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財形住宅融資を利用するか悩む方へ!住宅ローン検討に役立つ利用条件やメリットを徹底解説

財形住宅融資の利用に悩む方に向けてその概要や利用のメリットとデメリットを解説します
住宅購入の資金調達の方法として、財形住宅融資を選ぶべきか悩んでいる方は、どのような制度なのか、利用するとどのようなメリットがあるのかを知りたいと思っているのではないでしょうか。そこで本記事では、財形住宅融資の概要、利用条件、土地や建物に関する要件、メリット・デメリットを詳しく解説します。この記事を読めば、他の住宅ローンと比較してどのような利点や欠点があるのかを理解できるようになるでしょう。最適な住宅ローン選びに役立ててください。

記事の目次

財形住宅融資とは

財形住宅融資とはどのような仕組みでしょうか
財形住宅融資とはどのような仕組みでしょうか

財形住宅融資とは、財形貯蓄を1年以上継続している方が利用できる住宅ローンです。主に企業の福利厚生の一環で提供され、勤労者財産形成促進法に基づき、企業が導入する制度です。財形住宅金融株式会社と住宅金融支援機構などが提供。勤務先が財形住宅金融株式会社に出資していない場合、住宅金融支援機構の財形住宅融資を利用できます。住宅ローンと福利厚生の側面をあわせもった仕組みのローンです。ここでは、住宅金融支援機構が提供する財形住宅融資について解説します。

財形住宅融資の利用条件

この融資を利用するには、以下の5つの条件を満たす必要があります。このうち1から3の条件は必須条件です。

  • 財形貯蓄を1年以上継続している
  • 借入申込日時点で財形貯蓄残高が50万円以上ある
  • 勤務先に住宅に関する負担軽減制度がある
  • 申込時の年齢が70歳未満である
  • 返済負担率が30~35%以下である

順にみていきましょう。

財形貯蓄を1年以上継続している

財形貯蓄には、「一般財形貯蓄」、「財形住宅貯蓄」、「財形年金貯蓄」の3種類あり、いずれかを1年以上継続している点が必須です。また、申込日前2年以内に財形貯蓄に預け入れている点も条件になるため、2年以上財形貯蓄を中断している場合は、再度預け入れをおこなってから申し込まなければなりません。

借入申込日時点で財形貯蓄残高が50万円以上ある

融資を受けるには、財形貯蓄の残高が50万円以上でなければなりません。これは、一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の合計額で判断されます。

勤務先に住宅に関する負担軽減制度がある

財形住宅融資は、企業の福利厚生制度の一部であるため、勤務先に財形貯蓄制度が導入されていることが前提です。また、住宅手当などの住宅に関する負担軽減制度がある企業に勤めている点も条件になります。

申込時の年齢が70歳未満である

借入申込日時点で年齢が満70歳未満であることも条件です。ただし、リフォーム目的の場合は79歳未満まで利用可能、親子リレー返済を活用すると70歳以上でも申し込めるなどの例外もあるのでよく確認しましょう。

返済負担率が30~35%以下である

財形住宅融資の審査では、総返済負担率(年収に占めるローン返済額の割合)も注視しなければなりません。返済負担率は、他のローン(自動車ローンや教育ローン、カードローンなど)も合算して、年収が400万円未満の場合は30%以下、年収が400万円以上の場合は35%以下が求められます。ローンを総合して、慎重に返済計画を立てましょう。

財形住宅融資を受けられる土地・建物の条件

財形住宅融資を受けられるのはどのような土地・建物でしょうか
財形住宅融資を受けられるのはどのような土地・建物でしょうか

財形住宅融資を受けるには、個人の条件が設けられていることに加え、土地や建物にも特定の条件が設けられており、基準をクリアしなければ融資を受けられません。

  • 新築住宅の建築
  • 新築住宅の購入
  • 中古住宅の購入
  • 土地の購入

以下、それぞれの条件を解説します。

新築住宅の建設条件

財形住宅融資を利用して新築住宅を建設するには、一定の基準を満たす必要があります。住宅の規模や構造、建築基準法への適合性などが審査され、要件を満たさない場合は融資を受けられません。以下、新築住宅の条件を解説します。

