ヴィンテージマンションとは?特徴やメリット・デメリット、有名なヴィンテージ物件を紹介

記事の目次
ヴィンテージマンションとは?
ヴィンテージマンションとは、一般的に築年数が経つほど物件の価値が下がるなかで、価値が落ちずに年々価値が上がるマンションのことを指します。ヴィンテージとは英語で「完成度が高い」「古くても価値が高い」「年代物」などの意味を持ち、ワインやデニムにも使われる言葉です。ヴィンテージマンションの明確な定義はありませんが、次のような特徴があります。
ヴィンテージマンションの特徴
ヴィンテージマンションの特徴を6つご紹介します。
築10年以上経過している
ヴィンテージマンションの多くは築10年以上で、古いマンションだと1960年代に建てられたものもあります。一般的なマンションは築10年以上が経つと、分譲した時の価格よりも下がります。しかし、ヴィンテージマンションは年々価格が上昇しています。
都心部など人気エリアに立地している
ヴィンテージマンションは、いつの時代にも住みたいと思えるような人気が高いエリアにあります。東京都内では千代田区・港区・渋谷区などを中心に、利便性が高いうえ自然が豊かなど、住みやすい環境に建てられています。
飽きがこないおしゃれなデザイン
ヴィンテージマンションは細部にまでこだわり、質のよい材料や特注品を用いて建てられています。近年の建築ではあまり見られないようなクラシックなデザインは、いつの時代でもおしゃれに感じられます。
管理やメンテナンスが行き届いている
立地やデザイン性に優れているマンションでも、正しく管理されていないと劣化が目立ち、物件の価値は下がってしまいます。植栽のお手入れ、排水管や設備のメンテナンスなどが定期的におこなわれていることが、ヴィンテージマンションの条件の1つです。
共用施設が充実している
ヴィンテージマンションは、エントランスやエレベーターホールなどの共用部分が広々としていて、おしゃれな造りになっています。物件によっては、プールやラウンジなどが付いているものもあります。
資産価値が落ちにくい
ヴィンテージマンションは築年数が経っていても、分譲時の価格と同等かそれ以上になっています。似たような立地・築年数・間取りのマンションと比較すると、高値で取引されている傾向です。
ヴィンテージマンションのメリット

