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完成見学会とは?参加するメリットや見学時に確認すべきポイントと注意点を解説

完成見学会に参加するメリットや見学の際にチェックすべきポイントを解説
注文住宅を建てたいと考えている方のなかには、完成見学会に参加すべきか否か悩む方も多いのではないでしょうか。完成見学会は、住宅展示場やモデルハウスの見学と同様ですが、より現実的な住宅をイメージするのに役立ちます。
参加するメリットや注意点を把握したうえで完成見学会へ行くと、理想のマイホームを実現するための第一歩となるでしょう。

本記事では、完成見学会に参加するメリットや参加方法、見学時の注意点などを解説します。完成見学会の参加に不安がある方や、注文住宅建築を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

完成見学会とは?

完成見学会とは?
完成見学会とは?

「完成見学会」とは、ハウスメーカーや工務店などの施工会社が施工した引き渡し前の新築住宅を見学できるイベントです。
施主が一般の方への公開を了承した場合におこなわれ、家具・家電の搬入前の状態を見学することができます。施工会社が実際に施工した家を見学できるため、気になるハウスメーカーや工務店での家づくりを具体的にイメージしやすくなります。
施工会社としては、豪華なオプションで装飾するモデルハウスを建築するよりも、大幅に費用を抑えて宣伝することが可能です。完成見学会は、一般的に施主への引き渡し前の土日を使った2日間で開催されます。

モデルハウスや住宅展示場との違い

モデルハウスや住宅展示場との主な違いは、「実施目的」と「実現性」の2つです。モデルハウスは、ハウスメーカー等が自社の建築技術やデザインをPRするために建築した展示用の住宅のことを指します。
一方、住宅展示場とは、複数のハウスメーカーや工務店のモデルハウスを複数展示している場所のことです。

いずれも建築された住宅を見学する点は同じですが、モデルハウスは豪華な仕様で仕上げられているケースがほとんどです。理想的ではあるものの、モデルハウスの多くはオプション仕様の参考になるように作られていることが多いため、予算内では難しい傾向にあります。しかし、完成見学会で見学する家は実際にオーダーされた方の住宅なため、モデルハウスに比べてより現実的な住空間を体感できます。

構造見学会との違い

構造見学会とは、建築途中の段階で住宅内部の構造部分を見学するイベントです。完成後には見えなくなる基礎部分や壁の内側などを確認できるため、耐震性など住宅性能の不安を解消するのに役立ちます。完成見学会は住宅が完成した後に見学するもので、構造見学会は住宅完成前の状態を見学するのが大きな違いといえるでしょう。

完成見学会に参加するメリット

完成見学会に参加するメリットとは?
完成見学会に参加するメリットとは?

完成見学会に参加するにはいくつかのメリットがあります。それぞれ、詳しく解説していきます。

施工のクオリティを直接確認することができる

気になるハウスメーカーや工務店の完成見学会に参加することで、施工のクオリティを直接確認することが可能です。カタログやホームページだけで複数の施工事例を見たとしても、実際に体感していないため性能や仕上がりのよし悪しがわかりません。施主の希望に沿ってどのような住宅を建築したのかが体感でき、完成前後のイメージのギャップを狭めやすくなるでしょう。

間取りの広さを確認することができる

実際に見学することで、リアルな住まいの間取りの広さを確認することが可能です。カタログ等で「リビング○帖」「主寝室○帖」と記載していても、具体的にどのくらいの広さなのか、家具の配置をどのようにすればよいのかなどは、体感しなければイメージできません。
実際に、完成後に「思ったよりも狭く生活しづらい」と後悔するケースもあります。またモデルハウスは一般的な住宅よりも広く建築されているため、間取りを決める際に参考にできない可能性もあります。引き渡し後に住む人がいる完成見学会の住宅であれば、現実的な広さを把握でき、家づくりの参考になるでしょう。

住み心地をイメージすることができる

完成見学会は、モデルハウスとは異なり実際に暮らす家を見学するため、リアルな住み心地をイメージできます。住宅性能や設備、間取りなどを確認し、自分の家族が住む場合に置き換えてどのような使い方ができるのか、どの点を工夫するとよいかの判断がしやすくなるでしょう。

最新の住宅トレンドを知ることができる

完成見学会の場所となる家は完成したばかりの新築住宅です。そのため、最新のトレンドを取り入れた住宅を見学できるケースも多く、住宅性能や設備のデザイン・機能などを体感し、自身の家づくりに採用することも可能です。最新の住宅トレンドを知ることができれば、希望する性能に合わせて仕様を選択できるでしょう。

担当者に直接相談できる

完成見学会では、施工会社の担当者の案内のもと見学するのが一般的です。そのため、家づくりにおける不安な点や、見学していてわからない点などについて直接相談し、その場で疑問を解消できます。カタログやホームページ等には記載されていない詳細なことまで確認できるため、安心して家づくりを進められるようになるでしょう。

コスト感を知ることができる

完成見学会に行くことで、実際に建てた住宅のコスト感を把握できます。建築費やオプション設備の費用なども現地で確認できるため、標準仕様との差額がわかり、自分が注文住宅を建てる際の具体的な予算を立てやすくなるでしょう。

完成見学会に参加する方法と持ち物やマナー

完成見学会に参加する際に持っていくものは?
完成見学会に参加する際に持っていくものは?

