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毛虫の駆除方法は?大量発生させない対策や刺された時の対処法

庭に発生した毛虫はどのように駆除すればよいのか解説します
庭の植物は、毛虫にとって、天敵から身を守る隠れ家やエサもたくさんある絶好の住処。一度でも卵を産み付けられてしまうと、そこから大量発生し、せっかくのガーデニングや家庭菜園を食い荒らされるなどの被害を引き起こします。目にするだけでも、嫌な気分になりますが、なかには人体に危険な毒性を持つ種類も。そんな家庭にとって厄介な害虫となる毛虫は、もし見つけたらすぐにでも退治する必要があります。そこで今回は、自宅で毛虫が発生した際に知っておきたい、駆除や予防などの対処法をご紹介していきます。

毛虫とは

そもそも毛虫とは?
そもそも毛虫とは?

毛虫は主にチョウやガの幼虫で、ウネウネとした細長い線形または楕円状の体つきが特徴です。同じような形状でも、表面が比較的滑らかに見える体毛の少ない種類は、「いも虫」と呼ばれるのが一般的。一方で「毛虫」は、表面はたくさんの毛かトゲで覆われており、なかには他の生物を刺して毒を発する種類もいます。毛虫は気味の悪い見た目だけでなく、その毒性から家庭にとっては危険な害虫でもあり、被害に遭わないためにも徹底した対策が重要です。

特に家庭菜園で野菜や果物を育てている方は、収穫時などに刺されてしまうこともあるため早めに対応しましょう。

主な毛虫の種類と発生しやすい時期

一般的によく見られる毛虫の種類とは?
一般的によく見られる毛虫の種類とは?

では実際に、一般家庭でよく見られる毛虫の種類やそれぞれの特徴も見ていきましょう。

チャドクガ

危険な毛虫として知られています
危険な毛虫として知られています
特徴 オレンジと黒の縞と斑模様で、大量の毒針毛が生えた危険な毛虫。毒針毛は風で飛ぶほど抜けやすく、刺さると強い炎症が発生
発生しやすい樹木 サザンカ、ツバキ、チャノキ など
発生しやすい時期 4月~6月、8月~9月

イラガ

派手な色合いで、見た目はウミウシに似ています
派手な色合いで、見た目はウミウシに似ています
特徴 緑・黄・青のビビットな見た目で、毒を出す大きなトゲを持つ毛虫。トゲは自然に抜けないものの、刺されると強い痛みや炎症が発生
発生しやすい樹木 サクラ、ウメ、カキ、カエデ、ヤナギ、ヤマボウシ、ケヤキ、クリ など
発生しやすい時期 6月~10月

クロシタアオイラガ

イラガの仲間で背中がオレンジや赤の線が入っています
イラガの仲間で背中がオレンジや赤の線が入っています
特徴 イラガと似たような形状・色味に加えて、赤やオレンジの模様が入った毒性の毛虫。トゲと毒針毛の双方が生えており、さらに危険性が高め
発生しやすい樹木 サクラ、ウメ、カキ、カエデ、ヤナギ、ヤマボウシ、ケヤキ、クリ など(イラガとほぼ同様)
発生しやすい時期 5~6月、8月~9月

マツカレハ

大量発生すると森林が大規模に枯損してしまうことも
大量発生すると森林が大規模に枯損してしまうことも
特徴 銀色の下地に、青黒い毛束やオレンジ模様が見られる有毒の毛虫。毒針毛が生えており、刺さると炎症を引き起こす毒性
発生しやすい樹木 マツ類(アカマツ、クロマツ、カラマツ)、ヒラヤマスギ など
発生しやすい時期 4月~6月、8月~10月

マイマイガ

10年に1度の割合で大量発生しており、終息するまで2~3年かかります
10年に1度の割合で大量発生しており、終息するまで2~3年かかります
特徴 黒っぽい茶色地(オス)または白地に、オレンジの頭と斑模様のある毛虫。大量の毛が生えているものの、基本的に無毒(羽化直後のみ有毒)
発生しやすい樹木 サクラ、ウメ、クリ、クヌギ、ニレ など
発生しやすい時期 4月~6月

アメリカシロヒトリ

さまざまな植物の葉を食べる雑食の幼虫です
さまざまな植物の葉を食べる雑食の幼虫です
特徴 白っぽい淡い黄色地に、黒い斑模様を持つ毛虫。白い毛が生えているものの毒性はなく、基本は食害のみ
発生しやすい樹木 カキ、ウメ、サクラ、アメリカフウ、ヤナギ、ハナミズキ、プラタナス、アンズ、クルミ など
発生しやすい時期 6月~7月、8月~9月

毛虫に刺されたらどうなる

毛虫に刺された時の症状は?
毛虫に刺された時の症状は?

