家を建てる場所の決め方は?実家の近くに建てるメリット・デメリットも解説
しかし、家の間取りと同様に、家を建てる場所の変更も簡単にはできません。後悔のない家づくりをするためにも、「どこに家を建てるか」も重要なポイントです。
本記事では、家を建てる場所の決め方や、住んだことのない場所に家を購入する際のポイントを解説します。人生のなかで大きな買い物である家づくりを納得のいくものにするためにも、要点を押さえておきましょう。
記事の目次
家を建てる場所の決め方

家づくりは楽しくもありますが、決めることが多くて大変と感じている方もいるでしょう。特に、家を建てる場所は一度決めると動かせないため、慎重に決めなければなりません。本章では、家を建てる場所の決め方を解説します。
通勤・通学の利便性で決める
通勤や通学の利便性は、日々の生活の満足度に直結するポイントです。例えば、家から勤め先や学校までの距離が遠い場合、移動に時間がかかってしまい、家族と過ごす時間や睡眠時間が減ってしまう可能性があります。
特に、義務教育である小学校は6年間通うことになります。ランドセルなど荷物が重いこともあり、遠ければ通学するだけで疲れてしまうかもしれません。小学校だけに限らず、毎日ストレスなく通勤・通学できるかどうかは重要なポイントといえるでしょう。
生活インフラの充実度で決める
家を建てる場所を決める際には、生活インフラの充実度もチェックしましょう。スーパーマーケットやドラッグストア、病院など、生活を送るうえで欠かせない施設が充実しているほど住みやすくなります。
今は「車があるから遠くても問題ない」と思っていても、高齢になると運転も難しくなることから、徒歩圏内にあると将来的にも安心して過ごせる場所となるでしょう。
災害リスクを考慮して決める
家を建てる場所を決める時には、災害リスクも考慮しましょう。特に日本は地震大国ともいわれ、毎年のように大きな地震が発生し甚大な被害に遭っています。また、地震だけでなく、最近ではゲリラ豪雨も多発しており水害も起きています。交通や生活の利便性を見るだけでなく、災害リスクもよく確認しておきましょう。
治安のよさで決める
治安のよさも、家を建てる場所を決めるうえで確認しておきたいポイントです。家は何十年と長期間にわたって暮らすため、日々安心して過ごせる場所であることは重要です。駅から家までの道が明るいか、犯罪に巻き込まれる可能性はないかなど、昼間だけでなく夜間の現地も確認しておくと安心です。
子育てのしやすさ・教育環境で決める
子育て世帯であれば、子育てのしやすさや教育環境も、家を建てる場所を決める時のポイントとなります。例えば次の施設が生活圏内にあると、子育てしやすい場所といえるでしょう。
- 保育園や幼稚園、小学校、中学校
- 公園・児童館
- 小児科
- 子育て支援センター
また、共働き世帯であれば、保育園の入りやすさも考慮にいれておきましょう。待機児童数は自治体によって大きく異なり、場合によっては保育園に入れないために親のキャリアが中断される可能性もあります。これから子どもを産む予定である方も、待機児童数を確認しておくといいでしょう。
実家との距離を考慮して決める
家を建てる場所を決める際には、実家との距離も考慮しましょう。将来的に親の介護をする場合は、近いほうが精神的・経済的にも楽になるでしょう。災害時にもすぐに駆け付けることが可能です。
また、子育て世帯であれば、実家との距離が近ければ支援を受けやすくなります。例えば、子どものお迎えや急な預かりを頼めます。しかし、実家との距離が近いと、育児に対する干渉が多くなり、家族仲が悪くなることも。物理的な距離ではなく、お互いにとって心地いい距離を見極めながら、家を建てる場所を考えましょう。
家を建てる場所を決めたあとの土地選びの進め方

家を建てるエリアを決めたら、いよいよ実際に家を建てる土地を決めていきます。本章では、後悔しない土地選びの進め方を解説します。簡単な流れは次のとおりです。
- STEP 1家づくりに対する希望をまとめて優先順位を決める
- STEP 2土地の広さを決める
- STEP 3予算を決める
