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専門家に聞く!北海道の家の特徴と真冬でも暖かく過ごせる家づくりのコツ

北海道の家の特徴とは?
「北海道と本州では家のつくりが違うって本当?」「北海道で家づくりする時のコツってあるの?」と、北海道で家を建てる際に疑問や不安がある人もいるはずです。

結論からいえば、北海道の冬はとくに気温が低いため、寒冷地対応の家づくりを心掛けなければなりません。寒さ対策しておかないと、快適性の低い家になってしまいます。本記事では、北海道の家の特徴や暖かい家をつくるコツについて解説します。実際に北海道で建築された家も紹介しますので、家づくりの参考にしてみてください。

北海道と本州の家のつくりは異なる

本州と北海道の家の違いとは?
本州と北海道の家の違いとは?

北海道と本州では寒さや雪の量など気候が違うため、家のつくりが異なります。北海道は寒冷地であり、寒さ対策が不可欠です。また、北海道の一部地域は「多雪区域」に指定されているほど降雪量が多く、雪の重さに耐えられる構造で建築しなければなりません。

一方、本州の中部地方から沖縄までは寒さや雪への対策はほとんど必要なく、暑さへの対策が必要となります。同じ日本国内でも気候が異なり、対策すべき内容まで違うことから家の構造も変わります。

北海道の家の特徴

北海道の家の特徴とは
北海道の家の特徴とは

前章でもお伝えしましたが、北海道では寒さや雪への対策が必要であり、本州との家のつくりが異なります。どのような違いがあるのか以下で詳しく解説します。

フラットな屋根(無落雪屋根)が多い

北海道の家では、フラットな無落雪屋根を多く採用しています。北海道は雪が多く、三角屋根だと積もった雪が隣地や道路に落ちてしまい、人にケガを負わせてしまうおそれがあるでしょう。

また、北海道は寒暖差が激しく、氷柱(つらら)ができやすい地域です。三角屋根だと庇が外に張り出しており、氷柱ができやすく通行人や窓に激突するかもしれません。寒冷地では落雪や氷柱の落下被害を防止するためにも、フラットな屋根が多く採用されています。

フラットルーフ方式

一直線のフラットな屋根です
一直線のフラットな屋根です

フラットルーフ方式とはほとんど傾斜がなく、水平に近い形状の屋根で、陸屋根(りくやね・ろくやね)とも呼ばれます。マンションの屋根の多くはフラットルーフ方式を採用しているため、マンションの屋上を想像すると分かりやすいかもしれません。屋根がフラットだと水が溜まりやすいため、防水対策が不可欠です。しかし、モダンでおしゃれな雰囲気になる、風の影響を受けにくく台風に強いというメリットもあります。

スノーダクト方式

真ん中がへこんでいるのが特徴です
真ん中がへこんでいるのが特徴です

スノーダクト方式とは屋根の中央に向かって緩く傾斜しており、中央部に雪解け水を流すダクトが付いている屋根です。屋根の中央部が低くなっており、積もった雪が敷地や道路に滑らないよう工夫されています。また、雪解け水が中央のダクトを通るため、屋根周りに氷柱ができにくい構造となっています。ダクトにはヒーターが取り付けられていることも多く、凍結を防ぎます。
ただし、ダクトにゴミが溜まると雨漏りの原因となるため、年に1回程度のメンテナンスが必要です。

玄関フード・風除室を設けている

外気を防ぎ室温を保ちます
外気を防ぎ室温を保ちます

北海道の家は、玄関に玄関フード・風除室を設置しています。玄関フード・風除室とは、玄関外側の小さなスペースで二重玄関とも呼ばれます。

玄関が二重にあることで、雪や風、ホコリの侵入を防止できます。室内に風が入りにくい構造であり、室温の低下防止につながります。外気が侵入すると一気に室温が低下するため、寒冷地では断熱性の向上のためによく利用されています。

複層ガラスが採用されている

寒冷地では断熱性を高めるために、複層ガラスを採用しています。複層ガラスとは、2枚以上の窓ガラス間に乾燥した空気やアルゴンガスが入ったものです。

ガラスは熱を伝えやすく、外気温が低いと熱が外に逃げてしまい室温が下がります。しかし、ガラスとガラスの間に熱伝導率の低い乾燥した空気やアルゴンガスを封入した複層ガラスなら、外気温の影響をほとんど受けません。

