家づくり、何から始める?注文住宅の失敗しないステップガイド

本記事では、家づくりの基本的なステップ・流れやイメージを固める方法、注文住宅の予算の決め方など、家を建てるときの手順とポイントについて解説します。
記事の目次
家づくりの基本的なステップ・流れ

注文住宅が完成するまでには、次のように多くのステップがあります。
- STEP 1理想の家のイメージを固める
- STEP 2予算を決め、資金計画を立てる
- STEP 3どこに住むか地域を決める
- STEP 4ハウスメーカーを探す
- STEP 5土地探しや敷地調査を進める
- STEP 6間取りや設備をプランニングする
- STEP 7見積もりを依頼、比較する
- STEP 8土地や住宅の売買契約を結ぶ
- STEP 9住宅ローンの審査を進める
- STEP 10着工(工事開始)
家づくりの主なステップは、「準備」「ハウスメーカー・土地探し」「設計」「契約・引渡し」の4つに分類されます。
まず準備として、理想の家のイメージを固める、予算を決め、資金計画を立てる、どこに住むか地域を決めることから始めます。これらの準備は理想の家を建てる基本的な枠組みであり、枠組みがブレるとイメージ通りの家は建てられません。
次に、準備で決めた内容をもとに、ハウスメーカー・土地探しを開始します。理想の家によって建物の構造や土地の立地が異なるため、イメージにあったハウスメーカーと土地を選ぶ必要があります。
土地まで決まったら建物の設計に入り、理想の家になるよう打合せを重ねていきましょう。設計を終えて建築費用が確定したら、契約を締結し着工します。
家を建てるまで、期間はどのくらいかかる?
家を建てるまでの期間の目安は、次のとおりです。
- 準備:1カ月程度
- ハウスメーカー・土地探し:3~6カ月程度
- 設計:3~10カ月程度
- 着工:4~7カ月程度
家が完成するまで短くて11カ月程度、長いと2年程度かかります。注文住宅を建てて引越しするまでには長い期間がかかると考え、余裕あるスケジュールを立てておくことが大切です。余裕あるスケジュールを組んでおけば、焦って土地を探したり設備を決めたりしなくて済みます。
「理想の家」のイメージを固めるには?

ここからは、家づくりに必要な各工程の「何から始めればいいか」をまとめていきます。まずは次のようにして、注文住宅の理想像を固めていきましょう。
- どんな暮らしが理想的か考えてみる
- 住宅展示場など実際の家を見てみる
- 迷う場合は「軸」を決める
- 間取りのプランニングは実際の暮らしを想像する
理想の家のイメージは家づくりするにあたり、非常に重要な要素です。今後の家づくりの方針になるため、イメージがブレないようにしっかりと固めましょう。
どんな暮らしが理想的か考えてみる
自分にとってどんな暮らしが理想的か考えれば、家のイメージが固まってきます。例えば、静かな暮らしを優先するなら、防音性の高い家、郊外での土地探しが条件になります。また、日当たりのいい家なら、吹き抜けの設置を検討したり、南向きの土地を探したりしなければなりません。
このように暮らしを想像するだけでも、理想の家は変わります。自分にとってどのような暮らしが理想的なのか思い浮かべ、しっかりとイメージを固めておきましょう。
住宅展示場など実際の家を見てみる
理想の家をイメージしたら、実際に建築できるものなのか住宅展示場で完成したものを見てみましょう。家を建てるときには法律や建築の知識が必要になるものの、知識を完全に理解している人はいません。そのため、イメージした家が本当に建てられるのか、確認する作業が必要になります。
思い描いた家と完成した家を見比べ、理想をかなえられる部分や検討し直す部分を確認すれば、よりいっそうイメージが固まるはずです。
迷う場合は「軸」を決める
情報を収集してイメージを固めていくと、どうしても迷いが生じます。例えば、窓を大きくして日当たりをよくしたいが、プライバシーも守りたいといった場合です。大きな窓を数多く設置すれば日当たりが確保できるものの、外から室内が見える箇所も増えてしまいます。
このように希望を両立できない場合、どちらを選択すればいいのか迷ってしまうかもしれません。しかし、日当たりを最優先にすると考えれば、迷いはなくなるはずです。迷いを発生させないためにも、考え方の軸を作っておくといいでしょう。
間取りのプランニングは実際の暮らしを想像する
理想の家のイメージが固まってきたら、実際の暮らしを想像しつつ間取りをプランニングしてみましょう。想像だけでイメージすると、どうしても曖昧な部分が出てきてしまいます。曖昧な部分を残しておくとイメージのブレにつながるため、生活動線や部屋の使い方など具体的な生活を考えておくことが大切です。人の動きまで想像すれば、理想と現実のギャップが埋められて家づくりに失敗しにくくなります。
注文住宅の予算と住宅ローンはどう考える?