- STEP 4希望と予算を満たす土地をピックアップする
- STEP 5現地確認をする
それぞれ詳しく解説します。
STEP 1. 家づくりに対する希望をまとめて優先順位を決める
まずは家づくりに対する希望をまとめ、何を優先するか順位を決めましょう。マイホームに対してあれこれ希望を盛り込んでしまうと、予算オーバーにつながります。
また、土地は同じものが存在しないため、理想を追い求めると多くが候補から外れてしまい、よい土地を逃してしまう可能性があります。そのため、前章で解説した決め方を参考に、絶対に譲れない条件と妥協できる条件を分け、それぞれ優先順位を付けましょう。
STEP 2. 土地の広さを決める
優先順位を付けたら、土地の広さを決めましょう。建ぺい率や容積率を守って家を建てなければ、せっかく建てた家が違法建築物になります。建ぺい率とは、土地の面積に対する建物の面積の割合のこと。例えば、100坪の土地で建ぺい率60%の場合、建てられる家の面積は60坪です。
一方、容積率とは、敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のこと。例えば、敷地面積が100坪で容積率が200%の場合、建物の延べ床面積は200坪となります。
もし車を2台停めたいのであれば、必要な駐車スペースは広くなります。反対に、庭は必要最小限でいいのであれば、建物を広くして庭を狭くすることも考えられるでしょう。ライフスタイルに合わせて、必要な土地の広さを計算することが大切です。
STEP 3. 予算を決める
土地の広さを決めたら、予算を決めましょう。予算は土地代、建物代、諸費用の3つに分けて考えることが大切です。諸費用には、手数料や保険料、引越し費用などが含まれます。当然ですが、家にお金をかければ、土地代にあてられる金額は少なくなります。そのため、全体の予算を決め3つのバランスをよく考えましょう。
予算を決める際には、まず自己資金を確認し、いくら頭金を支払えるのかを考えます。頭金を多くすれば、その分住宅ローンの借入金額を抑えられるため、返済負担を軽減できます。頭金の金額を決めたら、住宅ローンの月々の返済金額から借入金額を決めましょう。
年収から住宅ローンの借入金額を決めてしまうと、必要以上に借りてしまい、返済が難しくなる恐れがあります。家計状況を踏まえ、確実に返すことのできる予算計画を立てましょう。
STEP 4. 希望と予算を満たす土地をピックアップする
予算を決めたら、希望と予算の両方を満たす土地をピックアップしていきましょう。インターネットで検索できる土地は、市場に出ている情報の一部でしかありません。複数の不動産会社に依頼をすると、多くの物件と出合うことができ、より条件のいい土地を購入できる可能性が高まるでしょう。
少しでも気になるのであれば、候補に入れることをおすすめします。先述したように、同じ土地は一つもなく、すべての条件を満たした土地はなかなかありません。情報を見た時には「ここがいい」と思っていても、現地に行ってみると騒音がひどかったり、日当たりが悪かったりする可能性もあります。「ここには絶対に住むことはない」と思う物件だけを候補から外すようにしましょう。
STEP 5. 現地確認をする
家を建てる場所の候補を絞り込んだら、現地確認をしましょう。昼間・夜間、平日・休日など、時間帯を変えて何度も足を運ぶことをおすすめします。例えば近くにショッピングモールがある場合、平日の昼間は静かでも、休日は騒音がしたり、周辺道路が混んだりする可能性があります。また、工場や飲食店などがある場合、騒音や匂いなどが気になるかもしれません。
何度も足を運ぶのは手間がかかりますが、現地確認を怠ると後悔につながる恐れがあります。納得のいく家づくりのためにも手間を惜しまず、現地確認をしっかりおこないましょう。
実家近くに建てるメリット・デメリット

これから子どもを産む予定がある方や、すでに子育てしている方であれば、「実家の近くに家を建てたほうが、協力を得やすいのでは?」と考えるかもしれません。特に、妻の実家の近くであれば、妻の精神的な負担も軽減できるでしょう。本章では、実家の近くに家を建てるメリットとデメリットをご紹介します。
