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狭小住宅は後悔する?恥ずかしい?デメリットとメリット、暮らしを快適にするポイントを解説

狭小住宅は後悔する?恥ずかしい?デメリットとメリット、暮らしを快適にするポイントを解説
「狭小住宅」というと、なんとなくの字面からマイナスなイメージにとらえられそうですが、実はとても効率的でスタイリッシュな住まいのカタチのひとつ。特に都心部では当たり前に見られる住宅で、快適に暮らせるポイントもたくさんそろっています!少し工夫するだけで、毎日心地よく過ごせる住まいにできる狭小住宅。
今回はそんな狭小住宅について、実際に住むみなさんの声をもとに、具体的なメリット・デメリットから部屋づくりのアイデアまで詳しくご紹介します。

狭小住宅とは?

狭小住宅とは、その名のとおり、狭く小さな土地に建てられる住宅を指します。特に法律的なルールなどがあるわけではありませんが、一般的には敷地面積15坪(50平方メートル)ほどの土地に住宅を建築する場合に、狭小住宅と呼ばれることが多いようです。敷地が小さくなる背景として、例えば住宅用地が確保しづらい・相続や土地開発で分割された・地価が高すぎるなどのケースがあり、狭小住宅は都心部でよく見られます。また利用できる敷地が限られている分、階数が増えやすいのも、狭小住宅の特徴です。



狭小住宅を買って後悔した?【アンケート調査】

では実際に、狭小住宅のマイホームに住むみなさんより、購入後のリアルな感想をうかがってみました。

狭小住宅を買って後悔した?(回答サンプル:88)
狭小住宅を買って後悔した?(回答サンプル:88)

狭小住宅を買って後悔した人とそうでない人の割合は、どうやらほぼ半々のようです。例えば「購入してからライフスタイルが変わった」などのケースも考えられるので、狭小住宅にして後悔するかは一概にはいえません。またどのような物件にも、メリットとデメリットのどちらもあって当然です。具体的にどのような意見が挙がっているのか、以下から見ていきましょう。

狭小住宅のデメリット【アンケート調査】

狭小住宅のデメリット【アンケート調査】

狭小住宅の場合は、そもそも敷地が狭いという前提条件があります。アンケート調査の結果をもとに、どのようなところにデメリットを感じるのかまとめてみました。

狭い

狭小住宅では、3階建てにするなど縦の空間は使えるものの、どうしても各フロアの物理的な面積は小さくなります。もしお子さんがいる場合、小さいうちは気にならなくても、体が成長するにつれて窮屈に感じる可能性も。また駐車場を設けるとなれば、1階のスペースを部分的に使って車庫にする、ビルトインガレージの形式がよく見られます。そうなるとコメントにもあるように、駐車が難しかったり荷物の出し入れが面倒だったり、車庫のスペースが限られる分、何かと不便に思えることもあるようです。

    みんなの声
  • くつろげるスペースが少ない。(20代/女性)
  • 窮屈さからくるストレス。(40代/男性)
  • 狭小住宅に狭い駐車場スペースがあったが、車を入れるのに大変だった。入れてからもドアが開かずに後部座席ソファをどかしてトランクから出入りをしていた。(60代/男性)

スペースに余裕がない

狭小住宅では、階数を増やして間取りを確保するケースが多々見られますが、一般的な戸建住宅でむやみに高層階にすることはできません。容積率(敷地に対する最大延床面積)や斜線制限(建物の高さ制限)などの建築上のルールがあり、想定よりも部屋数を設けにくい場合も。そうなると、思うように生活スペースがつくれないこともあるようですが、ここは設計次第で解決できる部分でもあります。

    みんなの声
  • 大きいベッドを置くと、部屋がほとんど埋まる。(20代/男性)
  • 在宅勤務用の専用スペースが作れなかったこと。(40代/女性)
  • 子どもが大きくなり部屋数が足りなくなりました。(60代/男性)