ここまでにも出てきているように、毛虫には有毒性と無毒性の2種類が存在しており、毒を持つタイプに刺された場合には注意が必要です。種類によって症状は多少異なりますが、有毒性の毛虫に刺されると、強いかゆみをともなう赤い腫れや湿疹などの皮膚への炎症が起きます。なかには刺された時に、電流が走ったような激痛が生じるケースも。

なお基本的には1週間~2週間ほどで症状は治まるとされていますが、引っ掻いてしまうと、炎症が広まったり症状が悪化したりする危険性もあります。なお無毒の毛虫であれば、直接触れた程度ではさほど問題はなく、皮膚症状も起きないことがほとんどです。

毛虫に刺された時の対処法

毛虫に刺されたらどうすればいい?
毛虫に刺されたらどうすればいい?

もし毛虫に刺されてしまったら、いったんは慌てず、むやみに触ったりこすったりしないように要注意。まず刺された部分は、ガムテープなどをしっかり粘着させて、皮膚から毒を除去するようにします。そしてシャワーや水道の流水を当てて、こすらずに洗い流しましょう。
この際に、ゴシゴシこすったり石けんを使ったりすると、炎症が広がってしまう可能性があります。必ず流水を直接当てるように洗い流すのが鉄則です。なお刺された部分は、氷などで冷やすか虫刺され薬を塗って、かゆみをやわらげながら症状が治まるのを待ちます。

もし数日経っても症状が変わらない場合は、病院を受診して処置を受けましょう。また毛虫に刺された時に着用していた服にも、毒が付いている可能性もあるため、すぐに脱いで他の洗濯物とは別にして洗うとよいでしょう。

毛虫を見つけた時の駆除方法

庭で毛虫を見つけたらどうすればよいのでしょうか
庭で毛虫を見つけたらどうすればよいのでしょうか

毛虫は有毒だったり、野菜や草木など食べて庭を荒らす害虫のため、もし見つけたらすみやかに駆除するようにしましょう。なお毛虫を追い払う駆除方法としては、次のようなものがあります。また自分で毛虫を駆除する際には、毒針毛の飛散から身を守るためにも、全身をしっかりと防護しておくことも重要。

肌を露出しない服装(長袖・長ズボン)に加えて、ゴム手袋・マスク・帽子・防護メガネやゴーグル・長靴を着用して、しっかり毒を避けられる対策をしたうえで作業しましょう。

熱湯をかける

毛虫の毒は、50度以上の熱処理によって無害にできる特徴があります。そのため熱湯を使うのは、手元にあるもので迅速に駆除しやすい方法。ひしゃくなどを使ってかけるか、トングなどで捕獲または枝ごと切り落として、熱湯に浸して駆除します。なお毛虫は熱で弱っていくので、動きがなくなったら古紙などに包んで密閉し、可燃ゴミで廃棄しましょう。
ただし熱湯で植物が枯れる危険性もあり、すでに大量発生していたり広く分布していたりする際には不向きです。また毛虫自体に、ある程度まで近付いて熱湯をかける必要があるため、見た目が苦手な場合にも難しいかもしれません。熱湯駆除は、まだ部分的にしか発生していなかったり、卵の状態で見つけたりした際におすすめです。

水に溶かした洗剤をかける

台所洗剤などの中性洗剤を溶かした水を使い、熱湯と同じように直接かける、または浸して死滅させて駆除する方法もあります。毛虫は、洗剤によって殺虫できるため、動かなくなった様子を確認し廃棄処分します。
ただし熱湯と同様に、洗剤も植物の負担になって傷めてしまう可能性があるので、あまり広範囲に発生しているケースでは難しいでしょう。こちらも、まだ毛虫が少量の場合のほうが適しています。

酢や木酢液をかける

酢や木酢液は、熱湯や中性洗剤などの薬剤で植物が弱るのを避けたい場合に、おすすめできる駆除方法です。酢:水=1:3の割合で薄めたものを、スプレーなどで植木にふりかけて駆除します。ちなみ酢を使う場合、死滅させるわけではなく、毛虫が嫌うニオイを発生させることで逃して退治する方法になります。
即効性はないものの、毛虫の忌避剤となって寄せ付けない予防策としても有効です。ただし効果が維持しづらいため、少なくとも週1回程度、さらに雨が降った翌日にもこまめに散布する必要があります。

殺虫剤を撒く

スプレータイプの殺虫剤を植木に撒いて、毛虫を死滅させて駆除する方法です。市販されている殺虫剤のなかには、毛虫専用のものがあるので、きちんとパッケージの表示を確認して購入しましょう。なおチャドクガをはじめとした有毒性の毛虫の場合、スプレー散布時に毒針毛が飛散する危険性もあります。そのため殺虫剤を噴射する前に、毒針毛固着剤を撒くようにしましょう。そして死骸の付いた枝や葉は除去し、木の下に落ちたものもトングなどで回収して、密閉したうえで可燃ゴミとして廃棄します。死骸であっても、毛やトゲには毒が残っていることがあるため、必ず直接手では触れずに駆除しましょう。

プロに駆除を依頼する

あまりに広い範囲にわたっていたり、大量発生が見られたりする場合には、害虫駆除の専門会社に任せるのが確実です。害虫駆除のプロに依頼したほうが、作業も素早く効率的に終わりやすく、完全退治ができる効果が見込めます。なかには「毛虫に近付くことさえ厳しいかも……」という場合もめずらしくないため、駆除が難しそうな時はすみやかに害虫駆除の専門会社に相談してみましょう。

毛虫を大量発生させないための対策

毛虫が大量発生する前に対策できることは?
毛虫が大量発生する前に対策できることは?

