マンションのベランダ掃除の方法は?掃除方法や頻度、注意点を徹底解説

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マンションのベランダ掃除は必要?しないとどうなる?

例えば「基本的には部屋干しで、あまりベランダに出ることがない」ケースでは、汚れがあまり気になることもなく、さほど掃除の必要性は感じないかもしれません。ですがベランダの掃除は、よりよい住環境を保つためには不可欠。一般的なベランダには、雨水などを流す排水口があり、汚れが溜まってしまうと詰まってしまう恐れがあります。ベランダの排水口が詰まると、中でゴミが腐敗して雑菌や悪臭を放ったり、場合によっては雨水があふれて水浸しになったりする可能性も。こうしたニオイや雨水の逆流は、やはりどうしてもマンションのような集合住宅では、近隣の住戸にも迷惑をかけてしまうリスクもあります。また、汚れを放置していると、ベランダの手すりや床などの建材が腐食して劣化してしまうことも想定されます。快適な住まいを維持するためにも、定期的なベランダ掃除は必須といえるでしょう。
ベランダの主な汚れ

ではまず、室内とは異なるベランダでは、どのような汚れが発生するのか見てみましょう。
- 土ボコリ・砂
- ホコリ・繊維
- ゴミ・枯れ葉
- 自動車の排気ガス
- 鳥のフン
- 花粉
- コケ
ベランダは屋外となるため、土ボコリ・砂・枯れ葉・排気ガス・花粉など、外部から飛散してきて付着しやすい汚れです。さらに鳥のフンは、ベランダの手すりなどに付いてしまうケースがよく見られます。繊維は、干した洗濯物から落ちて、ベランダの汚れとして溜まってしまう場合も。その他にも、あまり水はけがよくない場所や湿気がこもりやすい場所には、コケが繁殖する可能性も考えられます。このように、ベランダでは屋外ならではのさまざまな汚れが発生します。
マンションのベランダ掃除をする前に確認すべきポイント

マンションのベランダは、部屋のような専有部分とは違い、入居者全体での共用部分となるため、気を付けておきたいこともいくつかあります。また、ベランダのような屋外だからこそ考慮しておきたいポイントもあり、以下より解説していきます。
マンションのベランダは「共用部分」
一戸建てとは異なり、マンションのベランダは共用部分となるため、建物全体としてのいくつかのルールが決められている場合も多く見られます。個別に分かれているスペースではあるものの、入居者の自由に扱えるわけではなく、きちんと規約に沿って利用しなければなりません。ベランダの使い方だけでなく、掃除の仕方でも一定の条件が設けられているケースもあります。また集合住宅では、住戸同士の距離感が非常に近いこともあり、十分に配慮しておかないと、掃除の方法次第では周りの迷惑になってしまうリスクも。マンションのベランダは、集合住宅の共用部分として、周囲への影響にも気を付けながら掃除する必要があります。
マンションによっては水の使用が禁止されている
マンションのベランダでは、掃除方法に規定が設けられている場合もあり、なかでもよく見られるのが水の使用禁止のルールです。ベランダを掃除する際にホースなどで勢いよく多くの水を使ってしまうと、下の階や隣の住戸にまで流れ出てしまい、近隣トラブルに発展する可能性があります。汚水の水漏れがあると、多大な損害につながる恐れもあり、流水での掃除には要注意。また、水だけでなく、その他にもルールが定められているケースもあるため、あらかじめマンションの規約はきちんと確認しておきましょう。
ベランダ掃除は「くもり」や「小雨」の日がおすすめ
屋外となるベランダは、からっとした晴れの日ではなく、くもりや小雨のような湿気がある時に掃除するのがおすすめです。天気がよく乾燥している日は、砂やホコリなどの汚れを集めようとしても、風で飛び散ってしまい掃除しづらい一面があります。多少でも湿度が高い日のほうが、汚れが飛び散らずに集めやすく、きれいにゴミを取って捨てやすくなります。ベランダ掃除は、なるべく強い風が吹かない日で、なおかつ湿気のあるタイミングにしてみるとよいでしょう。
ベランダの掃除方法と準備するモノ【箇所別】