理想の家がイメージできたら、実際に建築できる予算に収まるのか、住宅ローンを借りた場合に返せるのか考えなければなりません。注文住宅の予算と住宅ローンについては、次のように考えておきましょう。
- 実際の相場や平均価格を調べてみる
- 「現在の家賃」を目安にしてみる
- 自己資金をどのくらい準備できるか考えてみる
- 資金計画を立ててみる
お金について考えておけば、理想の家が建築できても返済が厳しいという失敗を防げます。
実際の相場や平均価格を調べてみる
実際の相場や平均価格を調べれば、家づくりの予算が固まります。家づくりは依頼するハウスメーカーや、建物の構造によって建築費用が変わります。そのため、相場や平均価格を調べておかないと、家づくりの予算を決められません。理想の家のイメージを固めたら、気になるハウスメーカーの平均価格を調べましょう。しっかりと調査すれば、理想の家を建てるために必要なお金を計算できます。
「現在の家賃」を目安にしてみる
予算を立てたら、住宅ローンの返済額が現在の住まいの家賃とどの程度の差が出るのか確認しましょう。年収が多ければ多額の住宅ローンで家を建てられますが、月々の返済額が多いと生活が圧迫されます。
月々返済でどの程度生活が圧迫されるのかは、現在の家賃と比較するといいでしょう。現在の家賃より少なくなれば余裕をもって返済できますし、多くなったとしても現在の家賃と比較すれば返していけるかわかります。ただし、家賃より返済額が少ないとしても、固定資産税や修繕費などの費用はかかることには注意しましょう。
自己資金をどのくらい準備できるか考えてみる
月々返済額を減らすには、自己資金を活用しましょう。家づくりの予算と月々返済額を確認したら、自己資金をどのくらい準備できるか考えます。注文住宅の建築費用が4,000万円であったとしても、自己資金が1,000万円用意できれば住宅ローンの借入額は3,000万円に抑えられます。
4,000万円の住宅ローンを35年返済・金利0.5%で借りると月々返済額は103,834円ですが、3,000万円なら月々返済額は77,875円です。家づくりする前に住宅ローンの返済まで考えて計画を立てれば、余裕ある生活が送れるはずです。
資金計画を立ててみる
予算・住宅ローンの借入額・月々返済額を確認したら、実際に資金計画を立ててみます。資金計画を立てる際には、ライフスタイルの変化も考慮しつつ進めていきましょう。注文住宅を建築するときには夫婦だけでも、年数が経過して子どもができる可能性もあります。
現在の状況なら返済が楽にできる月々返済額だったとしても、将来の自分たちが楽に返済できるとは限りません。住宅ローンの返済は何十年も続くと考え、資金計画も長期的な視点で立てることが大切です。
どこに家を建てる?住みたい地域・土地を選ぶには?

家づくりするには、建物を建築する土地を選ばなければなりません。土地を探すときには、次のポイントを押さえて進めましょう。
- 通勤・通学など今後の生活を考える
- 周辺施設が充実しているか調べる
- 平均坪単価と予算を比較する
土地の周辺環境は入居後の住みやすさに影響し、土地の価格は予算に影響します。家づくりに大きな影響を与えるため、あらかじめポイントを理解しておきましょう。
通勤・通学など今後の生活を考える
今後の生活を考えて土地を選べば、入居後に通勤や通学でストレスが溜まらなくなります。実際に生活を始めてみると、思いもよらなかったことがおきてストレスが溜まることもあります。例えば、夫婦2人で家づくりをし、将来できる子どもの通学路の危険性まで考慮していないといったケースです。通学路が危険だと、親として毎日心配になってストレスが溜まってしまうでしょう。入居後をストレスなく快適に過ごすには、今後の生活を考えて土地を選ぶことが大切です。
周辺施設が充実しているか調べる
周辺施設が充実している土地なら、日々の生活が楽になります。土地の周辺にあってほしい施設の代表例は、次のとおりです。
- 食料品店
- 日用品店
- ドラッグストア・コンビニ
- バス停・鉄道駅
- 病院・クリニック
- 保育・小学校
- 飲食店 など
生活するのに便利な施設が整っていると、快適性が大きく変わります。土地探しする際には、周辺施設がどの位置にあるのか、行きやすい場所にあるのか調べておきましょう。
平均坪単価と予算を比較する
家づくりの予算を超えないよう、土地の平均坪単価を調べてどの地域で購入するのか決めましょう。土地の価格は地域によって大幅に変わり、家づくりの予算を圧迫するケースもあります。建物の予算を削ると理想の家が建てられなくなるため、土地の平均坪単価を調べ、自分にあった地域を探すとよいでしょう。
土地の平均坪単価を調べる際には、国土交通省が運営するサイト「不動産情報ライブラリ」を利用しましょう。不動産情報ライブラリには、過去の成約事例と坪単価の目安となる「公示価格」が登録されているため、地域の平均坪単価を調べるのにぴったりのサイトです。
ハウスメーカー・工務店選びは何から始めればいい?