住宅の床面積の要件

住宅部分の床面積が70平方メートル以上280平方メートル以下であることが条件です。この範囲を超える場合は融資の適用外になるため、計画段階で注意しなければなりません。

必要な設備と技術基準

住宅は、原則として居室が2つ以上あり、キッチン、浴室、トイレが備わっていることが条件です。また、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合している点も欠かせません。これには耐久性や耐震性、断熱性能などが含まれ、基準を満たさない場合は融資対象外になる可能性があります。

建築基準法に適合している

建築基準法に則った設計・施工がなされていることも必須条件です。竣工時に検査済証が交付されていることが前提で、この証明がなければ融資の申請ができません。検査済証は建築基準法に基づく適合証明のため、建築計画の段階で法令順守を徹底する必要があります。

附帯工事の融資対象

財形住宅融資は、新築住宅の建設費用だけでなく、一定の附帯工事費用も対象です。融資が認められる附帯工事は以下になります。

  • 車庫の建設
  • 別棟の物置
  • 自転車置き場
  • 地下室の設置
  • 門や塀の設置
  • 植樹や造園工事

これらの工事は住宅と同時に実施される必要があり、単独では融資対象になりません。

新築住宅の購入条件

財形住宅融資を活用して新築住宅を購入する場合、住宅の築年数や床面積、技術基準の適合状況、所有権の状態などが審査の対象になります。新築住宅購入の条件は以下のとおりです。

住宅の完成時期に関する条件

融資対象になる住宅は、借入申込日前の2年以内に完成した住宅、または工事中・未着工の住宅でなければなりません。築年数が2年を超えた住宅は、新築として扱われず、財形住宅融資の適用外になるため注意が必要です。

技術基準の適合要件

購入する住宅に、居室が2つ以上あり、キッチン、浴室、トイレを備えていることが条件になります。また、耐震性や耐久性、省エネルギー性能なども審査され、基準を満たしていない住宅は融資の対象外です。

建築基準法に基づく適合性

竣工時に建築基準法に基づく検査済証が交付され、建築基準法に則って建設されている住宅でなければ、融資の対象にはなりません。この証明がない場合、財形住宅融資を利用できないため、事前に確認しておきましょう。

住宅の床面積要件

購入する住宅の床面積も、一定の基準を満たさなければなりません。

  • 一戸建て・連続建て・重ね建ての住宅:
    70平方メートル以上280平方メートル以下
  • 共同建て(マンションなど)の住宅:
    40平方メートル以上280平方メートル以下(専有面積)

この範囲を超えたり、下回ったりする場合、融資の対象外になります。購入を検討する際は、延べ床面積も加味して慎重に確認しましょう。

所有権に関する条件

申込日前の時点で、売主から契約者本人または第三者に所有権の登記がされていない住宅であり、融資の申し込み後に契約者自身が所有者となる必要があります。また、土地付きの住宅の場合、その土地も契約者の所有になっていることが前提です。

これまでの所有者がいない

財形住宅融資の対象になる新築住宅は、過去に誰も居住していない住宅に限られます。一度でも居住履歴のある住宅は中古物件とみなされ、新築住宅として融資を受けられないことをよく把握しておきましょう。

敷地の権利要件

購入する住宅の敷地に関しては、所有権または借地権(地上権または賃借権)に登記されていなければなりません。この条件が満たされないと融資適用外のため、事前に確認しておきましょう。

中古住宅の購入条件

財形住宅融資を利用して中古住宅を購入する場合、一定の条件を満たす必要があります。住宅の適合証明、居住環境、築年数、所有権、床面積、敷地の権利関係などが審査対象となります。以下に詳しく解説します。

住宅の適合証明に関する条件

購入対象の中古住宅は、以下のいずれかに該当しなければなりません。

  • 「適合証明書」により、財形住宅融資の「リ・ユース(中古)住宅」に適合すると証明されているもの
  • フラット35の「中古マンションらくらくフラット35」に掲載されており、「適合証明省略に関する申出書」により省略可能なマンションに確認されたもの
  • 「リ・ユースマンション適合確認書」によって基準を満たしていると確認されたもの

