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【失敗例27選】注文住宅で最悪の間取りとは?失敗しないための対策を徹底解説!

注文住宅は、理想の住まいを形にできる一方で、いざ住んでみると、家事がしにくい動線になっていたり、収納が足りなかったりなど間取りで失敗したと感じ後悔することも。一生に一度の家づくりを成功させるため、今回は注文住宅でよくある最悪の間取りと、失敗しないための具体的な対策をご紹介します。

記事の目次

注文住宅で最悪の間取り

注文住宅で「最悪の間取り」とはどのようなケースでしょうか。失敗事例と対策を場所別にご紹介します。家づくりを検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

玄関の失敗例と対策

玄関で見られる失敗例は窓や玄関ホールを設置していない間取りです。詳しく見ていきましょう。

玄関に窓がない

窓がない玄関は、外から自然光が入りません。そのため、昼間でも暗く、換気しにくいこともありにおいがこもりやすくなります。壁面に窓を付けられない場合は、ガラス入りの玄関ドアを採用して自然光を取り込みましょう。また、玄関網戸を設置することで、風通しをよくできます。

玄関ホールがない

玄関ホールがない間取りはコンパクトな間取りにでき、開放感もあることから注目されていますが、デメリットも多くあります
玄関ホールがない間取りはコンパクトな間取りにでき、開放感もあることから注目されていますが、デメリットも多くあります

玄関ホールがなく、玄関土間からLDKとつなげた間取りは開放感があり、買い物したモノなど荷物を持ったままでもリビングへ向かいやすい動線になるでしょう。しかし、仕切りがないため、冷暖房効率が下がりやすいのが難点です。玄関の位置によっては、外から家の中が丸見えになります。また、虫や花粉が部屋の中に入りやすかったり、来客時には目線が気になることも。
玄関ホールがない注文住宅を建てる場合は、家の断熱性や気密性を高め、玄関ドアの位置に配慮して計画しましょう。外からの視線を遮るために、玄関ドアの前に壁や植栽を設けたり、室内に格子などを設けてゆるやかに目隠ししたりするのもおすすめです。

キッチンの失敗例と対策

キッチンでは、オープンで間仕切りがない間取りや作業動線にしたことで使いにくくなってしまったケースが見られます。キッチンは使う頻度も多い場所なので、慎重に検討しましょう。

間仕切りがない

おしゃれで人気のオープンキッチンですが、夏は調理中の熱がリビングの方へ広がり暑くなってしまうことも
おしゃれで人気のオープンキッチンですが、夏は調理中の熱がリビングの方へ広がり暑くなってしまうことも

開放的なオープンキッチンは人気があります。しかし、間仕切りがないと、リビングなど部屋全体に調理中のにおいや生ごみのにおいが広がりやすくなったり、冷暖房効率が悪くなったりしていまいます。また、突然の来客時に、シンクにたまっている洗い物が丸見えになって大慌てすることもあるかもしれません。キッチンの整理整頓が苦手な方は、後悔につながる可能性が高まります。
対策として、キッチンの前に立ち上がりを設けて手元を隠したり、リビングやダイニング側からの視線を遮れるように一部に壁を設けたりしてください。におい対策としては、レンジフードの設置や、窓を設けて空気を入れ替えやすくしましょう。

作業動線に配慮されていない

作業動線への配慮がないキッチンは、家事効率を低下させます。洗面室や浴室など、水回りを一つにまとめれば、“ながら家事”がしやすくなり、家事の時短につながるでしょう。また、シンク・コンロ・冷蔵庫の位置を三角形に配置する「ワークトライアングル」を意識すると、歩数が減って作業効率が上がります。ワークトライアングルは、三辺の合計の長さが360〜600cmで収まるようにするのがポイントです。

収納スペースの失敗例と対策

家事動線も考慮しながら収納を検討しましょう
家事動線も考慮しながら収納を検討しましょう

注文住宅の間取りで、収納スペースの収納量や実用性不足による失敗例も多く見られます。

十分な収納量がない

収納不足の家は、部屋にモノがあふれて暮らしにくくなります。かといって、収納スペースを広く取り過ぎると、リビングや居室の広さを圧迫することになりかねません。ロフトの設置や階段下の活用など、収納を増やす方法はありますが、計画段階で家族分のモノの量に見合った収納計画を立てることが大切です。家の広さには限りがあるので、住まいに合わせて事前にモノを減らす努力もしましょう。

