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住宅ローンとマイカーローンの併用は可能?まとめるためのローンも解説!

住宅ローンとマイカーローンの併用は可能?まとめるためのローンも解説!
人生における大きな買い物といわれている住宅ローン。
住宅ローンを検討する際に、一緒に車の購入を考えていたり、すでに利用しているマイカーローンを一緒にまとめたいと考えている方が多く見られます。

結論から言うと、併用は可能ですが、住宅ローンにマイカーローンを含めることはできません。 契約上、住宅ローンで借り入れたお金を車の購入代金にできないことになっています。 ただし、住宅購入資金も借り入れ可能なおまとめローン(以下「住宅おまとめローン」)を使用すれば、住宅と車の購入代金をまとめて借り入れることが可能です。

この記事では、住宅おまとめローンや、住宅ローンとマイカーローンを併用する際の注意点、ローン審査の際にどのようなところが見られているのかなども解説しています。 ぜひ、最後までお読みください。

住宅ローンとマイカーローンをまとめることはできる?併用は可能!

住宅ローンとマイカーローンの併用と住宅おまとめローンは違います
住宅ローンとマイカーローンの併用と住宅おまとめローンは違います

この章では、ローンの併用と住宅おまとめローンの違いを解説しています。

住宅ローンとマイカーローンの併用は可能

冒頭でも記載したとおり、住宅ローンとマイカーローンの併用が可能です。
併用では、住宅ローンとマイカーローンをそれぞれ契約し、ローンを2本、契約することになります。

住宅おまとめローン

住宅おまとめローンは、住宅購入資金と車の購入資金を1つの契約で借り入れることが可能です。住宅おまとめローンとは別に、一般的なおまとめローンがあります。
一般的なおまとめローンとは、カードローンなども含む複数のローンを1つの契約にまとめることができるローンのことです。
一般的なおまとめローンの場合、住宅ローンやマイカーローンに比べ金利が高く、無担保なことが多いため、借入可能金額も住宅を購入できるほど高くない傾向にあります。
どちらかというと、カードローンなど住宅ローンほどは金額の大きくないローンを複数まとめるという商品性のものが多いです。

今回は、住宅ローンとマイカーローンをまとめることのできる、住宅おまとめローンについて解説します。

まずは、メリットを解説していきます。具体的なメリットは次の3つです。

  • 管理が簡単になる
  • 毎月の返済額が低くなる可能性がある
  • 借入可能金額が上がる可能性がある

一つずつ詳しく説明していきます。

管理が簡単になる

契約が1本になるので管理が簡単です。住宅おまとめローンにすると、住宅と車のローンの返済日が同じになり、金利も同じになるので、管理が簡単になります。

毎月の返済額が低くなる可能性がある

住宅おまとめローンにすれば、住宅と車のローン金利が同じになります。一般的には住宅おまとめローンの金利のほうがマイカーローンの金利よりも低いことが多く、金利がマイカーローンより低くなる可能性があります。

また、一般的にマイカーローンを単独で契約する場合、返済期間は長くても10年ですが、住宅おまとめローンにすると最長35年など長くできます。
住宅おまとめローンを利用すれば、マイカーローンを単独で契約するよりも毎月のマイカーローン部分の返済額が低くなる可能性があります。

ただし金利が低くなっても支払う期間が延びるので支払う利息も増える場合があるため、注意が必要です。

借入可能金額が上がる可能性がある

住宅おまとめローンの場合、審査の方法が違うため、2つのローンを併用する場合に比べ、借入可能金額が上がる可能性があります。

次に、住宅おまとめローンのデメリットを解説します。具体的なデメリットは次の3つです。

  • 借入金利が高くなる可能性がある
  • 取り扱い金融機関が限られる
  • 審査が厳しい傾向にある

一つずつ見ていきましょう。

借入金利が高くなる可能性がある

一般的に通常の住宅ローンと比べ、住宅おまとめローンの金利のほうが高い場合が多く、返済額総額で考えた際に併用して借り入れしたほうが返済額が少なくなる傾向があります。

取り扱い金融機関が限られる

住宅おまとめローンが組める金融機関は限られています。

審査が厳しい傾向にある
住宅おまとめローンは通常の住宅ローンに比べ審査が厳しくなる傾向にあります。

※金融機関によって、商品性や条件、審査方法が異なります。

住宅ローンとマイカーローンを併用する際の注意点5選

住宅ローンとマイカーローンを併用する際には、注意するところがあります
住宅ローンとマイカーローンを併用する際には、注意する点があります

住宅おまとめローンは取り扱いをしている金融機関が限られており、一般的に条件も住宅ローンに比べて厳しくなります。実際には住宅ローンとマイカーローンを併用する場合のほうが多いです。
この章では、住宅ローンとマイカーローンを併用する場合の注意点を解説しています。

返済負担率

返済負担率とは年収に対する年間返済額の割合のことで、金融機関では返済負担率が20~35%以内になるように審査をします。
例えば返済負担率を20%、年収が500万円の人のローン返済額の目安は年間100万円で、月々にすると約8万3,000円となります。

併用する場合の返済負担率は、住宅ローンとマイカーローン両方を合わせた金額になるので、上記の例だと、両方合わせて月に約8万3,000円まで借り入れが可能になります。