上記の証明が取得できない住宅は、財形住宅融資の対象外です。

住宅の居住環境に関する条件

融資対象となる住宅は、2つ以上の居住室(食事室を含む)、台所、トイレ、浴室を備えていなければなりません。また、店舗などとの併用住宅ではない点も条件の一つです。

住宅の築年数に関する条件

住宅の築年数の条件は次のとおりです。

  • 建築後2年を超えている住宅
  • 建築後2年以内でも、過去に人が住んだ履歴がある住宅

これらの条件を満たさない新築未入居の住宅は、中古物件としての融資を受けられません。

所有権に関する条件

購入する住宅の所有権は、申込日前に売主から申込者本人に所有権の登記がなされていない状態でなければなりません。融資の申し込み後、申込者が所有権を取得します。土地付き住宅の場合は、その土地も同様に所有権が移転されなければなりません。

敷地の権利に関する条件

住宅の敷地は、所有権または借地権(地上権または賃借権として登記されているもの)を持っている必要があります。これに該当しない場合、融資の適用対象にはなりません。

住宅の床面積要件

財形住宅融資を利用する中古住宅の床面積には、以下の基準が設けられています。

  • 一戸建て住宅の床面積:40平方メートル以上280平方メートル以下
  • 共同住宅(マンションなど)の専有面積:
    40平方メートル以上280平方メートル以下

この基準を満たさない場合は、融資対象にはなりません。

中古住宅の種類と返済期間

財形住宅融資の対象となる中古住宅には、「リ・ユース(中古)住宅」と「リ・ユース(中古)プラス住宅」の2種類があります。

  • リ・ユース(中古)住宅の最長返済期間:25年
  • リ・ユース(中古)プラス住宅の最長返済期間:35年

購入する住宅の条件によって返済期間が異なるため、事前に確認しておきましょう。

参考:財形住宅融資のご案内|住宅金融支援機構 (PDF)

土地購入の条件

財形住宅融資では、住宅の建設を目的として土地を購入する際にも融資を受けられます。ただし、土地単独で購入の場合は融資が認められておらず、住宅の建設とセットで利用しなければなりません。以下、土地購入で融資を利用する際の要件を解説します。

申し込み年度の取得時期要件

融資の対象になる土地は、申し込み年度の2年前の4月1日以降に取得済み、または取得予定になっていることが前提です。このため、取得時期がこれ以前の土地は、財形住宅融資の対象外となります。

土地の用途に関する要件

財形住宅融資を活用する場合、購入する土地は住宅の建設を目的であることが必須条件です。その具体例は以下のとおりです。

  • 新築住宅建設:住宅を新築するために取得する土地が対象になります。住宅建設を前提にしない土地購入(投資目的など)は、融資の対象外です。
  • 借地権の取得:住宅の建設を目的に、地上権や借地権を取得する場合にも融資が適用されます。取得する借地権は、登記されなければなりません。
  • 土地の整備:住宅を建設する際に、土地の状態が不適切な場合、整地などの工事費用にも融資を利用できます。例えば、地盤改良、擁壁工事、造成工事など、建築に適した状態にするための費用が含まれます。

土地面積に関する制限

財形住宅融資では、土地の面積に関する制限は設けられていません。ただし、土地購入のみの融資は認められておらず、住宅の建設と組み合わせる必要があります。

財形住宅融資のメリット

財形住宅融資のメリットは何でしょうか
財形住宅融資のメリットは何でしょうか

財形住宅融資の仕組みと概要をみてきました。それでは、利用するとどのような利点があるのでしょうか。本章では財形住宅融資の特徴に基づくメリットを解説します。

低金利で借りられる

財形住宅融資の魅力の一つは、低金利で借り入れができる点です。一般的な銀行の住宅ローンに比べ、金利が低く設定されているため、借入額が大きくなる住宅ローンでは総返済額に大きな影響を与えます。では、実際の金利はそれぞれ何%でしょうか。2025年2月現在では、財形住宅融資の金利は、1.89%(新機構団信に加入した場合)です。一般的な住宅ローンは、フラット35( 借入期間:21年以上35年以下)だと、主な金利水準は年1.860〜3.570%となっています。

参考:長期固定住宅ローン【フラット35】|住宅金融支援機

仮に、銀行の住宅ローンの金利が1.97%、財形住宅融資の金利が1.89%で借りられるとします。3,000万円を35年間で返済する場合、金利1.97%なら総返済額は約4,155万円、1.89%なら約4,103万円で、約52万円の差が生じます。このように、少しでも金利が低いと総返済額を抑えられるのがわかるでしょう。

