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注文住宅の間取りの決め方│3つの手順と後悔しないためのチェックポイント

注文住宅の間取りの決め方│3つの手順と後悔しないためのチェックポイント
注文住宅の多くは自由設計のため、家族のライフスタイルや希望に合わせて設計できるのが魅力です。しかし、自由であるがゆえに、建築プランが決まっている分譲住宅に比べて難易度が高く、よく検討したうえで間取りを決める必要があります。

この記事では、注文住宅の間取りを決める重要性や、間取りを決める流れを解説します。理想のマイホームを実現するためにも、後悔しないためのチェックポイントも参考にし、よく検討したうえで間取りを決めましょう。

記事の目次

注文住宅で間取りを決めるのが重要な理由

注文住宅で間取りを決めるのが重要な理由
注文住宅で間取りを決めるのが重要な理由

注文住宅の間取りは、家づくりで大切な要素です。分譲住宅はすでに間取りが決まっているためそのまま購入できます。一方、注文住宅は一から建築プランを考える必要があり、よく検討せずに間取りを決めると後悔することになりかねません。

例えば、生活動線がよい間取りにすることで、洗濯や掃除、料理などの家事の効率が向上します。また、コミュニケーションを取りやすいレイアウトにすれば、家庭内での会話が増えて、良好な家族関係を築きやすくなります。さらに、収納スペースを確保することで片付けしやすい家になり、家族みんなが快適に暮らせるでしょう。

次の章から、注文住宅の間取りをどのように決めていくかについて解説いたします。注文住宅の資金計画を立てるためにも、まずは間取りを決めましょう。

注文住宅の間取りを決める流れ

注文住宅の間取りは、何からどのように決めていけばよいのでしょうか。この章では、間取りを決める一般的な流れを紹介します。

間取りの実例を参考に希望のイメージを作る

間取りの実例を参考に希望のイメージを作る
間取りの実例を参考に希望のイメージを作る

注文住宅の実例を参考にして、希望の間取りを作ります。最初から間取りを書こうとするのではなく、大枠を決めてからレイアウトを考えていくとよいでしょう。

間取りの大枠(玄関の方角・水回り・階段)を決める

道路から玄関までのアプローチを考え、玄関の方角を決めます。次に動線を考えながら水回りの配置し、そこから階段の位置を決めていきます。

家族構成に応じて部屋を分ける

水回りや階段以外の空間に、リビングや寝室をレイアウトします。家族構成に応じて部屋の数を決めて、配置を考えましょう。

生活導線を意識した暮らしやすい間取りを考える

おおまかに間取りができたら、生活動線に無理がないか確認し、暮らしやすい間取りになっているかチェックします。

収納スペース・ドアの場所を確保する

収納スペースを確保し、ドアの位置や開く方向も考えます。ドアの開く方向にドアがあると、動線に無理が生じます。必要に応じて引き戸を取り入れて、建具の種類や位置を工夫しましょう。

間取りのプランを設計・提案してもらう

間取りのプランを設計・提案してもらう
間取りのプランを設計・提案してもらう

希望を盛り込んだ間取りができたら、ハウスメーカーや工務店に相談します。

希望の間取りに沿って設計してもらう

希望を盛り込んだ間取りでそのまま建てられるわけではありません。ハウスメーカーや工務店に依頼し、実際に建築できる間取りになるように設計してもらいます。

概算見積もりを提案してもらう

間取りが決まれば概算の見積もりを作成してもらい、予算に合うかどうか確認します。

間取りプランをブラッシュアップする

間取りプランをブラッシュアップする
間取りプランをブラッシュアップする

間取りと見積書ができあがったら、改めて問題点がないか確認します。必要に応じて変更や修正を加えてブラッシュアップし、間取りを完成させます。

注文住宅の間取りの決め方で成功するパターン

理想の注文住宅を手に入れるには、どのように間取りを決めたらよいのでしょうか。間取りの決め方で成功するパターンを4つ紹介します。

家族とのコミュニケーションが生まれる対面式キッチンを採用する

家族とのコミュニケーションが生まれる対面式キッチンを採用する
家族とのコミュニケーションが生まれる対面式キッチンを採用する

家族とコミュニケーションが自然に生まれるように、間取りを工夫しましょう。例えば、対面キッチンにすることで、調理中も家族と会話しやすくなります。また、小さなお子様がいる場合でも、リビングやダイニングで子どもが遊んでいる様子を見ながら家事ができるので安心です。

