外壁塗装は何年ごとに行うべき?平均年数や長持ちさせるポイントを解説

本記事では、外壁塗装をおこなうべき年数や長く保つコツ、放置した場合のリスクや費用を抑える方法を詳しく解説します。ぜひ、参考にしてきれいな外観を維持できるようにしましょう。
記事の目次
外壁塗装は何年ごとにおこなうべき?

外壁塗装は何年ごとにおこなうべきなのでしょうか。ここでは、基本の目安や塗料・建物ごとでの耐用年数を解説します。
新築住宅は約8〜12年が目安
新築住宅の場合、8~12年経過してから外壁塗装をおこなうのが一般的です。ただし使用した塗料によって耐用年数は変わるため、建物の仕様書などで確認しておきましょう。
その後は外壁塗料の耐用年数による
新築住宅を購入してからはじめて外壁塗装をおこなったあとの耐用年数は、塗料の種類により異なります。塗料ごとの耐用年数や特徴を見ていきましょう。
シリコン塗料
シリコン塗料の耐用年数は7~15年が目安です。耐久性と価格のバランスがよく、コストパフォーマンスに優れています。
はじめての外壁塗装におすすめできる塗料ですが、塗膜が硬くなりやすく外壁材との相性によってはひび割れが起きやすくなります。
ウレタン塗料
ウレタン塗料の耐用年数は7~10年程度です。伸縮性に優れているためひび割れに強く、仕上がりに光沢感があるのが特徴です。
ウレタン塗料は安価でコストを重視する場合に適していますが、シリコン塗料よりも耐久性は低くなります。
アクリル塗料
アクリル塗料の耐用年数は3~8年が目安のため、定期的に塗り替えなければなりません。アクリル塗料は発色がよく安価です。そのため住宅の外壁に採用されているケースが多くみられます。
フッ素塗料
フッ素塗料の目安の耐用年数は15~20年です。高価ですが防寒性や耐熱性、耐久性に優れています。メンテナンスの手間を省けるため長期的に見るとコストパフォーマンスがよい塗料です。
無機塗料
無機塗料も15~20年の耐用年数が目安で、紫外線での劣化がおこりにくく汚れにくい無機物が主成分の塗料です。塗膜が硬めでひび割れをおこしやすく高価なのがデメリットですが、メンテナンスの手間を省きたい場合におすすめします。
建物ごとの違い
外壁塗装の頻度は塗料の種類だけでなく、建物によっても差があります。ここからは、建物の種類別に外壁塗装の耐用年数を見ていきましょう。
一戸建て
一戸建ての場合、耐用年数は8~12年が目安です。ただし外観やコスト、メンテナンス性など重視すべき内容で塗料が変わり、耐用年数も変化します。
マンション
マンションの外壁塗装の耐用年数は、一般的に10~15年です。ただし、10年経過していなくても、外壁の剥がれやひび割れなどの劣化があれば早めに対応したほうがよいでしょう。
アパート
アパートも外壁塗装の耐用年数は10~15年が目安です。マンションと同様に、外壁に劣化を発見した場合は塗装を検討しましょう。
ビル
ビルの外壁塗装も耐用年数は10~15年が目安です。ただし、都市部の場合は排ガスの影響も大きくなるため、劣化が早まる可能性もあります。定期的に点検をおこない、劣化があれば早めに補修などで対処しましょう。
再塗装は劣化の症状をよく見て判断する
再塗装する場合は塗料の耐用年数だけでなく、実際の劣化状況を見て判断しましょう。特に塗膜の剥がれやひび割れは建物内部の劣化につながります。そのため、すぐに補修や外壁塗装を検討したほうがよいでしょう。
外壁塗装を検討すべき劣化のサイン