逆に言うと、月に8万3,000円以上の金額を借り入れることができないということです。

※金融機関によって、返済負担率の考え方が異なる場合があります。

無理のない返済

返済負担率は年収(額面)で計算していますが、実際は手取り収入からローンを支払うので、手取り額で月々にどれぐらい返済可能かを確認するようにしましょう。
返済負担率による毎月の返済可能額はあくまでも金融機関が試算しているもので、返済可能額まで借り入れをしてしまうと生活が苦しくなる場合があります。
自身の生活の状況とも照らし合わせながら、無理のない範囲でローンを組むようにしましょう。

それぞれ金利が違う

住宅ローンとマイカーローンは異なる金利が適用され、一般的にはマイカーローンの金利のほうが高い傾向にあります。
マイカーローンの場合、返済期間は住宅ローンに比べて短いことが多く、毎月の返済額が思っていたよりも高くなる場合があります。
住宅ローンとマイカーローンの毎月の返済可能額も考えながら、ローンを検討するようにしましょう。

返済日をまとめる

住宅ローンとマイカーローンを併用して契約すると、支払いも2口です。
返済日をバラバラにしていると、支払いができているかの確認も2口分、必要になります。
返済日を指定できるようであれば、まとめておいたほうが整理がしやすくなります。

金利が変動する

変動金利であれば、定期的に金利の見直しがおこなわれ、金利が変動します。
金利が上昇していくと利息が増え、返済しなければならない金額も増えるので注意が必要です。

一方、固定金利は5年間や10年間など決まった金利が適用され、適用期間中は毎月の返済額が変更される心配はありません。
期間終了後、変動金利を再度適用するか固定金利を適用するか選択ができますが、一般的に固定金利は選択時の変動金利より高い設定になっているので、注意が必要です。

ローンの審査で見られるところ4選

ローン審査をする時に金融機関が確認するポイントは、複数あります
ローン審査をする時に金融機関が確認するポイントは、複数あります

この章では、住宅ローンやマイカーローンなどのローンを借り入れる際、金融機関はどういった所を見て審査をしているのかを解説します。

滞納歴

ローンの審査をする際には滞納歴が審査に影響します。
クレジットカードや公共料金、携帯電話料金の滞納なども確認されます。

現在の借入状況

他社の借り入れ状況や、返済状況が審査に影響します。
どれぐらいの金額を何年借りているか、他社のローンが自社のローンの返済に影響がないかなどを確認されます。

返済能力

年収・年齢・職業・貯蓄額など、お金を返済する能力があるかを確認されます。

信用できる人か

発言や書類の記載事項に嘘がないかなど、信用できる人物かも見られています。

住宅ローンとマイカーローン、どっちが先?

住宅ローンとマイカーローンでは、住宅ローンを優先することをおすすめします
住宅ローンとマイカーローンでは、住宅ローンを優先することをおすすめします

住宅ローンとマイカーローンを同時期に併用して利用したい場合、住宅ローンを先に契約することをおすすめします。一般的に、住宅ローンとマイカーローンでは住宅ローンのほうが借入金額が大きく審査が厳しくなる傾向に。
マイカーローンを先に契約してしまうと、住宅ローンを先に借りる場合に比べ、住宅ローンの借入可能額が減額されてしまう可能性があります。

一方、マイカーローンを審査する際には、担保を取っている住宅ローンはそんなに考慮されないことが多いです。

マイカーローンを先に契約していたことで、住宅ローン契約時に頭金を多く入れる必要が出てくることもあるので、注意が必要です。

以下、住宅ローンを先に利用した場合の住宅ローン借入可能額と、マイカーローンを先に契約していた場合の住宅ローン借入可能額の計算方法を解説しています。

住宅ローンを先に利用した場合

Aさん 35歳 年収600万円 返済負担率30% 変動金利3.5%で計算した場合

600万円÷12カ月=50万円(毎月の収入)
50万円×30%(返済負担率)=15万円(Aさんの毎月の借入可能額)
15万円÷4,132円(変動金利3.5%の場合の100万円当たりの毎月の返済額)×100万円=約3,630万円(借入可能額)

マイカーローン契約を先に契約していた場合

Aさん 35歳 年収600万円 返済負担率30% 変動金利3.5%
マイカーローン 借入金額300万円 借入期間60回(5年) 金利3.0% 返済金額54,000円 残債150万円

600万円÷12カ月=50万円(毎月の収入)
50万円×30%(返済負担率)=15万円
15万円-54,000円=96,000円(Aさんの毎月の借入可能額)
96,000円÷4,132円×100万円=約2,323万円

住宅ローンを先に利用した場合に比べてマイカーローンを先に契約していると、借入可能額が約1,307万円減額します。

借入可能額を試算する際に、住宅ローンの借入可能額からマイカーローンの残債を引いて計算するわけではないので、注意が必要です。

まとめ

住宅おまとめローン、住宅ローンとマイカーローンの併用について解説しましたが、金融機関によっても条件や商品の内容が違います。余裕があればいろいろと試算してみましょう。
また、住宅と車と2つの購入資金を借り入れするということは、返済しなければならない金額も増えるということです。
生活に大きな負担がかかることのないよう、しっかりと確認したうえでローンを契約するようにしましょう。

民辻伸也

執筆者

民辻伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成を行うため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ
ライフマネー研究所

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