おすすめシンボルツリー10選!常緑樹と落葉樹どちらがいい?育てやすいツリーを解説

記事の目次
住まいの象徴となるシンボルツリーを植えよう!

シンボルツリーとは、家のエクステリアや庭に植えて、住まいの景観を整える樹木を指します。シンボルツリーを植えることで、先ほども出てきたように建物の外観に温かみのある緑が加わり、美観をつくり出すアクセントにできるのが大きな魅力。なおかつ背の高い樹木が建物周りにあることで、外部からの視線を妨げる目隠しにもできるうえに、強い日差しや風当りを軽減できる効果も見込めます。さらに自宅の敷地内に植物があると、光合成によって周辺の空気をきれいに浄化しやすくなるメリットも。豊かな緑で住まいの見た目を彩るだけでなく、より心地のいい住環境にもつながりやすくなる利点があります。
シンボルツリーの選び方
自宅のシンボルツリーにできる樹木にはさまざまな種類があり、それぞれ見た目や育ち方などに違いがあります。もちろん好みの品種があればそれを選ぶのも一つの方法ですが、どうしても迷ってしまう時には次のポイントにも注目してみましょう。
家や他の植物とのバランスを見る

シンボルツリーは、やはり家の印象を大きく左右する、外観のアクセントとなる存在です。建物の高さ・幅をはじめ、門や塀との位置関係、他の植物との調和など、さまざまなバランス感を見ながら選んでいくことが大切。例えば建物より高すぎても低すぎても、あまり景観を引き立てる効果が見込めませんし、仮に門柱や塀で隠れてしまうサイズ感では周囲から見えずにもったいないでしょう。また生け垣などの他のガーデニングもしている場合には、周りの風景とうまくなじむシンボルツリーを選ぶのがおすすめです。
玄関の方位に合わせる
品種ごとに、例えば日照時間の長さに強い・日陰のほうが得意・西日に弱いなど、どのような日当たりを好むのか大きな違いがあります。シンボルツリーは、建物正面となる玄関に合わせて植えることが多いので、その方位に適した種類を選ぶのがおすすめ。もし玄関が北向きや東向きなら日陰に強く、反対に南向きや西向きなら日差しに耐えられる樹木にするのがベストです。
「誕生日の樹」など意味をもたせるのも○

シンボルツリーには、樹木の成長を見守りながら育てられる楽しみもあり、例えばお子さんの誕生などの記念に植えるケースも多く見られます。こうした記念樹にしたい時には、例えば各品種の木言葉や花言葉などで選ぶのもいい方法です。ちなみに一般社団法人日本植木協会では、366日すべての「誕生日の樹」を提唱しています。もしバースデー記念なら、こうした「誕生日の樹」にしてみるのもおすすめです。
育てやすさも十分に考慮する
前述にもあるような日当たりのほか、品種によって虫の食害を受けやすい・成長が速くこまめな剪定が必要・乾燥に弱いなど、さまざまな特徴が見られます。特に初心者の場合は、なるべくゆっくり成長する品種で、暑さ・寒さなどに強いタイプがおすすめ。比較的お手入れもしやすく、手軽に管理しやすい種類を選ぶと長持ちしやすいでしょう。
花や実の付き方も要チェック

シンボルツリーのなかには、葉だけでなく花が咲いたり実ができたりする品種もあります。より華やかで明るい印象にしたい場合には、かわいらしい花や実が付くタイプを選ぶのもいい方法です。なかには食用の果実を育てられる品種もあり、景観とともに家庭菜園を楽しみたい時にもおすすめできます。
常緑樹と落葉樹どっちがいい?
シンボルツリーとなる樹木としては幅広い種類が存在しますが、大きく分けて常緑樹と落葉樹の2つに分類されます。大前提として、常緑樹と落葉樹では生息方法は異なり、それぞれでメリット・デメリットがあります。好みや植えたい場所などさまざまな面を考慮しつつ、常緑樹と落葉樹のいずれか選ぶとスムーズに決めやすくなります。
常緑樹の特徴

常緑樹とは、年間通して青々とした葉が生い茂る種類で、季節に関係なく豊かな緑を楽しむことができます。もちろん生え変わりによる落ち葉もありますが、基本的には年中葉が付いているのが大きな特徴です。
メリット
- 冬場でも緑を楽しめる
- 落ち葉が比較的少なく掃除が楽
- 葉が落ちにくいため常に目隠しにできる
デメリット
- 季節ごとの景観の違いを楽しみづらい
- 場所によっては冬場の日差しの妨げになる可能性も
- 低木や下草が育ちにくい
常緑樹は、いつでも葉が付いていることから、季節に関わらず殺風景になりづらいのが利点です。また年中かけてプライバシーの保護がしやすく、なるべく外部からの視線を防ぎたい時にも適しています。ただし葉による日陰ができやすいので、背の低い植物がある場合には、常緑樹の下では育ちにくい一面も。もし組み合せるなら、常緑樹よりも背の高い樹木などを育てるのがおすすめです。
落葉樹の特徴

