注文住宅の見積もりはどうやって取る?流れや比較するポイントを解説

しかし希望を盛り込んでいくうちに、予算をオーバーすることも少なくありません。完成までにかかる費用を把握するためにも、まずは見積もりを依頼しましょう。
この記事では、見積もりを取る流れや、見積もりに記載されている項目を解説します。また相見積もりを比較する時のポイントや注意点、予算がオーバーした際の解決策もまとめました。注文住宅を建築予定の方はぜひ参考にしてください。
記事の目次
注文住宅の見積もりとは、なぜ必要?

注文住宅を建てるのにかかる費用を把握し、自分の予算に合うのか確認するためにも見積もりが必要となります。また見積もりは、建築会社を比較する材料にもなります。
理想のマイホームを実現するためにも、見積もりの重要性を理解し、無理のない資金計画を立てましょう。
注文住宅の見積もりの種類
見積もりは大きく分けて3つの種類があり、ハウスメーカーや工務店に依頼する段階に応じて、内容や用途も異なります。金額に対する精度も異なるため、実際に依頼した見積もりがどれに当たるのか理解しておきましょう。
概算見積もり
概算見積もりは、おおまかなコストを知るために依頼することが多く、複数の建築会社を比較するために利用するのが一般的です。おおむね希望の床面積や部屋数は反映されています。
しかし、細かい仕様や設備は加味していないため、実際の金額とは大きく異なることもあります。
詳細見積もり
詳細見積もりとは、建築会社とプランの打ち合わせを重ねたあと、施主が選定した仕様や設備を計上して作成した見積もりです。実際に建築を予定している床面積で計算されているため、予算に合えばそのままの内容で契約することも可能です。
最終見積もり
最終見積もりとは、工事請負契約を締結する際の見積もりのことです。契約金額や工事内容を確定する意味もあります。
契約後に工事内容を変更すると、変更契約が必要になり、別途費用もかかります。よく検討したうえで、工事請負契約を結びましょう。
注文住宅の見積もりを取る際の流れ

注文住宅の見積もりを取る一般的な流れを、4つ紹介します。
予算・希望条件を整理する
まず建築会社に相談する前に、予算や希望条件を整理します。自己資金を確認し、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。
希望条件に合うプランでも、はるかに予算を超える見積もりであれば、時間の無駄になります。スムーズに進めるために、予算と希望条件を伝えられるよう準備し、優先順位も決めておきましょう。
建築会社の特徴を調査する
建築会社ごとに特徴があります。それぞれ施工のデザインや得意な工法、住宅性能(耐震性能や断熱性能)が異なります。
インターネットやカタログなどで情報収集し、気になる建築会社は住宅展示場や現場見学会へ実際に足を運んで体感するのもおすすめです。担当者に直接会って説明してもらうこともできるため、疑問点があれば確認しておきましょう。
複数社から概算見積もりを取って比較する
好みや条件に合う建築会社が見つかれば、比較するためにも複数社に概算見積もりを依頼します。
相談先が多すぎると選定が難しくなるため、多くても2~3社程度にとどめるのがよいでしょう。概算見積もりを受け取ったら、予算や希望条件に合うのか確認します。
1社に絞ったうえで詳細見積もりを取る
建築会社を1社に絞ったうえで、担当者と建築プランの打ち合わせをし、建築会社へ詳細見積もりを依頼します。詳細見積もりで工事ごとのコストがわかるため、予算オーバーであれば仕様や建材を変更して予算に合うようにし、最終見積もりを依頼しましょう。
注文住宅の見積もりに記載されている項目

注文住宅の見積もりは、建築費(本体工事費)・諸費用・別途工事費の3つで構成されています。それぞれどのような項目があり、具体的に何が記載されているのか詳しく紹介します。
建築費(本体工事費)
建築費とは、建物本体を建てるのにかかる費用で、本体工事費と呼ばれることもあります。具体的には仮設工事・基礎工事・屋根工事・外壁工事・設備工事・配管工事・建具工事・内装工事などが含まれます。
細かい項目や内訳は建築会社によって異なることがありますが、建築費は見積もり総額の70~80%を占める費用です。
諸経費
建物を建てる場合、建築費以外に諸費用がかかります。例えば地盤調査費用や工事請負契約書に貼付する印紙代、建築確認申請費用、登記費用、住宅ローン事務手数料、火災・地震保険料などです。
工事には直接関係しない費用ですが、見積もり総額の5~10%を占めます。概算見積もりには計上していないこともあるため、別途諸費用がかかることを想定しておきましょう。
別途工事費用
建物本体工事以外にかかる工事費を、別途工事費用として計上します。土地の条件や施主の希望によって別途工事が必要か否か異なるため、どこまでが見積もりに含まれているのか確認しておきましょう。
例えば既存建物の解体工事や地盤改良工事、外構工事、照明器具工事、カーテン工事、エアコン工事などが別途工事費になります。
注文住宅の見積もりを比較する時のポイント

