【事例あり】注文住宅のおしゃれな窓の決め方は?窓の種類や位置を決める時のポイントを解説!

そこで、本記事では注文住宅の窓をどのように決めればいいか詳しく解説します。窓がおしゃれな注文住宅の事例も取り上げているので、ぜひ家づくりの参考にしてみてください。
記事の目次
窓によって住宅の印象・住みやすさが変わる

光や風の入り口となる窓は、通風性や採光性を左右するパーツであり、快適性に大きく影響します。加えて、外観にも関わるため、家のおしゃれさも左右する重要なポイントです。そのため、窓によって注文住宅の満足度が大きく変わる場合もあるでしょう。
それだけ重要な役割を担っているからこそ、窓は建築基準法でも一定の規則が設けられています。「窓は居室の床面積の7分の1以上になること」「ひとつの部屋に開口できる窓を2つ以上設置すること」など基本的なルールをおさえつつ、快適さとおしゃれさを追求して窓を選びましょう。
注文住宅でおしゃれな窓を選ぶコツ

おしゃれで住み心地のいい家にするための窓選びでは、どのような点をおさえればいいのでしょうか。窓選び初心者は、まず次の5つを意識するのがおすすめです。
窓の種類にこだわる
どういった種類の窓があり、それぞれどんな特徴があるかを理解しましょう。窓の種類についてはのちほど詳しく紹介します。
窓の配置にこだわる
窓のレイアウト場所が少し異なるだけで、家の印象はもちろん採光や通風性も変わります。また、使い勝手のよさを追求するなら、それぞれの窓の位置を踏まえて、取っ手の形状や場所までこだわるのがおすすめです。
窓のデザインにこだわる
窓を決める際は、デザインにもこだわりましょう。例えば、サッシの色やガラスのタイプもさまざまなものがありますし、窓の周りにモールを付けることでも雰囲気がガラリと変わります。
窓のサイズにこだわる
窓の大きさにもこだわりたいところです。例えば、リビングであれば横幅180~240cm、高さ150~210cmが平均的なサイズであるといわれています。しかし、部屋をどのような雰囲気にしたいのか、あるいは立地・環境によっても、最適なサイズは変わります。
注文住宅全体でのバランスにこだわる
窓を決めるときは、リビングや寝室などの部屋ごとにどういったものがいいかという視点で考えがちです。しかし、家全体のバランスを考えるのも大切です。注文住宅の窓は家の中の雰囲気だけでなく外観もイメージしながら検討しましょう。
注文住宅の窓の種類とメリット・デメリット

ここでは注文住宅におすすめな窓の種類と、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
開閉方法の種類
窓の開閉方法には、複数のタイプがあります。
引き違い窓

複数枚のガラスを左右にスライドさせて開け閉めする「引き違い窓」は、日本の住宅でもっとも一般的なタイプで、さまざまな種類があります。そのため、リビングやダイニングなどの広い部屋からキッチンや寝室、洗面所などの限られたスペースまで、さまざまな場所に適しています。用いられやすい窓のため、比較的安価な点も魅力でしょう。
メリット |
・開閉しやすい
・開け幅を調整しやすい
・省スペース
・比較的安価
・サイズや規格のバリエーションが多い
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デメリット |
・窓全体を開けることができない
・外からの侵入を防ぎにくい
・外からの視線が気になる
・気密性が高くないため断熱性が低い
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縦すべり出し窓

「縦すべり出し窓」は縦方向を回転軸として、外側にすべり出すよう開閉する窓を指します。風を取り込みやすいため、キッチンや浴室、トイレなど、換気性能を重視する場所に設置するといいでしょう。スタイリッシュな印象でデザイン性が高いのも魅力です。
メリット |
・風を取り込みやすい
・気密性が高い
・狭いスペースに設置しやすい
・デザイン性が高い
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デメリット |
・強風の場合、開閉しにくいことがある
・雨天時に開けていると窓の内側が濡れる
・窓の解放するほうにスペースが必要
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横すべり出し窓

外側にすべり出すようにして開閉するのは、縦すべり出し窓と同じです。しかし、横すべり出し窓は、窓の下部を外に押し出して開けるタイプとなっています。気密性と防犯性が高いのがポイントです。
メリット |
・雨が入りにくい
・気密性が高い
・狭いスペースに設置しやすい
・防犯性が高い
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デメリット |
・強風の場合、開閉しにくいことがある
・縦すべり出し窓よりも通風性が低い
・窓を解放するほうにスペースが必要
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FIX窓(はめ殺し窓)

