エアコンが効かない原因は?自分で解決する方法を解説

記事の目次
エアコンが効きづらい原因は?

そもそもエアコンは、どのような理由で効きづらくなってしまうのでしょうか。大きく分けると、エアコンが効きづらくなる原因は次の6つです。
エアコンの汚れ
よくあるのが、エアコンが汚れているため空気の流れが滞ってしまい、冷気や暖気が行き渡らなくなってしまっているパターンです。
室内機の汚れ
まず考えられるのは、本体のフィルターが汚れているということです。定期的に掃除をしていないと、ホコリが付着しているだけでなくカビが繁殖している場合もあります。最近は、フィルターを自動でお掃除する機能のついたエアコンもありますが、それでも完全にきれいになるわけではありません。たとえ自動お掃除機能つきのエアコンであっても、定期的に掃除をする必要があります。
室外機の汚れ
意外と盲点になりがちなのが、室外機の汚れです。屋外に置かれることを前提に作られているため、ある程度は雨風や砂埃に強いのは確かですが、製品や環境によっては室外機が汚れてしまい空気の循環が悪くなっているケースもあるので注意しましょう。
室外機周辺の環境が悪い
室外機がきれいでうまく風を放出できていても、環境が悪いと空気をうまく循環できず、エアコンが効きづらくなってしまいます。
吹き出し口付近に障害物がある
室外機の吹き出し口付近に風通しを遮るものがあると、うまく熱を外に逃がしたり冷気を吐き出したりすることができません。例えば鉢植えや荷物など、吹き出し口を塞ぐような位置に障害となるものはないでしょうか。また、室外機全体を覆うタイプのカバーをかけるのもNGです。冷房の場合は温かい空気、暖房の場合は冷たい空気を排出しても、その空気が後ろに回り込みそのまま吸い込んでしまうため効率が下がります。
直射日光にさらされている
冷房の場合、室外機が直射日光に当たっていることも、エアコンの効きを悪くする要因のひとつといえます。なぜなら、機械そのものが高温になってしまうと、熱を放出しにくくなってしまうためです。
室外機の位置を変えられる場合は、日陰へ移動しましょう。それが難しければ、室外機の空気の循環を遮らないように配慮しながら、植木を置いたり簾を立てかけたりして、日陰を作るのがおすすめです。また、室外機の上に置くタイプのカバーなども市販されています。
設定ミス
エアコンには暖房・冷房・送風・自動などさまざまな機能がありますが、設定を間違っていないかも念のため確認しましょう。「暖房」は取り込んだ空気を暖めて送り出す機能で、「冷房」は取り込んだ空気を冷やして送り出す機能です。
「送風」の役割については、勘違いされている方が多いかもしれません。送風はただ風を送り出す機能であるため、暖気や冷気は出てきません。そのため、室温を変えたいときに使っても効果がありません。
なお、「自動」は適温になるまで冷房あるいは暖房を強風で稼働し、そのあとは微風や弱風に切り替える機能です。エアコンを効率よく稼働させられるため、電気代の節約になるともいわれています。
エアコンが畳数に合っていない
エアコンには、それぞれ対応している畳数があります。例えば寝室に付けるために購入した6畳用のエアコンを広々としたリビングに設置すれば、なかなか効かないことがあるので注意しましょう。
なお、メーカーのカタログに記載されている畳数の目安は、小さい数字は木造平屋建て、大きい数字は鉄筋コンクリートを想定して書かれています。数字が1つしか記載のない場合は、木造平屋建てを想定していると考えましょう。
しかし、この畳数というものは、断熱材が使用されていないことを前提に計算されています。そのため、実際はもう少し広い部屋にも対応できると考えて構いません。また、設置する部屋が何階にあるか、日当たりは良いかといった要素も影響します。具体的にそれぞれの部屋に合っている畳数がいくつかは、次の表を参考にしつつ判断してください。
・鉄筋集合住宅の場合
おもな畳数 | 最上階南向き | 中階層南向き | ||
---|---|---|---|---|
冷房 | 暖房 | 冷房 | 暖房 | |
6畳用 | 7畳 | 6畳 | 9畳 | 7畳 |
8畳用 | 8畳 | 7畳 | 10畳 | 8畳 |
10畳用 | 9畳 | 9畳 | 12畳 | 10畳 |
12畳用 | 12畳 | 10畳 | 15畳 | 12畳 |
14畳用 | 13畳 | 12畳 | 17畳 | 14畳 |
18畳用 | 18畳 | 16畳 | 23畳 | 18畳 |
20畳用 | 21畳 | 17畳 | 26畳 | 20畳 |
23畳用 | 23畳 | 21畳 | 30畳 | 23畳 |
