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【要注意】買ってはいけない中古住宅とは?特徴と失敗しない対策を徹底解説

【要注意】買ってはいけない中古住宅とは?特徴と失敗しない対策を徹底解説
中古住宅は「同じエリアの新築住宅より安く手に入る」「完成している物件を見て選べる」などのメリットがあるため、多くの方が検討する選択肢のひとつです。しかし、なかには買ってはいけない中古住宅が存在するのも事実です。

今回は、買ってはいけない中古住宅を、土地・一戸建て・マンションの側面で紹介します。また、物件選びで後悔しないための対策も詳しく解説します。

買ってはいけない中古住宅の特徴【土地・敷地】

買ってはいけない中古住宅の特徴【土地・敷地】
買ってはいけない中古住宅の特徴【土地・敷地】

ここでは、買ってはいけない中古住宅の特徴を、土地・敷地の観点から紹介します。

災害リスクが高い

買ってはいけない中古住宅の1つ目の特徴は、災害リスクが高い土地です。住んでいる土地の災害リスクが高いと、災害により建物が損壊したり命の危険にさらされたりする危険があります。

住宅に影響する主な災害は以下が挙げられます。

  • 地震
  • 土砂崩れ
  • 河川の氾濫
  • 台風・竜巻

土地の災害リスクを調べるためには、自治体で公表されているハザードマップや、防災科研が提供している「J-SHIS」(地震ハザードステーション)」などを確認してみましょう。

地盤が弱い

地盤が弱い土地に建っている中古住宅にも注意が必要です。土地の地盤が弱い場合、家が傾いたり沈んだりするおそれがあります。傾いた家に住み続けると、頭痛や目眩など身体に悪影響を与える可能性もあるでしょう。

水辺を埋め立てた土地や、地下水位が高い土地は地盤が弱い傾向にあります。地盤の改良・補強には莫大な費用がかかるため、基本的に地盤が弱い土地は購入を避けるのが無難です。

購入したい土地の地盤が弱い場合は、地盤を十分に調査し補強をおこなったうえで購入を検討しましょう。

治安が悪い

周辺地域の治安が悪い土地もおすすめできません。治安が悪いと犯罪やトラブルに巻き込まれる可能性が高まり、安心して暮らせないためです。周辺の治安を調べるためには、以下の方法を試してみましょう。

  • 周辺を実際に歩いてゴミや落書きが多いかをチェックする
  • 警察の「犯罪情報マップ」で犯罪情報を確認する
  • マンションの場合は共用部にチラシやゴミが散乱していないかを見る
  • 町内の掲示板で注意書きがないかを確認する

また、昼間だけでなく夜間も物件周辺を歩いてみて、雰囲気を確かめることもおすすめです。

交通の利便性がよくない

4つ目の特徴は、交通アクセスがよくない土地です。例えば、駅からの距離が遠い物件の場合、毎日の通勤・通学時間が長くなりストレスが溜まってしまいます。

さらに、駅から遠いほど買い物環境や病院などの生活施設が少なくなるため、生活が不便になることが考えられます。購入後の生活も考慮して、なるべく交通の利便性がよい土地を選ぶようにしましょう。

購入したい土地の近くに駅がなく電車での利便性が悪い場合は、代替案としてバスの利用を検討してみるとよいでしょう。

周辺に空き家が多い

周辺に空き家が多い土地も要注意です。空き家が多い地域は人口が減少していることが予想されるため、税収が減り利便性の低下につながります。

また、管理されていない空き家は放火や空き巣など犯罪の温床になるおそれがあり、安心して暮らせません。

さらに、樹木の越境などでトラブルに発展することも考えられます。物件周辺を調べる際には、空き家状況にも気を配ることが重要です。

周辺に空き家が多い土地を購入する際は、空き家がしっかり管理されているかを確認し、トラブルになる恐れがないと判断したうえで購入を検討してみましょう。

接道義務を満たしていない

接道義務を満たしていない土地も、買ってはいけない中古住宅の特徴です。接道義務とは、家を建築・改築する際に、幅4m以上の道路に2m以上土地が接しなければならないと定めた、建築基準法のルールです。

