このページの一番上へ

平屋の防犯対策は?窓・外構・間取りに分けて具体的な対策を徹底解説

平屋は侵入リスクの高さから防犯対策が必須です
平屋を建てようか検討するなかで、防犯性を心配する方も少なくありません。平屋はワンフロアで完結する暮らしやすさが魅力ですが、2階建てに比べ侵入する動線が確保しやすいため、防犯対策が重要です。防犯対策を十分に考えずに平屋に住み始めると、あとからセキュリティ面で不安を感じることになるでしょう。

本記事では、平屋の防犯面が心配と言われる理由を紹介したうえで、窓・外構・間取りに分けて具体的な防犯対策を解説します。平屋を建てる予定の方はぜひ最後までお読みください。

平屋の防犯面が心配と言われる理由

平屋の防犯面が心配と言われる理由を紹介します
平屋の防犯面が心配と言われる理由を紹介します

平屋の構造は暮らしやすさの観点ではメリットになっても、防犯上では弱点になる部分があります。そのため、空き巣の被害が心配されることも多いです。平屋の防犯面が心配と言われる理由を以下にまとめました。

すべての窓と出入口が地面に近い

平屋の防犯面が心配と言われる理由は、生活空間が1階に集約されており、すべての窓が地面に近い位置にあることです。2階建ての場合は、2階部分にある窓には高さがあるため、侵入しにくいと考えられます。しかし、平屋は2階建てと比較して侵入しやすい窓が多いため、空き巣のリスクが高くなるでしょう。

警視庁の「手口で見る侵入犯罪の脅威(令和6年)」では、一戸建て住宅における侵入窃盗の侵入口の割合を以下のように公表されています。

侵入窃盗の侵入口 出典:警視庁「住まいる防犯110番 」
侵入窃盗の侵入口 出典:警視庁「住まいる防犯110番

窃盗犯が利用した侵入口の半数以上は窓であり、玄関などの表出入口は約2割を占めます。そのため、侵入しやすい窓が多い平屋は、空き巣の標的になりやすいでしょう。平屋の構造はすべての開口部が侵入対象になるため、防犯面が心配されやすい構造です。

塀によって死角が生まれることがある

平屋はプライバシーの確保のために、高い塀や生け垣を設置する場合が多いです。プライバシーの観点では有効ですが、防犯の観点では逆効果になることも。平屋は建物の高さが低いため、外構で視線を遮りすぎると、敷地内の様子が外から見えなくなります。

また、高い塀や密度の高い生け垣は、窃盗犯が身を隠しやすくなります。道路や隣地からの視線が届かないため、侵入者の不審な行動を見逃してしまう可能性があるでしょう。プライバシーを意識して死角が生まれれば、不審者が窓から侵入しやすい環境を作ってしまうかもしれません。

郊外や人通りの少ない立地に建てられやすい

平屋は建物を横に広げる設計になるため、広い敷地面積が必要です。そのため、土地価格が比較的安く、広さを確保しやすい郊外が選ばれる傾向にあります。郊外は住宅が点在している場合や、夜間の人通りが少ない場合も多いため、不審者が目立ちにくい環境です。

人通りが少ない場所は、侵入時の物音や不審者の下見などの些細な異変に気付きにくいでしょう。平屋は、立地条件からも空き巣のリスクが高まりやすい住宅と考えられます。

在宅中の場合は犯人と遭遇しやすい

平屋は生活空間がすべて1階に集約されているため、在宅中に侵入された場合、室内で犯人と遭遇する可能性が高くなります。窃盗犯は日中の不在時を狙う場合と、就寝中の夜間を狙う場合があるため、在宅を前提に犯行をおこなうケースも考えられます。

夜間の就寝中に侵入された場合、1階部分にすべての部屋が集約されている平屋では、2階建てと比較しても犯人に遭遇する可能性が高くなるでしょう。万が一、窃盗の被害に遭った場合に犯人と遭遇するリスクがあるため、平屋に住むことが怖いと感じる意見もあります。

