カーポートとガレージの違いは?2025年の法改正についても徹底解説
そこでおすすめできるのが、駐車場を屋根で覆うカーポートで、大切なマイカーを守る設備として活用できます。そこで今回は、カーポートの設置に向けて、知っておきたい基礎知識を詳しくご紹介していきます。
記事の目次
カーポートとは?

カーポートとは屋根付きの駐車場を指し、基本的には柱で支えるタープテントのような形状となる特徴があります。おもに屋根と柱だけで建てられる、車庫のなかでも比較的簡素な構造となっていて、新築時はもちろん後付けも可能な設備となります。
カーポートとガレージの違いは?

カーポートとガレージは、どちらも同じように車庫として使う設備ですが、それぞれで構造などには大きな違いがあります。なおカーポートとガレージの相違点として、おもに次のような部分が挙げられます。
構造
カーポート:屋根のみ、壁なし(または一部のみ)
ガレージ:屋根と四方の壁で囲まれた完全な建築物
カーポートは基本的に屋根と柱のみのオープンな構造になりますが、ガレージは屋根だけでなく四方に壁やシャッターを設けて、完全に閉ざされた建物が一般的です。雨風を完全にしのげないカーポートに対してガレージは、全体を覆うような形状になる点が大きく異なります。
機能
カーポート:通気性がよく施工が簡単
ガレージ:防犯性・収納力が高く、車以外の保管にも便利
カーポートは構造自体がシンプルで開放されているため、ほぼ屋外と同じようなスペースとなります。一方で壁に囲われているガレージは、車の駐車だけでなくさまざまな活用方法ができ機能性が高く、施錠できるようにすれば物置のように使える一面も。単純にマイカーを雨風から守る目的ならカーポート、しっかりとした保管性を重視するならガレージが向いているでしょう。
費用・施工
カーポート:比較的安価で短期間施工
ガレージ:高コスト・建築基準の規制が厳しい
カーポートの場合、比較的簡易的な構造となるため、コストも手間も抑えつつ施工しやすい特徴があります。一方でガレージは建物としての要素が強く、施工費用がかかりやすいうえに、建築基準が厳しく規制されやすい一面も。設置に向けたハードルの高さも、カーポートとガレージの大きな違いです。
固定資産税
カーポート:条件によって非課税の場合あり
ガレージ:原則課税対象
カーポートは、一定の条件を押さえていれば、固定資産税のかからない設備として設置できます。ただしガレージは、建物の認定要件である「土地への土着性」「外気遮断性」「用途性」の3つにあてはまるため、原則は固定資産税の加算対象として、課税されます。こうした税金の取り扱いも、カーポートとガレージで大きく変わってくるので、建築時の費用だけでなく長期的なコスト面が気になる場合には注意しましょう。
知らないと違法建築?2025年から変わるカーポートの常識

今まで、カーポートのような比較的簡易的な設備では、場合によっては建築の確認申請が省略できるケースもありましたが、2025年4月に適用された建築基準法改正から大きく認識が変わっています。これまでは「4号建築物の特例」が定められており、以下のような住居では確認申請の省略ができ、カーポートも比較的手軽に設置できる仕組みとなっていました。
【4号建築物】
- 都市計画区域等から外れる地域:2階建て以下・延床面積500平方メートル
⇒建築確認・検査なし(確認申請が不要) - 都市計画区域等に該当する地域:
(木造)高さ13m・屋根高9m・2階建て以下、または延床面積500平方メートル以下
(木造以外)単層かつ延床面積200平方メートル以下
⇒建築確認・検査は必要となるものの、一部審査の省略が可能(防火避難規定、構造関係規定など)
2025年4月からは上記の4号建築物の緩和が撤廃され、新2号建築物(延床面積200平方メートル・2階建て以上)・新3号建築物(延床面積200平方メートルの平屋)の規定が新しく設けられます。
なお法改正後の新2号建築物・新3号建築物は、ほぼすべての地域の一般的な住宅に当たるもので、審査省略が適用されず、カーポートも含めて新築時の建築確認・検査が必須とされます。
さらにカーポートは住居となる建物に含まれることから、建ぺい率(敷地の広さに対する建築面積)の制限に沿ったものでないと、違法になる可能性があります。つまり家とカーポートの双方を含めて、建ぺい率の上限に収まるように施工しないと、ルール違反となってしまいます。ちなみに住居の建ぺい率は、各地域によって異なるので、自治体のホームページなどをチェックしてみましょう(一部緩和措置もあります)。
また防火地域・準防火地域に該当する場合、カーポートの施工にあたっては、確認申請をしなければ違法となります。なおかつ防災対策として防火地域・準防火地域では、一定の耐火基準を満たしたカーポートでないと違法になるリスクがあり、原則は建築基準法で定められた建材を使用する必要があります。一部緩和条件もありますが、火災の被害を最小限に防ぐためにも、屋根に使う素材にも注意しなければなりません。
違法なカーポートを設置してしまうと、今後の売却ができなかったり資産価値が大幅に下落したり、場合によっては自治体による撤去命令や懲役・罰金となる危険性があります。カーポートを施工するのであれば、こうした法律上のルールも考慮しながら検討していくことが欠かせません。
カーポートを設置するメリット