完成見学会は、ハウスメーカーや工務店が事前に告知してから開催されます。なお、完成見学会で見学する家は引き渡し後に施主が実際に住むため、告知では住所が非公開になっているのが基本です。開催される日程や時間もあらかじめ決められているため、見学を希望する場合は事前に予約しておくことが望ましいでしょう。以下では、完成見学会に参加する際の持ち物や心得ておくべきマナーについて紹介します。

完成見学会に持参するもの

完成見学会に持参するべき持ち物は、以下のとおりです。

  • 筆記用具
  • メジャー
  • 靴下・スリッパ
  • 懐中電灯
  • バッグ(コンパクトなもの)
  • カメラ
  • チェックリスト

現地でメモを取るための筆記道具や、広さ・大きさを測るメジャー、暗い場所を確認したりする際に使う可能性がある懐中電灯などを持参しましょう。
現地ではスリッパが準備されているケースがほとんどですが、ほかの見学者の方と兼用になる場合があります。気になる方は、専用のスリッパを持参しておくとよいでしょう。カメラやスマートフォンで室内の内装デザインなどを撮影する際は、あらかじめ許可を取ったうえで撮影するよう注意が必要です。
また、他の見学者とすれ違った際に、持っていたカバンで柱や壁にキズや汚れをつけないためにも、コンパクトなバッグに入れて持ち歩くようにしましょう。

完成見学会に参加するときのマナー

完成見学会に参加する際は、以下のようなマナーを守って参加しましょう。

  • 素足で行かず靴下を履く
  • 撮影可能か確認する
  • 汚したり壊したりしないよう注意する
  • 飲食しない
  • トイレは事前に済ませておく(使用しない)
  • 事前に予約してから参加する
  • 子どもから目を離さない

引き渡し前の新築住宅であるため、住宅内では慎重かつ丁寧に見学することが求められます。触れたり写真撮影したりする前には確認を取ったり、汚してしまう可能性があるものは持ち込まないようにするなど、最大限の配慮が必要です。予約の有無は見学会ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

完成見学会でチェックするべきポイント

完成見学会でチェックすべきポイントは?
完成見学会でチェックすべきポイントは?

ここでは、完成見学会に参加した際、チェックしておきたいポイントを紹介します。主に、以下のようなポイントをチェックすると、間取りを決める際に大いに役立つでしょう。それぞれ解説していきます。

生活動線や家事動線

生活動線や家事動線は、家での暮らしやすさに直結する重要な要素です。朝の通勤・通学前の準備をするときや帰宅時・来客時など、効率的な動線が確保できていなければ同じ空間で渋滞したり、気を遣わなければならなくなったりとストレスを感じやすくなってしまいます。
また、毎日の洗濯・料理など家事の負担は極力減らしたいものです。効率的な動線を確保するには、あらかじめ家族の行動をシミュレーションしたうえで見学してみるとよいでしょう。回遊動線をつくったり、水回りを1カ所にまとめたりと工夫されている場合は、自分や家族の行動をイメージしながら使い勝手を確認することをおすすめします。

収納スペースの充実度

十分に収納スペースを確保しているかどうかも、住みやすさに影響する要素です。見学会でお披露目される住宅に住む家族の家族構成や人数を確認することで、必要な収納量の参考になるでしょう。また、実際に間取りを見る際に収納スペースがどこに配置されているのかも確認しておくと、利便性も考慮したうえで適した場所に収納スペースがあるかが判断できます。

内装・外装の仕上げ

内装や外装の仕上げ具合をチェックすることで、住宅会社の技術力を見極められるでしょう。完成後引き渡し前の段階で不備が多いと、安心して家づくりを任せることができません。内装は壁や床の剥がれやキズはないか、塗り壁などのデザインに違和感はないか、隙間が生じていないかなどを確認してみましょう。
外装は周囲の景観と調和しているか、外構が正しい配置で施工されているか、防犯対策として不安な点はないかなど。職人の技量を確認するためにも、いずれも細かく確認しておくことが大切です。

担当者や施工者に聞いておくべきこと

完成見学会で担当者や施工者に聞いておくべきこととは?
完成見学会で担当者や施工者に聞いておくべきこととは?

