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【実例】ダウンライトとは?種類とメリット・デメリットを紹介

ダウンライトとは?種類・メリット・デメリットを解説
住まいの印象を大きく左右する照明。そのなかでも、天井に埋め込むように設置する「ダウンライト」は、すっきりとした見た目で空間を広く見せる効果があります。しかし、種類や設置方法に迷う方も少なくありません。この記事では、ダウンライトの種類、メリット・デメリット、設置時のポイントを解説します。照明選びの参考に、ぜひ役立ててください。

ダウンライトとは

ダウンライトは、天井に埋め込む照明器具です
ダウンライトは、天井に埋め込む照明器具です

ダウンライトは、天井に埋め込んで設置するタイプの照明器具です。天井に張り付けるように設置するシーリングライトとは異なり、天井面がフラットになるため空間をすっきりと広く見せる効果があります。設置場所や用途に応じて、メイン照明としても補助照明としても使えるほか、掃除がしやすく比較的安価で導入できることから、幅広く採用されています。

ダウンライトの種類

ダウンライトにはさまざまな種類があります
ダウンライトにはさまざまな種類があります

ダウンライトには、用途や設置場所に応じたさまざまな種類があり、代表的なものに「ベースタイプ」と「ユニバーサルタイプ」があります。ベースタイプは真下に照らす一般的な仕様で、ユニバーサルタイプは角度調整が可能なため、スポット照明としても活用できます。設計時には、目的に合ったタイプを選択しましょう。ここでは、ダウンライトの種類について解説します。

光の広がり方の違い

ダウンライトは、光の広がり方によって「集光タイプ」と「拡散タイプ」に分かれます。それぞれの特徴を解説します。

集光タイプ

集光タイプのダウンライトイメージ図
集光タイプのダウンライトイメージ図

集光タイプは、光を一点に集中させて照らすタイプの照明です。スポットライトのような役割を果たし、机の上や食卓、作業スペースなど、明るさを強調したい場所に適しています。また、インテリアや観葉植物、アートなどを際立たせたいときにも効果的でしょう。また、光の幅が狭いため、空間にメリハリをつけられます。

拡散タイプ

拡散タイプのダウンライトイメージ図
拡散タイプのダウンライトイメージ図

拡散タイプは、光が広範囲に広がるのが特徴です。部屋全体を柔らかく照らすことができ、圧迫感のない明るさを演出します。リビングや寝室など、落ち着いた空間に適しており、くつろぎやすい雰囲気づくりにも効果的。光の広がりが均一で自然なため、日常使いの照明として幅広く活躍します。

ダウンライトの大きさ

ダウンライトの大きさは「Φ(ファイ)」という記号で表され、これは埋め込む穴の直径を示しています。一般的な住宅ではΦ100やΦ125が使われ、用途に応じて選ぶことが大切です。小さいサイズは集中的に、大きいサイズは広範囲を照らせるため、空間の使い方や雰囲気に合わせて調整するとよいでしょう。配置や数にも工夫が必要で、大きいサイズを中央に多用すると、圧迫感につながるため注意が必要です。

ダウンライトのメリット

ダウンライトを設置するメリットは?
ダウンライトを設置するメリットは?

ダウンライトは空間をすっきり見せるだけでなく、日々の暮らしを快適にするメリットがあります。照明が天井に埋め込まれているため掃除がしやすく、空間を広く見せたり、特定の場所だけを照らしたりする使い方も可能です。ここでは、ダウンライトの主なメリットを解説します。

掃除がしやすい

天井に埋め込むタイプのダウンライトは、ホコリが溜まりにくく掃除しやすいのが特徴です。ペンダントライトのようにシェード部分にホコリがついたり、シーリングライトのようにカバー内に虫が入り込んだりする心配も少なく、日々のお手入れが簡単です。ハンディモップで軽く拭き取るだけできれいに保てるため、大がかりな掃除をする必要は少ないでしょう。