カーポートを取り付ける際には、前述したようなさまざまなルールもありますが、設置によって快適な暮らしにつながる魅力もたくさんあります。
雨・紫外線・雪から車を守る
カーポートやガレージのない駐車場は、もっともシンプルで設置しやすいですが、一方で雨風・日光・雪が直接マイカーに当たってしまいます。吹きさらしの駐車場だと、車体が雨水で汚れたり、紫外線による変色や塗装の劣化が進みやすくなったりするケースも。また積雪の多い地域では、車体そのものに雪が積もってしまうと出入りの際に雪下ろしをする手間が発生するうえに、凍結の危険性もあります。大事な愛車をできるだけきれいに長く維持して、いつでも快適に使えるようにする意味でも、カーポートが効果的です。
車内温度の上昇防止
カーポートの屋根により、マイカーへの直射日光を防ぐことができ、暑い夏場に屋外で駐車していても車内温度が上がりにくくなる効果があります。ちなみにカーポートのなかには、熱吸収や遮熱などの機能性を高めたタイプもあり、夏の暑さが気になる場合におすすめです。
鳥のフン・落ち葉対策
家のすぐそばに電線や植木・街路樹などがある場合、屋根のない屋外駐車場では鳥のフンや落ち葉が車体に落ち落ち汚れやすくなる一面があります。いちいち洗車するのも手間になるうえに、大事な愛車ならできるだけ汚れを防ぎたいもの。こうした汚れ対策がしたい時にも、カーポートを取り付けて車を保護しておくことで、きれいに維持できる利点があります。
外構の見た目向上
各住宅設備メーカーでは、カーポートのさまざまな商品ラインアップを揃えており、なかにはデザインを重視したタイプも豊富に出ています。例えばシックな印象にできるダークトーンのカラーリングやウッド調などの屋根材、天井下のインナーライトをはじめ、ハイセンスなデザイン性にしている製品も多数。こうしたおしゃれなカーポートを取り入れることで、外構全体をスタイリッシュにコーディネートできる効果にも期待できます。
資産価値アップの可能性
カーポートの導入により、マイカーを維持する機能性や外観のデザイン性などが高まることで、住居としての資産価値が向上するメリットにも期待できます。場合によってはマイホームの売却時の価格も上げやすくなる可能性があり、より快適なカーポートを取り付けることで、効果的に資産価値アップを図りやすくなるでしょう。
カーポートを設置するデメリット