落葉樹は、冬には休眠をして春になると新芽が出る種類で、四季の移り変わりを楽しむことができます。秋から冬にかけては成長が止まるので、葉が落ち切ってしまえば、比較的お手入れの負担がかかりにくいのも特徴です。
メリット
- 四季の味わいを楽しめる
- 季節によって日差しの調整ができる
- 葉の色味が比較的明るい
デメリット
- 秋から冬にかけては一気に葉が落ちる(掃除が大変)
- 冬場には目隠し効果が薄れる
- 葉が落ちると寒々しい印象になりやすい
落葉樹は、夏には青々と茂って冬には葉を落として休眠するうえに、なかには季節によって花が咲くタイプなどもあります。季節ごとに様子が変化するので、飽きずに景観を楽しみやすいのが魅力です。ただし冬には葉がなくなってしまうので、どこか寂しい印象になりやすく、また視界を遮る効果が低くなる一面も。窓のブラインドのように植えるよりは、玄関や門の脇などに使うのが適しているでしょう。
おすすめのシンボルツリー
ではここからは、初心者からでも比較的育てやすい、おすすめのシンボルツリーの品種をピックアップしてご紹介していきます。
常緑樹でおすすめのシンボルツリー
まずは、常緑樹でおすすめのシンボルツリーからご紹介いたします。
ソヨゴ

ソヨゴは、比較的小さく色鮮やかな葉を特徴とする常緑樹です。初夏には白い小さな花が咲くほか、雌雄異株で、秋になると雌株には赤い実ができるのも魅力。常緑樹ながらも、四季折々の姿が見られる魅力があります。葉の密集度が高く、青々としていて目隠しにしやすいうえに、成長が緩やかなので剪定に手間がかかりにくいのも利点。また寒さや乾燥に強く日陰でも育ちやすい品種で、病害虫も付きにくく、管理がしやすい初心者向きのシンボルツリーでもあります。
常緑ヤマボウシ

常緑ヤマボウシは、明るい緑で光沢感のある、上品な葉ぶりが特徴的な常緑樹です。初夏から秋にかけて白い花や赤い実が付くのも魅力で、さらに冬場には赤紫の紅葉もあり、常緑樹のなかでも季節ごとの風景が楽しみやすい種類でもあります。乾燥や寒さには少し弱く、どちらかといえば日当たりのいい場所で育てるのがおすすめ。また病害虫が付きにくく、成長しても樹形が比較的崩れにくい品種のため、メンテナンスがしやすく取り扱いやすいシンボルツリーです。
オウゴンモチ
オウゴンモチは、黄色が強い薄い緑の葉ぶりを特徴とする常緑樹で、密集度が高く目隠しにも向いている品種です。特に春から夏にかけては、その名のとおり明るい黄金色になり、温暖な季節にぴったりの色鮮やかな景観を見せてくれます。枝葉が集まりすぎると、虫が付きやすくなる一面もありますが、刈り込みで風通しをよくすることで対策できます。また成長が緩やかで樹形が崩れにくく、自然のままでもきれいに育ちやすい点もおすすめです。
キンモクセイ

キンモクセイは、深い緑の葉がうっそうと生い茂る常緑樹です。剪定しないとどんどん背が高くなり、枝ぶりも広がりやすい品種ではありますが、成長スピードは緩やか。数年ごとのメンテナンスでも維持しやすいので、管理の負担もさほど大きくはありません。また日陰でも比較的育ちやすい一面もあります。さらに秋には、小さなオレンジ色の花がぎゅっと集まって咲き、独特の甘い香りを漂わせるのも特徴。季節感が楽しみやすいシンボルツリーでもあります。
キョウチクトウ

キョウチクトウは、鮮やかな緑と細長い葉ぶり、そして春から秋にかけては大きな花を咲かせる常緑樹です。暑さと日光に強く、日当たりのいい場所で育ちやすいうえに、虫なども付きにくい高い生命力を持つ品種でもあります。ただし樹液には毒があるため、取り扱いには注意が必要。剪定などのメンテナンスは、専門会社に任せるのが無難です。とはいえ非常に丈夫で、長期間きれいな花を咲かせる魅力があり、外観を華やかに彩りたい場合におすすめできます。
落葉樹でおすすめのシンボルツリー
続いて、落葉樹でおすすめのシンボルツリーをご紹介いたします。
ナツハゼ

ナツハゼは、黄緑色の明るい葉と、品のある華奢な枝ぶりで人気を集める落葉樹です。成長スピードが緩やかなうえに、比較的自然に育てても立ち姿が上品で手間がかかりにくく、さらに秋ごろには紅葉が楽しめるのも特徴。夏から秋にかけては房状の実も付くので、通年でさまざまな風景を見せてくれます。また病害虫に強く、暑さや寒さにも耐えられる丈夫さがあり、半日陰でも育ちやすく取り扱いやすいシンボルツリーです。
アオダモ