目安の耐用年数に達する前でも、外壁の劣化が見られる場合は塗装を検討しなければなりません。ここでは、外壁塗装を検討すべき劣化のサインを紹介します。
チョーキング
チョーキングとは、紫外線や風雨によって塗膜成分が分解されて劣化し、白く粉を吹く現象です。防水性や防汚性が低下し、放置すれば下地材まで劣化する恐れがあります。そのため、チョーキングが発生した段階での外壁塗装を推奨します。
色あせ・変色
色あせや変色も、紫外線や風雨によって塗料が劣化することで発生します。すぐに対応する必要はありませんが、外壁塗装を検討しはじめたほうがよいでしょう。
ひび割れ(クラック)
ひび割れは塗膜の硬化によって発生し、小さなものから大きなものまでさまざまです。小さなひび割れでも雨水が侵入すると内部の劣化が進んでしまうため、見つけたらすぐにメンテナンスすべきです。
シーリングの劣化
外壁の目地を埋めるシーリング全体に切れや割れが発生している場合は、外壁塗装の劣化も進行している可能性が高くなります。シーリングの不具合が一部だけなら、補修で済ませられるかもしれません。
カビ・苔・藻
カビや苔、藻の発生も、外壁塗装が劣化しているサインの1つです。外壁塗装が劣化すると水分を吸収しやすくなり、カビや苔、藻が発生しやすくなります。高圧洗浄機での清掃で一時的に取り除けますが、塗り直しを検討したほうがよいでしょう。
外壁塗装をしないとどうなる?放置した場合のリスク

外壁塗装は住宅を長持ちさせるうえで定期的に塗り替えなければなりません。放置した場合はどうなるのか、リスクを解説します。
建物の外観が悪化する
外壁塗装をせず放置した場合、色あせやひび割れ、カビなどによって建物全体の美観が損なわれます。状況によっては資産価値の低下につながり、特にマンションやアパートでは入居率が低下する原因にもなりえます。
雨漏りが発生する
塗膜の劣化やひび割れを放置すると、雨水が侵入して雨漏りが発生しやすくなります。雨漏りは不快感だけでなく建物内部の木材や断熱材を腐食させるうえ、カビが発生すると室内環境の悪化にもつながります。
建物の寿命が短くなる
外壁塗装の劣化を放置すると、湿気の吸収による内部の腐食やシロアリ被害などが発生します。これらの2次被害は構造にダメージを与えて建物の寿命を縮めるため、最悪の場合、建て替えなければなりません。
修繕費用が高額になる
外壁塗装を放置すると下地や内部まで劣化し、結果的に高額な修繕費用がかかる可能性があります。劣化が塗膜だけなら塗装すれば対処できますが、下地まで進んでいる場合は外壁材を張り替えなければなりません。
外壁塗装の耐用年数を長く保つコツ

外壁塗装を長持ちさせるためには、適切に対策しなければなりません。耐用年数を長く保つためのコツを紹介します。
定期的にメンテナンスをする
外壁塗装を長持ちさせるためには、日頃のメンテナンスが欠かせません。例えば、ホースでの水洗いや小さなひび割れの補修などが挙げられます。定期的な清掃や早めの補修を心がければ、塗装全体の寿命を延ばせるでしょう。
高耐久塗料を使用する
高耐久塗料を使用することでメンテナンスの手間が省け、外壁塗装の耐用年数を長く保てます。初期費用は高くなるものの、フッ素塗料や無機塗料は紫外線に強く、耐久性の高さが特徴です。そのため、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れています。
シーリングを補修する
外壁の目地を埋めるシーリングは、雨水や湿気を侵入させない役割があります。ひび割れや硬化、剥がれが見られたら早めに補修することで全体の劣化を防げ、結果的に外壁塗装の寿命を長く保てるでしょう。
周辺環境を整える
外壁のそばに植え込みや物があると、湿気がこもりカビや苔が発生しやすくなります。植え込みはこまめに刈り込み、物は定期的に整理して風通しのよい環境を作りましょう。
外装塗装をメンテナンスするポイント

外壁は塗装さえすればよいわけではありません。定期的にメンテナンスすることで建物の寿命を延ばし、美観を保ちます。
ここからは、外壁塗装をメンテナンスするポイントを見ていきましょう。
専門家に点検を依頼する
定期的に専門家に点検してもらうことで、劣化部分を早期に発見できます。劣化が広がる前に補修などで対処できるため、大規模な修理に発展する可能性が減ります。
清掃・洗浄をする
定期的な清掃・洗浄は外壁塗装の耐用年数を保ちます。汚れがひどくなければ、ホースを使った水洗いだけでも外壁をきれいに保てます。ほうきを使ってごみやほこりを落とすのも効果的です。
汚れがひどい場合は、清掃・洗浄の専門会社を依頼しましょう。なお、知識がないまま高圧洗浄機を使うと外壁を傷める可能性があるため、注意してください。
小さな補修をする
小さな損傷でも放置すれば建物内部への浸水などにつながり、大きな問題に発展することも。塗膜のひび割れやシーリングの劣化を見つけたら、小さくてもすぐに補修するようにしましょう。
外装塗装をできるだけ安く済ませる方法

