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家を建てるのに適した理想的なタイミングは?具体例と必要な準備を解説

家を建てるのに適したタイミングは人によって異なります
家を建てる際には、非常に大きな出費がともないます。人生における重要な選択であるため、適したタイミングを知りたい方もいることでしょう。

本記事では、家を建てるのに適したタイミングをデータや具体例とともに詳しく解説します。また、家を建てる前に必要な準備と注意点、利用できる制度をあわせてご紹介。マイホームを最適なタイミングで建てられるよう参考にしてください。

データから考える家を建てるのに適したタイミング

家を建てるのに適したタイミングについてデータをもとに解説します
家を建てるのに適したタイミングについてデータをもとに解説します

まずは、家を建てるのに適したタイミングを、平均値などのデータから考えていきましょう。家を建てた時の年齢・所得・居住人数のデータを以下にまとめました。

家を建てるのに適した年齢

年代 割合
30歳未満 13.4%
30代 46.0%
40代 24.2%
50代 7.7%
60歳以上 8.7%

出典:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書(PDF)

国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、初めて家(注文住宅)を建てた人の平均年齢は、40.1歳。
年代別の割合では、30代で住宅を取得する人が46%ともっとも多い結果となりました。次に40代が多いため、データから考える家を建てるのに適した年代は、職や収入が安定しやすい時期である30代~40代と考えられるでしょう。
また、30代は結婚や出産などライフイベントも集中しやすいため、家を建てるきっかけにもなります。

30歳未満の場合、必ずしも早計ではありませんが、年齢から考えるならタイミングを遅らせてもいいでしょう。一方で、50代以上の場合は住宅ローンの完済が定年を過ぎることを考えると、家を建てることが難しくなる年代です。しかし、他の条件次第では30代~40代のタイミングを過ぎても家を建てられます。

家を建てるのに適した所得

年収 全国 三大
都市圏
400万円未満 8.3% 5.3%
400万円以上600万円未満 22.9% 17.0%
600万円以上800万円未満 25.8% 21.1%
800万円以上1,000万円未満 19.1% 25.1%
1,000万円以上1,200万円未満 9.4% 8.8%
1,200万円以上1,500万円未満 6.7% 10.5%
1,500万円以上 約7.8% 約12.2%

出典:国土交通省「令和5年度 住宅市場動向調査報告書(PDF)

国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」によると、初めて注文住宅を取得した世帯の世帯年収の平均は、全国で808万円、三大都市圏で924万円でした。
全国では600万円以上800万円未満の割合がもっとも多く、三大都市圏では800万円以上1,000万円未満の割合が多いことがわかります。

住宅ローンの借入額は年収の5~7倍が目安、年収が600万円以上あれば4,000万円の注文住宅の購入が可能に。タイミングとして、世帯収入が600万円を超えると注文住宅を建てるのを決める人が比較的多いようです。

適した居住人数

家族が増えたタイミングは、家を建てるのに適したタイミングです。国土交通省の「令和5年度 住宅市場動向調査報告書」のデータを見ると、初めて注文住宅を取得した世帯の居住人数の平均は3.2人でした。居住人数の各割合は2人で25.9%、3人で31.2%、4人で25.4%です。世帯人数が3人を超えたタイミングは、家を建てることを検討するいい機会と考えられます。

家を建てるのに適したタイミングの例

家を建てるのに適した具体的なタイミングの例を紹介します
家を建てるのに適した具体的なタイミングの例を紹介します

注文住宅を建てるタイミングに、ライフイベントが影響することが多いでしょう。ここでは、きっかけとなるライフイベントを中心に、具体的なタイミングの例を紹介します。

  • 結婚した時
  • 出産した時
  • 子どもが成長した時
  • 働き方が変わる時
  • 老後の生活に備える時
  • 理想的なマイホームを建てられるようになった時

それぞれ詳しく見ていきましょう。

結婚した時

結婚を機にマイホームを考える場合、プロポーズや入籍後など、将来設計を意識するため、夫婦で理想の住まい像を共有しやすいタイミングです。賃貸の家賃を住宅ローン返済に置き換えられるため、家計の試算も立てやすいでしょう。将来的な家族構成の変化も考慮して前もって対応できるため、注文住宅を購入するのに理想的なタイミングの一つといえます。

