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一戸建ての光熱費はどれくらい?日常でできる光熱費の節約方法を解説!

一戸建ての光熱費の平均金額と光熱費が高くなる原因を解説します
一戸建て住宅の光熱費は、マンションなどの集合住宅と比べて、高い傾向にあります。特に、夏と冬の時期、オール電化の利用、世帯人数の増加にともなって、月々の負担が大きくなる場合も多いでしょう。

本記事では、一戸建ての光熱費の平均と光熱費が高くなる原因を解説します。日頃の暮らし方を工夫するだけでも効果が期待できるため、自分のライフスタイルに合わせて取り入れましょう。

一戸建ての光熱費はどれくらいかかる?

一戸建ての光熱費はどれくらいかかるのかを見ていきましょう
一戸建ての光熱費はどれくらいかかるのかを見ていきましょう

一戸建ての光熱費は、世帯人数や住宅の構造によって大きく変動します。特に一戸建ては集合住宅と異なり、外気に接する壁面が多いため、外気の影響を受けやすく、冷暖房費が高くなる傾向にあります。

下の表は、総務省の「家計調査 家計収支編(2024年)」より、世帯人数ごとの水道光熱費の平均金額をまとめたものです。

世帯人数 電気代
(月額)
ガス代
(月額)
上下水道料
1人家族 6,756円 3,056円 2,282円
2人家族 1万878円 4,497円 4,248円
3人家族 1万2,651円 5,121円 5,358円
4人家族 1万2,805円 5,015円 6,026円
5人家族 1万4,413円 4,284円 6,846円

データのとおり、人数が増えるほど、費用がかさみます。特に、子育て世帯の家庭は洗濯や給湯の使用量が多く、平均を上回ることもめずらしくありません。

また、家族構成やライフスタイルによっても変動し、日中在宅する時間が長い家庭や子育て世帯では、水道・給湯の使用量が増えるため、平均を上回る傾向にあります。

世帯人数による光熱費の違い

光熱費は世帯人数によって明確な差があります。2人暮らしの家庭では月2万円前後、3人家族で2万5,000円前後が目安とされています。人数が増えるほど、使用する電気・ガス・水道の量が増えるため、当然ながら光熱費も上昇します。特に、一戸建ては部屋数や延床面積が広いため、集合住宅よりも消費量が増えやすい傾向にあるでしょう。

マンションとの光熱費の比較

マンションと比較すると、一戸建ての光熱費は高額になりやすいとされています。理由は、建物の断熱性や気密性の違い、また各部屋の広さに起因するため。マンションは、隣接する部屋の熱が伝わりやすいため、冷暖房効率が高くなり、光熱費を抑えやすくなります。

一方、一戸建ては一軒ごとに外気に接する面積が大きいため、光熱費がかさむでしょう。したがって、マンションと比較する際は単純な費用差だけではなく、住まいの広さや環境条件を考慮することが大切です。

オール電化の家でかかる光熱費はどれくらい?

オール電化の家でかかる光熱費を見ていきましょう
オール電化の家でかかる光熱費を見ていきましょう

オール電化の家庭は電気代の比率が大きく、使い方によって負担額が大きく変わります。光熱費を節約するためには、深夜料金をうまく活用することが節約のカギです。また、太陽光発電との組み合わせによって、光熱費を実質的に下げることも有効でしょう。

昼間に発電した電力を消費し、余剰分を売電することで、年間トータルでは一般家庭よりも安く抑えられる場合があります。

以下は、関西電力のデータによる2人暮らしのオール電化住宅とガス併用住宅の比較です。

  住宅タイプ
オール電化 ガス併用
平均電気代 1万3,406円 9,183円
平均ガス代 0円 4,330円
他の光熱費 0円 1,311円
光熱費合計 1万3,406円 1万4,824円

数値だけを見ると大差がないように思えますが、冬季の使用量や契約プラン次第で大きな差が出ることが特徴です。

オール電化住宅の光熱費が高額になるケース

オール電化住宅は、調理・給湯・冷暖房をすべて電気でまかなうため、光熱費が電気代に集中します。オール電化の家庭では、電気代が月2万円を超えることもめずらしくなく、暖房や給湯の使用が多い家庭では、さらに高額になる場合もあります。特に冬場に浴室暖房や床暖房をフル稼働させると、使用量が急増し、高額になりやすいでしょう。