アオダモは、色鮮やかな緑かつ葉数が比較的少ない、シンプルな佇まいで幅広いデザインに合わせやすい落葉樹です。涼し気な枝ぶりと、春先に咲く小さな白い花が特徴的で、秋には紅葉する姿を見ることも可能。またゆっくりと成長するのでメンテナンスに手間がかかりにくく、西日には弱いものの半日陰でも育ちやすい品種でもあります。軽やかな印象をつくりたい場合に、おすすめのシンボルツリーです。
ツリバナ

ツリバナは、元々は日本に自生している落葉樹で、ひし形状の比較的濃い緑の葉を付ける特徴があります。枝ぶり自体はシンプルながらも、赤い花や実が釣り下がるように付く華やかさもあり、おしゃれな雰囲気を演出しやすい魅力もあります。さらに冬場には葉が落ちるものの、実だけは枝に残り、寒い時期ならではの風景を楽しめます。また日本の品種なので暑さや寒さに耐えやすく、成長も緩やかで病気になりくいので、初心者でも育てやすいシンボルツリーでもあります。
イロハモミジ

イロハモミジは、手のひらのようなシャープな形状で、春から秋には薄く明るい緑、秋から冬には真っ赤な紅葉が美しい落葉樹です。モミジといえば、さまざまな紅葉スポットでも定番の樹木ですが、一般家庭のシンボルツリーにもおすすめ。暑さや寒さに耐えやすく、西日を苦手とするものの、日陰でも日当たりがよくても育ちやすい特徴があります。また自然に成長しても、きれいな樹形を保ちやすい品種でもあり、定期的な剪定は必要になるもののメンテナンスがしやすいシンボルツリーです。
ジューンベリー

ジューンベリーは、6月ごろに食用の果実ができる落葉樹で、春先に咲く白い花から紅葉まで幅広く楽しめるのが特徴です。実際にジャムなどにして食べられる果実が付きますが、病害虫に強く、耐暑性や耐寒性もある育てやすいシンボルツリーでもあります。日当たりや風通しがよく、適度な湿気がある場所に植えるのがベスト。また成長も比較的緩やかで、管理の負担も少なく、初心者にもおすすめです。
シンボルツリーの費用・相場

シンボルツリーを植えるのに必要なコストとしては、まずは植木本体の購入費用です。ちなみに植木の本体価格は、品種・高さ・植え方(株立ちまたは単幹)などによって、金額は大きく変動します。なお大まかな相場としては、単価2万円~4万円(背丈2m~3m程度)ほど。小さな苗木から購入して育てる場合には、数千円程度でリーズナブルに買うこともできます。
さらに植栽工事も含めて依頼する場合には、人件費や施工費(土入れや添え木など)で、3~4万円前後は加算されるのが一般的です。植木本体の単価を加えると、5万円~8万円ほどは見ておいたほうが無難でしょう。
シンボルツリーに関するまとめ
ここからは、シンボルツリーを取り入れる際に知っておきたい、基本的なポイントについてQ&A方式でまとめていきます。
おすすめのシンボルツリーは?
シンボルツリーは、見た目の好みや外観とのバランス感、植えたい場所などに応じて品種を選ぶのがベスト。また初心者なら、育てやすさにも注目してみるとよいでしょう。例えば常緑樹ではソヨゴや常緑ヤマボウシ、落葉樹ではナツハゼやアオダモなどは、比較的育てやすい定番品としておすすめです。
常緑樹と落葉樹のどちらがいい?
常緑樹は年中かけて豊かな緑を演出できるものの、冬の日差しを妨げやすい・季節を感じづらいなどの一面があります。一方で落葉樹は四季の風景を楽しみやすく、季節ごとに日差しが調整できる利点はありますが、葉が落ちる時期のプライバシー保護効果が薄れる部分も。いずれにしてもメリット・デメリットはあるので、どちらが理想のシンボルツリーに適しているのか、しっかりと見極めながら選ぶことも大切です。
シンボルツリーの費用・相場は?
シンボルツリーは、植木の品種やサイズなどによって、価格は大きく異なります。大体2m~3mほどであれば、本体価格は2万円~4万円程度になるのが相場でしょう。また植栽工事などの施工を含めると、別途作業費として3万円~4万円前後はかかるケースが多く見られます。トータルすると、5万円~8万円ほどは見ておきましょう。
シンボルツリーの種類として、大きく分けると常緑樹と落葉樹の2つがありますが、そのなかでも数多くの品種が存在しています。もちろん品種ごとにさまざまな個性があり、育ち方や適した育成環境などには違いがあります。例えば、どのような場所に植えるのか、どういったデザイン性や機能性を求めるかなど、十分に考慮しながら検討してみましょう。ぜひ本記事を参考に、住まいを素敵に彩る理想のシンボルツリーを見つけてみてくださいね。
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