また、複層ガラスは結露の防止にも効果的です。室内の温かい空気が冷たい窓ガラスに当たると、ガラス周辺の温度が下がって、空気中に含まれる水蒸気が発露します。しかし、複層ガラスの場合、室内側の窓ガラスは外気温に影響を受けにくく室温に近い状態となります。

暖房器具を設置している

北海道では室内を暖めるため、暖房器具を設置している家を多く見かけます。設置されている代表的な暖房器具は、以下のとおりです。

  • 寒冷地エアコン
  • 床暖房
  • ファンヒーター
  • セントラルヒーティング

断熱性を高めておけば、部屋に熱が溜まりやすくなってより暖かな家になることでしょう。

北海道で暖かい家をつくるコツ

北海道で暖かい家をつくるには?
北海道で暖かい家をつくるには?

北海道で家づくりする際には、快適に過ごせるよう暖かい家になるよう設計しなければなりません。暖かい家をつくるためのコツについて解説します。

断熱性を高くする

暖かい家を設計する際には、断熱性の高さを重視しましょう。断熱性が高い家の室温は外気温に左右されにくく、暖房効率がよくなります。断熱材にはいくつもの種類があるため、適切な材料を選択することが大切です。

断熱材の主な種類は、以下のとおりです。

  • 繊維系断熱材
  • 発泡プラスチック系断熱材
  • 天然素材系断熱

ここからは、断熱材の種類とその特長を解説します。

繊維系断熱材

繊維系断熱材は、原料を熱で溶かして繊維状にした断熱材です。繊維系断熱材には、以下のような断熱材があります。

素材名 特長
グラスウール 無機質系
ガラスを溶かして繊維状に加工した断熱材
経年劣化しにくく高耐久
ロックウール 無機質系
岩石を溶かして繊維状に加工した断熱材
耐火性がある
セルロースファイバー 木質繊維系
古紙を薬品処理で加工した断熱材
防音性がある
インシュレーションボード 木質繊維系
廃木材を粉砕してから加工した断熱材
調湿性がある

各断熱材の隙間には、無数の空気層が存在しています。空気層には熱の移動を抑える働きがあり、断熱材を壁の内側に敷き詰めると外気の熱が室内に入り込みにくくなります。

なお、熱伝導率はW/(m・K)で表され、数値が低いほど断熱性の高い断熱材です。断熱材の種類を選択する際には、特長の他にも熱伝導率も調べておきましょう。

発泡プラスチック系断熱材

発泡プラスチック系断熱材は石油系とも呼ばれる、プラスチックを発泡させた断熱材です。主な発泡プラスチック系断熱材は、以下のとおりとなります。

素材名 特長
押出発泡ポリスチレン XPSとも呼ばれている
防湿・防水性がある
高発泡ポリエチレン 柔軟性が高く施工場所を選ばない
フェノールフォーム 断熱性が非常に高い

発泡プラスチック系断熱材には気泡があり、空気よりも熱伝導率の低いガスが内包されています。そのため、一般的に発泡プラスチック系断熱材は断熱性が高いといわれています。

また、水分を含みにくいのも発泡プラスチック系断熱材の特徴のひとつです。プラスチックは性質上、水を弾いてくれます。水分を含みにくいため、壁の内側で発生する結露の防止にも役立ちます。

天然素材系断熱材

天然素材系断熱材は、天然の素材をそのまま断熱材にしたものです。主な天然素材系断熱材には、以下のものが挙げられます。

素材名 特長
羊毛 調湿性がある
難燃性がある
炭化コルク 吸音性がある
防虫作用がある

天然素材系断熱材はそれぞれに特長があり、断熱材の中の水分量を調整したり、音を吸収して防音性を高めてくれたりします。特長が異なるため、それぞれのよさを理解したうえで導入するか検討しましょう。
なお、天然素材系断熱材は海外からの輸入物が多いこと、施工できる会社が少ないことから高額になりがちな点には注意しなければなりません。

気密性を高くする

高い断熱性を維持するには、建物の気密性が重要になります。気密性とは、密閉した気体が外部に漏れない、隙間から気体が侵入しないという性質です。気密性はC値で表され、数値が低いほど気密性が高くなります。