26畳用 | 26畳 | 23畳 | 33畳 | 26畳 |
29畳用 | 29畳 | 26畳 | 38畳 | 29畳 |
鉄筋集合住宅の最上階に住んでいる場合は、実際の広さと同じ畳数のタイプが適しています。一方、中階層であれば、1〜2畳ほど狭いタイプのエアコンでも問題ありません。
・木造一戸建て(洋室)の場合
おもな畳数 | 最上階南向き | 中階層南向き | ||
---|---|---|---|---|
冷房 | 暖房 | 冷房 | 暖房 | |
6畳用 | 7畳 | 6畳 | 6畳 | 6畳 |
8畳用 | 8畳 | 6畳 | 7畳 | 6畳 |
10畳用 | 9畳 | 8畳 | 7畳 | 8畳 |
12畳用 | 11畳 | 10畳 | 9畳 | 10畳 |
14畳用 | 13畳 | 11畳 | 11畳 | 11畳 |
18畳用 | 18畳 | 15畳 | 15畳 | 15畳 |
20畳用 | 20畳 | 16畳 | 17畳 | 16畳 |
23畳用 | 23畳 | 19畳 | 21畳 | 19畳 |
26畳用 | 26畳 | 22畳 | 23畳 | 22畳 |
29畳用 | 29畳 | 24畳 | 26畳 | 24畳 |
木造一戸建ての洋室に設置する場合は、基本的に部屋と同じ畳数が適しています。西向きの広い部屋ではエアコンが効くまでやや時間がかかるため、一段階広めの畳数を選ぶほうが快適に過ごせるでしょう。
・木造戸建て(和室)の場合
おもな畳数 | 最上階南向き | 中階層南向き | ||
---|---|---|---|---|
冷房 | 暖房 | 冷房 | 暖房 | |
6畳用 | 6畳 | 6畳 | 8畳 | 6畳 |
8畳用 | 7畳 | 6畳 | 9畳 | 6畳 |
10畳用 | 8畳 | 8畳 | 11畳 | 8畳 |
12畳用 | 10畳 | 9畳 | 14畳 | 10畳 |
14畳用 | 11畳 | 11畳 | 15畳 | 11畳 |
18畳用 | 15畳 | 15畳 | 21畳 | 15畳 |
20畳用 | 17畳 | 16畳 | 24畳 | 16畳 |
23畳用 | 20畳 | 19畳 | 27畳 | 19畳 |
26畳用 | 22畳 | 21畳 | 30畳 | 22畳 |
29畳用 | 25畳 | 23畳 | 34畳 | 24畳 |
木造戸建ての和室の場合も、一段階広めの畳数に対応しているものが無難といえます。ただし、北向きの広い部屋では注意が必要です。冷房の効きは良いものの、暖房はなかなか効きづらくなります。
エアコンの故障や不調
エアコンがきれいで、室外機の環境も悪くない。そして、設定も間違っておらずエアコンの対応畳数も合っているのであれば、故障や不調の疑いがあります。
コンプレッサーの故障・不調
室外機の内部に設置されていて、気体を圧縮させて送り出す役割を担っているコンプレッサーはエアコンの要です。コンプレッサーが故障すると、エアコンが効かなくなります。コンプレッサーの寿命は10年ほどといわれているので、長く使っている場合は経年劣化による故障の可能性が考えられるでしょう。なお、コンプレッサーの修理代は一般的に2万5000円以上で、高いときには8万円になります。
膨張弁や電磁弁の故障・不調
膨張弁や電磁弁の故障や不調でも、エアコンが効きにくくなることがあります。膨張弁は冷媒の温度と圧力を下げる役割を、電磁弁は電気をオンオフすることで空気の流れを切り替える役割を担っています。いずれも、異物が詰まると空気がうまく循環せず、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
センサーの劣化
エアコンについているセンサーの故障でも、効きが悪くなることがあります。室内の温度を検知するセンサーや熱交換器の温度を検知するセンサーなど、さまざま搭載されていますが、故障すると室内の温度を正確に測ることができなくなり、正常に運転できなくなってしまいます。
エアコンの寿命
最後に考えられるのは、エアコンの寿命です。メーカーが定めるエアコンの標準使用期間のほとんどが10年ほどです。
エアコンの寿命は、本体に貼られているシールに記載されている「製造年」と「標準使用期間」で確認できます。しかし、エアコンの使用頻度が極端に高い、あるいは逆にあまり使っていないような場合には、電子部品が劣化しやすく早く寿命が訪れることがあるので注意してください。
それでも、まだ寿命には早いというときには、次にご紹介するエアコンフィルターの清掃方法を参考に、まずはしっかりと掃除をしましょう。
エアコンフィルターの清掃方法

