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注文住宅のコンセントの数と位置の正解は?後悔しない決め方を徹底解説

注文住宅のコンセントの数と位置の正解は?後悔しない決め方を徹底解説
注文住宅で快適な暮らしをするためにも、コンセントの数や位置は十分に検討したうえで決めるようにしましょう。よく考えてコンセントを設置したつもりでも、実は「足りなかった」「使いにくかった」など後悔する人は少なくありません。
今回は、注文住宅のコンセントの位置で後悔しやすいポイントと、部屋別に必要な数と位置を解説します。注文住宅のプランを検討している人は、ぜひ参考にしてみてください。

注文住宅のコンセントの位置で後悔しやすいポイント

注文住宅のコンセントの位置で失敗しないためには、どのようなことに気を付ければよいでしょうか
注文住宅のコンセントの位置で失敗しないためには、どのようなことに気を付ければよいでしょうか

注文住宅のコンセントの位置で失敗したくない方のために、後悔しやすいポイントを解説します。

高さが合わない

高さが合わないことによる後悔はよくあります。コンセントを設置する際は、使う家電に合わせて高さを決めましょう。

例えば、ホットカーペット用であれば低めに設定し、炊飯器のように家具の上に置いて使う家電用には、家具の高さも含めた位置に配置しましょう。

コンセントはなるべく見えない位置に設置したくなるかもしれません。しかし、プラグにホコリが溜まってしまうと出火の原因になります。冷蔵庫用の場合は、180~190cmの高さに設置するのが一般的です。見える位置に設置し、きれいな状態を保ちましょう。

数が少ない・多い

「コンセントの数が足りなかった」という後悔もよく耳にします。電源タップや延長コードを多用してしまうと生活感が出てしまい、見栄えが悪くなります。ホットカーペットやこたつ、扇風機など、季節によって使う家電が変わることもあるため、利用する家電を思い浮かべながら計画しましょう。
しかし、コンセントは多ければ多いほどよいわけではありません。ありすぎてもデザイン性が悪くなるため、よく考えたうえで数を決めましょう。

足を引っかけやすい

家事動線をまたぐような位置にコンセントを設けると、コードに足を引っかけてしまう可能性があります。特に小さい子どもがいる場合は、思わぬ事故を招きかねません。コンセントの位置を考える際は、動線や家具のレイアウトも考慮に入れて決めましょう。

使いやすい位置にない

使いやすい位置にないことによる後悔もあるでしょう。コンセントは、比較的視界に入りにくい床から25cmの高さに設置するのが一般的です。しかし低すぎると、プラグを差すたびにかがまなければなりません。例えば掃除機用であれば、立ったままでも使いやすい30~40cm程度で計画しましょう。

注文住宅のコンセントの種類

注文住宅のコンセントにはどのような種類があるか解説します
注文住宅のコンセントにはどのような種類があるか解説します

住宅用のコンセントには、いくつか種類があります。使う場所や用途に応じて、選ぶようにしましょう。ここでは、代表的なコンセントを紹介します。

コンセントの種類 用途・特徴
単層100Vコンセント もっとも一般的なコンセントで、差し込み口が2つあるタイプ
単相200Vコンセント エアコンや給湯器など、200Vが必要な家電のために設置するコンセント
テレビ端子付きコンセント テレビ用のアンテナ端子付きのコンセント。ねじ式のジャックと、ねじなしのプッシュ式がある
アース付きコンセント 洗濯機や電子レンジ、食洗器など、水回り用のコンセントで、漏電や感電を防ぐ役割がある
屋外用コンセント(防水コンセント) 雨で濡れないようにカバーが付いたコンセントで、主に屋外で使用するタイプ
スイッチ付きコンセント 照明用のスイッチが付いたコンセント
フットライト付きコンセント 人感センサー付きの照明が付いたコンセント
抜け止め式コンセント 左に回しながら、プラグを引っ張ることで抜けるコンセント。使用中に抜けると困るような機器用のコンセント
マグネット式コンセント コードに足をひっかけても、すぐに抜けるように設計されたコンセント
フロアコンセント 床に設置するコンセントで、フタを閉めることでフラットになり、床と一体化するタイプ
マルチメディアコンセント 電源やテレビ端子、インターネット用の差込口があるコンセント
USBコンセント USBの差し込み口のあるコンセント。電源アダプター不要で、スマートフォンなどの充電がそのままできるタイプ