収納が足りない

部屋ごとの空間が狭いので、例えばウォークインクローゼットのような、大きめの収納スペースがつくりづらい場合も。面積が取りにくいことから各部屋の収納機能が省略されるケースもあり、いざ住んでみると不便だったり、収納棚などを別で用意したりすることもあるようです。こちらも例えば壁かけラックなどを活用して、なるべく省スペースで収納を確保するなどの工夫はできるでしょう。

    みんなの声
  • 収納が少なくて困る。(30代/女性)
  • 収納と部屋が足りなかったこと。(40代/女性)
  • 収納が少なく、お風呂や玄関も狭かった。(60代/男性)

生活動線が悪い

生活スペースを確保するために、狭小住宅では少し複雑な構造になっているケースが多く見られます。例えば掃除機をかけるのに上下階を行き来する必要がある、水回りが別のフロアに分かれているなど。その他にも、各部屋の移動ルートやトイレの位置など、住んでみると意外と細かな不便さが気になることもあるのかもしれません。特に建売住宅などで、すでに設計が決まっている場合に注意したい部分です。

    みんなの声
  • 生活が不便(30代/女性)
  • 限られたスペースを有効活用した設計になっているため、生活動線が分断していて、不便に感じることがあります。(30代/男性)
  • 階段がすごく急。リビングに行くのにキッチンを通らないといけない。(50代/女性)

上り下りが大変

階数が多くなると例えば最上階にクローゼットがある場合など、いちいち上着やバッグを取りに階段を上ってから、また1階の玄関まで下りて外出しなければなりません。特に足腰が弱くなってくると、体力的に階段の上り下りが厳しくなってくる可能性があります。どのような住宅でも同じですが、ライフスタイルに合わせて部屋の使い方は変えていく必要があるでしょう。

    みんなの声
  • 三階建てになるので上り下りが大変です。(40代/男性)

日当りが悪い

狭小住宅が建てられる土地は、その周りが家やビルなどの建物で囲まれている場合も少なくありません。こうした狭小住宅の場合、特に1階部分は建物の陰に入ってしまいやすく、日中でも採光がうまくできないことがあるようです。ただし事前に間取りを工夫して、全体的に部屋を明るく見せるなどの対策はできます。

    みんなの声
  • 日が当たらないこと。(30代/女性)
  • 部屋の中が暗い。(50代/男性)

生活音が気になる

限られた敷地内に物件を建てる場合、土地を最大限に利用して床面積を確保するので、建物同士の距離が近くなるケースも多くあります。プライバシーが気になる一面はありますが、例えば生活音なら遮音機能のある壁・窓・カーテンなどによって、できる限り軽減することは可能です。

    みんなの声
  • 隣家との距離が近いため、プライバシーや生活音が気になることです。(30代/男性)

人を呼びづらい

各フロアが狭くなる分、「たくさんの人は家に入れられない」との意見も。なかには「なんとなく恥ずかしい」と感じる場合もあるようですが、狭小住宅とはいえ単純に敷地が小さいだけで、生活スペースは工夫次第できちんと確保できます。住宅はあくまで家族が暮らす場所ですし、知人や親せきなどを招くか否かに関係なく、家族で住みたいと考えるなら検討する価値は十分にあるでしょう。

    みんなの声
  • 普段は後悔はないが、人を呼ぶ時には後悔……。(30代/女性)
  • 人が呼べない。ものが増えて置き場所がない。(40代/女性)
  • 親や友人を呼べない。(50代/女性)

資産価値が低い

将来的に売却することを考えると、駅が近かったり周辺が栄えていたりするマンションなどのほうが、資産価値は落ちづらいでしょう。ですが今後長く住む想定で、基本的に家を売る予定がないなら、単純に生活する目的を優先して購入するのも選択肢のひとつです。これから引越しをする可能性が低いのであれば、さほど気にしなくてもいい部分といえます。

    みんなの声
  • 資産価値がとても低い。(50代/女性)
  • より広い住宅に引越して、狭小住宅を売る時に購入金額よりも値段を下げても売れなかった時です。(60代/男性)