空間を広く見せられる

天井に直接埋め込むダウンライトは、照明器具の出っ張りがないため、空間に圧迫感を与えにくいのが特徴です。天井がフラットになり、視界がすっきりすることで、部屋全体を広く見せる効果があります。特に、天井の低い部屋やコンパクトな空間ではダウンライトの採用により、開放感の演出につながります。部屋をすっきりと見せたい方におすすめです。

部分的に照らせる

ダウンライトは部屋全体に照らすのではなく、必要な場所をピンポイントに照らすのに適しています。ダイニングテーブルの上やソファ周り、学習机の上など、特定の場所を明るくしたいときに便利です。角度調整ができるユニバーサルタイプであれば、光の向きを自在に変えることもでき、照らしたい場所をしっかりカバーできます。複数のダウンライトを使い分けると、空間ごとに最適な明るさを演出できるのも魅力です。

ダウンライトのデメリット

ダウンライトを設置するデメリットは?
ダウンライトを設置するデメリットは?

ダウンライトには多くのメリットがありますが、注意すべきデメリットも存在します。例えば、光がまぶしく感じられることや、設置後に位置を変えにくいなどがあげられます。ここでは、ダウンライトの主なデメリットを解説します。

光源が視界に入って眩しい

直接目に光が入りやすいことが、天井に埋め込む照明ならではのデメリットです。特に、光の方向が定まっている集光タイプや、器具の奥行きが浅いタイプは、見上げたときに光源が視野に入りやすく強いまぶしさを感じるかもしれません。
シーリングライトのように光源を覆うカバーがないため、照明の光がダイレクトに届きます。こうした眩しさを軽減するには、拡散タイプを選んだり、カバーつきの器具を採用したり、光の色味を暖色系にするなどの工夫が必要です。

交換が難しい

ダウンライトのなかには、電球と器具や一体型になっているタイプも多く、交換時に専門会社による工事が必要なケースがあります。特に、一体型のLEDダウンライトは寿命が長い一方で、切れた際は器具ごと取り替える必要があるため、その都度費用と手間がかかります。設置の際は、交換のしやすさも考慮して選びましょう。

場所を変えられない

天井に直接埋め込んで設置するダウンライトは、設置後に照明の位置を簡単には変えられません。模様替えや家具の配置変更に対して、柔軟に対応しにくいのがデメリットです。ダイニングテーブルやソファなどの配置と照明位置がずれると、明るさに偏りがでる場合もあるでしょう。設計段階で照らしたい場所や家具の配置をしっかりとイメージして、慎重に位置を決めることが重要です。

器具の選択が難しい

ダウンライトは見た目がシンプルでスタイリッシュな反面、器具の種類や設置場所、数の選び方によって空間の印象が大きく変わります。そのため、選定がむずかしい照明といえるでしょう。光の強さや広がり方、調光・調色機能の有無など、選ぶポイントが多く、知識がないまま設置すると「眩しすぎる」「暗すぎる」と感じる原因になります。

複数設置する場合は、家具の配置や利用シーンを考慮しながら計画を立てる必要になります。そのため、事前に専門家へ相談するのがおすすめです。

ダウンライトがおすすめの場所

ダウンライトは寝室やリビング・ダイニングなどにおすすめです
ダウンライトは寝室やリビング・ダイニングなどにおすすめです

ダウンライトは天井にすっきりと収まり、空間をスタイリッシュに見せる照明です。光の当て方や器具の種類を工夫すれば、どのような場所にもなじむ汎用性の高さが魅力です。この章では、ダウンライトがおすすめの場所の一例をご紹介します。

寝室

寝室は一日の疲れを癒やし、心と体を休める大切な空間です。ダウンライトは天井にすっきりと収まるため、圧迫感がなく落ち着いた雰囲気を演出できます。特に、調光機能つきのタイプを選べば就寝前には柔らかな光に調整でき、リラックスした時間を過ごせるでしょう。
また、光が直接目に入らないよう、枕の真上を避けて配置するのがポイントです。必要な場所だけを照らすことでまぶしさを防ぎ、心地よい環境を整えられるため、寝室にこそダウンライトがおすすめです。