出産した時

子どもが生まれて世帯人数が増えるタイミングは、多くの人が家を建てることを考える機会になります。出産後、母子ともに体調が安定したタイミングで家を建てることを検討しましょう。子どもが成長する前に建てる家はケガ防止の安全対策が必要です。将来的に子ども部屋を用意することも考えて、部屋数や収納力を確保した間取りにすることも重要になります。

子どもが成長した時

出産したタイミングではなく、保育園・幼稚園への入園、小学校への入学など子どもの成長にあわせて家を建てるのも一つのタイミングでしょう。その際、家を建てるエリアは、入学する学校や病院などの子育てに必要な施設が近くにある住環境が求められるでしょう。文教エリアの近辺で土地を取得できれば、教育環境だけでなく、将来的な物件の資産価値の向上も期待できます。

働き方が変わる時

転勤・転職で暮らすエリアが変わるタイミングや、テレワークが中心になり、移住を考えるようになったタイミングは、新しく家を建てることを検討するいい機会です。特に在宅勤務中心のライフスタイルの場合、家にいる時間が増えるため、仕事の環境を整える意味でも重要になります。防音対策や通信インフラの充実など、仕事に集中できる環境も考慮して住宅を設計しましょう。

老後の生活に備える時

老後は建て替え・リフォームを含めて、住環境を更新する機会になります。老後の負担を軽減する方法は、バリアフリー設計を取り入れることや、階段のない平屋を建てることが考えられるでしょう。また、子どもが独立して家を出たタイミングもいい機会になるため、家を建て替えることを含めて老後の生活に備える方法を検討します。

また、単身の高齢者は健康面・金銭面の不安から、新しく賃貸を借りることが難しくなる場合も多いです。老後の住環境を確保するために、定年を迎える前に家を持つことが対策として挙げられます。

理想的なマイホームを建てられるようになった時

ここまでライフイベントにあわせた家を建てるのに適したタイミングを紹介しました。しかし、家を建てる時の動機は、必ずしもライフイベントが理由でなくても問題はありません。単純にマイホームが欲しいという動機でも家は建てられます。

住宅を建てるために必要な所得・貯金を確保できるようになり、マイホームを建てられる条件が整ったタイミングで、設備やデザインにこだわって理想的な家を建てましょう。ただし、家の間取りは将来設計を考慮して決定するほうが効率的です。将来的に同居する人数が増える予定があるなら、部屋数を確保する必要があります。

家を建てる前に必要な準備

家を建てる前に必要な準備を解説します
家を建てる前に必要な準備を解説します

家を建てる前に必要になる準備は、主に以下の3つ。具体的にどのような準備なのか詳しく見ていきましょう。

  • 頭金を支払うために貯金する
  • 間取りや設備の希望をまとめる
  • 家を建てるエリアを検討する

頭金を支払うために貯金する

住宅購入の頭金は、物件価格の10%~20%が一般的な目安といわれています。家の購入資金の大部分は住宅ローンで賄えますが、頭金の支払いではまとまった資金が必要になるため、家を建てる前に準備しておきましょう。

例えば、3,000万円の家を建てる場合は、300万円~600万円の貯金が必要です。また、頭金だけではなく、諸費用として5%~10%程度の資金も確保しておきましょう。半年分の生活に必要な予備資金も確保することを考えると、余裕をもって頭金を支払える貯金を用意する必要があるでしょう。

間取りや設備の希望をまとめる

家を建てるなら、間取りや設備の希望を考えておきましょう。例えば、リビングの天井を高くして開放感を出す、水回りの設備をまとめて家事動線を短くすることが一例として挙げられます。同居人がいる場合は一人で考えるのではなく、家族と相談して決めるようにしましょう。

ただし、実際に設計するにあたって、すべての希望を叶えられるわけではありません。妥協する部分と譲れない部分に分けて、優先度を考えることをおすすめします。

家を建てるエリアを検討する

家を建てるエリアによって、必要な費用も大きく変わります。勤務先までの通勤時間が短く、主要な駅にアクセスしやすいエリア、子育て世帯であれば子どもが通う小学校・中学校の学区は希望する条件になるでしょう。