光熱費が高額になる場合は、断熱性能の改善や料金プランの見直しが効果的です。加えて、エコキュートなどの高効率設備を導入することも、長期的な節約につながります。ただし、契約プランや使用状況によって大きく変動するため、夜間料金を活用できるプランを選んで電気代を効率的に抑えましょう。

電気代の値上がり事情

電気代が値上がりする原因と国や自治体の補助制度を解説します
電気代が値上がりする原因と国や自治体の補助制度を解説します

電気代は社会情勢や燃料価格に左右されるため、家計への影響も大きくなります。近年は社会情勢や円安の影響で燃料価格が上昇し、全国的に料金が値上げされています。家庭の負担感は年々強まり、これまで当たり前に使っていた電化製品の使い方を見直している方も多いでしょう。

経済産業省の「日本のエネルギー エネルギーの今を知る10の質問」によると、2022年より電気料金がわずか数年で大幅に上昇していることがわかります。

年度 電気料金の平均単価の推移
2019年度 27.44円/kWh
2020年度 25.82円/kWh
2021年度 28.09円/kWh
2022年度 34.00円/kWh
2023年度 28.78円/kWh

2023年度は、燃料輸入価格が低下したことを受け、少し落ち着きました。しかし、電気使用量に応じて負担する再エネ賦課金など制度的な負担も加わり、料金上昇に拍車をかけています。

国や自治体の補助や割引

政府や自治体は家計負担を和らげるため、電気料金やガス料金への補助策を講じています。2023年には「電気・ガス価格激変緩和対策」が実施され、1kWhあたり数円の補助が反映されました。また、2025年7月〜9月も、物価高への対応と熱中症予防の観点から、料金支援が実施されました。さらに、省エネ住宅へのリフォーム補助や太陽光発電の導入支援など、長期的に負担を軽減する制度も整備されています。

一部の自治体では、高効率給湯器や断熱リフォームに対して独自の助成をおこなっており、活用すれば大幅な節約が見込めるでしょう。

光熱費が変わる3つの要因

光熱費が変わる3つの要因を押さえましょう
光熱費が変わる3つの要因を押さえましょう

光熱費は、「住宅性能」「地域差」「契約プラン」の3つの要因で大きく変動します。それぞれの要因を理解して対策を講じることで、無理なく支出を抑えることが可能です。下表に、要因別に主な対策をまとめました。

要因 影響度 主な対策
断熱性 高い 高断熱窓、断熱材の導入
地域差 中程度 暖房・冷房の効率化
契約プラン 高い 電力会社やガス会社のプラン見直し

3つの要因を組み合わせることで、年間で数万円から十数万円の削減につながるケースもあります。特に、住宅性能は長期的な影響が大きく、高断熱化リフォームや太陽光発電設備の導入で将来的に大きな節約効果を得られるでしょう。

また、エネルギー会社の自由化によってプラン選択の幅が広がっており、自分に合った契約内容を選ぶことで、月々の固定費を見直すチャンスが増えています。

住宅性能と断熱性

住宅の断熱性能は、光熱費に直結します。高断熱住宅では冷暖房効率が高まり、一般的な住宅に比べて、年間で10万円以上安く済むケースも珍しくありません。一戸建てを新築・購入する際は、断熱材や窓の性能、省エネ設計を重視することが将来的な家計の負担軽減につながります。

例えば、複層ガラスや樹脂サッシを採用するだけでも、夏の冷房費や冬の暖房費を抑えられます。リフォーム時に断熱リノベーションを実施すれば、家の快適性も向上し、長期的に資産価値を保つ効果も期待できるでしょう。

地域や季節による差

地域差も光熱費に大きな影響を与えます。寒冷地では暖房費が、暑い地域では冷房費が大きな負担となり、全国平均と比べて数千円から数万円の差が出ます。例えば、北海道や東北地方では、冬季の暖房に月3万円以上かかる家庭も。一方で沖縄では、冷房が中心で冬季の光熱費は比較的抑えられるでしょう。

また、季節による使用量の変動も大きく、夏と冬で1.5倍以上の開きが生じることもあります。そのため、寒冷地では断熱強化や暖房器具の効率化、温暖地では遮熱対策や通風を工夫するなど、地域特性に応じた家づくりが光熱費削減のカギとなります。

