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建て替えと新築の違いは?それぞれのメリットや費用を抑えるポイントを徹底解説!

建て替えと新築はどのような点で違いがあるのかを徹底解説します
今の住まいに不便や老朽化を感じ、住環境を一新したいと考えている方は、「建て替え」か「新築」のどちらがよいのか悩んでいることでしょう。しかし、いざ建て替えか新築かを選ぶとなると、費用や手間、立地、家族のライフスタイルなど検討すべき点が多く、迷うものです。

本記事では、建て替えと新築の違いや、それぞれのメリット・デメリット、必要な費用や費用を抑えるポイントを解説します。現在の土地に住み続けたい方、新たな場所でゼロから住まいをつくりたい方のどちらにも役立つ情報をまとめました。

記事の目次

建て替えと新築の基本的な違い

建て替えと新築の基本的な違いを解説します
建て替えと新築の基本的な違いを解説します

家を新しく建てる際に、「新築」と「建て替え」、どちらを選ぶべきか迷う方も多いのではないでしょうか。一見するとどちらも、新しい家を建てる意味で同じように思えますが、そのプロセスや条件には大きな違いがあります。土地の状態、建物の有無、費用面の考慮点など、正しく理解すると、より理想の住まいづくりがスムーズに進むでしょう。本章では、新築と建て替えの違いをわかりやすく解説し、それぞれに合った選択をする際に役立つ情報を紹介します。

建て替えの定義

すでに住宅が建っている土地で、その古い家屋を解体・撤去したあとに、新たな住宅を建築することを「建て替え」といいます。例えば、老朽化した築40年の木造住宅を取り壊し、最新の耐震・断熱性能を備えた家を建てる場合などが代表的です。基本的に新築と同様、間取りや設備、仕様も自由に選べるため、ライフスタイルの変化に合わせて家を一新できるでしょう。

ただし、解体費用や工事中の仮住まい費用、各種手続きなどが発生する点が、新築とは大きく異なります。また、建て替えには建築基準法上の制限(再建築不可の土地など)もあるため、計画前に十分な確認が必要です。長年住み慣れた土地を離れず、快適な住まいを再構築したい方に適した選択肢となるでしょう。

新築の定義

「新築」とは、建物がまったく建っていない更地の状態から、ゼロベースで住宅を建てることです。土地の形状や日当たり、周辺環境を考慮しながら、間取りや家の配置、庭のレイアウト、水道・ガスの引き込みなど、すべてを一から自由に設計・計画できます。建築資材や構造、設備にも最新のものを取り入れやすく、省エネ設計や最新の耐震基準にも対応できるでしょう。例えば、新たに開発された分譲地で、自分の理想に沿った注文住宅を建てるケースが典型的です。

なお、不動産業界では「築1年未満かつ未入居」の状態を新築と定義しており、たとえ一度も住んでいなくても1年を過ぎると「新築」ではなく「未入居物件」扱いになるため、売買の際はその点にも注意が要になります。

リフォームとの違い

建て替えと混同しやすいものが「リフォーム」です。リフォームとは、既存の住宅の一部を改修・修繕する行為で、家全体を新しく建て直す新築や建て替えとは根本的に異なります。例えば、次のようなものが主な内容です。

  • 古くなったキッチンの入れ替え
  • 傷んだ屋根の葺き替え
  • 壁紙や床材の張り替え
  • 浴室やトイレの最新設備への交換

建物の骨組みや構造はそのまま残すため、工期が比較的短く、費用も抑えられる点が利点になるでしょう。さらに、不動産取得税がかからないなど、税制面でのメリットもあります。ただし、リフォームで利用できるリフォームローンは、住宅ローンよりも金利が高めに設定されている点に注意しましょう。建て替えとの大きな違いは、建物を一度すべて取り壊すか、元の形を活かして改良するかのアプローチにあります。

建て替えのメリット・デメリット

建て替えのメリット・デメリットはどのような点でしょうか
建て替えのメリット・デメリットはどのような点でしょうか

建て替えと新築の違いを見てきましたが、それぞれの選択肢にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。本章では、建て替えのメリット・デメリットを解説します。

メリット1:住み慣れた環境で生活を続けられる

建て替えの魅力は、現在住んでいる土地にそのまま新しい家を建てられる点です。通勤・通学ルート、近所付き合い、日常の買い物先など、生活環境が大きく変わらないため、精神的な負担が少なく済むでしょう。