希望通りの注文住宅を無理のない資金計画で建てるためにも、これから紹介する4つのポイントを押さえて見積もりを比較するようにしましょう。
見積もりの条件を揃える
複数社の見積もりを比較する際は、なるべく条件を揃えて依頼するようにします。床面積や内装の仕様、設備のグレードが異なると、見積額を正しく比較できません。
採用したい設備や建材のグレードがあれば指定するようにし、耐震性能や断熱性能なども含めて各社の見積額を比較しましょう。
各社へ見積もりを依頼する前に希望や条件を整理し、優先順位を決めてリストアップしておくことをおすすめします。
見積もりが値上がり・値下がりする可能性を聞く
建築会社によって、見積もりに計上する工事費用や項目が異なることがあります。建築費以外にかかる費用がどこまで含まれているのかチェックし、見積もり額が値上がりする可能性があるのか聞いておきましょう。
例えば、地盤調査の結果によっては、地盤改良工事が必要になり、数十万円から数百万円単位の費用がプラスになることがあります。一方でカーテン工事や外構工事など、選ぶものやプランによっては削減できる費用もあります。
予算内で希望を叶えるプランになっているか確認する
見積もりを比較する時は、提示した条件を満たしているのかチェックし、希望を叶えるプランになっているのか確認しましょう。見積もりは予算内であっても、あとになって追加工事が必要になる可能性があり、結局予算オーバーになるおそれがあります。
見積もりの金額だけでなく対応のよさも見る
建築会社の対応力や、担当者との相性も重視しましょう。予算内で建てようとして見積もりの金額だけで決めてしまうと、満足度は下がってしまうおそれがあります。
丁寧な説明やスピーディーな電話・メールが判断軸となります。対応がよい会社は安心して任せられ、契約から完成まで円滑に進められることが期待できるでしょう。
注文住宅の見積もりを確認する際の注意点

見積もりにはいろいろな項目があり、数字がたくさん並んでいますが、どのようなところに注意したらよいのでしょうか。特に注意すべきポイントを4つ紹介します。
概算見積もりからの変更点を確認する
概算見積もりには含まれていなかった費用が、詳細見積もりに計上されていることがあります。変更点をチェックし、削除されている工事費がないか確認しましょう。
含まれていると思っていた工事費が漏れていると、追加工事費が発生するかもしれません。変更点を探すのが難しい時は、担当者に変更点を教えてもらうとよいでしょう。
一式に含まれる内容を説明してもらう
見積もりの項目によっては「○○工事一式」とだけ記載してあり、仕様や数量がわからないことがあります。例えば浴室工事であれば、想定しているメーカーや商品名を説明してもらうようにし、希望するグレードなのか確認しましょう。
諸経費に含まれる内容を明確にしてもらう
諸経費とだけ記載されている場合は、含まれる内容を明確にしてもらいましょう。建築会社によって見積もりの項目や計上の仕方が異なるため、思い込みには注意が必要です。
また細かい項目を確認することで、資金計画も立てやすくなります。
時間が経ってしまった見積もりは再作成を依頼する
見積もり依頼後時間が経ってしまった場合は、再作成を依頼するようにしましょう。製品のリニューアルや廃番にともない、見積もり内容を変えなければならないケースがあります。
特に建築資材は世界情勢や為替の変動によって値上げすることがあり、見積額が大きく変わることがあるので注意が必要です。
注文住宅の見積もりが予算をオーバーした際の解決策

注文住宅は自由に設計できるのが魅力ですが、希望を盛り込んでいくうちに見積もりが高くなってしまう傾向があります。この章では、予算をオーバーした際の解決策を4つ紹介します。
削れる箇所かないか検討する
まず見積もりのなかで削れる箇所がないか、優先順位が低い項目から検討してみましょう。例えば作り付け家具の造作工事を止めて既製品を採用するなど、代替品を選ぶことで安く抑えられる項目がないか、担当者に相談してみましょう。
素材のグレードを見直す
内装や建築資材のグレードや仕様を見直し、見積もりを依頼してみましょう。一つ一つの単価はそれほど変わらなくても、全体の仕様を下げることで大きくコストダウンできる可能性があります。
外構工事は専門の会社に見積もり依頼をしてみる
注文住宅の建築工事と外構工事は、切り離して別の会社へ依頼することは可能です。造園会社などの専門の会社へ見積もり依頼し、金額を比較してみましょう。
他社よりも費用が高い項目をコストダウンできないか相談する
他社よりも費用が高い項目があれば、高くなっている理由を聞き、コストダウンできないか相談してみましょう。しかし高圧的な値下げ交渉は避けるようにし、信頼関係は壊さないように注意しましょう。
注文住宅の見積もりに関するまとめ
注文住宅の見積もりを取る流れや、注意点を解説してきました。最後に大切なポイントをまとめておさらいします。
注文住宅の見積もりを取る流れは?
まず家族で注文住宅に対する希望や条件を整理し、優先順位を決めてリストアップします。建築会社の特徴を情報収集したうえで希望に合いそうな2~3社を選定し、条件を揃えて見積もり依頼しましょう。
相見積もりを取って比較するポイントは?
建築会社を比較するためにも、見積もり依頼の条件を揃えることが重要です。見積もり額が増減する可能性を確認し、予算内で希望を叶えるプランになっているかチェックしてください。
予算オーバーした際の対処方法は?
予算をオーバーしてしまったら見積もりのなかで削れる項目がないか検討し、素材のグレードも見直します。例えば外構工事は専門の会社へ見積もり依頼して、金額を比較してみましょう。しかし見積もり額を下げることばかり優先すると、住宅に対する満足度が低くなるおそれがあります。
理想のマイホームを実現するためにも、建築会社の対応力や担当者との相性も重視し、予算とのバランスを考えてプランを立てるようにしましょう。
注文住宅を建てる