採光や眺望を目的として使われることが多いのが、「FIX窓(はめ殺し窓)」です。気密性や断熱性、防音性が高いため、さまざまな部屋で活用できます。開閉できず窓から落下する危険性がないため、子ども部屋でもよく使われるタイプです。
メリット |
・サイズや形のバリエーションが豊富
・気密性が高い
・採光性が高い
・防犯性が高い
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デメリット |
・掃除をしにくい
・換気ができない
・非常口として使えない
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上げ下げ窓

ガラスを上下にスライドさせて使う「上げ下げ窓」は、洋風のおしゃれな雰囲気を作りたいときにぴったりです。基本的に縦長であるため、リビングのほか階段などに設置するのにも向いています。
メリット |
・気密性が高い
・風通しがよい
・防犯性が高い
・見た目がおしゃれ
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デメリット |
・開閉にコツがいる
・カーテンとの相性がよくない
・比較的高額
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形状・設置位置の種類
形や設置位置の種類についても覚えておきましょう。
腰高窓(肘掛け窓)

「腰高窓」は、腰の高さほどにある窓のことで、一般的に床面から80~90cmの高さに設置されます。座った時に肘をかけやすいことから「肘掛け窓」と呼ばれることも。出入りはできないものの、採光性と通風性が高く、窓下にチェストなどの家具を配置することができる点も魅力です。ダイニングや書斎、寝室などに設置するのがおすすめです。
メリット |
・窓下の空間を活用できる
・狭いスペースに設置できる
・外部から侵入されにくい
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デメリット |
・外部へ出入りできない
・大型家具や家電の搬入出に不向き
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掃き出し窓(地窓)

「掃き出し窓」は、窓の下部分が床まである窓を指し、家の中と外を行き来したい場所にもっとも適しています。ベランダに隣接している寝室にも向きますし、庭につながるリビングに設置すると、出入りできるだけでなく屋内から庭の景色を楽しむことも可能です。
メリット |
・出入りしやすい
・採光性に優れている
・通風性に優れている
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デメリット |
・防犯性が低い
・断熱性が低い
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スリット窓

細長い窓を「スリット窓」と呼び、縦長と横長の2種類があります。採光を目的に使われることが多く、玄関や階段など暗くなりがちな場所に取り入れるのがおすすめです。
メリット |
・採光性とプライバシー保護が両立できる
・防犯性が高い
・デザイン性に優れている
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デメリット |
・時間帯や季節によっては採光性が不十分になる
・複数並べて設置することが多くコストがかさみやすい
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ルーバー窓(ジャロジー窓)

「ルーバー窓(ジャロジー窓)」はハンドルを回すことで羽根が回転し、比較的楽に換気できるのが魅力です。羽根を半透明にすることが多く、採光性が低い一方プライバシーが保護される側面があり、脱衣所やトイレに向いています。
メリット |
・換気性能が高い
・プライバシーを保護しやすい
・羽根を半透明にするとカーテンが不要
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デメリット |
・気密性が低い
・防犯性が低い
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出窓

「出窓」のメリットは、突き出したスペースを活用できる点でしょう。写真を飾ったり植物を置いたり、好みの雰囲気を演出しやすくなります。廊下の突き当たりやダイニングに設置すると、広々とした印象になって空間に変化が生まれます。
メリット |
・部屋が広く感じる
・出張った部分をインテリアスペースとして使える
・デザイン性が高い
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デメリット |
・断熱性が低くなりやすい
・雨戸を設置できず雨漏りしやすい
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高窓

壁面の上部に設置される「高窓」は、採光性に優れているのが大きなメリットです。吹き抜けにつけると、明るさとともに開放感が生まれます。
メリット |
・自然光を取り入れやすい
・効率的に換気がおこなえる
・防犯面で優れている
・壁面を有効活用できる
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デメリット |
・掃除がしにくい
・開閉しにくい
・設置する位置によっては室内が暑くなる
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天窓

「天窓」は上階の廊下や階段の天井に設置されるのが一般的で、晴れた日には青空や夜空を眺められるのが魅力です。遮光カーテンやブラインドを設置すると、夏の暑さや強い日差しが緩和できます。
メリット |
・採光性が高い
・防犯性が高い
・プライバシーを保護できる
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デメリット |
・掃除がしにくい
・雨音が響く
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注文住宅の窓の数によるメリット・デメリット