特に高齢者や子どものいる家庭では、引越しによる環境変化が大きなストレスになるかもしれません。そのため、慣れ親しんだ土地で暮らしを続けられれば負担が減り、大きな安心材料になります。行政手続きや医療機関の利用、地域の活動への参加など、今まで築いてきた生活基盤をそのまま引き継ぐことができる点がメリットです。

メリット2:希少な立地条件を活かせる

人気エリアや駅近、学区重視の地域では、新しく更地を手に入れることが困難なケースが多いでしょう。その点、既存の家を取り壊して新しく建て直す建て替えなら、現在の好立地を手放さずに、理想的な住まいが手に入ります。

中古物件を購入し、建て替え前提で活用すると、土地探しの難しさを回避できるでしょう。また、周囲の環境やインフラがすでに整っている点も、利便性と安心感を得られる大きなメリットです。

メリット3:不満点を解消し、理想の住まいを設計できる

建て替えは、これまでの住まいで不便に感じていた点や劣化した箇所をすべて改善しながら、新たな生活スタイルに合った家を一から設計できるチャンスです。例えば「日当たりが悪い」「収納が足りない」「動線が悪い」などの日々の不満を具体的に把握している分、それらを反映したプランづくりがしやすくなるでしょう。

また、土地の特徴や周辺環境をすでに熟知しているため、実用性の高い家づくりが可能です。リフォームでは限界のある構造変更も、建て替えなら柔軟に対応できます。

デメリット1:解体作業とその費用がかかる

建て替えをおこなう際、はじめに既存の住宅を取り壊さなければなりません。この解体作業には平均して100万円〜200万円程度の費用がかかり、さらに建物の構造や築年数によっては、アスベスト処理や地中埋設物の撤去などの追加工事も必要になります。そのため、予算オーバーになるケースも少なくありません。

また、解体作業には時間もかかり、すぐに着工できない点も新築とは異なる負担になります。解体の過程で発生する騒音や粉じん、廃材処理などの影響から、近隣住民への配慮も必要不可欠です。

デメリット2:仮住まいや引越しのコストと手間が発生する

建て替えの場合、工事期間中はその場所に住めないため、一時的に他の住居へ引越さなければなりません。そのため、仮住まいの家賃や敷金・礼金、引越し費用などが別途かかります。特にファミリー世帯やペットがいる家庭では、条件に合う仮住まいを見つけるだけでも苦労するでしょう。

また、二度の引越しにともなう荷造り・荷解きなどの手間も大きく、金銭的・時間的・精神的な負担は想像以上です。仮住まいにかかる費用も含めたトータルコストを事前に把握しておく必要があります。

デメリット3:思いどおりに建てられない場合がある

古い住宅地や密集地での建て替えは、道路の幅が狭く、工事車両が入りにくいかもしれません。重機の使用が制限されると、作業効率が下がり、その分コストが割増になる可能性があります。また、騒音や振動への苦情対策として、近隣への十分な配慮が求められ、着工前の挨拶や調整が必要になる場合もあるでしょう。

さらに、建築基準法の改正や都市計画の変更で、以前と同じ規模・形状の建物を建てられないケースもあります。特に再建築不可や接道義務を満たさない土地では、建て替えそのものが不可能になる場合もあるため、事前の確認が欠かせません。

新築のメリット・デメリット

新築のメリットやデメリットはどのような点でしょうか
新築のメリットやデメリットはどのような点でしょうか

新築にはどのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット1:理想の住まいをゼロから自由に設計できる

新築の魅力は、更地に自分の理想を反映した家を一から設計できる点です。例えば「南向きの明るいリビングにしたい」「将来を見据えて子ども部屋を2つに分けたい」「テラスでバーベキューができる庭を作りたい」などの希望も、自由度高く形にできるでしょう。建物の配置から間取り、外観デザイン、水回りの仕様まで、すべて自分たちのライフスタイルに合わせて土地から決められる点は、新築ならではの大きな利点です。

メリット2:解体や仮住まいが不要で、スムーズに着工できる

新築の場合、既存の建物が存在しない更地からのスタートとなるため、建物の解体や撤去作業は必要ありません。その分、工事開始までの流れがスムーズで、全体のスケジュールも組みやすくなります。また、今住んでいる場所とは別の土地に建てるケースが多いため、工事期間中も現在の家に住み続けられる点が利点です。

