壊れかけても修復しながら寄り添う、夫婦のような家
宮本夫婦が暮らす一軒家が建つのは東京郊外、多摩市あたりの設定。ふたりは子どもができ、大学卒業後すぐに結婚。中学校教師の職に就き、息子を育てながら堅実に生きてきた宮本陽平(阿部寛)は、専業主婦となった妻の美代子(天海祐希)とともに平穏な生活を送っていた。
「宮本夫妻が暮らす家は、結婚した当初、陽平が頑張って買った建売物件という設定です。映画準備の最初は、ロケハンでイメージの家をあちこち見たり、中古物件のチラシで間取りなどを参考にしたりしながら、遊川和彦監督と一緒に、具体的なイメージとお芝居の構成を固めていきました」
「宮本夫妻が暮らす家は、結婚した当初、陽平が頑張って買った建売物件という設定です。映画準備の最初は、ロケハンでイメージの家をあちこち見たり、中古物件のチラシで間取りなどを参考にしたりしながら、遊川和彦監督と一緒に、具体的なイメージとお芝居の構成を固めていきました」
「家の中は、1階と2階に分けてセットをつくりました。陽平は若い頃から子供がいましたので、堅実で質素な公務員勤めの暮らしを表現したかったのですが、阿部さんと天海さんがセットに立つと、格好がいいですから! 素材がいいのは大変です(笑)。どうしても『格好いい絵になって』しまう。その画の力に押されないように、美術セットは見た目のセンスのよさをより抑えて表現し、その場に自然に溶け込むよう心がけました」
年月の経過を出すため、リビングやダイニングキッチンは、「美代子がちょっとずつ自力でリフォーム」した設定に。そんな様子をかもし出すため、「全体的に“チープさ”と“ちぐはぐさ”を織り交ぜた」のだという。
年月の経過を出すため、リビングやダイニングキッチンは、「美代子がちょっとずつ自力でリフォーム」した設定に。そんな様子をかもし出すため、「全体的に“チープさ”と“ちぐはぐさ”を織り交ぜた」のだという。
「美代子は興味のあるものにいろいろ手を出しては飽きてしまうタイプ。引っ越した当初はガーデニングもやっていたけど今はほったらかしに近い。リビングのカーテンボックスの上に置いてある絵皿や健康器具なんかも、通販で買って飾ってみたけどそのままにしている。ただし、高いものを新調することはしないだろうから、電化製品などは結婚当時のものをずっと使っているように見せるため、中古品を飾りました」
一方、夫の陽平は料理に凝り始めて、料理教室にも通っている。「キッチンには、陽平専用の引き出しも用意しました。新しい家電が少し置いてあるのは陽平が買って来たもの。夫は自分の趣味を兼ねて……、それが妻は面白くないわけです(笑)」。
成長した息子は、ある日結婚を決めて実家を出る。結婚して27年、久しぶりにふたりきりになった夫婦の間には戸惑いの空気が流れる……。
成長した息子は、ある日結婚を決めて実家を出る。結婚して27年、久しぶりにふたりきりになった夫婦の間には戸惑いの空気が流れる……。
「コツコツお金をため堅実な生活をしながら、ローンを払い終え、そろそろ家のリフォームをしようと妻は言います。家が壊れかけても、リフォームして直していく。この家の状態は夫妻関係とリンクしていると、監督もおっしゃっていました。ファミリーレストランのセットも含め年代を重ねて全体的には暖かい色合いにしているですが、夫婦の寝室だけは青いベッドカバーを敷いたりして、ちょっと寒色を入れています。ここで、陽平は離婚届を発見し、被害妄想をしたりする。『ちょっと2階には行きたくないな』という空気を出したかったのです」
映像カルチャーマガジン・ピクトアップ#104(2017年2月号 12月18日発売)
『恋妻家宮本(こいさいかみやもと)』の美術について、金勝さんのインタビューを掲載。
『恋妻家宮本(こいさいかみやもと)』の美術について、金勝さんのインタビューを掲載。
Profile
プロフィール
美術監督
金勝浩一
kanekatsu koichi
東京都生まれ。横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)卒業。『トカレフ』(94)で美術監督としてデビュー以降、数多くの映画を手がける。近作に『ボクの妻と結婚してください。』(16)、2017年も『島々清しゃ(しまじまかいしゃ)』(1/21)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(3月)、『ひるなかの流星』(3/24)など公開待機作が多数控えている。
Movie
映画情報
恋妻家宮本
(こいさいかみやもと)
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監督・脚本/遊川和彦 原作/重松清「ファミレス」上下(角川文庫刊) 出演/阿部寛 天海祐希 ほか 配給/東宝 (17/日本/117min)
大学卒業後できちゃった結婚をした陽平(阿部)と美代子(天海)だが、平穏な生活を経て息子もとうとう所帯をもつことに。息子が実家をでた夜、27年ぶりにふたりきりなり、なんだか居心地が悪い。そんなとき、陽平は寝室の本棚で美代子が書いた離婚届を発見する。
2017年1/28〜全国東宝系にて公開
(C)2017『恋妻家宮本』製作委員会
恋妻家宮本公式HP