また、財形住宅融資は「5年固定金利制」となっており、借入後5年間は金利が変わりません。変動金利の住宅ローンと比較すると、短期間で急激に返済額が増えるリスクを抑えられるため、金利の変動に不安を感じる人におすすめの選択肢になります。

融資手数料・保証料が不要

財形住宅融資は、融資手数料や保証料がかかりません。初期費用や経費を抑えられる点がメリットです。一般的な銀行の住宅ローンでは、融資時に事務手数料や保証会社を利用するための保証料が発生します。これらの手数料は数万円から数十万円におよぶ場合もあり、住宅購入時の初期費用が大きく、負担になりがちです。

例えば、銀行の住宅ローンで3,000万円を借りる場合を考えてみましょう。融資手数料が2.2%かかるとすると、66万円の支払いが必要になります。さらに、保証料として30万円~60万円程度かかる場合もあり、合計で100万円以上の追加費用が発生するかもしれません。

しかし、財形住宅融資ではこれらの費用が一切不要のため、初期費用を大幅に削減できます。このように、財形住宅融資を利用すると、手数料や保証料による経済的負担がなく、住宅購入にかかる総費用を抑えられるため、特に自己資金が少ない方は受けるメリットが大きいでしょう。

財形住宅融資のデメリット

財形住宅融資のデメリットは何でしょうか
財形住宅融資のデメリットは何でしょうか

財形住宅融資を利用するメリットをご紹介しましたが、一方で以下のようなデメリットもあります。

  • 4,000万円までしか借り入れできない
  • 団体信用生命保険(団信)の保険料は別払いしなければならない
  • 金利の上昇リスクがある

順番にみていきましょう。

融資限度額が低い

財形住宅融資では、借入限度額が4,000万円までと決められています。これでは、都市部の高額な住宅を購入する場合や、広い土地を購入して住宅を建てたい場合に、十分な資金を確保できないかもしれません。都内でマンションを購入しようとすると、新築で5,000万円以上、人気エリアでは7,000万円を超える物件も珍しくありません。こうした物件を購入する場合、財形住宅融資だけでは足りないとなると、不足分は銀行の住宅ローンや自己資金で補わなければなりません。

一方、銀行の住宅ローンは、収入や返済能力に応じて、より高額な借り入れが可能な場合が多いです。そのため、希望する物件を自由に選びたい方にとって、融資限度額が低い点はデメリットになるでしょう。

団体信用生命保険がついていない

財形住宅融資では、団体信用生命保険(以降、団信)の加入が任意になっており、希望する場合は別途保険料を支払う必要があります。融資の返済とは別に保険料を支払うと、この負担は長期間続くため、総返済額が思った以上に増えてしまうかもしれません。

一方、銀行の住宅ローンでは、多くの場合、団信の保険料は金利に含まれているため、別途支払う必要がありません。

例えば、財形住宅融資で3,000万円の融資を受けたとして、追加で用意した保険の保険料が年10万円かかったとします。そうすると、団信の35年間の支払い総額は350万円にものぼります。当初は低金利に感じていた財形住宅融資でも、結果的にはトータルコストで見ると銀行ローンと大差なくなってしまうかもしれません。このように、団信が金利込みの銀行ローンと比べると不利になる可能性があります。

見直しで金利が上昇するリスクがある

財形住宅融資は「5年固定金利」が採用されており、5年ごとに金利が変動します。そのため借入当初は低金利でも、将来的に金利が上昇するかもしれません。結果的に、銀行の全期間固定金利の住宅ローンよりも高くなる可能性があります。

例えば、借入時の金利が1.3%でも、5年後に1.7%、10年後に2%と段階的に上昇すると、月々の返済額が増加し、当初の計画よりも返済負担が大きくなる可能性があります。特に、長期間の返済を予定している人は、金利の上昇が家計に与える影響が大きくなるかもしれません。特に元利均等方式を選択すると、6年目の金利変更の際、返済額の上限額は1.5倍までと決まっていますが、元金均等方式を選択すると上限に制限がない点に注意しましょう。

一方、全期間固定金利の住宅ローンを選択すると、借入時の金利が完済まで変わらず、将来的な金利変動のリスクを回避できます。そのため、安定した返済計画を希望する人は、5年ごとに金利が見直される財形住宅融資は不安要素になりえるでしょう。

参考:独立行政法人住宅金融支援機構 「財形住宅融資のご案内」(PDF)

財形住宅融資のメリットに関するよくある質問

財形住宅融資のメリットに関するよくある質問をまとめました。

財形住宅融資とは?