仮住まいを探したり、家賃や引越し費用を二重に支払ったりする必要がなく、費用面でも精神的な面でも余裕が持てます。時間とコストを抑えつつ、余裕を持った家づくりが可能になる点が新築の魅力の一つです。

メリット3:新しい街で新たなコミュニティを築きやすい

新興住宅地などに新築で家を建てる場合、周囲の住人も同じ時期に引越してくるケースが多く、新たな地域コミュニティを築きやすいメリットもあります。例えば、子育て世帯が多く住むエリアでは、自然と近所付き合いが生まれ、子どもの友達や保護者同士のつながりもできやすくなるでしょう。

古くからある街に住む場合と比べて、地域のルールや人間関係が一から始まるため、地元のしがらみがなく、比較的フラットな関係性を築けるケースがあることも魅力です。新生活を前向きにスタートできる環境が整っている点も新築の大きなメリットになります。

デメリット1:希望のエリアで土地が見つからない可能性がある

新築での大きなハードルは、理想の土地探しです。特に駅近や学区のよい地域、商業施設が充実したエリアなど人気の高い場所では、更地がほとんど出回らない可能性が多く、希望する条件に合致する土地を探し出すまでに、かなりの時間がかかるかもしれません。さらに、ようやく見つけても競争が激しく、予算内で手に入らない可能性もあるでしょう。土地を先に確保しなければ家を建てる計画も進まないため、時間的にも資金的にも余裕が求められてしまいます。

デメリット2:ライフラインの引き込み工事が必要なケースがある

更地でも、水道・電気・ガスなどのインフラが整っていない場合は、別途ライフラインの引き込み工事をしなければなりません。例えば、水道管が古くて引き直しが必要だったり、都市ガスの配管が敷地の近くまで来ていなければ、プロパンガスを選ばざるをえないなど、当初の希望と異なる設備になってしまうこともあります。こうした設備関連の工事は、事前調査が甘いとあとから思わぬ追加費用が発生する場合もあり、資金計画に狂いが生じる原因になるでしょう。

デメリット3:計画から完成までに時間と労力がかかる

新築住宅の建築は、土地探し・購入、設計、施工、引き渡しまで含めると、半年〜1年以上かかることが一般的です。特に注文住宅の場合、キッチンや壁材、床の色など細かい点まで自分たちで決定する必要があり、その分手間も多くなります。

「自由に決められる」とはいっても、選択肢が多すぎて迷ってしまったり、打ち合わせのたびに時間が取られたりと、思いのほか大きな労力がかかることも。加えて、進行中に予算オーバーや設計変更が起こると、計画にズレが生じ、精神的にも疲弊しやすくなるため、注意が必要です。

建て替え・新築に必要な費用

建て替えや新築にはそれぞれどのような費用がかかるのでしょうか
建て替えや新築にはそれぞれどのような費用がかかるのでしょうか

新築と建て替えのどちらを選ぶかは、ライフスタイルや家族構成、土地の有無などによって異なりますが、まず気になることが費用面でしょう。

一見すると新築のほうが、自由度が高く魅力的に思えますが、実は土地取得から始める場合は建て替えよりも高くつくことも。反対に建て替えは、解体や仮住まいなど、特有のコストが発生します。本章では、それぞれの費用内訳と相場を見ていきましょう。

建て替えに必要な費用

国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、建て替えにかかる総費用の全国平均は約5,745万円です。土地購入が不要なケースが多いため、新築より安いイメージがあるでしょう。しかし、実際にはさまざまな費用が発生するため、総額は新築に匹敵するか、場合によっては上回る場合もあるでしょう。

解体費用

建て替えでまず必要になる費用は、解体費用です。既存の建物を取り壊す費用で、木造住宅であれば100万〜200万円が相場ですが、鉄骨造やRC造の場合はさらに高額になる場合もあります。もしアスベストが使われていれば、専門処理費用を追加しなければならないでしょう。

仮住まい費用

建て替え工事中は一時的に別の場所で生活する必要があり、その家賃や引越し費用がかかります。例えば、家族4人で半年間仮住まいをする場合、賃料10万円×6カ月なら60万円、敷金・礼金や引越し費用も含めると120万円以上になるかもしれません。