リビング・ダイニング

リビングやダイニングは、家族が集まったりゲストを迎えたりする空間のため、快適でおしゃれな雰囲気づくりが求められます。ダウンライトを使えば、天井がすっきりと見えて圧迫感がなく、空間全体を広く演出できるでしょう。
また、光の当て方を工夫すれば食卓を明るく照らす一方で、ソファ周りには間接的な光を使ってくつろぎ空間の演出も可能です。調光機能つきのダウンライトを選べば、シーンに応じた明るさの調整もでき、より快適なリビング空間になるでしょう。

廊下

廊下にダウンライトを取り入れると、天井がすっきり見えて空間が広く感じられます。特に、天井の低い住宅や狭い通路には最適です。リビングと照明の雰囲気を統一することで、家全体の印象もよくなり、来客時にも洗練された印象を与えられるでしょう。

お手洗い

お手洗いは空間が狭いため、天井から出っ張る照明よりもダウンライトのような埋め込み型照明が適しています。すっきりとした見た目に加え、掃除がしやすいのもメリットです。おしゃれな空間にしたい場合や、ほかの部屋と照明の統一感を出したいときにもおすすめです。

クローゼット

クローゼットやウォークインクローゼットなどの収納空間には、天井に出っ張りのないダウンライトが適しています。圧迫感を与えず、物の出し入れもしやすくなるでしょう。センサーつきのタイプを選べば両手がふさがっていても自動で点灯するため、使い勝手もよくなります。

ダウンライトを導入するときのポイント

ダウンライトを導入する際に抑えておきたいポイントがあります
ダウンライトを導入する際に抑えておきたいポイントがあります

ダウンライトを導入する際は、設置場所や照明の目的を明確にしたうえで、適切な計画を立てることが重要です。ここでは、ダウンライトを導入するときのポイントを解説します。

設置したい場所を明確にしておく

ダウンライト導入する際は、あらかじめ設置したい場所を明確にしておくことが大切です。一度取りつけると移動が難しいため、空間の使い方や家具の配置を考慮して計画しましょう。照らす位置によって部屋の印象が大きく変わるので、慎重な検討が必要です。

実績のある施工会社を選ぶ

ダウンライトの設置には専門的な知識と技術が求められるため、実績のある施工会社を選ぶことが重要です。照明の位置や角度によって部屋の印象が大きく変わるので、経験豊富な施工会社に相談すると、失敗のリスクを抑えて照明を設置できます。

予算を決める

ダウンライトを導入する際は、あらかじめ予算をしっかり決めておくことが大切です。ダウンライトは価格の幅が広く、シンプルなタイプは比較的安価ですが、多機能なものは価格が高くなる傾向があります。設置する部屋の用途や必要な機能を考慮し、最適な商品を選びましょう。

ダウンライトの交換頻度・費用

ダウンライトの交換費用や頻度は?
ダウンライトの交換費用や頻度は?

近年、ダウンライトはLEDタイプが主流となり、寿命が長く交換の頻度も少なくなっています。「固定型(=一体型)」と「分離型(=交換型)」で交換方法や費用などに違いがあります。ここでは、それぞれの違いや特徴を解説します。

固定型(一体型)

交換頻度 約10年に1度(LED寿命4万~6万時間。1日8時間使用で10~13年相当)
交換費用 1台あたり5,000~13,000円(本体+施工費)
※別途出張費・高所作業費など。
自分での交換 不可(電気工事士の資格が必要)

固定型(一体型)のダウンライトは、本体とLEDが一体になっており、デザイン性が高くスッキリとした天井を実現できるのが魅力です。寿命も長く、住宅の新築やリフォームにも人気となっています。ただし、故障時は本体ごとの交換が必要で、専門業者による施工が必須です。

分離型(交換型)