玄関周りに収納スペースを設けて利便性を高める

玄関周りに収納スペースを設けて利便性を高める
玄関周りに収納スペースを設けて利便性を高める

玄関周りに収納スペースを設けることで、収納力がアップするだけでなく利便性も向上します。例えば、重さがあるゴルフバックやアウトドアグッズは、帰宅後すぐに玄関近くに収納できると便利です。シューズインクローゼットや土間など、収納したいものに合せて収納スペースを計画しましょう。

バリアフリー設計などライフステージの変化に対応する

バリアフリー設計などライフステージの変化に対応する
バリアフリー設計などライフステージの変化に対応する

注文住宅は、10年後20年後のライフステージをイメージして間取りを考えましょう。子どもの独立や家族の介護など、変化に対応できる間取りにしておくことで、将来大きな改装をすることなく住み続けられます。

例えば階段の利用が難しくなった時に備えて、フレキシブルな間取りにしておくとよいでしょう。具体的には、1階のリビングの一部や和室を寝室にできるように、可動式の間仕切りを採用しておくと便利です。

ビルトインガレージやバルコニーなど土地を活かした設計にする

ビルトインガレージやバルコニーなど土地を活かした設計にする
ビルトインガレージやバルコニーなど土地を活かした設計にする

土地の形状や道路との高低差など、条件によってはデメリットと思える特徴も、上手に活かすことで魅力に変えられます。自由設計だからこそできるビルトインガレージや、見晴らしのよい大きなバルコニーを採用し、オリジナリティーあふれる家づくりを楽しみましょう。

注文住宅の間取りの決め方で失敗するパターン

注文住宅の間取りの決め方で後悔するとしたら、どのようなケースが考えられるのでしょうか。失敗するパターンを4つ紹介します。

音や匂いが気になる

音や匂いが気になる
音や匂いが気になる

間取りを決めた段階では気付かなかったものの、想像以上に音や匂いが気になってしまい、後悔することがあります。昼間と夜間、平日と休日などあらゆる場面を想定して設計しましょう。具体的には、以下のようなケースが考えられます。

  • 通行量が多い道路側に寝室を設けたことで、騒音が気になり眠れない
  • 吹き抜けのあるリビングにしたことで、調理の匂いが2階まで広がってしまう
  • 2階のリビングから階下の寝室に足音が響いてしまい、寝かしつけた子どもが起きてしまう

コンセントの使い勝手が悪い

コンセントの使い勝手が悪い
コンセントの使い勝手が悪い

家具や家電のレイアウトを想定しないでコンセントの位置や数を決めると、使い勝手が悪く、延長コードを多用することになります。あとからコンセントを増設することは可能ですが、新築時に設置するよりも割高になります。よく考えたうえでコンセントの位置や数を決めましょう。

寒暖・採光・風通しの問題があり不快に感じる

寒暖・採光・風通しの問題があり不快に感じる
寒暖・採光・風通しの問題があり不快に感じる

十分な採光や通風が得られない間取りにすると、湿気やカビに悩むことになりかねません。日当たりがよい場所にリビングをレイアウトし、風が通るように窓を配置しましょう。例えば2方向に窓を設けることで、効果的に風通しできます。

無駄な移動が多くなる

無駄な移動が多くなる
無駄な移動が多くなる

間取りを決めるうえで、動線の良し悪しは重要なポイントです。家事をするたびに家中を歩き回ることになれば、それだけで疲れ果ててしまいます。例えば回遊動線を取り入れて、無駄な動線を作らないようにしましょう。

注文住宅の間取りの決め方で後悔しないためのチェックポイント

注文住宅の間取りを決める際に、後悔しないためにチェックすべき10個のポイントを紹介します。

生活動線

実際の生活をイメージしながら間取り図上で動線をたどり、生活動線に無理がないかチェックしましょう。帰宅後に購入した食料品を冷蔵庫に収納し、調理を始めるまでの流れや、起床後に洗面し、身支度する動線です。