諸費用

諸費用には、建物滅失登記、住宅ローンの手続き費用(場合によっては借り換えや一括返済)、新居用の家具・家電購入費などが発生します。ローン残債がある場合は完済が必要なため、資金計画の見直しも必要です。

一方、建て替えは既存の土地を活用できるため、新たに土地代を支払う必要がありません。また、すでに上下水道の引き込みがある場合は、それを再利用できるため、設備工事の一部を省略できる可能性もあります。下水道受益者負担金も、すでに支払い済みであれば再度発生しません。ただし、建て替え後に法規制の影響で前と同じ家を建てられないケースもあるため、事前に行政や建築士に確認しておきましょう。

新築に必要な費用

新築住宅を建てる際の費用は、「本体工事費」「付帯工事費」「諸費用」の3つに大別されます。国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、全国平均では、建物の建築費が約4,034万円、土地代が約1,929万円でした。合計すると約5,963万円が新築にかかる標準的な金額です。

本体工事費 

本体工事費とは、建物そのものの工事にかかる費用で、基礎・柱・屋根・外壁などが含まれます。ただし、何を「本体」とするかは施工会社によって異なるため注意しましょう。例えば、キッチン設備や照明が別途扱いになる場合もあります。

付帯工事費 

付帯工事費は、建物本体以外の工事にかかる費用です。具体的には、敷地の整地、地盤改良、水道・ガスの引き込み、エアコンやカーテンの設置、外構(駐車場・塀・庭など)などが挙げられます。これらは内容によって大きく費用が変動しますが、一般的には数百万円程度が目安です。

諸費用

諸費用は、建築そのもの以外に必要な費用です。具体的には、契約書の印紙代、登記費用、火災保険料・地震保険料、住宅ローンの事務手数料、引越し代、新居用の家具・家電など。登記費用は数十万円、保険料も10〜30万円ほどかかるでしょう。

これらを合算すると、仮に建物そのものが3,000万円台でも、土地購入費や付帯・諸費用で最終的に5,000万円を超えるケースが多くあります。特に都市部では土地代が高騰しているため、予算計画は慎重に立てましょう。

建て替え・新築に必要な費用を抑えるポイント

建て替え・新築に必要な費用を抑えるポイントは何でしょうか
建て替え・新築に必要な費用を抑えるポイントは何でしょうか

新築や建て替えを検討する際、多くの方が気になることは「費用をいかに抑えるか」ではないでしょうか。建て替えと新築どちらの方法にも魅力はありますが、予算内で理想の住まいを実現するためには、無駄を省きながら、必要な部分にはしっかりお金をかける、バランス感覚が重要です。

本章では、建て替え・新築に共通して使える費用削減の工夫に加え、それぞれ特有の節約ポイントをご紹介します。具体例を交え、賢く費用を抑える方法を見ていきましょう。

建て替えに必要な費用を抑えるポイント

建て替えをおこなう際に費用を抑えるポイントは以下です。

補助金・給付金・減税措置を活用する

建て替えには自治体からの補助金や助成金を利用できるケースがあります。例えば、耐震改修や省エネ性能を高めるリフォームをともなう場合、省エネ住宅補助金や長期優良住宅に関する優遇制度を活用できる場合もあるでしょう。

また、固定資産税の減額や住宅ローン減税など、税制上の優遇措置も存在します。これらは地域や工事内容によって条件が異なるため、お住まいの市区町村に確認しましょう。仮に、耐震化に対応した建て替えを検討しているなら、「耐震補助制度」が用意されている自治体もあります。条件を満たせば、数十万円単位の補助が得られる場合もあるため、建て替えを検討する際にはあわせて確認しておきましょう。

仮住まい費用を賢く節約する

建て替えでは、工事期間中に一時的な住まいを確保する必要があります。この仮住まいの費用も意外と大きな負担です。ファミリータイプの賃貸マンションを半年借りるなら、家賃だけで数十万円になるでしょう。そのため、引越しは必要な荷物だけを持って小さめの物件にし、大型の家具や季節用品はトランクルームを併用して預ける方法も効果的です。