断熱材にこだわったとしても、気密性が低いと隙間風が室内に入り込んでしまい、室温が下がってしまいます。暖房器具の使用効率も落ちてしまうため、気密性の高さには注意しましょう。また、気密性が高いと換気の効率がよくなり、室内のニオイを解消しやすくなる、木材の腐食を防止するなどのメリットも生まれます。

通風・採光を確保する

北海道で家づくりする際には、通風・採光を確保するよう設計しましょう。寒冷地では暖房を使用する時間が長く、利用する器具によっては室内に二酸化炭素が溜まってしまいます。通風が確保できている家なら、短期間の換気で効率よく空気の入れ替えが可能です。

また、北海道の寒さを和らげる対策として、採光を確保することも大切です。採光を確保すれば太陽光を取り入れられるため、室温を効率的に上昇させる効果が期待できます。また、太陽光はカビやダニの発生を防いでくれるのもメリットです。

暖房設備を設置する

北海道の寒さは厳しいため、効率よく部屋を暖めてくれる暖房器具が必要です。設置される主な暖房器具を以下で解説します。

セントラルヒーティング

空気が乾燥しにくいのもポイントです
空気が乾燥しにくいのもポイントです

セントラルヒーティングとは特定の場所で作った熱を建物全体に送り込む設備で、全館集中暖房や中央暖房とも呼びます。例えば、ボイラーで熱した水を各部屋のラジエーターに通して建物全体を暖めるのもセントラルヒーティングです。

セントラルヒーティングは建物内全体を暖めてくれるため、ヒートショックの防止にも役立つ設備です。冬場は暖かいリビングや居室から寒い洗面所・浴室に移動し、暑い湯船に入ります。寒暖差があると血圧が激しく上下し、脳内出血や大動脈解離、心筋梗塞などが発生しやすくなります。建物内を快適な空間にしてくれるだけではなく、自分や家族の健康も維持してくれる設備といえるでしょう。

なお、セントラルヒーティングはガスや灯油を熱源としており、使用時間が長くなるとランニングコストが高くなります。費用を抑えるためにも、他の暖房器具と併用しましょう。

FF式ストーブ

FF式ストーブとは、強制給排気機能が付いたストーブです。強制給排気機能は、燃焼前と燃焼後の空気を強制的に給排気してくれる機能を表します。

一般的なストーブは空気を利用する性質上、室内の酸素が減少します。酸素が少なくなった時にストーブを稼働させると不完全燃焼を起こし、一酸化炭素を発生させるおそれがあるでしょう。一酸化炭素は少量でも中毒を起こし、頭痛やめまい、昏倒などが発生するため危険です。

特に北海道の冬場ではストーブを長時間稼働させるケースが多く、一酸化炭素中毒の危険性が高いといえます。強制的に給排気してくれるFF式ストーブなら、長時間でも安心して利用できます。

寒冷地用エアコン

寒冷地エアコンとは、室外機が寒冷地仕様になっているエアコンです。一般的な室外機は一定以下の温度になると霜が下り、室内機の暖房力が弱くなります。一方、寒冷地仕様エアコンは凍結しないよう室外機の底部にヒーターが設置してあったり、ファンの自動間欠運転で雪の吹込みを防止したりします。強力なコンプレッサーも搭載しており、高速運転も可能です。

また、近年は北海道でも30度を超える日が増えてきており、冷房機の必要性も高まっています。寒冷地エアコンを設置しておけば、新たに冷房機を購入する必要はありません。

薪ストーブ

石油ストーブよりも暖かい薪ストーブは近年人気です
石油ストーブよりも暖かい薪ストーブは近年人気です

薪ストーブとは、鋳鉄や鋼板で作られた箱の中で薪を燃焼させる暖房器具です。暖炉と違いガラスの扉が付いており、箱全体が熱せられて輻射熱を発生させます。輻射熱は遠赤外線を発生させ、体の芯からじんわりと温めてくれます。そのため、薪ストーブには、エアコンやストーブなどと違った心地よさを感じられるはずです。また、その他に以下のようなメリットもあります。

・見た目がおしゃれで室内の雰囲気をよくしてくれる
・ストーブの上で調理ができる
・電気や灯油を利用しないため災害時でも使いやすい
・光熱費がかからない

ただし、薪ストーブを設置するには初期費用とメンテナンス費用がかかる点には注意が必要です。薪ストーブを設置する際には煙突の設置費用、メンテナンスコストがいくらなのか確認しておきましょう。