あらかじめ用途を決めていないため使いにくい

用途を考えずに設置場所やサイズを決めると、必要な時にものをサッと使えず、出し入れがおっくうな使い勝手の悪い収納になることも。あらかじめ、収納するものの種類と量を把握し、棚の奥行きや高さ、配置などを決めることで、モノが出し入れがしやすく、すっきり整理整頓できる収納になります。

洗面所・脱衣所の失敗例と対策

洗面所と脱衣所が一緒の間取りや、リビングと隣合わせにある間取りは、失敗したと感じることがあるようです。

洗面所と脱衣所・浴室が分かれていない

洗面所を独立させた間取りにすることで、来客があっても脱衣所を見られることがないでしょう
洗面所を独立させた間取りにすることで、来客があっても脱衣所を見られることがないでしょう

洗面所と脱衣所が一緒になっている場合、誰かがお風呂に入っている時に洗面台が使いづらくなります。洗面所と脱衣所・浴室を分けて設置することで、家族がお互いに気兼ねなく、いつでも自由にそれぞれの場所を使えて、快適に暮らせるようになるでしょう。メインの洗面室とは別にもう一つセカンド洗面室を設けたり、ロールスクリーンなどで間仕切りを設けたりするのもおすすめです。

リビングと隣り合わせの場所にある

リビングと隣り合わせに洗面脱衣所を設けると、お風呂上がりにリビングを通らなくてはならず、来客時や子どもが成長した際にプライバシーが気になるといったように、家での移動がしづらい間取りになる可能性があります。リビングスルーの間取りは家族とのコミュニケーションがとりやすくなる、廊下がない分、部屋を広くとれる、入浴時のヒートショックのリスクを軽減できるなどのメリットもあるため、暮らしに合わせて検討しましょう。

リビングの失敗例と対策

長い時間を過ごすリビングも考慮すべき点がいくつかあります。過ごしやすい空間を実現するために確認しましょう
長い時間を過ごすリビングも考慮すべき点がいくつかあります。過ごしやすい空間を実現するために確認しましょう

リビング階段の採用や、空間と家具のバランスを誤った結果、失敗につながるケースがあります。

リビング階段によって冷暖房効率が下がる

リビング階段は、家族とのコミュニケーションの機会が増えると子育て世帯に人気の間取りですが、冷暖房効率が下がるデメリットがあります。階段に扉やロールスクリーンを付けて、リビングと階段スペースの空間を分けましょう。扉は開けた時に人にぶつからない引き戸が安全でおすすめです。

部屋の大きさと家具の大きさが合わない

注文住宅を建てて「いざ家具を入れてみたら大きすぎて圧迫感がある」「窓をふさいでしまう」などの失敗例は少なくありません。デザインを優先して家具を選ぶのではなく、部屋の大きさや窓の位置を確認し、配置計画を立てたうえで、家具選びをしましょう。

トイレの失敗例と対策

リビングや玄関からの視線の対策も忘れずにおこないましょう
リビングや玄関からの視線の対策も忘れずにおこないましょう

トイレに関して、個数不足や、音・におい、生活動線に配慮をしなかったために、失敗を招くことがあります。

トイレの数が足りていない

家族の人数が多い場合や、2階建ての家にトイレが1階にしかない場合は、朝の忙しい時間帯にトイレの取り合いになったり、夜中にわざわざ1階まで降りたりと、ストレスを感じやすくなります。スペースに余裕があれば、1階と2階それぞれに1つずつトイレを生活動線に配慮しながら設置しましょう。

音やにおいに配慮して配置されていない

トイレは、音やニオイが気になる場所です。そのため、食事やくつろぐ場所と隣り合わせに配置すると、快適性が損なわれる恐れがあります。また、水を流す音は下階に響きやすいため、リビングや寝室の上にトイレを設けると、不快に感じたり、眠りを妨げてしまったりすることも。設置場所は、玄関やリビング、洗面所の近く、もしくは階段下スペースなど、家族の暮らしに合わせて検討してみましょう。

寝室の失敗例と対策

寝室はしっかりと休息が取れるスペースを確保することが大切です
寝室はしっかりと休息が取れるスペースを確保することが大切です

寝室の失敗例としてベッドのサイズと部屋の大きさのバランスや、ウォークインクローゼットの設置場所によって、休息をとる場所なのに落ち着かなくなるケースもあるようです。