ベランダ掃除では、場所によってお手入れ方法や必要なアイテムは変わってくるので、あらかじめひととおり用意しておくと便利です。ここからは、ベランダの箇所ごとに分けて、準備しておきたい道具や掃除方法を見ていきましょう。
手すり・壁
ベランダの手すりや壁は、拭き取って汚れを落としてきれいに掃除するのが基本です。なお拭き掃除には、次のようなアイテムを準備しておきます。
用意するアイテム
- 水で濡らしたぞうきん
- ベランダ用洗剤
使用する洗剤の種類は、黒ずみ(排気ガスなど)や油汚れには、重曹を使うのがおすすめ。また鳥のフンには、中性洗剤をかけてふやかしてこすり落とすと、取り除きやすくなります。鳥のフンは強くこびり付いていることも多く、汚れを取り除くのに手こずることも。そうした場合には、重曹+クエン酸水をかけて汚れ部分を発泡させてから、ぞうきんで拭き取るときれいにしやすくなります。
掃除手順
- STEP 1重曹を溶かした水をスプレーボトルに入れる(既製品のセスキ炭酸ソーダ水や、重曹水ならそのまま使用可)
- STEP 2汚れ部分に重曹水を噴射して、固く絞ったぞうきんで拭き取り
- STEP 3こびり付いた鳥のフンは、中性洗剤をかけて少し放置し、ふやかした後に拭き取り
粉末の重曹を使う場合には、小さじ1~2杯分に対して、水の量は100~200mlで溶かすのが大まかな目安です。もちろんスプレータイプの既製品であれば、そのまま使用して問題ありません。また汚れが強く、ぞうきんではなかなか落ちない時には、歯ブラシやナイロンスポンジなどでこすると取り除きやすくなります。
排水口
排水口は、元々水を排出させる部分なので、あまりに多量の水でなければ洗い流しても問題はありません。排水口の詰まりを防ぐためにも、次のようなアイテムを準備して、多くの水を使い過ぎなくとも、きれいに汚れを落とせるようにしましょう。
用意するアイテム
- ほうき、ちりとり
- 水で濡らしたぞうきん
- 歯ブラシ、またはスポンジ
- 中性洗剤
- バケツ
基本的に排水口の汚れには中性洗剤を使えば問題はありませんが、なかなか落ちにくい時には、重曹+クエン酸水で発泡させるとふやけてサッと取り除きやすくなります。またバケツは、排水口の汚れを少しずつ静かに洗い流せるように用意しておきます。
掃除手順
- STEP 1ほうきとちりとりを使って大きめのゴミを掃き掃除で取り除く
- STEP 2掃き掃除ができたら、中性洗剤を汚れ部分にかける
- STEP 3固く絞ったぞうきんで拭き取って汚れを落とす
- STEP 4強く付着した汚れは歯ブラシ(またはスポンジ)でこする
- STEP 5バケツに水を入れて、静かに注ぎながら洗い流す
大きめのゴミをそのまま流してしまうと、詰まりの原因になってしまうので、まずは掃き掃除で十分に取り除いておくのがコツ。掃き掃除をしてから、洗剤を使って汚れを落としていきます。最後に洗い流す時には、近隣の住戸に影響がないように、あまり勢いはつけず徐々に静かに水を注ぐようにしましょう。
床
ベランダの床は、水で洗い流すと近隣の住戸にまで汚水が届いてしまう可能性があるため、できれば掃き掃除と拭き掃除で済ませるのが無難です。なおベランダの床掃除では、次のようなアイテムを準備しておきます。
用意するアイテム
- ほうき、ちりとり
- 水で濡らしたぞうきん
- 歯ブラシ、またはスポンジ
- モップ、またはフロアワイパー
- 重曹(または、既製品のセスキ炭酸ソーダ水・重曹水)
- 中性洗剤
ベランダの床も、排気ガスによる黒ずみや鳥のフンがこびり付いている場所には、洗剤を使ってこすり洗いをします。黒ずみなら重曹、鳥のフンには中性洗剤というように、それぞれ使い分けるときれいに落としやすくなります。
掃除手順
- STEP 1ほうきとちりとりで掃き掃除をして、大きなゴミを取り除く
- STEP 2黒ずみや鳥のフンなどの強い汚れ部分には洗剤をかける
- STEP 3強い汚れ部分は固く絞ったぞうきんで拭き取る
- STEP 4汚れがこびり付いている時には、歯ブラシ(またはスポンジ)でこすり洗いをして、ぞうきんで拭き取る
- STEP 5モップ(またはフロアワイパー)で床全体を拭き掃除する
ベランダの床は、掃き掃除でゴミを取った後に、全体を拭いてきれいにする流れが基本です。なお強い汚れが付着している場所も出てくるので、その部分に合わせて拭いたりこすったり細かく掃除して、なるべく漏れなく取り除けるのが理想。そして最後に、床全体の拭き掃除をしたら完了です。
ベランダ掃除の理想的な頻度は2、3カ月に1度