外壁塗装は住宅を長持ちさせ美観を保つために必要なものの、費用が高くなりがちです。価格だけで選ぶと塗り替え頻度が増え、コストパフォーマンスが悪くなることもあるでしょう。
そこで、ここでは外壁塗装をできるだけ安く済ませる方法を解説します。
相見積もりをとる
外壁塗装をおこなう際は、最低でも3社以上の会社に相見積もりをとるようにしましょう。1社だけだと費用相場を把握できず、適正価格で工事できないこともあります。
また、会社ごとに塗料や施工方法が異なるため、同じ工事内容でも差がでることもあります。
外壁塗装とリフォームを同時におこなう
外壁塗装と他のリフォームを同時におこなえば、足場設置を一度で済ませられ費用を抑えられます。例えば屋根塗装や雨樋(あまどい)補修を検討している場合は、同時におこなうべきです。
他のリフォームでも費用を安く済ませられる可能性があるため、見積もりをとる際に施工会社へ相談してみましょう。
塗料のグレードを見直す
フッ素塗料や無機塗料などハイグレードなものは、耐久性が高いものの高額です。できる限り費用を抑えたい場合は、比較的安価なシリコン塗料やウレタン塗料への変更を検討しましょう。
ただし、将来のメンテナンス性や長期的なコストパフォーマンスを考慮して選びましょう。
火災保険を活用する
自然災害による外壁の損傷がある場合は、火災保険を適用することで一部または全額保障される可能性があります。見積もりをとる際に外壁塗装会社へ相談してみましょう。
経年劣化での損傷には適用できないため注意してください。
補助金・助成金を活用する
自治体が提供している補助金・助成金制度を活用できれば、外壁塗装の費用を抑えられます。自治体によって異なりますが、断熱性・遮熱性など住宅性能を高めるリフォームを条件としているケースが多く見られます。
「外壁塗装 ◯◯市 補助金」などとインターネットで検索をして、条件や補助内容、申請方法を確認してみましょう。
割引・キャンペーンを利用する
梅雨明けや冬季は外壁塗装の閑散期のため、割引・キャンペーンを実施していることがあります。活用すれば費用を抑えられるため、あえて閑散期を狙うのも選択肢の1つです。
閑散期はスケジュールに余裕があるため丁寧な施工に期待でき、値引き交渉がしやすくなるのもポイントです。
外装塗装に関するまとめ
それでは、外壁塗装をおこなうべき頻度をまとめていきます。
外壁塗装は何年ごとにおこなうべき?
新築住宅の多くは、8~12年で外壁塗装をおこないます。そのあとは塗料によりますが、短いものは3~8年、長いものは15~20年程度を目安にしましょう。マンションやアパート、ビルは10~15年ごとを目安に外壁塗装をおこなうのが一般的です。
外壁塗装を検討すべき劣化のサインは?
外壁塗装のチョーキングや色あせ・変色、ひび割れなどは劣化のサインです。シーリングの硬化・切れやカビ・苔・藻の発生も外壁塗装が劣化しているサインです。早めのメンテナンスを心がけましょう。
外壁塗装の耐用年数を長く保つコツは?
定期的なメンテナンスや高耐久塗料の選択が、外壁塗装の耐用年数を長く保つコツです。さらにシーリングの補修や外壁への風通しをよくすることも心がければ、外壁塗装の寿命を延ばせるでしょう。
外壁は塗り替えさえしていれば他のメンテナンスは不要と考えてしまいがちですが、小さな劣化でも放置すると内部までダメージを与えることもあります。ぜひ、この記事を参考にして、外壁塗装を美しい状態に保てるようにしましょう。
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