ベッドのサイズが寝室の広さに合っていない

気に入ったベッドを見つけて購入したけれど、家に置いてみたらサイズが大きすぎて、移動や掃除がしにくくなってしまったケースあります。ベッドを購入する際は、部屋の間取り図にベッドを書き入れて、サイズ感を確認するようにしましょう。ベッドまわりに余裕を持たせると、ベッドメーキングや掃除がしやすくなります。

ウォークインクローゼットを設置して動線が悪くなる可能性がある

ウォークインクローゼットを寝室に設けると、衣類だけでなくオフシーズンの布団や家電などをまとめて収納できて便利です。しかし、寝室の奥に設置するとモノを取りに来ただけなのに、部屋の奥まで入らなければならなかったり、大きな荷物を収納するのが大変になったりなど使い勝手が悪いと感じることがあります。
さらに外出から帰ってきた際にコートなどをウォークインクローゼットにしまったり、干した布団を収納するときに花粉などを部屋に持ち込んでしまう可能性もあるでしょう。

洗濯物を取りこんでから収納するまでの距離が短いほど家事効率は上がります。そのため、ウォークインクローゼットの設置場所は、生活動線だけでなく、家事動線も考えて決めましょう。

ウォークインクローゼットを寝室に設けること自体は大きなメリットがあります。ところが、小さなスペースをウォークインにすると、通路幅を取られて収納量が減ってしまうので注意しましょう。

子ども部屋の失敗例と対策

子ども部屋を作る際は家具や窓の配置についても注意しましょう
子ども部屋を作る際は家具や窓の配置についても注意しましょう

子ども部屋を設けることで、子どもが自室にこもりやすくなることも失敗例が挙げられます。また、子どもが巣立ったあとのことまで考えずに、間取りを決めて後悔につながったケースもあるようです。

部屋の居心地がよすぎると、家族の会話が少なくなる可能性がある

プライベートな時間をつくることは、子どもにとって大切ですが、居心地がよすぎると子ども部屋に引きこもってしまうことがあります。部屋に鍵を付けない、テレビやゲームを置かないなどの配慮に加えて、子ども部屋を配置する場所も検討しましょう。必ずリビングを通って部屋へ行く間取りにすれば、子どもの外出や帰宅時に気付きやすくなります。一方で子どもが成長した時のプライバシーについてもあわせて検討しましょう。

子ども部屋以外の使い方を考慮できていない

子どもが独立したあと、使わなくなった子ども部屋を持て余すことがあります。反対に、まだ子どもが小さく、現状子ども部屋は必要ないが将来的に必要になるケースも考えられるでしょう。子どもの成長や家族構成などの変化を見据えて、新築時からフレキシブルに間取りを変えられるようにしておくとよいでしょう。例えば、子どもがまだ部屋を必要としないうちは、リモートワークスペースや納戸としての利用するのも一つの方法です。また、リビングの一部を子ども部屋にして可動間仕切りで区切る、リビングと隣接させて子どもが巣立ったらリビングと一体の空間にするなどの対策も検討してみましょう。

階段の失敗例と対策

階段の失敗例は、安全性への配慮が欠けたために使用時の危険度が上がったり、玄関近くに設置をして家族のコミュニケーションが減ったりすることが挙げられます。

直線階段にして安全性への配慮ができていない

上下階を一直線につないだ階段は、スペースの関係上傾斜がきつくなることも。また途中に踊り場がない場合、足を滑らせると一番下まで転がり落ちる危険性があります。万が一に備えて踊り場を設け、必ず手すりを設置しましょう。

小さい子どもがいる場合はベビーゲートの設置も検討するのがおすすめです。その際は、設置スペースの確保も忘れないようにしましょう。

玄関近くに階段を設けたために家族のコミュニケーションが希薄に

階段はリビングから見える位置やリビングを通る動線上に設置すると帰宅時のコミュニケーションも図れます
階段はリビングから見える位置やリビングを通る動線上に設置すると帰宅時のコミュニケーションも図れます

玄関から直接2階に上がれるように階段を設けると、家族の帰宅や外出に気付きにくく、コミュニケーションが取るのが難しくなります。コミュニケーションを優先する場合は、リビングやダイニングなど、家族が集まる場所に階段を設けましょう。