また、繁忙期(3月・4月)を避けて引越すと、引越し費用を抑えられるでしょう。礼金や仲介手数料が不要な物件を選ぶことも見逃せないポイントです。

解体会社は複数社から見積もりを取る

建て替え時に避けられないものが解体工事です。建築会社に一括依頼することが一般的ですが、解体費用が上乗せされている場合があります。そのため、解体工事は専門の会社に別途依頼する方法も検討しましょう。

複数の解体会社から見積もりを取り、費用を比較すると、相場感を把握できるだけでなく、条件のよい会社を選べます。また、家の中にある不要な家具や家電、雑貨などは事前に自分たちで処分すると、産業廃棄物の処理費用を減らせるでしょう。これだけでも数万円の節約になります。

不要な仮設工事や工期延長を防ぐ

建て替え時には、仮設足場や養生、仮設電源・水道などの仮設工事が発生します。これらは必要な作業ですが、内容を把握せずに任せきりにしていると、無駄な工事や過剰な仕様で費用が増えるかもしれません。工務店との打ち合わせ時には、仮設費用の内訳を確認し、本当に必要な工事かチェックしましょう。

また、建築スケジュールがずれこむと、仮住まいの延長や追加費用が発生する場合もあるため、工期管理も大切です。現場の進捗を定期的にチェックするだけでも、無駄な工期延長を防ぎ、コスト削減につながります。

新築に必要な費用を抑えるポイント

新築にかかる費用を抑えるポイントは以下です。

付帯工事費を抑えられる土地を選ぶ

家づくりには見えない工事費も多く含まれます。特に地盤改良費、水道・ガスの引き込み、外構工事などの付帯工事は、土地によってさまざまです。例えば、すでにインフラが整っている都市部の土地なら、水道やガスの引き込みが不要で、その分コストを削減できるでしょう。

地盤の強いエリアを選ぶと、改良工事の必要がない場合もあり、数十万円の節約につながるかもしれません。また、庭をあまり作らずオープン外構にすると、門塀や植栽にかかる費用を抑えられます。内容を最適化して工事費の増加を抑え、地盤やインフラが整った土地選びをするようにしましょう。

施主支給でコストをコントロールする

建材や設備の一部を施主支給すると、建築会社の仕入れ価格より安く手に入る可能性があります。例えば、照明器具やカーテン、エアコンはインターネットや量販店で安く購入できます。そのため、施主が自ら用意して取り付けてもらえば、トータルのコストを下げられるかもしれません。

ただし、建築会社によって施主支給を受け付けていなかったり、トラブル時の保証が曖昧になったりする可能性もあるため、事前に確認が必要です。うまく活用できれば、数十万円単位で節約できるケースもあるため事前に相談してみましょう。

金利の低い住宅ローンを選ぶ

建築コストそのものを下げるだけでなく、住宅ローンの金利を見直すと、長期的な節約につながります。例えば、金利が0.1%違うだけで、借入額によっては数十万円~100万円以上の差になるかもしれません。複数の金融機関で金利や手数料を比較し、条件のよいローンを選びましょう。変動金利と固定金利の違いや、繰り上げ返済ができるかどうかなど、将来の計画も含めて検討する必要があります。低金利のうちにローンを組むと、利息を抑えながら無理のない返済が可能です。

建て替えと新築で共通するポイント

建て替えと新築で共通する、費用を抑えるためのポイントを解説します。

シンプルな構造と間取りにする

建て替えも新築も、設計の工夫でコストダウンが可能です。特に建築費用を抑えたい場合は、間取りをできるだけシンプルにしましょう。凸凹の多い外観や複雑な屋根形状、特殊な階段構造などは、資材や施工の手間が増えるため費用が高くなります。例えば、真四角の総2階構造なら、同じ床面積でもコストを抑えられるでしょう。

また、間仕切りを減らしたり、窓の数を減らすだけでも材料費や工事費を削減できます。無駄のないシンプルな設計にすると、数十万円単位のコストダウンになるでしょう。

床面積を減らして建築コストを削減する

家の建築費は、床面積が広くなるほど高額になります。そのため、必要最低限のスペースで効率的に間取りを組むと費用削減になります。例えば、1階と2階をコンパクトにまとめて、廊下を少なくする設計にするだけでも、建築費用を抑えられるでしょう。