カーポートの設置により、住まいの利便性が高まるさまざまな利点がありますが、以下のような部分には注意しておきましょう。
設置費用がかかる
当然ながらシンプルな屋外駐車場に比べて、カーポートを取り付ける場合には設備自体の導入や施工コストがかかります。ガレージと比較する分には費用は抑えやすくなりますが、カーポート本体のサイズ・機能性・デザインによっては、高額になるケースもあるので予算とのバランスには注意しましょう。
敷地の制限
カーポートの設置にあたっては、先ほども出てきたように、家自体も含めた建ぺい率による制限にも注意しなければなりません。敷地全体の広さや家の面積によっては、カーポートを取り付けるのが難しいケースも考えられます。また後述しますが、隣の敷地との距離感をはじめ、カーポートの施工にともなう規制は他にもいくつかあります。カーポートの設置をお考えの際には、あらかじめ法規制も考慮したうえで、問題なく導入できるのか確認しておくことも不可欠です。
耐久性・安全性の問題
カーポートは、通常の屋外駐車場やガレージに比べて構造的に不安定な部分があり、自然災害などの影響で倒壊するリスクも少なからずあります。また日頃から雨風にさらされやすい分、きちんとメンテナンスにも配慮しておかないと、どんどん劣化が進んで壊れやすくなる危険性も。特に台風や積雪などの災害リスクが高い地域では、厳しい天候にも対応できる、耐久性・安全性を重視したカーポートを選ぶことも重要です。
固定資産税の対象になる可能性
一般的な屋根と柱によるシンプルなカーポートであれば、固定資産税が適用されることは原則ありません。ただし他の構造や機能性を追加する場合には、固定資産税の対象となる可能性も出てくるため、カーポートの取り付け方法には十分な注意が必要です。特にガレージと似たような造りになってくると、固定資産税の加算対象になりやすいので気を付けておくようにしましょう。
撤去・移設が難しい
カーポートの撤去・移設には、さまざまな施工の工程が発生します。なおかつ移設して再度設置しようとすると、また新たに柱を埋め込んだり組み立てたり、非常に複雑な工事になってしまいます。新設時には比較的施工がしやすい部分もありますが、撤去・移設にあたっては、負担が大きくなりやすい一面もあります。
カーポートの種類

カーポートといっても、本体の形状や使用する素材には多様な種類があり、それぞれで外観や機能性なども変わってきます。なお一般的なマイホームのカーポートで、よく見られるのは、次のようなスタイルです。
カーポートのデザイン
カーポートのデザインで見られるデザインは、大きく分けて次のような3種類があります。
片側支持タイプ(片流れタイプ)
屋根を支える柱を左右のいずれかに設置するタイプで、1台用のカーポートで見られやすい形状です。支柱のない方向からの駐車がしやすく、また片側の後方の障害物がなく、トランクからの荷物の出し入れの邪魔になりにくい特徴もあります。
両側支持タイプ
屋根の両サイドに平行して柱を設置するタイプで、1台用をはじめ、2台用以上のカーポートでも見られやすい形状です。支柱の数が増える分、設備としての強度が高く、また大きめの屋根でも安定して設置しやすい特徴があります。
後方支持タイプ
屋根の後ろ側から支えるように柱を設置したタイプで、車の出入り口部分を広く確保しやすい形状です。2台以上のカーポートでも取り入れられる構造ですが、不安定になりやすい分、大きめの柱を設置することになるケースも。なお駐車スペースの前方部分が大きく開いているので、比較的狭い敷地でも導入しやすい特徴があります。
カーポートの素材
カーポートの素材として代表的なのは、屋根と柱のそれぞれで、次のような種類が挙げられます。
屋根
- ポリカーボネート:カーポートの屋根材を代表する素材で、UVカットや遮熱などの機能性も高い特徴があります。ただしカーポートの広さによっては、防火地域の屋根材(不燃材)として使用できないケースもあるため要注意です。
- スチール:強度が高く風雪にも強い素材で、また熱を遮断しやすく、防火地域の不燃材としても使いやすい利点があります。ただしサビが付きやすい一面があり、一定の表面加工を要します。
- アルミ:熱や光を遮る機能性が高く、さらに軽量・柔軟性があって外観もよく、サビにもなりにくい特徴があります。比較的強度もあるため幅広く活用しやすいですが、コストがかかりやすい点には注意が必要です。
柱
- アルミ:カーポートの柱の素材ではかなりポピュラーで、見た目がスタイリッシュになりやすいのが特徴です。ただし風雪などの影響を受けやすく、場合によっては柱の本数を多く設置する必要があります。
- スチール:強度が高く厳しい気候の地域でも使いやすい特徴がありますが、サビが発生しやすく、部品が目立ちやすいため外観が気になる可能性があります。
カーポートの価格相場