洗濯物を盗まれやすい

洗濯物を平屋の外に干す場合は、2階建てとは異なり、高さのあるベランダに干せないことから洗濯物を盗まれやすくなります。太陽光を利用して洗濯物を乾かす場合、外部から手が届きやすい場所に干すことになるため、盗まれるリスクが高いでしょう。

また、洗濯物が盗まれない場合でも、衣類から家族構成を推測される場合があります。下見に来た不審者に情報を与えることになり、二次的な被害につながる可能性もあるでしょう。

平屋の窓における防犯対策

平屋の窓における防犯対策を紹介します
平屋の窓における防犯対策を紹介します

窃盗犯の侵入経路は窓が過半数を占めるため、侵入しやすい窓が多い平屋はリスクが高くなります。そのため、窓からの侵入を防ぐ防犯対策が必須です。それぞれの内容を以下にまとめました。

窓をできる限り小さく少なくする

平屋では採光や通風を確保するために、窓の数を増やす場合があります。しかし、窓の数を増やせば侵入経路が増えるため、防犯面の不安は高まるでしょう。そのため、窓の数は必要最小限に抑えることが重要です。窓の数を最小限にしたうえで、快適に暮らせる設計が求められるでしょう。

また、掃き出し窓や大きな腰高窓は、人が出入りできるサイズであることから、侵入口として狙われやすい傾向があります。窓の大きさを人の出入りが難しいほど小さくできれば、侵入は難しくなるでしょう。また、天窓や高窓は窓に高さを設けることで、侵入のリスクを防ぎながら、採光を確保する効果を期待できます。

防犯ガラスを採用する

平屋はすべての窓が地面に近いため、ガラスを割って侵入しやすい構造です。通常のガラスよりも割れにくい防犯ガラスを使用すれば、侵入のリスクを軽減できるでしょう。防犯ガラスは、2枚のガラスの間に特殊な中間膜をはさむ構造であり、強い衝撃を受けても簡単には貫通しません。

仮にガラスが割れても大きな音が発生し、侵入に時間がかかるため、空き巣の侵入を抑止する効果を期待できます。特に侵入のリスクが高い建物の裏側や側面の窓には、防犯ガラスを優先的に採用したいところです。侵入されやすい窓に絞って防犯ガラスを取り入れることで、効率的に防犯対策がおこなえるでしょう。

補助錠を設置する

平屋の窓に、備え付けられているクレセント錠に加えて補助錠を設置すれば、窓の施錠箇所が増えるため、侵入にかかる手間と時間を増やせます。すべての窓が侵入口になる可能性がある平屋では、対策する窓の数が多いことから、効率的な防犯対策が求められます。サッシにはさみ込むタイプやビス止めをするタイプは、手軽に入手しやすくあと付けできるため、費用を抑えながら防犯性を高められるでしょう。

面格子を設置する

面格子は窓の外側に取り付ける格子状の設備で、物理的な侵入を防ぐ役割があります。窓ガラスを割っても人が通れない構造であり、外から見ても面格子が設置されていることがわかるため、窃盗犯に対する抑止力になるでしょう。強固な金属製であるため、破壊して侵入を試みることは困難です。ただし、窓枠への固定が十分でない場合は、取り外されて侵入される可能性があります。

防犯シャッターを活用する

防犯シャッターは、窓の外側を物理的に覆う設備です。シャッターが障害になるため、侵入が困難になります。防犯シャッターを採用すれば、窓から室内の様子がわからないため、窃盗犯が住人の不在を確認できません。旅行などで長期間留守にする場合、防犯シャッターは有効な対策になるでしょう。また、シャッターには台風や強風などの災害時に、飛来物によるガラス破損を防げるメリットもあります。