エアコンフィルターを掃除すると、エアコンの効きがよくなるだけでなく電気代の節約にもつながります。最初は面倒に感じてしまうかもしれませんが、慣れれば20〜30分ほどでできるので試してみましょう。エアコンフィルターの清掃でやるべきことは、基本的に次の4ステップです。

フィルターについたホコリが空気中に舞うことのないよう、フィルターに掃除機をかける際はフィルターを外さず本体に取りつけた状態でおこないます。実際の手順や方法はメーカーによって異なるため、取扱説明書を確認して正しく清掃するようにしてください。
なお、清掃の頻度は、エアコンを毎日使っている場合は2週間に一度が目安です。放っておくとカビが繁殖し、においの原因になります。アレルギー性鼻炎やアレルギー性皮膚炎、呼吸器系の疾患を引き起こしかねないため、定期的な掃除を心がけましょう。
自分でできない清掃はプロに任せる

自分で掃除できるのは、室内機の前面パネルやフラップなど外から見える部分、そして内部はフィルター類のみです。それより奥を自力で掃除しようとすると、誤って電子部品に水をかけてしまうなどして故障を招く可能性があります。奥をきれいにしたいときは、無理に自分で掃除しようとするのではなく、エアコンクリーニングのプロに依頼しましょう。
エアコンクリーニングのプロに依頼するのは、一般的に1〜2年に一度程度が適切とされています。ただし、室内で喫煙していたりペットを飼っていたり、あるいはキッチンのある部屋で使用している場合は、1年に一度の頻度で依頼するといいでしょう。逆に、夏場や冬場でも使用時間が1日に3時間以下だったり、使用頻度がそもそも低かったりするのであれば、3年に一度程度でもいいかもしれません。
ただし、エアコンの奥に黒カビやホコリを見つけたとき、あるいは自分で対処してもエアコンの効きの悪さが気になるときは、プロに依頼すべきサインです。目安のタイミングより少し早くても、お願いするといいでしょう。
エアコンの効きが改善されない場合はエアコンを買い替えよう

使い方も間違っておらず、プロに清掃してもらってもエアコンの効きがよくならない……そういった場合は、エアコンを買い替えるべきタイミングかもしれません。効きが悪い原因が故障であれば、修理するのも買い替えるのも、そこまで費用が変わらないこともあります。実際、10年前後で使ったエアコンに不調が生じた場合は、買い替えを検討する人は少なくありません。
まとめ
エアコンの汚れや室外機が置かれている環境、そして使い方や畳数が間違っていることが原因となって、エアコンの効きが悪くなることがあります。フィルターは自分で定期的に清掃し、エアコン内部は1〜2年に一度のペースでクリーニング業者に依頼すると、効きの改善につながり電気代も節約できます。
それでも改善されない場合は、エアコン機器本体の不調や故障が原因かもしれません。故障したパーツによっては修理代が高額になることもあるので、10年ほど使ったエアコンであれば、買い替えを検討するのも一つの方法です。本記事を参考に、快適な住環境を整えてくださいね。
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