一戸建て見学のチェックポイント
不満を解消し、希望をかなえられる物件か?
いざ生活するとなれば、手持ちの家具や家電をその物件の中に配置しますよね。その場合、どこに置くのか、置いても窓やコンセントが隠れたりしないか、また現在持っている生活用品を収納できるスペースはあるか、などの確認は大切です。その他にも、水回りの使い勝手や、生活動線、日当たりなどもチェックしておきたいポイントですね。
また、今住んでいる住まいに不満があるとしたら、それを解消できる構造・仕様になっているのか、あるいはこうしたい、ああしたいという家族の希望をかなえられるつくり、設備があるのかという観点でも見ていきましょう。
建築済みの物件では、建築過程を見ることができないので、構造や仕様もできるだけ細かく見ておきましょう。床下収納庫や床下点検口があれば、開けてみてください。中古物件では基礎のひび割れや湿気、シロアリの有無などを確認しておくと安心です。
同じように、天井裏点検口や小屋裏点検口を開ければ、天井裏も見られます。筋交いなどが設計図通り入っているか、柱や梁(はり)をつなぐ金具は設計図通りか、断熱材はきちんと施工されているか、雨漏りはないか、などをチェックしておきましょう。
快適に住むためのチェックポイント
【構造や工事の様子】
建築中の物件であれば、柱の接合や壁材、断熱材の入れ方や工事の様子を見ることができます。詳しい知識がなくても、しっかり工事がなされているか、現場にゴミが散らかっていないか、などを確認しておくと、不動産会社・施工会社の姿勢がうかがえます。
【開口部】
窓の位置、数を確認しましょう。一戸建てはマンションと違い、四方に窓を設置できるという特長があります。窓の位置と数は、室内の明るさ、風通しの良さ(良好な空気の流れ)、快適な室温の保持などに大きくかかわってきます。各部屋の明るさは十分か、どことどこを開けると風が通るかなど、方角を含めて確認しましょう。
また、密閉性が高く開口部が少ないと冬場の「結露」発生につながります。そのような観点でも、注意して見るといいと思います。
【日当たり・眺望】
分譲地を見学した時にまだ家が建っていないこともあります。全戸が完成した時には、検討している家の日当たりや眺望がどうなるのか、建築計画などを見せてもらい、確認しておきましょう。
【生活動線】
マンションに比べ、二階建て、三階建てがある一戸建てでは生活動線が長くなりがちなので、注意したいところ。洗濯機は一階、洗濯物を干すのは三階のベランダ、というような動線になっていると、日常の負担が大きくなります。
また、朝のいそがしい時間帯に家族がスムーズに動けるよう、2WAYなどのサブ動線があると便利ですね。
階段の歩きやすさも要確認。一段の高さや幅によって、昇り降りのしやすが違ってきます。手すりの有無も見ておきましょう。
また、階段がリビングの中にある間取りは、通る人と顔を合わせる動線になるので、コミュニケーションを大切にしたい家族に向いています。
【水回り】
キッチンはスペースと設備をチェック。夫婦や子供たちと共同で料理することがあるなら、冷蔵庫や食器棚を置いた状況でも、シンク周りですれ違える広さがないと、使い勝手に影響します。設備面では、調理台の広さ、水栓の使いやすさ、収納などに注目しましょう。
浴室については、洗い場の広さや浴槽の大きさは要チェックです。子供と一緒に入浴する場合には、スペースに余裕が欲しいところですね。浴室換気乾燥機やオートバスなどの設備・機能の有無、カビが発生しにくく掃除がしやすい仕様かどうかも見ておきましょう。この他、道路や隣家からのぞき込まれるような位置に窓がないか、なども大切なチェックポイントです。
また、家族が多い家庭では、朝は特にトイレや洗面所が混み合うため、複数あった方が便利です。暮らしの状況を考えて検討してみましょう。
【収納・その他】
暮らしの快適性に大きく影響するのが収納です。家族が多い、あるいは家族が増える予定がある、といった場合には、余裕のある収納スペースが確保してあるか、要チェックです。
いざしまってみると、奥行きが浅くてあまり入らなかったとか、中に梁(はり)があって背の高いものが入らない、などということがないように、手持ちの品物の量や大きさを把握しておきましょう。
【外構】
家屋そのものの他に、「外回り」にも重要な見るべき点がいくつもあります。見学の際にしっかり確認しておきましょう。
塀(フェンス)や門扉、玄関アプローチ、植栽などは、見映えの良い外観、その家の雰囲気をつくるということと、プライバシーの確保やセキュリティー対策としても大きな意味を持ちます。変な段差などの危険はないか、目隠しの役割は果たしているかなど、家の中と外から確認することをおすすめします。
車庫・カーポートの設置も外構工事に入ります。自前の車が入るのか、幅と高さを確認しておきましょう。
見学のための準備
気づいたことをメモするための筆記用具は必須。方角をチェックするためのコンパスも必要です。最近では、スマホがあれば多くの機能をカバーできるので、アプリなどを確認しておくとよいでしょう。
手持ちの家具を置けるかどうか、メジャーがないと現地で各部を測れません。
その前に手持ちの家具の大きさを測ってメモしておくことも忘れずに。
前述の「構造」「開口部」といった項目ごとにチェックリストを作っておくと、確認モレを防ぐことができます。
見学に際しては、事前に電話やインターネットで予約をしておきましょう。スムーズに案内してもらえますし、いろいろ準備をしてくれます。そもそも予約なしでは見学できない場合があるので、要注意です。