実家の近くに家を建てるメリット
実家の近くに家を建てるメリットは、大きく3つあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
慣れ親しんだ土地で安心感がある
実家の近くに家を建てるメリットとして、慣れ親しんだ土地であることが挙げられます。住み慣れた土地であれば、学校や病院などの施設も知っていることから、馴染みやすいでしょう。まったく土地勘のない場所で暮らし始めるよりも、精神的な負担も減らせます。
家事や子育てのサポートを受けやすい
家事や子育てのサポートを受けやすいことも、実家の近くに家を建てるメリットの一つです。保育園に預けているお子さんがいれば、突然の体調不良で「お迎えに来てほしい」と園から連絡が来ることも。もし実家が近くであれば、代わりにお迎えをお願いすることもできるでしょう。また、実家が近ければ、運動会や発表会などのイベントにも呼びやすく、お子さんの成長を間近で見てもらうことができます。
帰省の費用がかからない
実家の近くに家を建てると、帰省の費用がかからないこともメリットです。お盆休みやお正月休みなどのタイミングで、実家への帰省を検討する方が多いでしょう。もし、飛行機や新幹線などを使わなければならないほど実家が遠方にある場合、帰省費用も高額になります。
しかし、車で10分の距離で行けるなど実家が近い場合は、帰省費用はかかりません。浮いた帰省費用を、子どもの習い事や家族旅行など、他の費用にあてられるでしょう。
実家の近くに家を建てるデメリット
実家の近くに家を建てると、家事や子育てのサポートを受けやすかったり、慣れ親しんだ土地であることから安心感があります。一方で、デメリットを把握しておかなければ、住み始めてから後悔することも。ここでは実家の近くに家を建てるデメリットを見ていきましょう。
プライバシーを侵害される恐れがある
実家の近くに家を建てた場合、「今日車がなかったけどどこか行っていたの?」「〇〇をもらったから今から行ってもいい?」など、プライバシーを侵害される恐れがあります。物理的な距離が近いことで、心理的な境界線が曖昧になることが原因です。なかにはアポイントなしで訪問されることもあり、親子間の関係が悪化することも考えられるでしょう。
家事や子育てに関して干渉される
実家の近くに家を建てると、子どもの成長を近くで見せられるというメリットがありますが、一方で家事や子育てに関して口出しをされてしまうデメリットもあります。子育ての常識は時代を経て変わっていくものですが「昔はこうだったのよ」と、昔の常識を押し付けられることも。サポートを受けられると期待していたのに、かえってストレスを感じてしまうかもしれません。
親戚付き合いや近隣との関わりを負担に感じる
地域によっては、親戚一帯が近くに住んでいる場合もあります。また、町内会のつながりが深いところもあるでしょう。実家の近くに家を建てることで、このような付き合いが増える可能性があります。ご近所付き合いを負担に感じる人にとっては、実家の近くに家を建てることはデメリットといえるでしょう。
住んだことのない場所に家を建てる時のポイント

なかには地方移住など、これまで住んだことのない場所に家を建てる方もいるでしょう。繰り返しになりますが、場所を一度決めると変更できないため、場所選びは慎重にしなければなりません。土地勘のない場所に家を建てる時のポイントを解説します。
地盤の強さを確認する
住んだことのない場所に家を建てる時は、地盤の強さの確認を怠らないようにしましょう。土地勘があれば「以前あの場所は田んぼだった」など過去の状態がわかることもありますが、まったく住んだことのない土地の場合は何も情報がありません。
もし軟弱な地盤であれば、地盤沈下を起こす可能性もあります。また、地盤改良をおこなうにしても費用がかかることになるでしょう。そのため、地盤の強さを知ることが重要です。
行政の対応を確認する
