チャタテムシとは?発生原因と駆除方法・対策を徹底解説

記事の目次
チャタテムシとは?

チャタテムシとは、主に湿気の多い環境を好んで発生する害虫です。特に、梅雨から夏場にかけて活動が活発になります。畳のある和室や古い本棚、食品の保管場所などに現れやすく、見た目は小さなダニのようで気づきにくいのが特徴です。直接人に害を与えるわけではありませんが、大量発生すると食品への混入やアレルギー、ほかの害虫を誘発する原因となるため注意が必要です。ここでは、チャタテムシの基本的な特徴や見た目、好むエサ、繁殖サイクルについて解説します。
見た目

チャタテムシは体長1〜2mmほどの非常に小さな虫で、見た目はダニによく似ています。体色は淡い黄色や淡褐色で、屋内で見かけることが多い「ヒラタチャタテ」は羽がなく、飛ぶことはありません。ダニは肉眼での確認がむずかしいサイズですが、目に見える小さな虫がいた場合はチャタテムシである可能性が高いと考えられるでしょう。非常に目立ちにくく気づきにくいため、発見時にはすでに繁殖が進んでいることも少なくありません。
食性
チャタテムシは主にカビを好んで食べる性質があり、湿気の多い場所に発生しやすいのが特徴です。特に、梅雨から初秋にかけての時期は湿度が高く、繁殖しやすいため注意が求められます。また、カビ以外にもビスケットや粉類といった乾燥食品、古本、畳、壁紙などにも寄生し、家庭内のさまざまなものに被害をおよぼします。食品の衛生面に悪影響を与えることもあるため、早めの発見と対策が重要です。
ライフサイクル
チャタテムシは、湿度の高い環境で活発に繁殖する害虫です。特にヒラタチャタテの場合は、オスが存在せずメスのみで繁殖できる単為生殖のため、放置すると短期間で数が増えやすいのが特徴です。卵から成虫になるまでにかかる期間はおよそ20~30日で、卵期は約11日、幼虫期は約15日。成虫の寿命は5~6カ月で、その間に100個以上の卵を産むこともあります。湿度管理を怠ると、あっという間に室内全体に広がってしまう恐れがあります。
チャタテムシによる被害は?

チャタテムシは、見た目に反してさまざまな被害をもたらします。食品への混入や本・紙類の劣化、畳や家具の傷みといった物理的な被害に加え、カビをエサとする性質からダニの発生を誘発する原因にもなります。ここでは、チャタテムシが家庭にもたらす具体的な被害について解説します。
食品への混入
チャタテムシは、カビを主なエサとします。ただし、乾燥食品に含まれるデンプンや有機物も好むため、台所や食品庫で発生しやすい害虫です。特に小麦粉やパン粉、ビスケット、シリアル、乾麺、鰹節などは被害を受けやすくなります。湿気がこもりやすい戸棚や流し台の下などに放置しておくと、チャタテムシが繁殖する原因になりかねません。気づかないうちに食品へ混入してしまうこともあり、衛生面で大きなリスクとなるため、密閉容器での保存が必要です。
本・紙類の劣化
湿気のある場所に長期間置かれた古本や紙類は、劣化しやすいため注意が必要です。チャタテムシは古本や紙類に含まれるカビや製本用のノリを好んで食べるため、本棚や押し入れなどで発生しやすい虫です。特に、湿気の多い場所に保管された本や書類はチャタテムシの格好のエサとなり、紙が劣化する原因になります。実際、英語では「Booklouse(本のシラミ)」と呼ばれるほど、本にまつわる被害が多い害虫です。読まなくなった古本をそのままにしておくと、知らぬ間に繁殖が進んで紙類がボロボロになることもあるため、湿気対策と定期的な整理が大切です。
畳・家具・押入れの損傷
湿気のこもりやすい和室や押入れ、家具の裏側などは、チャタテムシにとって絶好の住みかになります。放置すると、損傷を招く恐れがあるため注意しましょう。特に畳はカビが生えやすく、カビを好む虫が集まりやすい場所です。畳の上にカーペットや布団を長時間敷きっぱなしにしていると、湿気がこもって繁殖する可能性もあります。また、障子やふすま、壁紙といった紙素材の家具も被害を受けやすく、劣化や変色の原因につながります。
ダニの誘発
室内で大量発生すると、チャタテムシを捕食する別の虫も集まりやすくなります。チャタテムシをエサとするツメダニは、皮膚を刺してかゆみや炎症を引き起こすケースがあります。特に、ダニアレルギーを持つ方にとっては、喘息や鼻炎などの症状を悪化させるリスクもあるため要注意です。
チャタテムシの発生する原因は?