家具・家電の配置

家具・家電の配置
家具・家電の配置

家具や家電の配置を間取り図に記入して、問題なく置けるか確認してください。大きな家具を置く場合は、窓の位置や大きさも考慮する必要があります。

コンセントの数・位置

コンセントの数や位置も重要です。具体的に家電や照明を置く場所を考えて、少し余分になるように設置しましょう。玄関や廊下には人感センサーで点灯する照明もおすすめです。

生活音

外部からの騒音だけでなく、家の中の生活音にも配慮が必要です。特に家族で就寝時間が異なる場合は、リビングの足音や水回りの排水音が気になることがあります。特に2階にリビングや水回りを設ける場合は、階下に音が伝わらないようにレイアウトを工夫しましょう。

採光

方角だけでなく、隣接する建物の位置も考慮して、リビングや窓の位置を決めましょう。十分な採光を取り込むのが難しい場合は、天窓や吹き抜けなどを採用して、なるべく明るい家になるように計画します。

寒暖

寒暖
寒暖

間取りを決める際は、夏の暑さや冬の寒さを想定しておく必要があります。日当たりがよい部屋は、夏に室温が暑くなり過ぎることがあります。直射日光が避けられる位置に、ソファセットが置けるようにしましょう。冬は太陽が低くなるため、夏場と日当たりが変わります。冬の日当たりも考えて、窓の位置や高さを決めましょう。

風通し

風通しが悪い家は、湿気や匂いが気になることがあります。例えば、2方向から風を取り入れられるように、2面以上に窓を配置して、風通しがよくなるように工夫をしましょう。

安全性・利便性

住みやすく、安心して暮らせる間取りにしましょう。階段や浴室内には手すりを設置し、高齢になっても転倒しにくい仕様にしておくと安心です。また介護が必要になった場合に備えて、車椅子が通れる幅の廊下にしておくべきか家族で話し合っておきましょう。

景観

窓から見える景観も含めて、間取りを決めましょう。窓の位置によっては隣家しか見えず、視線が気になってカーテンを開けられない状況も考えられます。眺望がよい場所であれば、2階にリビングや広いバルコニーなどを検討してみましょう。

防犯

防犯
防犯

家を建てる際は、防犯対策も重要です。例えば、2階リビングにすると1階の物音に気付きづらくなります。防犯ガラスやシャッターの採用や、庭先に人感センサー付きの照明を設置するなどして、不審者に狙われにくい仕様にしましょう。

まとめ

最後に、注文住宅の間取りを決めるうえで重要なポイントを簡単におさらいします。

注文住宅の間取りを決める流れは?

実例を参考にしておおまかな間取りを作り、その間取りもとにハウスメーカーや工務店に設計を依頼します。概算の見積書を提案してもらったら、希望や予算に合うように修正を加え、間取りの完成形を作成します。

注文住宅の間取りの決め方で成功するパターンは?

家族のコミュニケーションや使い勝手のよさを重視し、ライフステージの変化も考慮して間取りを決めることで、満足のいく家づくりができます。

注文住宅の間取りの決め方で後悔しないためのチェックポイントは?

生活動線や家具の配置、コンセントの位置や数など、実際の暮らしをイメージして間取りを決められると、建ててから後悔しないで済みます。採光や景観、防犯対策も忘れないようにしてください。

注文住宅は基本的に自由設計のため、家族の希望を反映した間取りにできるのが魅力です。しかし、実際の暮らしや将来のライフスタイルを考慮せずに間取りを決めてしまうと、建ててから後悔することになりかねません。
家族が安心して快適に暮らせるマイホームを手に入れるためにも、暮らしやすさも含めて相談できるハウスメーカーや工務店に依頼しましょう。

桜木 理恵

執筆者

桜木 理恵

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として 約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。現在 は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事 を多数執筆。保有資格は「宅地建物取引士」「2級ファイナンシャル・プランニング技能士」「管理業務主 任者」

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