住んだことのない場所に家を建てる時は、事前に行政の対応を確認しておくことをおすすめします。ハザードマップや子育て支援などは、自治体のホームページでも確認できます。しかし、住み始めてからは転入届を出したり、マイナンバーカードの住所を変更したりと、行政でさまざまな手続きが必要です。
もし対応が悪ければ、今後長い間暮らしていくにあたって不安材料となるでしょう。また、市役所に行くと観光マップや転入者向けの資料が置いてあることがあります。もらっておくと、暮らし始めた時に役立つでしょう。
ハウスメーカーや工務店の施工エリアを確認する
「ここのハウスメーカーにお願いしたい」と思っていても、施工エリアが対応していなければ、家を建てることはできません。そのため、家を建てる場所のエリアを対象としているハウスメーカーや工務店に依頼する必要があります。
できれば現在住んでいる場所と、家を建てたい場所の両方に拠点があるハウスメーカーや工務店に依頼することをおすすめします。オンラインでも打ち合わせは可能ですが、直接顔を合わせてしたほうが、打ち合わせもよりいいものになるでしょう。
家を建てる場所で後悔しないための注意点

土地の形や場所によって、理想とする家を建てられるかどうかが決まります。家を建てる場所で後悔しないためにも、注意点を押さえておきましょう。
建築制限や法的条件を事前に確認する
家を建てる場所で後悔しないためには、建築制限や法的条件を事前に確認しましょう。特に、都市計画区域内にある土地は、利用目的によって用途が指定されています。例えば、工業専用地域であれば、住宅は建てられません。また、第一種低層住居専用地域は建築制限が厳しく、建物の高さが10m、もしくは12mに制限されます。
さらに、前述した建ぺい率と容積率も事前に確認しておきましょう。例えば、「敷地が広いから大丈夫」と思っていても、容積率の制限により、小さな家しか建てられないケースも。厳しい制限のある土地は、将来売却する際にも、なかなか買い手が見つからない可能性もあります。
周辺環境の変化や開発計画を確認する
家は建てて終わりではなく、住み始めてからがスタートです。今は住みやすい場所と思っていても、近隣に高層マンションができたり、幹線道路が伸びたりすると、日当たりや騒音で悩まされるかもしれません。反対に、商業施設や駅などができれば、資産価値の上昇を期待できるでしょう。
都市計画は自治体のホームページで調べたり、自治体の都市計画課に問い合わせることで確認できます。長期的な視点で将来を予測することが、後悔しない場所選びのポイントです。
地域コミュニティを確認する
家を建てる場所で後悔しないために、地域コミュニティを確認しておきましょう。具体的には、自治会・町内会などが挙げられます。地域によっては、参加が義務付けられていることも。具体的な活動内容や活動頻度を確認しておかなければ、住み始めてからストレスになる可能性もあります。
特に役員が持ち回りであれば、共働き世帯にとって大きな負担となるでしょう。家を建てる場所を検討する際には、事前に地域コミュニティを確認することをおすすめします。
まとめ
今回は、家を建てる場所の決め方や実家の近くに家を建てるメリット・デメリットなどを解説しました。通勤・通学の利便性や子育てのしやすさなど、家を建てる場所を決める時のポイントはいくつかあります。
家を建てる場所を決めると簡単には変更できないため、納得のいく場所を選ぶことが大切です。とはいえ、すべての条件を満たした完璧な土地もそうそうありません。
自分たちのライフスタイルから、絶対に譲れない条件、妥協できる条件を分け、条件を満たす土地をピックアップしていきましょう。何度も足を運ぶと手間がかかりますが、後悔を避けるためにも、じっくり時間をかけることをおすすめします。
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執筆者
民辻 伸也
宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
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