ヴィンテージマンションのメリットを5つご紹介します。
生活利便性に優れている
ヴィンテージマンションは、利便性の高い立地に建てられています。建てられた当時から高級マンションとして立地のよさを売りにしていることが多く、買い物や通勤に便利でしょう。周辺環境に恵まれているマンションを探している方におすすめです。
知名度が高くステータスが得られる
ヴィンテージマンションは、周囲の住人や物件に詳しい方にもマンション名を認知されています。地域のランドマークタワーのような存在であるマンションに住むことは、ステータスのひとつとなりえるでしょう。
管理体制がしっかりしている
ヴィンテージマンションの住民には、自分たちのマンションに愛着を持っている方が多く見られます。そのため、管理組合の運営がしっかりしていて、共用部分なども定期的にメンテナンスがおこなわれています。
住民のリテラシーが高い
ほとんどのヴィンテージマンションは高級マンションなので、住民は富裕層が多くなります。そのため、入居者の入れ替わりも少ないうえ、マナーの悪い住民も少ない傾向にあります。マンションの管理を積極的におこなうなかでコミュニケーションも活発になります。
資産価値がある
ヴィンテージマンションの多くは、現在土地を確保することが難しい都心の一等地に広々と贅沢に建てられています。最近では都心部に大きな敷地面積の新築マンションを建築しづらいため、ヴィンテージマンションに注目が集まっています。
ヴィンテージマンションのデメリット
一方、ヴィンテージマンションには次のようなデメリットもあります。
設備が古い
ヴィンテージマンションは築年数が経っているため、最新の設備ではありません。ただし、部屋の内装はリフォームやリノベーションされていることが多く、新しい設備を導入することは可能です。
共用部分においても定期的にメンテナンスがおこなわれているため、不便に感じることは少ないでしょう。
防音性が低い
ヴィンテージマンションのなかには築10年ほどの物件もありますが、築50年を超える物件もあります。最新の物件とは建物の構造が異なり、防音性が低い可能性も考えられるでしょう。そのため、生活音が近隣に聞こえやすく、小さなお子様がいるご家庭だと注意が必要です。防音対策に関する詳しい内容は、次の記事を参考にご覧ください。
耐震性が心配
ヴィンテージマンションは古い建物のため、耐震性に不安がある方もいらっしゃるでしょう。1981年6月に建築基準法が改正され、現在の新耐震基準の建物が建てられるようになりました。1981年以前に建てられた物件は古い耐震基準をもとに作られているため、大きな地震の際に倒壊する可能性が、新しい物件と比べて高いといえます。ただし、旧耐震基準の時に作られた物件でも、新耐震基準並みの作りがしっかりしている建物もあります。耐震診断などをおこない、耐震性を確認しましょう。
セキュリティ面が心配
ヴィンテージマンションは新築物件と比べると、最新のセキュリティが導入されていないことも多いでしょう。ただし、オートロックが付いていたり、コンシェルジュや管理人が常駐していたりする物件もあります。そのため、ヴィンテージマンションだからといってすべてセキュリティ面を心配する必要はないでしょう。どのようなセキュリティ対策が講じられているのかは、購入前に確認しておくと安心です。
周辺の物件に比べ高額である
ヴィンテージマンションは資産価値が高いため、購入する時には大きな金額がかかります。周辺にある似た築年数や間取りの物件よりも、高額であることがほとんどでしょう。ただし、ヴィンテージマンションと評価されるだけの価値を感じることができます。
ヴィンテージマンションを探す方法
ここからは、実際にヴィンテージマンションを探す方法を解説します。そもそも、ヴィンテージマンションは数が少なく人気の物件なので、なかなか出回ることがありません。タイミングが合えば探すことができるので、長い目で探しましょう。
不動産情報サイトで探す
不動産情報サイト アットホームの「建物ライブラリー」では、建物名で物件を検索できます。住みたいヴィンテージマンションがすでにあるなら、定期的にチェックしてみてはいかがでしょうか。
不動産会社に問い合わせる
ヴィンテージマンションは、売却するオーナーの意向で世に出回っていない物件も少なくありません。気になるヴィンテージマンションがある場合は、事前に不動産会社へ相談しておくことをおすすめします。売却の募集が出たら、不動産会社から知らせてもらいましょう。
ヴィンテージマンションを探す際の注意点
ヴィンテージマンションを探す際の注意点を5つご紹介します。不動産は高い買い物なので、事前にポイントを把握しておきましょう。
耐震性を確認する
ヴィンテージマンションのデメリットでもご紹介した耐震性は、十分に確認しておきましょう。1981年以降に建てられた物件は新耐震基準ですが、それ以前の建物の場合は注意が必要です。ただし、ヴィンテージマンションの多くは高級マンションとして建てられたため、新耐震基準を上回っている構造もあります。そのため、ヴィンテージマンションだからと耐震性を不安視するのではなく、購入を希望する物件の耐震性を確認しましょう。
管理規約を確認する
マンションをリフォームやリノベーションをする時は、マンションごとに決められている管理規約に従う必要があります。リフォームはキッチンやバスなどの一部を改修することで、リノベーションは間取りを変えるなど部屋全体の改修をすることです。古いマンションでよくあるカーペットの床を、フローリングに変更することが禁止されている管理規約もあります。そのため、どのような部屋に住みたいか考えておきましょう。
修繕履歴・長期修繕計画を確認する
古い物件を購入する時は、修繕履歴や長期修繕計画を確認しましょう。エレベーターの新規取り替え、給水タンクの取り換え、屋上の防水工事、給排水管の取り換え工事などが適切なタイミングでおこなわれていないと、設備が老朽化してしまいます。また、長期修繕計画に基づいて修繕がおこなわれていても、工事費がかさんだことにより、修繕積立金が少なくなっていないかチェックしておきましょう。今後、さらに老朽化が進む建物を維持するために必要です。
建替えの有無を確認する
ヴィンテージマンションは古くても価値がある点が魅力ですが、永久にマンションとして機能できるわけではありません。そのため、何年後になるかはわかりませんが、マンションを建て替える時期についても考えておきましょう。古い建築基準法で建てられている物件の場合、新しい法令に対応するためには、今までと同じ規模のマンションとして建替えが難しいことも考えられます。購入を希望するヴィンテージマンションで建替えの予定があるのか、あらかじめ確認しておくと安心です。
まずは賃貸で住んでみるのもひとつの手
憧れのヴィンテージマンションを手に入れても、古い物件が意外と自分の生活に合わないと感じてしまうこともあります。また、長く住んでいる方が多いため、近隣との付き合いも一般的なマンションよりも濃いものになりやすいでしょう。人間関係が上手くいかず、ストレスになってしまうかもしれません。そのため、まずはヴィンテージマンションに賃貸として住んでみて、それから購入するか決めるのも一つの方法です。
都内で有名なヴィンテージマンション
ここからは、都心にある有名なヴィンテージマンションをご紹介します。
ザ・ハウス南麻布