また、LDKと個室をうまくゾーニングすれば、無駄なスペースをなくし、生活動線も改善されます。収納スペースも、作り付けは最小限に抑えて、あとから家具で補う方法もとれるでしょう。家族構成やライフスタイルに応じて、本当に必要な広さを見極めるとコストを削減できます。

住宅設備や仕様のグレードを見直す

新築や建て替えでは、キッチンやバス、トイレなどの住宅設備にこだわりすぎると、費用が一気に膨らみます。グレードの高い設備は、見た目も機能も優れていますが、標準仕様の製品でもさほど性能は劣りません。例えば、ハイグレードの食洗機を省いて、必要に応じてあと付けする選択もとれます。

また、外壁や床材も高級品を避けて、耐久性とコストのバランスが取れたものを選ぶと、建築費の大幅な削減が可能です。カタログをよく見て比較し、オーバースペックな設備は避けましょう。

建て替えと新築の違いに関するよくある質問

建て替えと新築の違いに関するよくある質問をまとめました。

建て替えと新築の基本的な違いとは?

新築は更地から家を建てるもので、土地選びや設計を自由におこなえ、省エネ・耐震性にも優れた最新の設備を取り入れやすい点が特徴です。一方、建て替えは既存の建物を解体し、同じ土地に新たな住宅を建てる方法で、長年住み慣れた場所に住み続けたい方に適しています。

ただし、建て替えでは解体費用や仮住まい費用、建築制限への対応などに注意しましょう。また、既存住宅の一部を改修するリフォームがあります。リフォームは既存住宅の一部改修を指し、建て替えや新築は家全体を新たに造る点が違いです。建て替えや新築は自分や家族のニーズに合ったほうを選びましょう。

建て替えのメリットとデメリットは?

建て替えには、現在の土地に新しい家を建てられるメリットがあります。通学や通勤、地域との関係をそのまま維持でき、精神的な負担が少ないことが特徴です。また、駅近などの希少な立地を手放すことなく住環境を一新できるため、不満点を解消した理想の住まいを設計するチャンスにもなるでしょう。

一方で、解体費用や仮住まいの家賃、引越し費用などが発生し、手間もかかる点がデメリットです。さらに、法律や土地条件により理想どおりに建てられない可能性もあるため、事前の確認が重要です。

新築のメリットとデメリットは?

新築の魅力は、周辺環境もふくめて理想の住まいを実現できる点です。間取りや外観、水回りまで自分の希望を反映でき、解体や仮住まいも不要なため、費用や手間を抑えてスムーズに進められます。新しい街では近隣との関係も築きやすく、フラットな環境で新生活を始めやすいでしょう。

一方で、希望エリアでの土地探しが難しかったり、ライフライン工事が必要になる場合もあり、時間や費用が想定以上にかかる可能性があります。そのため計画的な準備が重要です。

建て替えや新築にはどのような費用がかかる?

建て替えと新築では、費用構成が異なります。建て替えは土地代が不要で、一見安価に思えます。しかし、実際には解体費用や仮住まい費用、各種手続き費などがかかり、総額の平均額は約5,745万円と新築並みに高額です。

新築は更地から建てるため、解体や仮住まいの必要はなく進行がスムーズです。しかし、土地代や付帯工事、諸費用を含めると平均約5,963万円となっており、多額の資金が必要になるでしょう。どちらも予算超過を防ぐには、事前の費用把握が欠かせません。

建て替え・新築に必要な費用を抑えるポイントは?

建て替えや新築の費用を抑えるには、無駄を省きつつ要所にお金をかける工夫が重要です。建て替えでは、補助金や減税制度の活用、仮住まいや解体会社選びの工夫、シンプルな間取り設計などでコスト削減ができます。

新築では、インフラが整った土地選び、施主支給、低金利ローンの選定などが有効でしょう。これらを組み合わせ、計画的に費用を抑えると理想の住まいづくりに近づきます。

まとめ

建て替えは、住み慣れた土地で生活を続けたい方に、新築は自由な設計で理想の住まいを形にしたい方に向いています。それぞれに費用や手間の違いがあり、どちらがよいかは生活スタイルや希望条件によってさまざまです。

費用面では、補助金や間取りの工夫、設備選びなどでコスト削減もできるため、情報収集をしましょう。本記事を通じて、建て替えと新築の違いや選び方のポイントを把握し、自分にとって最適な方法を見つけてみてください。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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