ベランダの失敗例と対策

ベランダはサイズや使用用途、家事動線をよく考えなかったために、失敗につながることがあります。どのようなことに気を付けるのか具体的に見てみましょう。

洗濯物や布団を干すためだけのスペースになっている

せっかくベランダを設けるなら、洗濯物や布団を干す以外にも使えるスペースにすればよかったと後悔することがあります。ベランダは建築時のコストやメンテナンス費用がかかる部分のため、洗濯物や布団を干すだけのスペースとしてしまうのはもったいないかもしれません。そのため事前にどのように活用できるか検討しておきましょう。例えば、椅子やテーブルを置いて、家族でくつろげる第2のリビングにしたり、ベランダガーデニングを楽しむなど。さらに、屋根を付けておくと、急に雨が降ってきた時でも洗濯物が濡れにくいので安心です。

洗濯物や布団を十分に干せるスペースがない

ベランダの広さを検討する際には横幅よりも、奥行きにゆとりを持たせることがポイントです
ベランダの広さを検討する際には横幅よりも、奥行きにゆとりを持たせることがポイントです

ベランダのサイズをよく確認せずに設置してしまうと、洗濯物や布団を干すスペースが足りなくなることがあります。ベランダの幅と奥行きを確認したうえで、どれくらい洗濯物を干せるのか、家族分の洗濯物を干すスペースが確保できるか、さらにはベランダ内で動きやすいかなどをチェックしましょう。

洗濯機から遠い位置にある

洗濯機が1階でベランダが2階にあると、濡れた重い洗濯物を持って2階へ上がらなければなりません。ベランダはできるだけ洗濯機から近い位置に配置することで、干したり取り込んだりする手間を最小限に抑えられます。

窓の配置の失敗例と対策

採光や風通しは室内の過ごしやすさにも関わります
採光や風通しは室内の過ごしやすさにも関わります

窓の設置数やサイズを誤った結果、失敗することがあります。窓は一度決めてしまうと変更しにくい部分でもあるので慎重に決めましょう。 

窓の数が少ない

外からの視線を気にして窓の数を少なくすると、室内が暗くなり、風通しも悪くなる傾向にあります。1部屋に2カ所(できれば対角線に)窓を設けると、風が通りやすくなるでしょう。

窓が大きすぎる、もしくは小さい

必要以上に大きい窓は、隣家からの視線が気になったり、家具の配置が難しくなったりします。逆に、小さ過ぎると、部屋が暗い、換気できないなどの不便が生じるかもしれません。高い位置に横長の窓を設置すると、隣家からの視線が気になりにくく、光をしっかり取りこめます。

コンセントの失敗例と対策

コンセントの数や位置を十分検討しなかったために、失敗したと感じることもあります。

コンセントの数が足りない

家電やパソコン、ゲーム機器など、家の中では多くの電化製品を使います。必要な場所にコンセントがないと、かなりの不便を感じるでしょう。コンセントの数が足りず延長コードを使うことで部屋がごちゃついて見えたりすることも。家を計画する際は、どの部屋でどのような電化製品を使うのか、部屋の中のどこに電化製品を設置するのかをあらかじめ想定しておくことが大切です。

コンセントの位置が使いづらい

ダイニングにはテーブルの高さあわせてにコンセントを設置すると便利です
ダイニングにはテーブルの高さにあわせてコンセントを設置すると便利です

コンセントの位置が想定よりも低かったり、家具で隠れたりすると、コードが無駄に長くなり見栄えが悪くなったり、使いづらくなるかもしれません。また、コードを差しづらくなることもあるでしょう。各部屋での電化製品の使い方を想定して、コンセントの位置を決めましょう。収納スペースの中にもコンセントを設けておくと、充電式の掃除機を収納したまま充電できて便利です。

ドアの配置の失敗例と対策

ドア同士が近くて干渉する、見られたくない部屋のドアと玄関ドアを一直線に配置したため、玄関から丸見えになる、といったドアの配置に関して失敗したケースが見られます。

ドアが干渉する

部屋のドアと収納扉やスイッチ、カーテンレールと収納扉、トイレと洗面室の扉など、ドアが干渉して使いにくいと感じることがあります。ドアの軌跡が重ならないように、設計段階で念入りに確認しましょう。ドアの位置をずらしたり、開き方向を変えたりすると、問題を解消できるでしょう。建築会社の担当者と相談しながらドアの設置について検討することをおすすめします。また、開き戸ではなく引き戸を採用する方法も有効です。