また、再開発計画があり、人口増加が見込めるエリアを選択することで、将来に売却した場合の資産価値の向上も期待できます。需要の高い利便性のあるエリアを選ぶことは、物件を資産として考える場合もメリットが大きいです。

ただし、需要の高いエリアは、家を建てるために必要な資金も多くなりやすいです。貯金や所得によっては、希望するエリアに家を建てることが難しい場合も考えられるでしょう。

家を建てるタイミングに関する注意点

家を建てるタイミングに関する注意点を解説します
家を建てるタイミングに関する注意点を解説します

家を建てるタイミングを決めるにあたって、注意するべきポイントについて詳しく解説します。

住宅ローンの完済時年齢を考慮する

家を建てるのに適した年代が30代~40代である理由は、住宅ローンを完済するタイミングは定年前であることが理想だからです。30代であれば、30年のローンを組んでも、定年となる60代に完済できる計算になります。

住宅ローンは、完済時年齢を考慮して借り入れをおこないます。完済時年齢の上限は金融機関によって異なりますが、一般的に80歳です。40代以降に住宅ローンを利用する場合は、定年退職後の生活も考慮しなければなりません。

年齢が高くても定年までに完済したい場合や、完済時年齢を少しでも引き下げたい場合は、返済期間を短縮して住宅ローンを組む必要があります。

金利の変動は借り入れに影響を与える

住宅ローンは金利が上昇すると利息が増えるため、返済負担が増加します。一方で、金利が低くなると利息が減るため、総返済額が減少しやすくなります。家を建てるために借り入れをおこなう場合は、金利の上昇・下落の影響を受けることを理解しておきましょう。

住宅ローンで利用できる2つの金利タイプを適切に選択することが、金利変動の対策になります。

金利タイプ 説明
固定金利 契約時に設定した金利が返済開始から
完済まで変わらず適用される
変動金利 返済期間中に適用金利が市場金利に応じて
定期的に見直される

長期的に金利が低下する局面にあるなら、変動金利を選択して返済負担を減らしましょう。一方で、金利が上昇する可能性がある場合は、固定金利を選択してリスクに備えます。家を建てるタイミングにおける市場金利の動向を注視し、適切な金利タイプを選択する必要があります。

安易なフルローンの利用は避ける

頭金が事前に用意できない場合でも、フルローンを利用できれば住宅ローンを組める可能性があります。フルローンは、住宅購入価格の全額をローンで賄う借り入れ方法です。頭金を支払わないことで、自己資金を残して住宅ローンを組めることが魅力になります。

しかし、「フルローンであれば貯金がなくても家を建てられる」という発想はリスクが高いでしょう。住宅ローンで頭金を支払わない場合は、物件価格の5%~10%程度にあたる手付金を求められます。

諸費用を支払うことを考えると、一定の貯金は必要です。仮に手付金も諸費用もローンでまかなう場合は、借入金が増えることで月々の返済額が増えるため、返済負担も大きくなります。貯金が少ないからといって、安易にフルローンを利用しないようにしましょう。家を建てるなら月々の返済にあてられる所得が増加し、まとまった貯金ができたタイミングが理想です。

時期によってはひび割れ・凍害のリスクがある

家を建てる時期を考えるなら、夏季・冬季の基礎工事には注意が必要です。工事の時期によっては、高温でひび割れが生じる場合や、寒さでコンクリートが凍結する凍害のリスクがあります。家の強度が下がる原因になるため、工事のタイミングを考えることが重要です。

夏季・冬季を避けるなら、4月~5月に着工、9月~11月に竣工、あるいは10~11月に着工、2~3月に竣工のスケジュールが考えられます。建てた家に長く住み続けるためにハウスメーカー・工務店と相談しながら工事のタイミングを決定しましょう。

着工時期によっては工事が遅延する可能性がある

着工時期によっては、人手不足や天候の関係で工事が遅延する可能性があります。特に新生活が始まる春先には、家を建てることを検討する人が多く、ハウスメーカーが工事スタッフや外注業者を確保できないことも。台風の季節と重なる夏季は、悪天候の影響で工事が遅延するリスクもあります。遅延なく工事を完了させるには、ハウスメーカーと相談して人手を確保できるタイミングを選びましょう。