チャタテムシは、湿度の高い環境やカビが発生しやすい場所を好んで繁殖します。ここでは、チャタテムシが発生する主な原因を解説します。
高湿度
チャタテムシは湿度の高い場所を好みます。湿度が60%を超えるとカビが発生しやすくなり、カビをエサとするチャタテムシの繁殖が進みます。なかでも活動が活発になるのは、湿度75~90%の環境です。梅雨時や換気の悪い室内などは、格好の住みかとなります。
カビ
チャタテムシはカビを主なエサとするため、室内にカビが発生すると急速に繁殖する恐れがあります。畳や障子、ふすま、押し入れ、本棚など、薄暗く湿気のある場所は注意が必要です。カビだけでなく、花粉や穀粉、そば殻、玄米などの微粉状の有機物も好んで食べます。カビはなくとも、このようなエサがあるだけでチャタテムシが寄ってくる可能性があるので注意してください。
食品の保存状態が悪い
チャタテムシは小麦粉や乾麺、シリアル、菓子類などに含まれるデンプンや有機物も好みます。特に、湿気がこもりやすいキッチンの戸棚や流し台の下は、発生しやすい環境です。開封後の食品はクリップで閉じるだけでは不十分で、チャタテムシが侵入してしまう恐れがあります。密閉容器や乾燥剤を活用し、できれば冷蔵庫で保存するなど、保存状態を見直すことが大切です。
紙類・段ボールの放置
チャタテムシは紙類や段ボールにも潜んでおり、宅配などで持ち込まれる段ボールが侵入経路になることがあります。特に、段ボールの内部構造である中芯や折り目の部分に隠れやすく、外側を軽く拭いただけでは取り除けません。また、段ボール自体が湿気を含みやすく、チャタテムシの温床となります。そのため、室内に長く置かないようにしましょう。荷物を受け取ったら早めに中身を取り出し、段ボールは屋外に出すなどの対策が必要です。
掃除不足・換気不足
チャタテムシは湿気が多くて風通しの悪い場所を好むため、掃除不足や換気不足は発生の要因となります。部屋の隅や家具の裏など、カビやダニが発生しやすい場所に潜みやすく、気づかないうちに繁殖してしまうかもしれません。さらに、雨漏りや水漏れによって湿度が上がると、チャタテムシにとっては絶好の生息環境に変化します。日頃からこまめな掃除と換気を心がけることで、発生リスクを大幅に減らせます。
外部からの侵入
チャタテムシは主に室内の高湿度環境で繁殖しますが、外部から侵入してくるケースもあります。外壁付近に木材や廃材、植木鉢などが密着して置かれていると、そこに潜んでいたチャタテムシが家の中に入り込むこともあるでしょう。室内をいくら掃除しても数が減らない場合は、家の外回りの環境も確認してください。
チャタテムシを見つけたらどうする?

チャタテムシを見つけたときは、焦らずに段階的な対処が効果的です。まずは発生源を突き止め、掃除や駆除で数を減らしましょう。状況に応じて、アルコールスプレーやくん煙剤、天日干しや乾燥機の活用も有効です。さらに、再発を防ぐためには湿度管理や換気など、生活環境の見直しが欠かせません。以下では、具体的な対策をステップごとに解説します。
- STEP 1発生源を特定する
- STEP 2必要に応じて殺虫剤を使用する
- STEP 3発生源を処分するか掃除する
- STEP 4再発防止のための環境改善
以下で詳しく見ていきましょう。
STEP 1:発生源を特定する
まず、チャタテムシの発生源の特定が重要です。多くの場合、発生源はカビやカビの生えた食品、本、畳など湿気のある場所にあります。キッチンの棚、押し入れ、本棚などをよく確認しましょう。
STEP 2:物理的に駆除する
チャタテムシの数が少ない場合は、ティッシュなどでつまんで処分します。広範囲にいる場合は、掃除機を使って吸い取るのが効果的です。ただし、掃除機の中で再繁殖する可能性があるため、使用後はゴミパックをすぐに取り出して密閉し、早めに廃棄をしましょう。清掃後は、発生場所の除湿や乾燥も忘れずにおこないます。
STEP 3:必要に応じて殺虫剤を使用する
チャタテムシの駆除には市販の殺虫剤に加えて、70%以上の消毒用アルコールスプレーも効果的です。発生場所や対象物に応じて、適切な方法の選択が重要です。キッチンや押入れ、布団や本など、それぞれに合った対処をおこないましょう。
- アルコールスプレー:キッチンや食品周辺
- くん煙剤:押入れや部屋全体
- 天日干し:本や布団などは黒い袋に入れて直射日光で加熱
- 乾燥機:衣類や布団に付着した場合は60度以上で駆除
キッチンや食品周辺には、70%以上の消毒用アルコールスプレーが効果的かつ安全に使えます。広範囲におよぶ場合は、押入れや部屋全体にくん煙剤を使うと効果的です。また、本や布団などは黒いゴミ袋に入れて直射日光に当てる天日干しがよく、内部の温度を高めて駆除します。さらに、衣類や布団に付着している場合は、60度以上の高温乾燥機にかけることで撃退できます。
STEP 4:発生源を処分するか掃除する
状況 | 処分の推奨度 |
---|---|
食品に湧いている | ★★★★★(即処分) |
段ボール・古紙類 | ★★★★☆(基本処分) |
本・布団など大切なもの | ★★☆☆☆(処理して再利用可) |
家具・収納 | ★☆☆☆☆(掃除・消毒で対応) |
処分の判断早見表
発生源を見つけたら、それぞれの状況に応じた対処が必要です。食品にチャタテムシが湧いていた場合は、すぐに処分しましょう。段ボールや古紙類も、再使用は避けて廃棄をするのが基本です。大切な本や布団は、天日干しなどで処理をすると再利用できます。家具や収納は、掃除やアルコール消毒で対応しましょう。
STEP 5:再発防止のための環境改善をする
チャタテムシの再発を防ぐためには、湿度管理と清潔な環境づくりが重要です。換気で湿気を抑え、こまめな掃除でカビやホコリの発生を防ぎます。食品や紙類の保管方法も見直し、密閉保存や段ボールの早期処分を心がけることで、発生リスクを減らせます。
チャタテムシを発生させないための対策