では実際にカーポートを取り付けるにあたり、価格の相場感がどれくらいになるのか、大手住宅設備メーカー2社の製品例をいくつかピックアップして見ていきましょう。
【A社】(車種:小型・乗用車・SUV)
| 台数 | 柱数 | 屋根材 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 1台用 | 2本 | ポリカーボネート ガルバリウム鋼板 |
約22万円 ~約113.4万円 |
| 1台用 | 2本 | アルミ | 約47.5万円 ~約147万円 |
| 1台用 | 4本 | ポリカーボネート | 約45.7万円 ~約87.7万円 |
| 2台用 | 4本 | アルミ ポリカーボネート |
約48.7万円 ~約254.2万円 |
| 1台用 | 4~8本 (耐積雪・耐風タイプ) |
アルミ | 約48.4万円 ~約125万円 |
【B社】(車種:小型・乗用車・SUV)
| 台数 | 柱数 | 屋根材 | 価格帯 |
|---|---|---|---|
| 1台用 | 2本 | ポリカーボネート | 約26.9万円 ~約70万円 |
| 1台用 | 4本柱 | ポリカーボネート | 約35.6万円 ~約93.5万円 |
| 2台用 | 4本柱 | ポリカーボネート アルミ |
約43.8万円 ~約204.5万円 |
| 1台用 | 4~8本柱 (耐積雪・耐風タイプ) |
ポリカーボネート | 約65万円 ~約126.7万円 |
カーポートの価格帯として、低コスト級になるのが大体20万円台、中間クラスで50万円前後、ハイグレードになると100万円を超えるケースも見られます。
なお上記は本体価格となりますが、設置する際には別途施工費用が必要です。なお施工費用としては、1台分だと4万円~5万円、2台以上になると10万円程度になるのが大まかな目安です。もちろんカーポートのメーカーや施工会社によって、必要なコストは大きく異なるので、あくまで参考として覚えておくとよいでしょう。
カーポートの建築実例5選
ではここから、実際にカーポートを取り入れたマイホームの実例をいくつかピックアップし、参考にできるポイントなどを解説します。
明るい光が差し込むカーポート

白を基調とした西洋風の外観に合わせて、スタイリッシュな色合いと形状のカーポートを取り入れ、上品な雰囲気に仕上げている実例です。後方支持タイプのカーポートを使うことで、すっきりと開放的な印象にもなっています。
モダンな印象の黒いカーポート

スタイリッシュなダークトーンを全面に使うことで、どこかモードな雰囲気を演出している実例です。柱を多く取り入れつつ、家の外壁に沿わせるような設置方法で、強度の高いカーポートになっています。
コンパクトなカーポート

比較的屋根の高いカーポートで、コンパクトながらも窮屈に感じない駐車スペースとなっている実例です。直線的かつモダンな外観のカーポートにより、おしゃれなスタイリッシュさも演出しています。
片側支持タイプのシックなカーポート

白とブラウンを基調とした品格のある外観に合わせて、シンプルでスマートなスタイルのカーポートを設置した実例です。家と反対の辺に片側支持の柱を設けることで、すっきりとした洗練された印象になっています。
カーポートを設置する前に確認すべきポイント