【キッチン】注文住宅のコンセントの数・位置

キッチンに適切なコンセントの数と位置を解説します
キッチンに適切なコンセントの数と位置を解説します

注文住宅のキッチンに、コンセントの数・位置はどれくらいが適切でしょうか。もちろんご家庭にもよりますが、キッチンのワークトップの高さに1口コンセント1カ所以上、炊飯器や電子レンジを置く場所に1カ所以上、足元に1カ所設置するのがおすすめです。

キッチンには冷蔵庫や炊飯器、電子レンジやトースターなど、多くの家電を置くことになります。電気ケトル、コーヒーメーカー、ミキサー、ホームベーカリーを設置しているご家庭も少なくありません。スマートフォンやタブレットでレシピを見ながら、調理することもあるでしょう。

キッチンでは火を使うことが多く、手元や足元に延長コードがあると危険です。キッチンでよく使う家電を考えて、位置を決めてください。

【ダイニング】注文住宅のコンセントの数・位置

ダイニングに適切なコンセントの数と位置を解説します
ダイニングに適切なコンセントの数と位置を解説します

注文住宅のダイニングでは、ダイニングテーブルと同じ高さに2口コンセント1カ所、足元にもう1カ所あると便利です。ダイニングではホットプレートや卓上コンロ(IH)を使ったり、スマートフォンやノートパソコンを充電したまま操作したりすることもあるでしょう。また、ウォーターサーバーを設置している家庭も多くあります。どこでどのようなデバイスを使うか、どこにどのような家電を置くかをシミュレーションしコンセントの位置を決め、必要に応じて電源タップを活用しましょう。

【リビング】注文住宅のコンセントの数・位置

リビングに適切なコンセントの数と位置を解説します
リビングに適切なコンセントの数と位置を解説します

リビングでは、テレビの裏側にあたる場所に2口コンセントを少なくとも2カ所設置し、エアコン用に1カ所とソファ側に1カ所あると便利です。

テレビやビデオ、ゲーム機、エアコンや掃除機など、リビングには多くの家電を配置します。そのため、コンセントが不足する傾向にあります。家族がくつろぐスペースでもあるため、延長コードでごちゃごちゃした印象にならないように注意が必要です。

【寝室】注文住宅のコンセントの数・位置

寝室に適切なコンセントの数と位置を解説します
寝室に適切なコンセントの数と位置を解説します

寝室では、ベッドサイドとドア付近に2口コンセントを2・3カ所、エアコン用に1カ所を対角線上になるように設けるようにしましょう。

スマートフォンの充電器の他にも、扇風機・サーキュレーター、加湿器など、季節によって使う家電も変わります。テレビや空気清浄機を設置している寝室もあるでしょう。実際にどのような家電を使うのか、イメージしながらリストアップしてみてください。

【子ども部屋・書斎】注文住宅のコンセントの数・位置

子ども部屋・書斎に適切なコンセントの数と位置を解説します
子ども部屋・書斎に適切なコンセントの数と位置を解説します

子ども部屋や書斎には、2口コンセントを2・3カ所と、エアコン用に1カ所は設けるようにしましょう。子ども部屋はゲーム機、書斎には電気スタンドやパソコンを置くことが多く、「コンセントが想像していたよりも必要だった」との声をよく耳にします。

【洗面所・脱衣所】注文住宅のコンセントの数・位置

洗面所・脱衣所に適切なコンセントの数と位置を解説します
洗面所・脱衣所に適切なコンセントの数と位置を解説します

洗面化粧台の高さに2口コンセントを2カ所以上、洗濯機の上あたりに1カ所設置しましょう。洗面所や脱衣所では家電を使うことが多いため、コンセントが足りなくならないように計画するのがポイントです。洗濯機や乾燥機以外にも、身だしなみを整えるための家電を置くことが多いうえ、朝は家族が同時に使う可能性もあります。例えば、ドライヤー・ヘアアイロン、電気シェーバー、電動歯ブラシ、美容家電などが挙げられます。