防犯フィルムを張り付ける

防犯フィルムは、既存の窓ガラスの内側に張ることで、ガラスが割れても飛散や貫通を防ぐ効果を期待できます。防犯フィルムを張ることで、ガラスに衝撃が加わっても破片が一体化しやすくなり、穴をあけて侵入するまでに時間がかかるでしょう。防犯フィルムは窓ガラスを交換する必要がないため、ガラス破りによる侵入リスクが高い平屋では、手軽に取り入れやすく効果的な防犯対策です。

平屋の外構における防犯対策

平屋の外構における防犯対策を紹介します
平屋の外構における防犯対策を紹介します

平屋は身を隠せる塀や生け垣を中心に、外構において防犯対策をおこなうことも重要です。それぞれ詳しく見ていきましょう。

外構は視線が通る設計を重視する

平屋は建物の高さが低いため、外構で視線を遮ると、敷地内に死角が生まれやすくなります。防犯性を考えるなら、外構は高くても視線が通る設計を重視しましょう。例えば、囲いに塀ではなく柵を選べば、高くしても隙間から外の様子を確認できます。また、生け垣を密集させて、人が隠れられる部分を作らないように意識しましょう。

窃盗犯が侵入を試みる時、近隣の住民が家の前を通った場合に身を隠せる場所が必要となります。外から犯行を見られる可能性がある環境は、窃盗犯も侵入しにくくなるでしょう。

防犯砂利を敷く

防犯砂利は、人が踏むと大きな音が出るように加工された砂利であり、侵入時に足音が目立ちやすくなります。平屋はすべての生活空間が1階にあるため、敷地内で音が発生すれば室内に伝わりやすく、侵入に気付きやすいです。侵入者は物音を嫌う傾向があるため、音による抑止力は防犯対策として有効でしょう。

センサーライトを設置する

センサーライトは、人の動きを感知すると自動で点灯する照明で、不審者の存在を目立たせる役割があります。突然明るく照らされることで、不審者は周囲から見られていると感じやすくなり、侵入をあきらめる可能性が高まります。

また、帰宅時やゴミ出しの際にも足元を照らしてくれるため、防犯性を高めるだけでなく、夜間の敷地内を移動する際の利便性の向上にもつながるでしょう。

平屋の間取りにおける防犯対策

平屋の間取りにおける防犯対策を紹介します
平屋の間取りにおける防犯対策を紹介します

平屋は間取りの設計段階で意識すると、有効な防犯対策が存在します。それぞれの内容を以下にまとめました。

玄関を道路や人目に付きやすい位置に配置する

平屋の間取りに関する防犯対策として重要なことが、玄関を道路や人目に付きやすい位置へ配置することです。玄関が建物の奥や死角になる位置にあると、不審者が周囲の視線を気にせず近付きやすくなります。平屋の侵入口は窓が過半数を占めますが、表出入口から侵入されたケースも2割以上存在するため、玄関にも気を配るようにしましょう。

平屋の玄関が人目に付きやすい場所にあれば、窃盗犯は窓からの侵入を試みる可能性が高いため、窓に関する防犯対策が有効に機能します。ここまで紹介した防犯対策を有効に機能させる意味でも、玄関を道路や人目に付きやすい位置に配置する間取りは重要です。

家を囲む形の中庭を取り入れる

平屋の防犯対策に有効な間取りは、家を囲む形の中庭を取り入れるコの字型やロの字型が挙げられます。中庭を中心に各部屋を配置する間取りは、外部に面する窓の数を抑える効果を期待できます。侵入経路になりやすい窓の数が少なくなるため、防犯対策に有効な構造です。

平屋は防犯対策を意識すると、採光や通風の確保が困難になる場合がありますが、中庭に向けて大きな窓を設ければ、快適性と両立しながら防犯性も高められるでしょう。また、中庭ではプライバシーを確保しながら、洗濯物を外に干すことができます。家を囲む形の中庭は、防犯性を含めて総合的にメリットが大きい間取りです。