ではここからは、前述した法改正による規制なども踏まえて、問題なく活用できるカーポートにするために重視したいポイントを解説します。
建築確認申請が必要か
カーポートの設置に向けて、一般的な住宅なら原則は確認申請が必要ですが、仮に床面積10平方メートル以内に収まるのであれば省略できます。自転車を1~2台置ける程度の広さなら、建築申請を省ける可能性があります。その他にも地域によっては、一定の基準に収まる奥行・高さ・床面積などのカーポートに限り、確認申請が不要とされることも例外的に見られます。ただし基本的には、車1台が置けるほどのカーポートになると、確認申請が必須となることが多いと覚えておくとよいでしょう。
防火地域・準防火地域か
防火地域・準防火地域におけるカーポートは広さに関係なく、どのようなケースでも確認申請が必要です。さらに防火地域・準防火地域に設置するカーポートの屋根は、150平方メートルを超えない大きさに制限されるルールがあり、かつ延焼などの被害を防ぎやすい素材にしなければなりません。なお防火地域・準防火地域では、カーポートの建材は、不燃材(銅・アルミなど)などの原材料に限定されるのが通常です。
また屋根材の規定は、一部緩和されるケース(面積30平方メートル以内など)もありますが、基本的に防火地域・準防火地域では細かな注意点が増えると認識しておきましょう。
設置場所の地盤や風雪条件
カーポートは柱と屋根で構成される建築物ですが、駐車スペースとしての空洞を設けた不安定な構造となっています。そのためカーポートの設置場所では、強度の高い地盤が整っていないと倒壊などの危険性が高く、場合によっては基礎工事の必要が出てきます。特に傾斜のある場所では地盤が弱いケースも多々あり、あらかじめカーポートの設置に問題がないか、きちんと調査しておくことも不可欠です。
さらに積雪や強風の多い地域では、風雪に強い性能を備えたカーポートにしておかないと、倒壊などが起きてしまうリスクが高まります。地域ごとに、設置できるカーポートの性能が指定されているので、きちんと各自治体が定める基準に沿った種類を選ぶようにしましょう。
隣地との距離や日照・通風への影響
カーポートの設置にあたっては近隣や道路への影響も考慮する必要があり、隣地のプライバシーをはじめ、日当たりや風通しの確保にも配慮しなければなりません。なお隣地との距離は、民法では50cm以上を確保するのが原則とされています(地域によっては条件追加あり)。また周辺の採光や通風のためには、北側斜線制限・道路斜線制限・隣地斜線制限などによる、規定の高さに沿ったカーポートの施工が求められます。こうしたそれぞれのルールは、地域ごとに定められているので、各自治体のホームページなどで詳しい規定を確認してみましょう。
固定資産税の対象になるか
カーポートの機能性や設置目的などによっては、固定資産税が適用される可能性があり、あくまで駐車スペースとして使えるように考慮しておくことも重要です。例えば壁やシャッターで屋外から遮断された構造で、基礎工事などにより敷地に定着させたカーポートになると、固定資産税がかかってしまいます。さらにちょっとした作業スペースや倉庫など、車庫以外にも使えるようになっていると、固定資産税の対象となる可能性があるため注意しましょう。
自治体の条例や景観規制
カーポートの設置条件は、ここまでに見てきたルールを基本として、地域ごとに異なる条例・景観規制が設けられているケースがあります。地域ごとに気候や周辺環境の特性は変わってくるため、その土地に適した住居として、安全性や周りとの調和を守るためです。カーポートの施工にあたっては、必ず事前にお住まいの自治体で決まっているルールを把握しておきましょう。
将来的な撤去・増築のしやすさ
生活環境や家族構成などの変化によっては、カーポートが必要なくなったり、あるいはスペースを増やしたりする可能性も出てきます。今後のライフプランに応じて、撤去や増設・延長がしやすいカーポートにしておくと、自宅の敷地をより柔軟に活用しやすくなるでしょう。こうした将来性も考慮しながら、あらかじめどのようなタイプのカーポートがいいのか検討しておくのがベストです。
設置後のメンテナンス計画
屋外の雨風にさらされるカーポートは、使用年数を追うごとに劣化や強度の低下が進む設備でもあり、定期的な点検や補修などのメンテナンスも重要になってきます。一般的にカーポートの耐用年数は、15年程度とされていますが、メンテナンスの仕方によっては、もっと長年で維持しながら使うことも可能です。もちろん専門会社によるメンテナンスには費用もかかるので、コスト面も考慮しつつ、どのくらいのペースで保守していくべきなのか計画しておくことをおすすめします。
まとめ
最後に、カーポートを設けたマイホームを考えるにあたり、覚えておきたいポイントをQ&A方式でまとめていきます。
カーポートとは?
カーポートは柱と屋根で造られる車庫で、雨風などを防いでマイカーを維持したい場合に取り入れやすい駐車設備です。
カーポートとガレージの違いは?
カーポートは基本的に柱と屋根のみの簡易的な構造ですが、ガレージは屋根と壁などが揃った建物として機能する駐車設備となります。ガレージでは屋外から車を遮断して保管できる分、カーポートに比べて、施工費用や固定資産税がかかりやすい一面があります。
2025年の建築基準法改正でカーポート設置はどう変わる?
2025年の法改正にともない、ほとんどの住宅建築における確認申請の省略がなくなり、カーポートの設置も含めて審査対象となりました。建築の確認申請の基準が高くなった分、カーポート設置時の規制にも十分な注意が必要とされます。
カーポートは、ガレージに比べて施工がしやすく、通常の屋外駐車場よりもマイカーの保管性に優れた車庫設備です。設置に向けては、さまざまな法律上の規制にも注意する必要はありますが、カーポートがあることでマイカーを維持しやすくなる利点も。またカーポート本体のデザインを工夫することで、家全体の外観をおしゃれにできる魅力もあります。そんな幅広く活用できるカーポートの取り付けをお考えであれば、ぜひ本記事も参考に、マイホームへの設置を検討してみてください。
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