契約プランとエネルギー源の工夫

光熱費を抑えるためには、電気やガスの契約プランを見直すことも重要です。深夜電力を活用するプランや、プロパンガスから都市ガスへの切り替え、あるいは逆の変更でコストが下がるケースもあります。

さらに、太陽光発電や蓄電池を導入することで、長期的に光熱費を削減できます。例えば、オール電化住宅では「時間帯別料金プラン」を利用すると夜間に安価な電気を活用でき、給湯や洗濯の時間を調整するだけで負担を軽減できるでしょう。

エネルギー会社の自由化により多様なプランが登場しているため、複数のサービスを比較して賢く選択することで、年間数万円規模の節約が可能です。

日常生活でできる節約方法

日常生活でできる節約方法を解説します
日常生活でできる節約方法を解説します

家庭でできる節約は、大きな投資をしなくても即効性があり、毎日の習慣改善で効果が積み重なります。特に一戸建ては部屋数や延床面積が広いため、小さな工夫の積み重ねが光熱費全体に大きく影響します。例えば、次のようなものが挙げられます。

  • エアコンの温度設定を見直す
  • こまめな消灯を徹底する
  • 給湯の使い方を工夫する

これらはどれも今すぐに始められる取り組みです。下表に、日常生活でできる工夫と、期待できる効果をまとめました。

日常生活でできる工夫 期待できる効果
エアコン温度を1度調整する 年間数千円節約
LED照明へ切り替える 電気代50%削減
待機電力を削減する 年間数千円節約
まとめ洗いや炊飯をする ガス・水道代節約

家電製品を最新の省エネモデルに切り替えることも効果的で、古い家電を長期間使うよりも、買い替えたほうが長期的には経済的です。節約の工夫は同時に環境負荷の軽減につながり、持続可能な暮らしを実現する一歩となります。

家電の選び方と使い方

省エネ性能の高い家電を選ぶことは、長期的に光熱費を抑えるために有効な手段です。冷蔵庫やエアコンは特に消費電力が大きいため、最新型に切り替えるだけで大幅な削減が可能となるでしょう。冷蔵庫の詰め込みすぎを避ける、洗濯はまとめておこなう、エアコンは自動運転を活用するなど、正しい使い方も節約に直結します。

また、最新の家電はIoT機能によって電力消費を可視化できるものも多く、利用状況を管理することでさらに効果的に抑えられます。初期費用はかかりますが、省エネ家電は数年で投資回収が可能な場合も多いため、積極的に検討すべき選択肢といえるでしょう。

再生可能エネルギーとの組み合わせ

近年注目されている節約方法が、家庭用の太陽光発電の利用や蓄電池との併用です。電力会社から購入する電気を減らし、自家発電分を優先的に使用することで、光熱費を大幅に削減できます。特に、昼間の電力消費が多い家庭では効果が顕著であり、余剰電力を売電すれば収入にもつながるでしょう。

また、電気自動車(EV)を家庭用電源と連携させる「V2Hシステム」を導入すれば、停電時の非常用電源にも活用可能です。再生可能エネルギーの活用は環境面でもメリットが大きく、将来を見据えた住まいのあり方として選択肢の一つとなっています。

まとめ

一戸建て住宅における光熱費は、世帯人数や季節、住宅の仕様などによって大きく変動します。また、オール電化住宅では一括して電気がかさむため、料金プランの最適化が不可欠です。

一方で、高断熱化や省エネ設備の導入、エネルギー源の見直しによって、年間10万円単位での節約も期待できます。長期的に安心できる暮らしを実現するために、今からできる取り組みを始めてみましょう。

民辻 伸也

執筆者

民辻 伸也

宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士

大学を卒業し、投資用不動産会社に4年勤務後、選択肢を広げて一人ひとりに合わせた資産形成をおこなうため、転職。プロバイダー企業と取引し、お客様が安心感を持って投資できる環境づくりに注力。不動産の仕入れや銀行対応もおこなっている。プライベートでも、自ら始めた不動産投資でマンション管理組合の理事長に立候補。お客様を徹底的にサポートできるよう、すべての経験をコンサルティングに活かしている。
株式会社クレア・ライフ・パートナーズ

ライフマネー研究所
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