家を建てる際に利用したい節税・補助金制度

家を建てる際に利用したい制度を解説します
家を建てる際に利用したい制度を解説します

最後に、家を建てる際には、経済的な負担を減らすためにも利用できる節税・補助金制度がないかを確認しましょう。ここでは、注文住宅を建てる際に利用できる節税・補助金制度を3つ紹介します。

住宅ローン控除

住宅ローン控除とは、住宅ローンの年末残高に応じて一定割合を所得税・住民税から控除できる制度です。長期優良住宅・低炭素住宅やZHE水準省エネ住宅、省エネ基準適合住宅に認定された注文住宅を建てると13年間にわたって、住宅ローンの年末残高の0.7%が所得税・住民税から控除されます。(2025年時点)
住宅ローン控除が適用される条件は以下のとおりです。

  • 住宅取得後6か月以内に入居し、引き続き居住していること
  • 家屋の床面積(登記面積)が50㎡以上であること(※)
  • 床面積の2分の1以上が、専ら自己の居住の用に供されるものであること
  • 民間の金融機関や独立行政法人住宅金融支援機構などの住宅ローン等を利用していること
  • 住宅ローン等の返済期間が10年以上で、分割して返済するものであること
  • 控除を受ける年の所得金額が2,000万円以下であること
  • 長期優良住宅建築計画の認定通知書(又は低炭素建築物新築等計画の認定通知書)及び住宅用家屋証明書などにより証明されたものであること

出典:国税庁「マイホームを持ったとき
※家屋の床面積が40㎡以上50㎡未満(令和7年12月31日までに建築確認を受けたものに限ります。)である場合は、控除を受ける年の所得金額が1,000万円以下であるときに限り控除を受けることができます。

子育て世帯・若者夫婦世帯(※)が長期優良住宅を注文住宅で建てた場合、控除を受けられる住宅ローンの年末残高の上限が5,000万円となり、最大35万円の控除を受けられます。
節税効果が非常に高いため、家を建てる際には住宅ローン控除の適用条件を満たすことを意識したいところです。

※子育て世帯:申請時に、2023年4月1日時点で18歳未満の子を有する世帯
若者夫婦世帯:申請時に夫婦であり、2023年4月1日時点でいずれかが39歳以下である世帯

ZEH支援事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)支援事業は、一戸建て住宅の省エネ化・創エネ化を促進し、カーボンニュートラル達成を目指す個人と事業者に向けた補助金制度です。個人の補助金額は、ZEHの基準を満たす場合は1戸あたり55万円、ZEH+の条件を満たす場合は1戸あたり90万円になります。

住宅ローン控除でも、ZEHなどの省エネ基準に適合した住宅であることが求められます。補助金をもらうためにも新しく家を建てるなら、省エネ基準に適合した家を建築する必要があるでしょう。

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高い住宅を新築・リフォームする際に補助を受けられる制度です。省エネ性能に応じて最大160万円の補助金が受け取れます。

ただし、子育てグリーン住宅支援事業とZEH支援事業の併用はできません。また、子育てグリーン住宅支援事業は、ZEH支援事業をはじめとする国の補助金制度とは同一の補助対象についても併用できませんが、国の財源を用いない地方自治体の助成制度は、要件を満たせば併用可能です。

まとめ

具体的なデータから、家を建てる年代は30代~40代が適していることがわかりました。ライフイベントから考えるなら、結婚・出産、子どもが成長したタイミングにあわせることが望ましいでしょう。

家を建てたいと考える動機はさまざまあるため、ご自身のライフステージに合った最適のタイミングでマイホームを計画しましょう。

長谷川 賢努

執筆者

長谷川 賢努

AFP(日本FP協会認定)、宅地建物取引士

大学を卒業後、不動産会社に7年勤務、管理職を務めたが、ひとつの業界にとどまることなく、視野を拡げるため、生命保険会社に業界を超え転職。しかしながら、もっと多様な角度から金融商品を提案できるよう、再度転職を決意。今までの経験を活かし、生命保険代理業をおこなう不動産会社の企画室という部署の立ち上げに参画し、商品、セミナー、業務内容の改善を担う。現在は、個人の資産形成コンサルティング業務などもおこなっている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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