平屋の防犯性をさらに高める方法

平屋の防犯性をさらに高める工夫を解説します
平屋の防犯性をさらに高める工夫を解説します

平屋の防犯性をさらに高める方法を以下にまとめました。それぞれ詳しく解説します。

防犯カメラ・警報システムを導入する

平屋は侵入リスクが高い構造のため、万が一侵入された場合でも早期発見を意識した対策が重要です。防犯カメラや警報システムは、被害を最小限に抑える方法として有効になります。防犯カメラは、侵入経路となる窓や玄関に設置すれば、不審者の行動を記録できるでしょう。カメラの存在が侵入をためらわせる効果を期待できます。

警報システムは、異常を感知した場合に音や通知で知らせる仕組みです。侵入時に大きな音が鳴ることで、犯行を中断させる効果を期待できるでしょう。近年ではスマートフォンと連動し、外出先でも異常を確認できるため、早期発見につながります。

防犯カメラ・警報システムは有効なセキュリティ対策ですが、無効化された場合を考えて、他の防犯対策を怠らないようにしましょう。あわせて導入すれば、平屋でもセキュリティの高い家が実現します。

近隣の人々と交流する

平屋の防犯性は、近隣の人々との日頃からの交流で高めることができます。防犯対策は設備や建物の工夫に目が向きますが、人の目があることも抑止力になります。住民同士がお互いを把握している環境では、不審な人物や見慣れない行動に気付きやすくなり、異常を感じた場合は共有できるでしょう。

郊外や人通りの少ない立地に建てられやすい平屋では、近隣の目が防犯面で大きな支えになります。近隣の人々とあいさつや会話をする習慣は、費用をかけずに実践できる防犯対策です。

定期的に防犯対策を見直す

平屋の防犯性を維持するためには、定期的に防犯対策を見直すことも欠かせません。センサーライトや防犯カメラも、時間の経過とともに故障や感度低下が起こる可能性があります。そのため、防犯設備を正常に機能させるためには、定期的な点検が必要です。

また、生活リズムが変われば在宅時間が変化し、不在となる侵入リスクが高い時間帯も変わります。防犯対策は、一度おこなえば終わりではなく、暮らし方や周辺環境の変化に合わせて調整するようにしましょう。

平屋の防犯対策に関するよくある質問

平屋の防犯対策に関するよくある質問をまとめました。

平屋で侵入経路となるリスクの高い場所は?

平屋では窓が侵入リスクの高い場所です。特に、人の出入りがしやすい大きな窓や、建物の裏側にある窓が狙われやすい傾向にあるでしょう。玄関や勝手口などの出入口も侵入経路になる場合があるため、あわせて防犯対策が必要です。

平屋は設計の段階で防犯対策を意識したほうがいい?

平屋は、設計段階から防犯対策を意識したほうが安心して生活できます。窓の数や配置、玄関の位置を工夫すれば、侵入リスクを下げられるでしょう。また、コの字型やロの字型の間取りで中庭を取り入れることも効果的です。あとから対策するよりも、効率よく防犯性を高められます。

平屋で防犯カメラを設置するならどこがいい?

平屋で防犯カメラを設置するなら、窓や玄関など侵入経路となる場所の近くが優先的な設置場所になります。建物の裏側や死角になりやすい場所にも設置すると、効果が高まります。侵入経路を意識して、さまざまな方向を確認できる配置が望ましいでしょう。

まとめ

平屋はワンフロアで生活が完結する暮らしやすい住まいですが、すべての窓や出入口が地面に近いことから、防犯対策が欠かせません。特に侵入経路となる窓は、重点的に対策するようにしましょう。

また、平屋の防犯対策は一つだけではなく、複数の対策を組み合わせることが大切です。対策を通じて防犯意識を持つことで、万が一被害に遭った場合も早期に発見し、被害を最小限に抑えることにつながります。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
関連する記事を見る
不動産お役立ち記事・ツールTOPへ戻る