【トイレ】注文住宅のコンセントの数・位置

トイレに適切なコンセントの数と位置を解説します
トイレに適切なコンセントの数と位置を解説します

トイレのコンセントは、温水洗浄便座用に奥に1カ所、手前側にもう1カ所設置しておくと安心です。足元を温めるような暖房器具を置ければ、ヒートショック対策になります。他にはプラグインタイプの消臭機器も、コンセントが余分にあれば簡単に設置できます。

【クローゼット】注文住宅のコンセントの数・位置

クローゼットに適切なコンセントの数と位置を解説します
クローゼットに適切なコンセントの数と位置を解説します

意外に便利なのが、クローゼットの中のコンセントです。掃除機を充電しながら収納でき、除湿器を使いたい時も便利です。奥に設置してしまうと使いにくいため、手前側に2口コンセントを1カ所設置するのがおすすめです。

【階段・廊下】注文住宅のコンセントの数・位置

階段・廊下に適切なコンセントの数と位置を解説します
階段・廊下に適切なコンセントの数と位置を解説します

階段や廊下には、家電を置くことは比較的少ないものの、コンセントがないと掃除機をかける際も不便です。2口コンセントを1カ所以上設けるようにし、夜間に足元を照らしてくれる、フットライト付きコンセントの採用も検討してみてください。

【玄関周り】注文住宅のコンセントの数・位置

玄関周りに適切なコンセントの数と位置を解説します
玄関周りに適切なコンセントの数と位置を解説します

玄関付近にコンセントがあれば、電動自転車や日用工具のバッテリーを充電でき、室内まで持ち込まずに済みます。防犯対策としても安心でき、また、雨に濡れる心配もありません。

注文住宅のコンセント増設にかかる追加費用

注文住宅が完成したあとでも、コンセントを増設することは可能です。もし住み始めてから足りないと感じている場合は、リフォーム会社などに相談してみましょう。

一番簡単なのは、2口コンセントを4口コンセントに変える方法です。基本的にはクロスを張り替える必要がなく、5,000円~が目安です。

コンセントがない場所に新たに増設する方法として、近くのコンセントから分岐させて延長する方法と、分電盤から新たに配線する方法があります。配線の距離やクロスを張り替えるか否かによってかかる費用も異なりますが、分岐・配線の場合はだいたい7,000円~、新たに配線する場合は10,000円~と想定しておきましょう。

なおコンセントを増やしても、使える電気が増えるわけではありません。アンペアが大きい電化製品を使うとブレーカーが落ちやすくなるため、分電盤から配線する方法がおすすめです。

まとめ

注文住宅のコンセントの数や位置を解説しましたが、この記事のおさらいをします。

注文住宅のコンセントの種類は?

もっとも一般的なのは、差し込み口が2つある単層100Vコンセントですが、4口タイプやフタを閉めると床とフラットになるフロアコンセントなどもあり、用途や場所に応じて選べます。

注文住宅のコンセントの位置でよくある後悔は?

家電とコンセントの位置でよくある後悔は、「家電と高さが合わない」「足をひっかけやすい」「使いやすい位置にない」などです。

注文住宅のコンセント増設にかかる追加費用は?

2口コンセントを4口に変更する場合はだいたい5,000円~、近くのコンセントから分岐・延長する場合は7,000円~、分電盤から配線するのは10,000円~が目安です。

注文住宅のプラン作りは、間取りや設備、内装デザインなど決めることが多く、「コンセントまで気が回らなかった」と後悔する方も少なくありません。もしコンセントの数や位置で迷ったら、使用する家電をリストアップしておき、ハウスメーカーや工務店に相談しましょう。

桜木 理恵

執筆者

桜木 理恵

大学在学中に宅地建物取引士に合格。新卒で大手不動産会社に入社し、売買仲介営業担当として約8年勤務。結婚・出産を機に大手ハウスメーカーのリフォームアドバイザーに転身し約5年勤務。現在は不動産の知識と経験を活かし、フリーランスのWebライターとして活動。不動産や建築にまつわる記事を多数執筆。

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