床暖房

床暖房とは、熱源を利用して床を暖める暖房器具です。床暖房には温水をパイプに流して床を暖める温水式と、電気で発熱するヒーターを利用した電気式があります。

暖かい空気は上部へ移動する性質があり、ストーブやエアコンの熱は天井に集まってしまいますが、床暖房なら足元から部屋を暖めてくれます。また、ホコリやアレルギー物質が舞わない、二酸化炭素や一酸化炭素が充満しないというのも床暖房のメリットです。

【実例】高機能でおしゃれな北海道の家づくり

モダンなインテリアに、家族の熱い思いが満ちる住まい(出典:(株)マルワホーム企画)
モダンなインテリアに、家族の熱い思いが満ちる住まい(出典:(株)マルワホーム企画

北海道で家づくりする時には、本州とは異なる機能が必要です。ここからは、北海道に適した機能を持ちつつ、おしゃれな住まいを建築した実例を紹介します。北海道で家づくりを検討している方は参考にしてみてください。

ダブル断熱を使った真冬でも暖かい住まい

ノアール1000の高性能住宅。ゆったりと過ごせる開放感が魅力(出典:北登建設工業(株) ホクトホーム)
ノアール1000の高性能住宅。ゆったりと過ごせる開放感が魅力(出典:北登建設工業(株) ホクトホーム

この住宅は分厚い断熱材を使用し、高い断熱性を誇る家です。北海道の家にロックウールを使用する時には、厚さ115~165mmにすることを推奨されています。こちらの家では外断熱200mm、内断熱105mmの合計305mmのロックウールを壁に使用しています。他にも天井には500mm、基礎にも175mmの断熱材が使われており、非常に熱効率の高い住宅です。

熱効率の高さを活かし、22.7帖もの広いリビングには吹き抜けスペースになっており、そのスペースには階段も設置してあります。断熱性の高い家だからこそ、おしゃれな空間が実現できるというよい実例といえます。

寒さをプラスに変換!外気を取り入れた食品庫のある住まい

三角屋根の大人可愛い平屋の家(出典:(株)SANKEI)
三角屋根の大人可愛い平屋の家(出典:(株)SANKEI

寒い立地を活かした家の実例です。近年、災害に対する心配も増えてきており、自宅に食品や防災グッズを常備できるスペースを設けている家が増加しています。
こちらの家の食品庫は外気を取り入れており、食品の保存に適したスペースを設けています。食品所は断熱材で覆い、扉にサッシを付けて冷気が漏れないよう工夫されています。寒さを逆手に取って、防災性の高い家を実現しています。

ムラなく暖かい床暖房完備の住まい

【2階建/4LDK】憧れの床暖房の家を予算内で実現!洗練の小上がりや吹抜階段が素敵!(出典:北海荘建(株)住宅事業部)
【2階建/4LDK】憧れの床暖房の家を予算内で実現!洗練の小上がりや吹抜階段が素敵!(出典:北海荘建(株)住宅事業部

こちらは全室に床暖房を設置した家です。エアコンやストーブだと足元が冷たいままで、天井付近だけ暖まるというケースもあります。足元が冷たいままだと体が温まらず、部屋の温度が上がっても寒く感じてしまうものです。床暖房なら床から熱が上がるため、部屋全体がムラなく暖かくなって心地よい空間になります。

もし床暖房だけで室内が暖まらないと感じるなら、寒冷地エアコンやストーブを併用するとよいでしょう。部屋がある程度暖まった後、床暖房以外を消すという方法も考えられます。全室に床暖房を設置していれば、どの空間でも快適に冬を過ごせるはずです。

かわいい煙突がポイント!薪ストーブ完備の住まい

平屋に薪ストーブのある住まい(出典:プエルダホーム (株)ホクセイ・ホーム)
平屋に薪ストーブのある住まい(出典:プエルダホーム (株)ホクセイ・ホーム

こちらは薪ストーブを活かした家です。広々としたリビングキッチンに薪ストーブを設置し、家族の集まる場所の快適性を高めています。

薪ストーブは太陽光に近い輻射熱を発生させるため、日光浴のような気分にしてくれます。また、ストーブ上部を利用して調理も可能であり、キッチンの近くに設置すれば家族と楽しく料理を作ったり食事したりすることもできます。

薪ストーブの近くにソファやイスを設置しており、薪の火を見ながらゆったりくつろげる空間となっています。火のゆらめきにはリラックス効果があるとされ、眺めているだけで落ち着いた気分にさせてくれることでしょう。