ハウスメーカー・工務店を選ぶ際には、次のポイントを押さえておきましょう。
- まずはインターネットで情報を収集する
- 住宅展示場や完成見学会でモデルハウスを見てみる
家づくりにおいてハウスメーカー・工務店選びは非常に重要です。理想の家を建築するために、ハウスメーカー・工務店をしっかり選びましょう。
まずはインターネットで情報を収集する
ハウスメーカーや工務店へいきなり訪問するのではなく、まずはインターネットで情報を集めましょう。インターネットでハウスメーカーや工務店の特徴をあらかじめ調べておけば、訪問したときにいろいろな質問ができます。何を質問したらいいのかわからない状態で訪問すると、理想の家を建てるときに発生する障害に気付けません。ハウスメーカーや工務店の得意な構造は何か、どのような内装・外装になるのかなど、細かな部分まで調べましょう。
住宅展示場や完成見学会でモデルハウスを見てみる
インターネットで下調べしたら、実際に住宅展示場や完成見学会でモデルハウスを見てみましょう。収集した情報をもとに担当者に聞くこと、現地で確認することをまとめたら、現場で調査内容があっているか確認します。確認するときには、完成現場である住宅展示場や完成見学会を利用すると、より具体的な質問ができます。イメージを徐々に具体的にしていき、自分にとって理想の家がどのような建物なのか明確にしましょう。
注文住宅、興味はあるけど難しそう…そんな時もアットホームがサポート!

注文住宅に興味はあるものの、どのように進めたらいいのかわからない人は、「住まい・不動産のお役立ち情報-建てる-」を参考にしてみてください。アットホームの住まい・不動産のお役立ち情報には、理想の家を建てるための情報が多く掲載されています。多くの情報を集めてイメージを固めれば、理想の家がどのようなものか明確になります。
まとめ
ここからは、理想の家づくりするときのポイントをおさらいしていきます。
- 注文住宅、何から始める?
- 理想の家にするためにはどうすればいい?
- 注文住宅の予算の決め方は?
ポイントを押さえ、家づくりを成功に導いていきましょう。
注文住宅、何から始める?
注文住宅を建築する場合、理想の家のイメージを固める・予算を決め、資金計画を立てる・どこに住むか地域を決めるなどの準備から始めます。
理想の家にするためにはどうすればいい?
理想の家にするには、どんな暮らしが理想的か考えてみる・住宅展示場など実際の家を見てみる・迷う場合は「軸」を決める・間取りのプランニングは実際の暮らしを想像するなどイメージを固めます。
注文住宅の予算の決め方は?
注文住宅の予算は、実際の相場や平均価格を調べてみる・ 「現在の家賃」を目安にしてみる・自己資金をどのくらい準備できるか考えてみる・資金計画を立てるなどで決めます。
理想の家を建てるには、まずどのような建物を建てたいのかイメージを固めます。イメージを固めておけば、家づくりを進めても理想はブレません。イメージを固めるには、どんな暮らしが理想的か考えてみたり、住宅展示場など実際の家を見てみてみたりするといいでしょう。将来のことを考えたり、さまざまな情報を入手したりすれば、理想の家がどのような建物か明確になります。理想の家を建てるためにも、多くの情報を入手してから注文住宅の建築を開始しましょう。
注文住宅を建てる