接道義務を満たしていないと、現在建っている住宅の建て替えやリノベーションができません。将来的に売却しづらくなるデメリットもあります。

接道義務を満たしていない土地に建つ中古住宅を購入する場合は、どの程度のリフォームが可能なのかを確認して、それが希望と合致するのであれば購入を検討してみてください。

境界線がわからない

境界線が明確でない中古住宅にも気をつける必要があります。隣家との境界線が曖昧な場合、「土地の一部を隣人が使用している」「木の枝や根っこがはみ出している」などのトラブルに巻き込まれるかもしれません。

境界線がはっきりわからない場合は、確定測量で境界線を明示する方法を利用して解決することが考えられます。境界線がわからず不安な方は、不動産会社に解決策を相談してみましょう。

周囲が騒音でうるさい

周辺が騒音でうるさい中古住宅も買ってはいけません。例えば、近隣の住民が日曜日の朝早くからDIYでうるさかったり、夜遅くまで家で騒いだりするケースが考えられます。

そういった不満が積み重なると騒音トラブルになり、せっかく購入した住宅を手放さざるを得なくなります。周囲に騒音があるかを調べるためには、異なる時間帯に騒音の状態を自分の耳で確かめることがおすすめです。

買ってはいけない中古住宅の特徴【一戸建て・マンション】

買ってはいけない中古住宅の特徴【一戸建て・マンション】
買ってはいけない中古住宅の特徴【一戸建て・マンション】

次に、買うのをおすすめしない一戸建て・マンションの特徴を紹介します。

建築基準法に違反している

買ってはいけない中古住宅の1つ目の特徴は、建築基準法に違反している住宅です。具体的には、建ぺい率と容積率で判断します。建ぺい率とは敷地面積に対する建築面積の割合で、容積率とは敷地面積に対する延床面積の割合です。

建築基準法に違反している住宅は増改築ができなかったり、金融機関によっては住宅ローンが組めなかったりする可能性があります。

建築基準法に違反している場合、建物を減築することでリフォームできるケースがあります。購入したい物件が建築基準法に違反している場合は、不動産会社や建築会社に相談してみましょう。

旧耐震基準で建てられている

旧耐震基準で建築されている中古住宅にも気をつけましょう。旧耐震基準とは、1981年6月以前まで建築確認で適用されていた耐震基準です。

旧耐震基準は現行の耐震基準よりも地震に弱いため、大きな地震が起きた際の倒壊リスクが高くなります。

ただし、旧耐震基準の住宅でも耐震補強をすれば地震に対する耐性を高められます。耐震補強のための工事費用も含めて資金計画を立てましょう。

雨漏りの痕跡がある

雨漏りの痕跡がある中古住宅もおすすめできません。雨漏りが目立つ住宅は構造的に深刻なダメージを受けていることが多く、補修が困難です。

また、雨漏りが放置されている場合は建物内部まで浸水しているため、構造材が腐食しているおそれがあります。

しかし、購入したい中古住宅に雨漏りの痕跡があっても、修繕工事をすれば十分住めます。修繕工事にかかる費用を見積もったうえで購入を検討するとよいでしょう。

シロアリ被害の痕跡がある

中古住宅を購入する際は、雨漏りの痕跡とあわせてシロアリ被害の痕跡がないかも確認してください。シロアリは湿った木を食べるため、浴室やキッチンの床下に発生していることがあります。また、雨漏りによるシロアリ被害も考えられます。

ただし、シロアリの被害も同様に、修繕工事をおこなえば問題なく生活できます。シロアリ被害の痕跡がある中古住宅を購入する際は、専門家に相談のうえで対策を講じてみてください。

住宅が傾いている

内覧した際に傾きが感じられる中古住宅は買ってはいけません。家が傾いている場合、地盤沈下を起こしている可能性があり、最悪の場合倒壊することも考えられます。また、傾きの修繕には数百万円単位の費用がかかります。