ザ・ハウス南麻布は、東京メトロ日比谷線広尾駅から徒歩4分の立地にあります。コンシェルジュサービスが設けられ、ホテルオークラと提携しているコンシェルジュサービスがあるため、ホテル同様のサービスを受けることが可能です。
物件概要
所在地:東京都港南麻布5丁目
総戸数:119戸
築年月:2004年7月
三田綱町パークマンション

三田綱町パークマンションは、1971年に建てられたタワーマンションの先駆けといえる建物です。東京メトロ南北線や都営大江戸線の麻布十番駅より、徒歩9分の立地にあります。19階建てのマンションで、眺望がいいヴィンテージマンションです。
物件概要
所在地:東京都港三田2丁目
総戸数:147戸
築年月:1971年4月
麻布霞町パークマンション

麻布霞町パークマンションは、グッドデザイン賞を受賞したことがあるデザイン性の高いマンションです。92戸に対して、建物内にエレベーターが6基もあります。住人同士がなるべく顔を合わせない、プライバシーを重視した造りになっています。
物件概要
所在地:東京都港区西麻布4丁目
総戸数:92戸
築年月:2000年2月
ドムス南麻布

ドムスシリーズは、ヴィンテージマンションのなかでも特に有名なシリーズです。ドムス南麻布は、そのなかでも特に人気の物件で、屋内プールや屋外ジャグジーが付いています。
物件概要
所在地:東京都港区南麻布3丁目
総戸数:15戸
築年月:1993年2月
ビラ・ビアンカ

ヴィンテージマンションのなかでも人気のビラシリーズは、海外の雑誌でも取り上げられたこともあります。その第1号であるビラ・ビアンカは、デザイナーズマンションの先駆けともいえる存在です。1フロアおきにバルコニーがあり、各階が宙に浮いているような独特のデザインです。
物件概要
所在地:東京都渋谷区神宮前2丁目
総戸数:45戸
築年月:1964年4月
広尾ガーデンヒルズ

広尾ガーデンヒルズは、全15棟からなる大規模ヴィンテージマンションです。5つの区画に分けられ、30年以上経った今でも美しさと落ち着きがあります。芸能人も多く住んでいて、コンシェルジュサービスも人気です。
物件概要
所在地:東京都渋谷区広尾4丁目
総戸数:1181戸
築年月:1983年8月
秀和第二神宮レジデンス

秀和シリーズは、特徴的な見た目からファンが多いヴィンテージマンションです。特に人気の秀和第二神宮レジデンスは、青い屋根でヨーロピアンな外観になっています。原宿・代々木・千駄ヶ谷・北参道の4駅5路線が使用できるアクセスのよさも売りです。
物件概要
所在地:渋谷区千駄ヶ谷3丁目
総戸数:80戸
築年月:1971年12月
ヴィンテージマンションについておさらい
ここまでご紹介してきたヴィンテージマンションについて、3つのポイントをおさらいしましょう。
ヴィンテージマンションとは?
ヴィンテージマンションとは、築年数が経っているのに物件の価値が下がらず、年数を重ねるごとに建物の魅力が増していくマンションのことです。
ヴィンテージマンションの特徴は?
ヴィンテージマンションは高級で珍しい素材を使ったり、唯一無二のデザインを取り入れたりしている、長年愛されるデザインです。アクセスや周辺環境がよく、管理もしっかりとおこなわれているため、物件の価値が年々上がっています。
ヴィンテージマンションの探し方は?
ヴィンテージマンション自体の数が少なく、人気が高いためなかなか出回りません。希望のヴィンテージマンションに空きが出るか、不動産情報サイトで確認したり不動産会社に連絡してもらえるよう頼んだりしましょう。
まとめ
日本では、築年数が経つと物件価値が下がることが一般的です。しかし、築年数が経っても資産価値の高いヴィンテージマンションと呼ばれる物件が存在します。本記事ではそのヴィンテージマンションの魅力についてご紹介しました。
ヴィンテージマンションに住むには多くのメリットがある一方で、デメリットもあります。購入後に後悔しないためにも耐震補強がされているか、大規模修繕の履歴や予定などを事前に確認しておきましょう。
ぜひ、ご希望の条件に当てはまるヴィンテージマンションを探して、あこがれの物件に住んでみてはいかがでしょうか。
物件を探す