やはり毛虫の大量発生を防ぐには、そもそも自宅の庭や植木に寄せ付けない予防が欠かせません。では毛虫を近寄らせない対策として、高い効果に期待できる方法も見ていきましょう。

定期的に庭木の手入れをおこなう

毛虫は身を隠しやすい場所を好み、なおかつ日光や風が当たりづらい部分で産卵されます。葉っぱ同士が密集していると、毛虫にとっての絶好の住処になりやすいため、こまめにお手入れをしてスッキリ整えておくのも効果的。定期的に剪定や間引きをして、葉が生い茂りすぎないように対処しておきましょう。

庭全体がさっぱりと整備されていると、毛虫が寄りづらくなるうえに、発生してもすぐに見つけて迅速に駆除できるのも大きな利点です。また毛虫の卵は、葉の裏に産み付けられるので、お手入れの際にチェックしておくと早めに対処できます。

雑草を見つけたら刈り取る

毛虫にとっては雑草もエサになってしまうため、こまめに草刈りをしておくことも大切です。雑草が多い分、毛虫にとってのエサや住処も増えてしまうため、結果的に寄せ付けてしまう危険性があります。植木はもちろん、庭全体がうっそうとしていると、毛虫が住み着いて大量発生する原因になりかねません。雑草も含めて、定期的にお手入れをしましょう。

酢や木酢液を庭に散布する

毛虫の駆除としても使用できる、酢や木酢液を庭に撒いて予防する方法もあります。酢や木酢液は、毛虫が嫌がるニオイを発するうえに、植物に直接散布しても無害なので、安全に予防しやすい効果が見込めます。ただし前述にもあるように、きちんと予防対策として効果を発揮させるには、継続して定期的に撒く必要があります。週1回程度は忘れずに散布するようにしましょう。

市販の予防薬剤を活用する

市販薬のなかには、毛虫などの害虫予防ができるタイプも販売されています。例えば粉末状になっているタイプでは、庭の各所に撒いておくことで、忌避剤として使うことが可能。ただしこうした市販薬は、植物を弱らせてしまうケースもあるため、しっかりと用法用量を守って活用していくことも欠かせません。十分に注意事項を確認したうえで使用するようにしましょう。

毛虫が嫌う植物を育てる

毛虫をはじめとした害虫は、ハーブ系の植物を嫌う習性があり、庭に植えておくことで虫除けができる効果も見込めます。ちなみに虫除けに効きやすい種類としては、ミント・ラベンダー・バジル・ローズマリー・ヨモギ・レモングラス・ゼラニウムなどがあり、植木などのそばで育てておくのもおすすめです。家庭菜園の一部として取り入れてみるのもよいでしょう。

枯れ枝や落ち葉を放置しない

毛虫のなかには、枯れ枝や落ち葉に隠れて冬を越す種類も多く、きちんとお手入れしていないと大量発生の原因になってしまいます。毛虫の住処を少しでも減らして、生息しにくい環境にするためにも、枯れ枝や落ち葉もこまめに片付けてきれいに掃除しておきましょう。毛虫は春から秋ごろに姿を見せることが多いですが、枯れ枝や落ち葉が出る寒い時期でも、大量発生防止に向けてお手入れしておくと安心です。

夜間に庭を明るくしない

毛虫の原因となるガの成虫は、夜間になると電灯などの明るい場所に集まってくる習性もあります。夜間に庭を明るくしていると、毛虫の根源を寄せ集めてしまいやすいため、電灯などは最小限に使ったり部屋の照明が漏れたりしないように注意しましょう。

卵を見つけたらすぐに取り除く

庭のお手入れ中に卵を見つけたら、すぐにでも葉や枝ごと取り除いて駆除するようにしましょう。羽化する前なら、毛虫たちが散り散りに動き出す前なので、一気に退治できます。卵からかえって毛虫になってしまう前に、除去するようにしましょう。

害虫駆除の専門会社に対策を任せる

害虫駆除の専門会社では、一般家庭では難しい予防にも対応しており、より徹底した対策が可能。例えば樹木に直接虫除け剤を注入して予防するなど、安全かつ確実な対策をしてもらうこともできます。もちろん費用はかかってしまいますが、どうしても不安な時には、害虫駆除の専門会社に任せることも検討してみましょう。

まとめ

自宅に出てきたら不気味に感じる毛虫は、人間にとっては刺されると危険な毒を持つ有害な種類がいるうえに、なおかつ植物を食べて庭を荒らしてしまう存在です。もし姿を見かけたら、すぐにでも駆除して追い払うのがベストですし、日ごろから毛虫を寄せ付けないような予防も大切。今回見てきたような、毛虫対策も含めて、こまめに庭のお手入れをしておくことが重要です。ぜひ本記事も参考に、毛虫の出ない快適な住環境を整えていきましょう。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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