狭小住宅のメリット

狭小住宅のメリット

狭小住宅に関してさまざまな後悔の声がありましたが、実際には狭小住宅を買って後悔したと回答している人は上のグラフのとおり半数ほどです。ここからは、狭小住宅のメリットについて解説していきます。後悔していない派の意見も紹介します。

利便性の高い都心で一戸建てが買える

狭小住宅なら、比較的便利な都市部でも、手の届く範囲の価格で購入できることが多くあります。「どうしても郊外にあるような広い一軒家がいい」など、特別なこだわりがないのであれば、都心にマイホームを持てるのは大きなメリットでしょう。例えば通勤場所に近い・交通アクセスが充実しているような、できるだけ立地的な利便性を優先したいなら、狭小住宅はおすすめです。

    みんなの声
  • その時に自分がいいと思って購入したので後悔はない。(30代/男性)
  • 住めば都、不満はなかった。(40代/女性)

価格が抑えられる

狭小住宅では土地の価格が低くなるため、購入費用が抑えやすいメリットもあります。その他にも、例えば交通網や商業施設などが発達した立地に住めば、車を持たなくても生活することが可能。今後の維持費やガソリン代といったコスト面も省略できると考えると、実はおトクに暮らせるのも狭小住宅の利点でしょう。

    みんなの声
  • 自分たちの予算では仕方ないと思うので後悔はないです。(50代/女性)
  • 購入資金がないのであきらめています。(60代/男性)

固定資産税が抑えられる

固定資産税は、土地の価格や広さなどから算出される、固定資産税評価額によって決まります。狭小住宅の敷地は、面積が小さく価格も安いため、固定資産税がかかりにくいのも大きなメリットです。狭小住宅なら何かと費用面が軽減しやすく、ミニマルな暮らしがしたい場合にも向いています。

掃除や管理が楽

家が広くなれば広くなる分生活スペースは確保しやすいですが、維持するのは大変な一面もあります。一方で狭小住宅なら空間が限られているため、掃除をする場所も少なく済むのは大きな利点でしょう。また広い庭などがあると、雑草や枯れ葉を掃除したり、芝生のお手入れをしたりなど、管理の負担が増えやすくなります。「面倒なメンテナンスは避けたいけど、一軒家がいい」という場合には、狭小住宅を候補に入れておくといいかもしれません。

    みんなの声
  • 後悔してない。掃除も楽だし。(50代/女性)
  • 歳をとってからは狭い方がいい。無駄に広い住宅は管理が大変だから。(50代/男性)
  • 後悔してませんけど、収納は頭を使います。いい事です。(60代/女性)

老後はほどよいサイズ感

部屋数のある一軒家を買った場合、お子さんが成人して独立した際に、間取りを持て余してしまうのもよくあるパターンです。また、家が広いとどんどんいらない荷物までため込んでしまい、あとから収拾を付けるのが難しくなるケースも。老後の生活を考えるなら、あらかじめ狭小住宅にして余計なスペースを省いておけば、状況に応じてコンパクトな暮らしにも適応できます。住まいが小さい分、生活空間もまとまりやすく、高齢になっても家を維持しやすいのはメリットです。

    みんなの声
  • 老後のことを考えて狭小住宅へ転居したので後悔はない。(60代/男性)
  • 老後を考えれば、ちょうどいいぐらい。掃除も楽だし。(60代/男性)
  • 終活がしやすい。(70代/男性)

狭小住宅のように敷地面積が小さいことは、裏を返せばムダがないというメリットでもあり、実際にコスト面やライフスタイルもコンパクトにできるのが魅力です。また狭小住宅の場合、小さな面積のなかでも生活スペースが取れるように、少し特殊な設計になるケースが多々見られます。自然とデザイン性の高い家になるので、住まい全体がおしゃれに見えやすいのも、実は大きな利点。ハイセンスな住まいにしたい時にも、狭小住宅はおすすめです。