注文住宅の窓の数は好みや採用する窓の種類などによっても異なりますが、3LDKで15~16個、4LDKで17~18個が平均といわれます。以下からは窓の多い家、少ない家のメリット・デメリットを見ていきましょう。
窓が多い家
窓が多いと採光性や通風性が高まりますが、一方でデメリットもあります。
メリット
窓が多い家にすることには、次のようなメリットがあります。
- 明るくなる
- 家が広く見える
- 眺望がよくなる
- 風通しがよくなる
デメリット
窓が多いと次のようなデメリットもあります。
- 建築費用がかかる
- 外からの視線が気になりやすい
- 掃除の手間が多い
- 家具を置く位置が限られる
- 耐震性が下がる可能性がある
窓が少ない家
窓が少ない家は、コストや家具のレイアウトなどの面で利点がある一方、窓の特徴である採光性、通風性が低くなるというデメリットがあります。
メリット
窓が少ない家には、次のようなメリットがあります。
- 断熱性が上がる
- 建築費用が抑えられる
- 家具配置の自由度が上がる
- プライバシーが保たれる
デメリット
窓が少ない家のデメリットには以下のようなものがあります。
- 日当たりが悪くなりやすい
- 風通しが悪くなりやすい
- あとから窓を増やしたくなった場合に費用がかさみやすい
注文住宅の窓を決めるときのポイント

注文住宅で窓の数や種類を決める際のポイントをご紹介します。
家具の配置を考える
注文住宅の窓選びは、実際にどういった家具をどこに置くかまで考えたうえで決めると失敗しにくくなります。せっかく窓を設置しても、その前に家具が置いては光が入りませんし、風も通りにくくなるでしょう。また、窓からどの程度の光が注ぐかまで考えると、家財の傷みを最小限にとどめることができます。
プライバシー・防犯性を考える
窓は家の内部と外部をつなぐものであるため、窓外の環境を踏まえて決める必要があります。例えば、道路に面した場所に大きな窓を設置してしまうと、外を通行する人の目線も気になるでしょう。また、日常生活で目に付く頻度が低い裏口付近の窓などは開閉の簡単なものにしてしまうと防犯性が低くなってしまうかもしれません。場所や使用頻度を考慮してプライバシー・防犯性も検討することが求められます。
デザイン性を考える
繰り返しとなりますが、窓は部屋の雰囲気を左右するパーツであるとともに、外観の印象にも影響します。コストをおさえたいとしても、居心地良くおしゃれな家にしたいのであれば、デザイン性に妥協せずに選びたいものです。
断熱性・気密性を考える
窓は外気の影響を受けやすいため、断熱性や気密性を意識しましょう。断熱性や気密性が高いと、住み心地がいいだけでなく、冷暖房の効率がよく光熱費の削減にもつながります。
複層ガラスの断熱性能は、1枚のみのフロートガラスの約2倍です。サッシも、アルミより樹脂製のほうが気密性は高いといわれています。窓に使われている材料の特徴も考慮して選ぶのもおすすめです。
日当たりを考える
日当たりについて、しっかり確認したうえで窓を決めましょう。「いざ住んでみたら、夏はしっかり光が入ったのに冬はあまり日が入らず寒い」や「夕方の西日が思った以上に強かった」など、想定外の事態は少なくありません。時間の経過や、季節の変化を踏まえて考えるのがポイントです。
採光を考える
採光性を考慮するのも窓を選ぶうえで大切なポイントです。どこに窓を設置すればより多くの光を取り込むことができるのかの他、部屋の用途などによっても望ましい光量は異なるでしょう。それぞれ適した採光量になるように検討しましょう。
風通しを考える
採光性とともに、家全体の風通しを検討しましょう。風通しがよくないことが想定されるのであれば、窓の枚数を増やしたり大きいサイズに変更したりします。また、そのほかに横すべり出し窓を縦タイプに変えるのも一つの対処法です。
注文住宅のおしゃれな窓の事例紹介
ここからは、注文住宅のおしゃれな窓の事例を紹介します。それぞれの窓使いを確認しながら、ご自身の家の窓についても具体的に想像をふくらませましょう。
光が降り注ぐスリット窓

LDK空間に作られた吹き抜けには、縦スリット窓を3枚並べてレイアウトしています。やわらかな自然光が降り注ぐ、明るく開放的な空間に仕上がった事例です。
外光を取り入れやすい天窓

屋根の勾配を利用して作られた吹き抜け空間には、天井近くの高い位置に窓を設置しています。部屋全体を明るくするのに加えて、窓枠で濃茶を採用することで空間にアクセントが生まれました。
趣味部屋の腰高窓

リビングの横に腰高窓とオットマンタイプの椅子を置くことで、ヌックスペースを作っています。大きく取られた窓から外の景色を眺めると、心が自然とほどけそうです。
まとめ
今回の記事では、注文住宅の窓の決め方をご紹介しました。窓は家の印象だけでなく、住み心地も大きく左右する重要なパーツです。まずは種類や形状、設置位置にどういったバリエーションがあるか、それぞれの特徴を含めて理解しましょう。
注文住宅の窓で失敗しないためには、窓自体のデザイン性の他、家具の配置や外からの見え方、断熱性、機密性も意識し、風通しや採光性は家全体で考える必要があります。さまざまな施工事例を見ながらイメージを膨らませて、理想の注文住宅に合う窓を探してみましょう。
注文住宅を建てる