交換頻度 電球:約10年に1度(LED寿命4万~5万時間)/本体:約10年に1度
交換費用 電球:1,000~3,000円程度/器具交換:6,000~29,000円
自分での交換 電球部分のみ可能。器具交換は施工会社に依頼

分離型(交換型)のダウンライトは電球と器具が分離されており、球切れ時に自分で交換可能なのが大きなメリットです。費用も抑えられ、調色・調光の自由度も高めです。ただし、器具本体の交換には固定型と同様に電気工事士の資格が必要です。

おしゃれなダウンライトの実例紹介

空間をすっきりと見せながら、洗練された雰囲気を演出できるダウンライト。住宅のさまざまな場所に取り入れることで、開放感やおしゃれさ、実用性を高められます。ここでは、寝室やリビング、クローゼット、廊下などにダウンライトを活用した実例を紹介します。

ダウンライトで開放感のある寝室

開放感とデザイン性をとことん追求した家/出典:(株)東栄住宅 関西注文住宅部
開放感とデザイン性をとことん追求した家/出典:(株)東栄住宅 関西注文住宅部

ベッド上に配置されたダウンライトが、柔らかく落ち着いた空間を演出しています。間接照明の効果で天井が高く感じられ、寝室に開放感が生まれました。窓際のソファは読書スペースとしても活躍し、リラックス感と機能性を兼ね備えた主寝室に仕上がっています。

小さなスペースでも圧迫感の少ないクローゼット

【二階建て/3LDK】洗濯動線が3歩で完結する間取り/出典: (株)東海住宅 エンジョイホーム
【二階建て/3LDK】洗濯動線が3歩で完結する間取り/出典: (株)東海住宅 エンジョイホーム

ダウンライトが空間全体をやさしく照らし、限られたスペースでも圧迫感のない明るさを実現。ランドリー室からのアクセスも抜群で、「洗う・干す・たたむ・しまう」の動線が最短距離になっています。家事効率と快適性を両立した、機能美あふれるファミリークローゼットです。

ダウンライトで明るいリビング

【FREAK’S HOUSE】つながる(=SESSION)を楽しむ家/出典:(株)グランドホームズ
【FREAK’S HOUSE】つながる(=SESSION)を楽しむ家/出典:(株)グランドホームズ

天井に並んだダウンライトが、リビング全体を明るく照らし、木の天井と外につながる大きな窓が特徴的。室内にいながら外とのつながりを楽しめる開放感のある空間に仕上がっています。

ダウンライトでおしゃれな雰囲気漂うお部屋

天井のダウンライトと間接照明がやさしく照らし、おしゃれで落ち着いた雰囲気の部屋に演出されています。仕事や読書など、集中したい時間にもぴったり。木の壁やアートも相まって、まるでギャラリーのような上質な空間です。

廊下を明るく照らすダウンライト

サーフィンを楽しむリゾートテイストな二世帯住宅/出典:(株)アンドハウス ハウスイズム建築設計事務所
サーフィンを楽しむリゾートテイストな二世帯住宅/出典:(株)アンドハウス ハウスイズム建築設計事務所

天井にさりげなく設けたダウンライトが、廊下全体を明るく照らしてくれます。木目調の天井やグレーの扉、アイアン手すりなど、デザインの工夫もたっぷりです。子ども部屋や洗面スペースへ自然につながる、機能的でおしゃれな2階の廊下となっています。

まとめ

ダウンライトは天井にすっきりと収まり、空間を広く見せる照明です。種類や設置方法を正しく理解すれば、住まいの印象を大きく変えられます。
ただし、まぶしさや交換の手間、設置後に位置を変えにくいといったデメリットもある点に注意してください。導入する際は、照らしたい場所や目的を明確にし、信頼できる施工会社に相談することが大切です。実例を参考に、快適な住まいづくりを目指しましょう。

執筆者

西嶋治美

心理教育学科を卒業後、約10年間金融機関にて従事。2016年よりライター活動を開始。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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