住宅に傾きを感じた場合は、ビー玉などで傾きを確認したり、専門の会社にあらかじめ調査を依頼したりすることを検討してみましょう。

基礎部分にひび割れがある

建物の基礎部分にひび割れが起きている中古住宅も購入してはいけない特徴のひとつです。ひび割れが起きるのは、湿度や乾燥、地盤沈下などの原因が考えられます。

ひび割れを放置するとそこから雨水が侵入して錆が進行するかもしれません。建物のひびを見つけた場合は、専門の会社に補修の必要があるのかを調べてもらい、修繕工事で解決できるのであれば購入を検討してみましょう。

共有部分が汚れている

共用部分がきれいに保たれていないマンションも要注意です。共用部分はマンションに住んでいる住民の質が表れる場所のため、汚れていると住環境が悪い可能性があります。

また、共用部分が汚いとマンション自体の資産価値が下がりやすく、将来的に高く売れなくなってしまいます。例えば、エントランスやゴミステーション、廊下や駐車場の状態を確認するとよいでしょう。

共有部分が汚れているマンションを購入したい場合は、管理組合や売主から居住者層の確認をしてみてください。住民の質に問題がなければ、共有部分が汚れていても生活に支障がないことが考えられます。

心理的瑕疵がある

心理的瑕疵がある中古住宅もなるべく購入を控えたほうがよいでしょう。心理的瑕疵とは、過去に人が死亡した、事件が発生したなど心理的に抵抗を感じる要素のことです。

心理的瑕疵のある中古住宅は、一般的な中古住宅よりも安く手に入るメリットがある一方、実際に住むと精神的なストレスを感じたり高く売却できなくなったりするデメリットがあります。

ただし、心理的瑕疵がある中古住宅のなかには、室内をきれいにリフォームしているケースがあります。デメリットよりもメリットを重視したい方は、購入を検討してみましょう。

買ってはいけない中古住宅を見抜くには?物件選びで失敗しないための対策

買ってはいけない中古住宅を見抜くには?物件選びで失敗しないための対策
買ってはいけない中古住宅を見抜くには?物件選びで失敗しないための対策

ここまで、買ってはいけない中古住宅の特徴を紹介しました。ここから、これらの中古住宅を見抜くための対策を解説していきます。

ホームインスペクションを利用する

1つ目の対策は、ホームインスペクションで中古住宅の状態をチェックすることです。ホームインスペクションとは、建築士や住宅に精通した専門家が建物の施工・劣化状況を調査するサービスです。

ホームインスペクションを利用すれば、建物の状況を把握できるだけでなく、購入後の修繕費用の目安もわかります。ホームインスペクションの費用相場は、一戸建てで5万円~7万円、マンションで4万円~6万円程度です。

複数の物件を内覧し比較をする

中古住宅を購入する際は、複数の物件を実際に内覧し、比較検討することを心がけましょう。複数の物件を比較検討することで、周辺環境や室内の状況などを判断する力が養われます。

それにより、好条件の中古住宅に出合った時に迷わずに決められます。複数物件の内覧は手間がかかりますが、面倒くさがらずにいろいろな物件を見て回れば、購入後に後悔する可能性を大きく減らせるでしょう。

チェックリストをもとに確認する

中古住宅を選ぶ際、チェックリストを作成すれば確認漏れを防げます。特に、初めて中古住宅を購入する場合は、大切なポイントを見逃してしまうことも多いでしょう。

チェックリストを作成する際は、以下の項目を含めてみてください。

  • 災害リスクはないか
  • 建築基準法を違反していないか
  • 雨漏り・シロアリ被害はないか
  • 旧耐震基準ではないか
  • 周辺環境・治安はよいか

これらの項目を確認しながら中古住宅を内覧することで、見落としを防ぎ後悔のない物件選びができるようになります。

中古住宅の知識や建物構造の特徴を身につける

物件を選ぶ際に、中古住宅特有の知識や構造別の特徴を知れば、リスクを回避できます。不動産会社や専門の会社の言いなりになるのではなく、購入者自身も専門知識を備えておくことで、重要なポイントを見逃しにくくなるでしょう。

建物構造別の特徴は以下のとおりです。

W造(木造)

木造住宅は、柱や壁などの主要な部分の建材に木材を利用して建てられた住宅です。鉄骨造、鉄筋コンクリート造に比べて建築コストを抑えられることや、断熱性・吸湿性が高い点がメリットです。

