してもらえる鍵の修理会社に依頼することをおすすめします。また、賃貸物件で空き巣の被害に遭った場合は、管理会社にも連絡が必要です。管理会社が壊れた箇所を修理することになります。

確定申告で税金が戻ってくることも

空き巣で被害を受けた場合、確定申告をすると所得控除を受けられる可能性があります。雑損控除と呼ばれ、災害・盗難・横領で受けた被害に対して申請ができます。申告できる内容や金額に関しては、住んでいる地域の税務署へ相談しましょう。

まとめ

空き巣が狙いにくい家や地域の特徴や、空き巣に狙われにくくするための対策についてご紹介しました。安心して生活するために、空き巣などの犯罪に遭わないような工夫をしておくとよいでしょう。また、今後引越しを考えている方は、空き巣に狙われにくい地域を選ぶ時の参考にしてください。

執筆者

古泉葵

2020年からフリーランスのWebライターとして活動。ライフスタイルやグルメなど幅広い分野の記事を執筆。理系大卒のため、ロジカルな文章の作成が得意。

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