チャタテムシの発生を防ぐためには、生活環境を整えることが重要です。湿度の管理やカビの予防に加え、食品や紙類の適切な保管、家具や畳の定期的な手入れがポイントになります。ここでは、チャタテムシを発生させないための主な対策を解説します。
湿度管理
チャタテムシの再発を防ぐためには、湿度管理が欠かせません。湿度が高いとカビが発生しやすくなり、カビをエサとするチャタテムシが繁殖します。除湿機や扇風機、照明を活用し、空気を循環させながら湿度を55%以下に保ちましょう。室温が高くても湿度が低ければ、発生を抑えられます。
カビの予防と掃除
湿気が多い室内環境はカビの発生を招き、害虫の温床にもなります。チャタテムシは湿度が高く通気性の悪い場所を好むため、予防には湿度管理が不可欠です。風通しをよくするだけでなく、冬場の結露対策も重要なポイント。押し入れや流し台の下なども、定期的に換気すると安心です。
食品や保存容器の管理
食品まわりの管理が不十分だと、チャタテムシの発生源となります。特に、小麦粉や乾麺、菓子類などの乾燥食品は、開封後すぐに密閉容器へ移し替えるのが基本です。湿気を防ぐために乾燥剤を活用し、常温ではなく冷蔵保存も検討しましょう。食品庫や流し台の下は湿気がこもりやすいため、こまめな点検と換気も忘れずにおこないます。
段ボールや古紙は早めに処分
段ボールや古紙はチャタテムシが好む隠れ場所であり、発生源にもなります。通販の荷物に付着して侵入するケースが多く、室内に持ち込んだ段ボールは早めの処分が重要です。波板部分などに潜む個体は目視で気づきにくいため、畳や押入れの上には置かず、すぐに破棄するように心がけましょう。
家具・布団・畳のケア
家具や布団、畳は定期的に天日干しをおこない、通気をよくすることが大切です。畳の下や押し入れ内の布団は、カビが発生しやすいため注意してください。黒いビニール袋に入れて日光に当てる、除湿剤を併用するなど、こまめなケアで再発を防げます。
まとめ
チャタテムシは湿気やカビを好み、食品や本、畳などに発生する小さな害虫です。人体への直接な害はないものの、大量発生によりアレルギーの悪化や不快感、食品や紙類の劣化といった被害が起こります。予防と駆除には、湿度管理、換気、掃除、密閉保存、天日干しなどが効果的です。発生源の特定と早期対処が重要であり、環境の見直しによって再発も防げます。カビのない清潔な住環境を保つためにも、チャタテムシの対策を定期的におこないましょう。
チャタテムシとは?
チャタテムシは湿気やカビを好む1〜2mmほどの小さな虫で、梅雨時や夏に活発になります。食品や本、畳などに発生し、放置すると大量繁殖する恐れがあります。
チャタテムシの発生する原因は?
主な原因は「高湿度」と「カビ」です。湿気の多い環境やカビのある場所に発生しやすく、さらに紙類や食品、掃除不足も発生要因となります。また、段ボールや古紙の放置、換気不足、外部からの侵入にも注意が必要です。
チャタテムシの駆除・対策方法は?
駆除の基本は、発生源の特定、除去と環境改善です。数が少ない場合はティッシュや掃除機、大量ならアルコールスプレーやくん煙剤を使います。再発防止には湿度を下げ、カビやホコリのない清潔な環境の維持が重要です。
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