狭小住宅で後悔しないための対策

ここまでに見てきた狭小住宅で暮らすみなさんの意見も踏まえて、より快適な住まいにするためのコツをご紹介していきます。

生活動線をシミュレーションする

狭小住宅では、空間を垂直方向に考えて設計する必要があるため、生活動線も複雑になりやすい一面があります。家事や出かける前のルーティンなども考慮したうえで、何階のどの位置どういった部屋があると便利なのか、事前にしっかりとイメージすることが大切。例えば朝にまとめて家事を片付けるなら、キッチンと洗濯室はすぐ近くにしておくなど、スムーズに動きやすくしておくのがベターです。

間取りを工夫する

生活動線を考慮するとなれば、自然と間取りも工夫する必要があります。例えば3階建てにする場合。1階を子ども部屋にしてしまうと、外出先からそのまま自室に入れてしまい、家族で顔を合わせる機会が確保しづらくなります。その他にも1階がリビングだと光が入りづらい・最上階にクローゼットがあると荷物を運ぶのが面倒など、さまざまな部分を考えて工夫しないと、あとから不便に感じてしまいます。どのように各部屋を使うのか、十分に検討することが欠かせません。

吹き抜けで開放感を出す

吹き抜けで開放感を出す

各フロアの床面積が狭いと、どうしても圧迫感が出やすいですが、吹き抜けで縦の空間をうまく利用すると開放的に見せることが可能です。しっかりと上階から採光できる設計にしておけば、日当たりの問題も解決できますし、おしゃれ感もぐっと増します。

モノを見直す

狭小住宅に住むのを機に、一度家の荷物を整理しておくのもいい方法です。引越しなどのキッカケがないと、意外とムダなモノをためていることも多く、狭小住宅の規模感に合わない荷物量になっている場合も。そもそも物量がなければ、生活スペースが余計に取られることもないので、あらかじめ不用品はスッキリ処分しておきましょう。

デッドスペースを有効活用する

狭小住宅では、いかにして効率的に空間を使うかが重要です。例えば階段下や屋根裏といった、1つの部屋として使いづらい部分は収納にするなど。パズルのように生活スペースを組み合わせながら、より住みやすい家づくりをしていきましょう。

地下室・ロフトを作る

狭小住宅では、単純に階数を重ねるだけでなく、地下室を設ける方法もあります。おしゃれな隠れ家的にもできますし、落ち着いた空間にしやすいため、書斎などにはぴったりです。また各フロアに、ロフトやスキップフロアなど、小高い空間をつくって生活スペースを分けるのもひとつの手です。

家族が増えた時のことを考える

お子さんや親御さんなど、将来的に同居する家族が増える可能性があるなら、どこかの部屋をフリースペース的にしておくのもいいかもしれません。1つでも自由にできるスペースがあれば、いざという時でも、柔軟に間取りを変えられます。ライフスタイルに合わせて融通が利くようにしておけば、わざわざ引越しせずに済むケースも考えられます。

狭小住宅は、一見すると不便に思われがちですが、住み心地がよくなるかはアイデア次第です。土地に費用がかかりにくい分、建築にコストを回しやすい面もあるため、さまざまな工夫が考えられます。ぜひ今回ご紹介したポイントも、住まいづくりの参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたか? 狭小住宅は、敷地が小さいことさえ気にならなければ居心地よく暮らせる住まいです。「一戸建ては広すぎて、持て余してしまう気がする……」という場合には、狭小住宅のほうがコストパフォーマンスの高い生活ができる可能性もあります。狭小住宅なら費用的にも便利なエリアが選びやすいので、新しい住まいの選択肢に入れてみるのもいいかもしれません。
「不動産情報サイト アットホーム」では、10坪台の住宅用地から土地を探す こともできます。もし狭小住宅を検討しているのであれば、ぜひアットホームで検索してみてくださいね。

執筆者

たけなつ

2019年よりフリーで活動しているWebライター。
広告会社でのコピーライターを経て、現在は幅広いジャンルのコラム記事などを執筆。
愛知・東京・北海道と各地を渡り歩き、19歳からの10年で7回引っ越しを繰り返す好奇心旺盛人。

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