一方で、耐用年数の短さや、メンテナンスを適切におこなわないとシロアリ被害に遭ってしまうことが気になる点です。

特に、築30年以上が経過している住宅は構造自体の劣化が激しいケースがあるため、慎重に判断しなければなりません。また、湿気対策が十分でない中古住宅はシロアリ被害に遭う可能性が高いので、床下や屋根裏の換気状況もしっかりと確認しましょう。

S造(鉄骨造)

鉄骨造とは、建物の骨組みに鉄骨を利用した建物のことです。木造よりも耐震性が高く耐用年数が長いメリットがある反面、重量がある鉄骨造の場合はしっかりとした地盤補強が必要になる点に注意が必要です。

鉄骨は錆が発生することで劣化が進みます。鉄は熱しやすく冷めやすい特性から結露が発生しやすく、それが錆の原因となることがあります。そのため、鉄骨造の中古住宅を検討する際は、鉄骨の防錆処理がきちんと施されているかを確認しましょう。

RC造(鉄筋コンクリート造)

鉄筋コンクリート造とは、主な構造体が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めた構造のことです。鉄筋コンクリート造には、耐久性が高く音や振動に強いメリットがあります。

しかし、施工費が高額になりやすいことや地盤補強が必要になるケースが多いことに注意が必要です。鉄筋コンクリート造の中古住宅を検討する際は、維持費がどれくらいかかるのかの試算を十分におこなうことが重要です。

信頼できる不動産会社に依頼する

買ってはいけない中古住宅を見抜く最後のコツは、信頼できる不動産会社を選んでサポートを受けることです。不動産会社は、素人では判断できない物件の見極め方や物件選びのノウハウを持っています。

そのため、信頼できる不動産会社からサポートを受けながら物件を選ぶことで、失敗を防げます。信頼できる不動産会社を見つけるためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • その地域での実績の豊富さ
  • 不動産会社の得意分野
  • 担当者のレスポンスの速さ
  • 顧客に寄り添った営業スタイル

物件選びがスムーズに進むかどうかは、不動産会社の手腕に左右されます。物件探しに対して真摯に向き合ってくれる不動産会社を選び、なるべく希望条件に近い中古住宅を見つけましょう。

買ってはいけない中古住宅に関するまとめ

ここまで、買ってはいけない中古住宅を解説してきましたが、最後に今回の記事を振り返ってみましょう。

土地・敷地から見る買ってはいけない中古住宅の特徴

災害リスクが高い土地や地盤が弱い土地には注意が必要です。また、空き家が多く騒音がうるさいエリア、治安がよくないエリアにある中古住宅にも気をつけましょう。

一戸建て・マンションから見る買ってはいけない中古住宅の特徴

建築基準法に違反している建物や旧耐震基準で建てられている建物、傾きがある建物は慎重に判断する必要があります。また、雨漏りやシロアリ被害があったり、基礎部分にヒビが入っていたりする場合も気をつけましょう。

中古住宅選びで失敗しないための対策

中古住宅選びで失敗しないためには、ホームインスペクションやチェックリストを有効活用しましょう。また、信頼できる不動産会社からサポートを受けながら複数物件を比較検討することも重要です。

中古住宅は新築住宅と比べると価格が安いため、金銭的負担を軽減させる選択肢として有効です。しかし、災害リスクや治安状況、アクセス面などを考慮しなければ購入後に後悔するおそれがあります。

一戸建てやマンションの場合は、建築基準法に違反していないか、現行の耐震基準を満たしているか、さらに心理的瑕疵がないかなどを確認することが大切です。

中古住宅の購入で後悔しないためにも、今回紹介した対策を参考にして家探しに臨んでみてはいかがでしょうか。

杉山 明熙

執筆者

杉山 明熙

不動産特化ライター

元不動産営業のWebライター。宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、賃貸不動産経営管理士。12年間の不動産営業を経験後、不動産特化ライターとして大手メディアや不動産会社のオウンドメディアで、住まいや不動産投資に関する記事を多く提供している。不動産業界経験者にしかわからないことを発信することで「実情がわかりにくい不動産業界をもっと身近に感じてもらいたい」をモットーに執筆活動を展開中。

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