2014年にイラスト投稿サイト「pixiv」で連載がスタート、2018年にはアニメーション化された「ヲタクに恋は難しい」。この話題作が、『銀魂』シリーズなどで知られるヒットメーカー、福田雄一監督の手によって実写映画化される。今作で美術を務めたのは、『勇者ヨシヒコと魔王の城』から福田作品に参加している遠藤善人さん。主人公、成海のこだわりがつまった部屋とは?
こだわりの人だからこその工夫に満ちた空間
主人公の桃瀬成海は、BLを愛する隠れ腐女子という設定。成海の部屋をつくるにあたり、遠藤さんは腐女子を自認する人たちから話を聞き、参考にした。
「『腐女子あるある』について聞かせていただいたんです。たとえば、誰かが家に来たときに備えて、すぐにグッズを隠せるようにしてある。普段は好きなものに囲まれたいから、カラーボックスにグッズを飾ってあるのですが、いつでもカバーできる布が用意してあるんです。成海の本棚も、すぐに隠せるようになっています。ほかにも、好きなキャラクターの身長の高さに合わせて壁にマスキングテープを貼って、妄想するというエピソードも参考にさせていただきました」
「『腐女子あるある』について聞かせていただいたんです。たとえば、誰かが家に来たときに備えて、すぐにグッズを隠せるようにしてある。普段は好きなものに囲まれたいから、カラーボックスにグッズを飾ってあるのですが、いつでもカバーできる布が用意してあるんです。成海の本棚も、すぐに隠せるようになっています。ほかにも、好きなキャラクターの身長の高さに合わせて壁にマスキングテープを貼って、妄想するというエピソードも参考にさせていただきました」
成海の部屋は、数多くのアニメーションのグッズであふれている。それらは『刀剣乱舞』『あんさんぶるスターズ!』『おそ松さん』『文豪ストレイドッグス』など、実際に存在する作品ばかり。今作を制作するにあたり、すべての作品の権利元に許諾をとるため、交渉を行った。
「成海のキャラクターに合わせて、『このフィギュアがいい』『このステッカーが合う』と、ひとつずつ選んでいきました。その作業と並行して演出部、プロデューサーに権利元と折衝してもらったんです。もちろん許可をいただけた作品もあれば、いただけなかった作品もあります。許可がとれなかった作品は外していって、現在の量になりました」
「成海のキャラクターに合わせて、『このフィギュアがいい』『このステッカーが合う』と、ひとつずつ選んでいきました。その作業と並行して演出部、プロデューサーに権利元と折衝してもらったんです。もちろん許可をいただけた作品もあれば、いただけなかった作品もあります。許可がとれなかった作品は外していって、現在の量になりました」
成海は同人活動を行っているという設定。彼女が描く同人誌の原作は、「Beat!」という映画オリジナルの作品。
「マンガ、アニメ、それぞれのキャラクターデザインをイラストレーターの方につくっていただきました。それをもとに〈公式〉という設定のキャラクターグッズもつくっています。コミケのシーンでは、数多くのイラストレーターの協力をあおいで、いくつもの同人誌の表紙をつくってもらいました」
「マンガ、アニメ、それぞれのキャラクターデザインをイラストレーターの方につくっていただきました。それをもとに〈公式〉という設定のキャラクターグッズもつくっています。コミケのシーンでは、数多くのイラストレーターの協力をあおいで、いくつもの同人誌の表紙をつくってもらいました」
ヲタ部屋の中にも女子っぽさがあり、部屋には、至るところにピンクのものが置かれている。
「成海はピンクが好きで、この色に囲まれていたいという設定です。カーテンや扇風機、ヘッドフォンなどはもちろん、戸棚などもシールでピンク色に飾っているという風に見せています。美術として気をつけたのは、抑えた配色にすること。ビビッドになりすぎると、あまりにも現実感がなくなってしまう。あくまでもイメージカラーとしてのピンクになるようにとどめました」
「成海はピンクが好きで、この色に囲まれていたいという設定です。カーテンや扇風機、ヘッドフォンなどはもちろん、戸棚などもシールでピンク色に飾っているという風に見せています。美術として気をつけたのは、抑えた配色にすること。ビビッドになりすぎると、あまりにも現実感がなくなってしまう。あくまでもイメージカラーとしてのピンクになるようにとどめました」
福田雄一監督とは、予算の少ない作品から、今回のような大規模の作品まで一緒につくってきた遠藤さん、福田監督の変化について感じたこととは?
「予算の少ないものから始まり、現在に至るまで、福田監督の中でも様々な変化がありました。だんだん『監督もこういうことを要求するんだ』と、思うようなことも増えてきました。でも、『銀魂』でメガヒットを飛ばしたかと思うと、コンパクトな作品も撮られたりするところは変わっていないと思います。今作では、日に日に細かい要求をされるようになったという変化はありました。福田監督の現場では、毎回同じということがないので、次は何を言われるんだろうと面白さがありますね」
「予算の少ないものから始まり、現在に至るまで、福田監督の中でも様々な変化がありました。だんだん『監督もこういうことを要求するんだ』と、思うようなことも増えてきました。でも、『銀魂』でメガヒットを飛ばしたかと思うと、コンパクトな作品も撮られたりするところは変わっていないと思います。今作では、日に日に細かい要求をされるようになったという変化はありました。福田監督の現場では、毎回同じということがないので、次は何を言われるんだろうと面白さがありますね」
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#122(2020年2月号12月18日発売)
『ヲタクに恋は難しい』の美術について、美術の遠藤さんのインタビューを掲載。
『ヲタクに恋は難しい』の美術について、美術の遠藤さんのインタビューを掲載。
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Profile
プロフィール

美術
遠藤善人
endo yoshito
80年生まれ。福田雄一監督作品には『斉木楠雄のΨ難』(17)、『50回目のファーストキス』(18)に参加。近作に『君が君で君だ』(18)、『五億円のじんせい』『ヒキタさん! ご懐妊ですよ』(ともに19)。待機作に『#ハンド全力』(5月22日公開予定)がある。
Movie
映画情報

ヲタクに恋は難しい
監督・脚本/福田雄一 原作/ふじた 出演/高畑充希 山﨑賢人 菜々緒 斎藤工 ほか 配給/東宝 (20/日本/114min)
26歳OLの桃瀬成海は、転職先の会社で幼なじみの二藤宏嵩と再会。ルックスが良く仕事もできる宏嵩は、実は重度のゲームヲタク。そして成海もまた、隠れ腐女子であった……。
2/7~全国公開©ふじた/一迅社
©2020映画「ヲタクに恋は難しい」製作委員会
ヲタクに恋は難しい公式HP