できるだけベランダをきれいに維持するには、2~3カ月に1回ほどは、ここまでにご紹介してきたお手入れをできるのが理想です。さらに月1~2回程度は、簡単な掃き掃除や手すりの水拭きくらいはできると、べランダのきれいさを維持できます。とはいえこまめに掃除はしていても、やはり屋外にあるベランダでは、どうしても汚れが落としきれない部分も出てくるでしょう。そこで、なるべく良好な状態を保つには、定期的に清掃の専門会社に依頼できるとベスト。1年~数年に1回くらいのペースで、プロによる清掃をしておくのがおすすめできます。ちなみに清掃会社に依頼する場合の費用目安は、10平方メートルにつき1万円前後が相場。住まいのメンテナンスとしてプロに頼んでみるとよいでしょう。
マンションのベランダ掃除をする際の注意点

マンションのベランダ掃除では、集合住宅の共用部分として、次のような点には注意しておきましょう。
マンションの管理規約を確認する
ベランダは共用部分となるため、近隣トラブル防止などの目的で、例えば「水洗い禁止」といった規約があるケースも少なくありません。特に専門会社にお願いする際には、マンションの管理規約上では使用できない機材を使う清掃が入る可能性もあるため、依頼時には十分に確認しておきましょう。またベランダも含めた共用部分は、場合によってはマンションの管理組合から、専門会社への定期清掃を依頼しているパターンもあります。自前で依頼しなくても、自動的に清掃が入ることもあるので、ベランダなどの共用部分の清掃方法はあらかじめ把握しておくのが無難でしょう。
少ない水で掃除する
仮に水洗いが禁止されていないマンションでも、ベランダ掃除の際には、できるだけ少量に限って使用するのが安全です。あまり多量の水を使う掃除方法では、近隣への汚水の流れ込みや水漏れのリスクがあるため、トラブル防止のためにも避けたほうがよいでしょう。水を使って掃除するにしても、勢いよく放水するのではなく、静かに少しずつ洗い流すようにします。
ご近所さんへ配慮する
マンションは住戸同士が接続しているため、例えば掃き掃除をするなかでゴミが近隣に入ってしまうなど、故意ではなくても迷惑をかけてしまう場合も。きちんと周囲に配慮しておかないと、知らず知らずのうちに、ご近所さんを不快な気持ちにさせてしまう可能性があります。特にゴミやホコリは、ベランダの外に掃き出してしまうと、階下の住戸に入り込んでしまいます。必ずちりとりを使って回収するようにするなど、周りにも十分に注意して掃除するようにしましょう。
薬剤の種類に注意
床や手すりなどに使われている材質と、使用する洗剤との相性が悪いと、例えば変色・表面の剥がれ・サビといった劣化につながる可能性があります。洗剤を使う場合には、必ずどの材質に使用できるものなのか、商品情報を十分に確認しておきましょう。
まとめ
マンションのベランダでは汚れが溜まりすぎてしまうと、排水口の詰まりなど、近隣トラブルにつながる事態を引き起こしてしまうリスクがあります。そのため定期的に掃除をして、きれいに保つことが大切。また周りの住戸への影響を考慮するのであれば、ベランダの清掃は、掃き・拭きの掃除で汚れを落とすのが基本です。なおマンションのベランダは、各入居者の専有部分ではなく、建物全体で共有している共用部分となります。そのため掃除方法でも一定のルールが設けられているケースも多く、あらかじめ規約をしっかりと確認しておくことも重要です。マンションのような集合住宅では、周囲への配慮も忘れずに、より快適な住まいに維持できるように日頃からのお手入れを意識しましょう。
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