完成見学会では、施工会社の担当者や施工者と直接話す機会があるため、疑問点があれば相談することが可能です。せっかくの機会を無駄にしないよう、以下のようなポイントについて確認することをおすすめします。

標準仕様とオプションについて

注文住宅を建てる際は、住宅会社が定めた標準仕様のなかから設備やデザインなどを選択するのが一般的です。標準仕様の範囲内であれば、あらかじめ決められた建築費以外に費用はかかりません。しかし、設備のグレードを上げたり標準仕様に含まれていないデザインなどを選択したりすると、オプション費用がかかります。そのため、標準仕様の範囲やオプションでかかる性能・デザイン等については前もって確認しておくことをおすすめします。
標準仕様とオプションの違いがわかれば資金計画を立てやすくなるほか、予算内で希望を叶えられるか判断できるでしょう。なお、標準仕様の内容については施工会社によって異なるため、気になるハウスメーカーや工務店が複数ある場合にはそれぞれ確認することが大切です。

気密性や断熱性について

家の気密性や断熱性などの住宅性能も、確認しておきたいポイントの一つです。多くの施工会社が高性能住宅に力を入れていますが、一般的な住宅と比べて建築費がかかります。性能の高さは実際に住んでみないと実感できないため、現地で確認できるいい機会です。また、気密性や耐震性は基準がいくつか設けられており、性能の高さが階級別に異なるため、施工可能な範囲についてもあらかじめ確認しておきましょう。

アフターフォローについて

アフターフォローの内容も、施工会社によって異なります。家づくりは引き渡しがゴールと考える方もいますが、実際には長期間住み続けることになるため、入居後のことも考えておかなければなりません。アフターフォローの期間や保証内容について、どのようなサービスが受けられるのか事前の確認が大切です。
長期的に美観を保ち、安全に住み続けるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンス費用を抑えるのにも役立つため、アフターフォローが充実しているかをしっかり確認しておきましょう。

施主がこだわったポイントについて

施主が家づくりでこだわったポイントについて聞くことで、住宅会社の設計力や提案力を見極める判断材料になります。施主様の求めることを的確に汲み取り、反映されているかどうかは家を見学したり説明を聞いたりすることでわかります。また、自身の家づくりの際にも取り入れられる要素があるかもしれないので、参考になるでしょう。

完成見学会についてよくある質問

最後に、完成見学会に関するよくある質問について回答していきます。

完成見学会とモデルハウスの違いは?

完成見学会は、施工会社が施工した引き渡し前の完成した住宅を見学するイベントを指します。一方、モデルハウスは、複数のハウスメーカー・工務店が自社の建築をPRするために建築した展示用の住宅のことです。モデルハウスは展示用に建築される住宅で、豪華な仕様で仕上げられていることが多いのが特徴。完成見学会で見学する家は住宅会社のお客様のものであり、モデルハウスと比べてより現実的な住宅を見学することが可能です。

完成見学会での注意点は?

完成見学会に参加する際は見学時のマナーを守ったり、チェックポイントを現地で確認したり、営業担当者に相談したりと、時間を最大限に活用することが大切です。特に見学会の住宅を確認する際は、生活動線・家事動線や、収納スペースの充実度、内装・外装の仕上げ方などを意識しましょう。

強引に営業されるのでは?

モデルハウスや住宅展示場見学などと同様に、強引な営業が不安で完成見学会の参加に悩むこともあるでしょう。完成見学会は住宅会社の担当者が立ち会いのもとおこなわれ、現地での説明もありますが、見学や相談のみのために参加しても問題ありません。近年では過度な営業をおこなわないように配慮されている施工会社も多いため、気軽に足を運んでみるとよいでしょう。

いかがでしたか?完成見学会に参加すれば、実際の暮らしをイメージしながら家づくりについて具体的に考えられるうえ、カタログなどではわからなかったことまで体感できます。
また、担当者や施工者にわからないについても直接質問することも可能です。今回紹介したような注意点を押さえたうえで、気になる施工会社が実施している完成見学会に参加してみましょう。

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阿孫 沙綾

執筆者

阿孫 沙綾

不動産エージェントおよびWebディレクター兼ライターのフリーランス。8年間で不動産売買・賃貸の仲介業、実需や収益不動産の仕入れ・販売業務を経験し、現在は個人エージェントとして活動中。また、幅広いジャンルの不動産業務に携わった経験を活かし、不動産・宅建ジャンルを中心に執筆や編集もおこなう。

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