リビングや洗面室のドアと玄関ドアを一直線に配置した

ドアを開けたままにした時にどのような状態になるのかも、事前に把握しておきましょう
ドアを開けたままにした時にどのような状態になるのかも、事前に把握しておきましょう

玄関の直線上にリビングや洗面室、トイレのドアを配置すると、ドアを閉め忘れた時に玄関から中の様子が丸見えになります。見えると困る場所のドアの位置は、部屋の外からの視線に配慮して計画しましょう。

ワークスペースの失敗例と対策

リモートワークが普及し、ワークスペースを設けたいと考える方もいると思います。ワークスペースをリビングに設けて失敗した例を紹介します。

リビングにワークスペースを設けて仕事に集中できない

カウンターのある白い壁の住宅の寝室
寝室にワークスペースを作ることで、リビングより静かな環境で仕事をおこなうことができます

リビングにワークスペースを設けるスタイルは近年人気がありますが、生活音や話し声が気になって、仕事や作業に集中できない悩みが出てくる可能性があります。できればワークスペースと生活スペースは切り離しましょう。例えば、寝室の一角にワークスペースを設ければ、間取りを増やすことなく集中できるスペースをつくれます。

注文住宅で最悪の間取りにならないためのヒント

注文住宅で最悪の間取りにならないためには、どうすればよいのでしょうか。これから注文住宅の建築を予定されている方に向けてヒントをお伝えします。

注文住宅は、家事動線にこだわって間取りを考えると、毎日の家事負担を軽減でき、暮らしやすさが向上します。ベランダと洗濯機の場所を近づける、水回りを集約するといった間取りは、特に人気です。
一方で、収納の不足や使い勝手の悪い配置は、多くの方が後悔しやすいポイントです。あらかじめ家族の持ちの量や種類を把握し、実際の生活シーンをイメージして収納の大きさや配置を決めましょう。

家族の状況によって適した間取りは異なります。家族の人数やライフスタイル、将来の家族構成の変化を考慮して検討し、成功例・失敗例を見たうえで、実用性の高い理想の間取りを実現しましょう。注文住宅でおすすめの間取りを紹介した記事もあるので、ぜひご覧ください。

まとめ

注文住宅で失敗しないための間取りのポイントを整理しておきましょう。

玄関の失敗例と対策は?

玄関に窓がないと、空間が暗くなり、風通しも悪くなって家全体の印象が下がります。窓がとれない場合は、ガラス入りの玄関ドアを採用して自然光を取り込みましょう。また、玄関ホールがなく、玄関とLDKをつなげた間取りは、冷暖房効率が下がりやすく、玄関の位置によっては外から家の中が丸見えになります。家の断熱性や気密性を高めるとともに、外からの視線が気にならない場所に玄関ドアを設けましょう。

キッチンの失敗例と対策は?

リビングにたまっている洗い物がリビングやダイニング側から見えないように、キッチンの前に立ち上がりを設けて手元を隠したり、一部に壁を設けたりしましょう。また、作業効率を上げるために、キッチンと洗面室などの水まわりをまとめたり、ワークトライアングルを意識して配置したりしましょう。

階段の失敗例と対策は?

直線階段を採用する場合は、階段の途中に踊り場を設けて、安全性を高めましょう。また、玄関近くに階段を設けると、家族の帰宅や外出に気付きにくく、コミュニケーションが希薄になる可能性も。家族が集まるリビングやダイニングに設けると家族のコミュニケーション不足を避けることができるでしょう。

せっかく建てる注文住宅は、理想が詰まった快適な家にしたいと誰もが思うでしょう。しかし、間取りの失敗は建てたあとでは取り戻せません。そのため、どの部屋でどう過ごすのか、家族のライフスタイルや将来の生活の変化も見据えて、具体的にシミュレーションしましょう。

神谷 三理砂

執筆者

神谷 三理砂

一級建築士として住宅やインテリアの意匠設計に従事した経験を活かし、住まいやインテリアコーディネート、暮らしに関するコラムを多数執筆。ジュエリーデザイナーとしての経歴も長く、刺繍や洋裁といった手仕事を楽しむ暮らしを大切にしている。

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