住宅金融支援機構が提供する財形住宅融資とは、財形貯蓄を1年以上継続している勤労者が利用できる住宅ローンで、企業の福利厚生の一環で提供されます。勤労者財産形成促進法に基づき、財形貯蓄は1年以上継続していなければなりません。その他、下記の点が求められます。

  • 50万円以上の残高がある
  • 勤務先に住宅負担軽減制度がある
  • 申込時に70歳未満である
  • 返済負担率が30~35%以下である

財形貯蓄には一般財形貯蓄・財形住宅貯蓄・財形年金貯蓄の3種類あり、これらの合計残高が基準を満たしていれば融資が可能です。融資額は上限が4,000万円までですが、住宅の建設・購入だけでなくリフォームにも利用でき、有用でしょう。財形貯蓄を活用し、企業の支援を受けながら住宅取得を進められる制度として、多くの勤労者に利用されています。

財形住宅融資を受けられる土地・建物の条件は?

財形住宅融資を受けるためには、土地や建物が特定の条件を満たしている必要があります。

新築住宅を建設する場合:

  • 床面積は70平方メートル以上280平方メートル以下である
  • 居室が2つ以上でキッチン、浴室、トイレを備えている
  • 建築基準法に適合している

また、車庫や門の設置など一定の附帯工事も融資対象になります。

新築住宅を購入する場合:

  • 未完成か築2年以内で、過去に誰の入居履歴もない物件である
  • 一戸建てなら70平方メートル以上、マンションは40平方メートル以上の床面積である
  • 技術基準や建築基準法に適合している・所有権が売主から契約者へ移転されている

中古住宅の購入:

  • 築2年以上または過去に居住履歴のある物件である
  • 適合証明書を取得している
  • 床面積は40平方メートル以上である(一戸建て、マンション共通)
  • 所有権や敷地の権利関係が適正である

土地の購入:

  • 住宅建設が目的である
  • 申し込み年度2年前の4月1日以降に取得している

土地単独では融資を受けられませんが、住宅建設とセットであれば、地盤改良などの整備費用にも適用されます。

財形住宅融資のメリットは?

財形住宅融資のメリットは、低金利で借りられる点と融資手数料や保証料が不要な点です。一般的な銀行の住宅ローンと比べて金利が低く、総返済額を抑えられるため、長期間のローンを組む場合に大きな節約につながります。また、融資手数料や保証料が不要で、一般的な銀行ローンだと数十万円かかるため、初期費用を節約したい方には魅力的でしょう。

財形住宅融資のデメリットは?

財形住宅融資には借入限度額が4,000万円までの制約があり、都市部で高額な住宅を購入する場合に資金が不足する可能性がある点がデメリットです。また、団体信用生命保険(団信)の保険料が別払いになり、銀行ローンのように金利に含まれていないため、トータルコストが思ったより高くなる可能性もあります。

さらに、5年ごとに金利が見直されるため、契約当初は低金利と思っていても、将来的な金利上昇リスクを考慮しなければなりません。金利が上がれば返済負担が増えるため、金利の上昇を避けたい場合は、財形住宅融資ではなく全期間固定の住宅ローンがおすすめ。
これらのメリット・デメリットを考慮し、他の住宅ローンと比較しながら財形住宅融資の利用を検討しましょう。

まとめ

本記事では、財形住宅融資の概要、適用条件、土地や建物に関する要件、メリット・デメリットを詳しく説明しました。主なメリットは、金利が低い点と手数料などが不要な点ですが、見逃せないデメリットもあります。どの条件を満たせば融資が受けられるのか、どのような土地や建物が対象となるのか、メリットとデメリットをよく比較しながら、自分の住宅購入計画に合ったローンを選ぶ参考にしてください。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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