絵に描いたような美しい大自然の景観が臨める窓

昼夜で顔色を変える、大自然と暮らす平屋(出典:(株)ホーム企画センター)
昼夜で顔色を変える、大自然と暮らす平屋(出典:(株)ホーム企画センター

こちらは大きな窓をうまく配置し、北海道の大自然を借景として楽しめる家です。リビング・ダイニング・キッチンには大きな窓が配置されており、周辺の景色を楽しめるようになっています。窓は熱が逃げやすい部分であり、暖かい家を設計するには複層ガラスや樹脂サッシといった断熱性の高い窓を設置しなければなりません。

また、各部屋の仕切りが少なく一体感のある室内を形成しており、実際の広さよりも大きく見える設計になっています。広々とした部屋から、四季折々の北海道の自然を体験できる家といえるでしょう。

暖かい日差しが降り注ぐ大きな吹き抜けのある住まい

【二世帯】暖かな日差しが心地よい 大きな吹き抜けがある家(出典:イネスホーム(株))
【二世帯】暖かな日差しが心地よい 大きな吹き抜けがある家(出典:イネスホーム(株)

こちらは、リビング部分に吹き抜けからの暖かい日差しが降り注ぐ二世帯住宅です。吹き抜けには窓が2カ所設置してあり、時間が経過しても長い時間太陽光が取り込め、ダイニングスペースにも窓が設置されており、左右上下から太陽の光が入るよう工夫されています。太陽光は貴重な熱源にもなり、暖房器具と併用すれば室温を高める効果もあります。

また、吹き抜けは木目天井となっており、ブラックのシーリングファンがおしゃれな空間を演出している点もポイントです。吹き抜けは太陽光を取り入れるスペースと考えるだけでなく、インテリアの一部として設計されています。

北海道で家を建てるなら利用したい!住宅の補助金・助成金

北海道での家づくりをする際には、断熱性や気密性の高い住宅を建築しなければなりません。しかし、性能が高い住宅の建築費は高額になりがちです。建築費の負担を軽くしたいと考えるなら、以下の補助金や助成金の活用を検討しましょう。

制度名 概要
子育てグリーン住宅支援事業 GX志向型住宅・長期優良住宅・ZEH水準住宅を建築する子育て世帯と若者夫婦世帯を支援する補助事業
補助額:40~160万円(注文住宅新築の場合)
ZEH補助金 ZEH水準の住宅を新築・購入する人を支援する補助事業
補助額:55~90万円
給湯省エネ2025事業 高効率給湯器(ヒートポンプ給湯器・家庭用燃料電池など)を導入する人を支援する補助事業
補助額:6~16万円(購入・工事の場合)

上記の事業は国が実施しています。事業を利用するには細かく設定された条件をクリアしなければなりません。また、条件をクリアしても、併用できない事業がある点に注意してください。

補助事業の利用を検討する際には、必ずハウスメーカー・工務店に相談しましょう。どの事業を利用できるのか、補助額はいくらなのかアドバイスしてくれるはずです。

なお、他にも北海道の自治体が独自に補助や助成しているケースもあります。補助や助成の内容は各自治体で異なるため「道内市町村の住宅関係支援制度」を利用し、どのような制度を設けているのか確認してみましょう。

まとめ

北海道と本州では家のつくりが違い、寒冷地に対応した住宅を建築する必要があります。特に室温に影響する断熱性と、気密性を高くするための対策が不可欠です。家づくりする際にはハウスメーカーがどの断熱材を利用しているのか、気密性を高めるためにどのように施工しているのか確認しなければなりません。

また、高性能でおしゃれな住宅ほど建築費用が高くなりがちなため、補助金や助成金を受けられないか確認しておくことも大切です。北海道で理想の家づくりを実現するためにも、必要な知識を得た上で夢を叶えてくれるハウスメーカーを探していきましょう。

執筆者

渥美 誠

宅地建物取引士、行政書士、不動産コンサルティングマスター

大手不動産仲介会社など計5社に勤める。不動産売買仲介・不動産買取・事業用定期借地権での法人テナント誘致などに携わる。これらの業務に18年間携わり、不動産売買全般、借地、税金、相続などの分野に強い。現在、不動産・金融webライターとして執筆活動中。愛知県出身。

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