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織物工場のノコギリ屋根を住まいに採用。 大空を望み、光に包まれる気持ちのいい家
テラスの先に柱を林立させることで、守られた雰囲気に。屋根が建物に 向かって下がり谷となるため、屋根を壁と切り離し、雨水の浸入を防止
2020.04.20

織物工場のノコギリ屋根を住まいに採用。 大空を望み、光に包まれる気持ちのいい家

地域で親しまれてきた工場のデザインにヒントを得た住まい。 夏の暑さ、冬の寒さを和らげながら、自然の恵みを享受して暮らす

TRIP
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古くから繊維産業によって発展してきた愛知県一宮市。現在もあちらこちらで見られる「ノコギリ屋根」の工場が、趣のある街並みを形成している。
 ご主人の地元である一宮市に住まいを構えたKさん一家。連続する鋭角の屋根がシンボルの自宅は、街との調和を意識したデザインだが、そのユニークな外観には、快適な生活環境を実現するための配慮が隠されている。
 

物件データ 所在地/愛知県一宮市
面積/99.62㎡
築年月/2017年7月
設計/川島範久(川島範久建築設計事務所)
norihisakawashima.jp

「ノコギリ屋根の工場では安定した光を得るために採光面を北向きにし ますが、住宅なのであえて南向きとし、光が降り注ぎ、空の変化をダイレクトに感じられるようにしました」と話すのは設計を担当した川島範久さん。「とにかく明るい空間に」という要望を受けて着想したという。

広いテラスで子どもも大人ものびのびと過ごす。大きな屋根は夏の強い日差しを遮る一方、日射角度の低い冬は光が奥まで届く
北側のスペースは壁で仕切られ、プライバシーが保たれているが、スリット窓により広く感じられる。WICは将来、寝室にする予定

住まいは約40㎡の長方形を3つ並べた構成で、南側からテラス、LDK、寝室兼子どもスペースを配置。暗くなりがちな北側の空間にも、ノコギリ屋根によって高窓が設けられ、光を招き入れている。その他、傾斜した屋根には、日射角度の高い夏の日差しを遮る効果もある。
 「家族と一緒に過ごす時間が何よりの安らぎ。子どもたちが部屋にこもらないようにしてほしいとリクエストしました」(奥さま)

外装材のガルバリウム鋼板を天井に用いて外との一体感を演出。光の反射を狙い、空間を白で統一し明るい雰囲気に

LDKはテラス側をガラス張りにして開放的な場所に。寝室兼子どもスペースとの間の壁には、横長のスリット窓を入れ、気配が伝わるように工夫。扉一枚で行き来できるため、それぞれの場所で過ごす家族の距離がより近 くなっている。
 「外の様子が分かり、安心して子どもを遊ばせておけるのがいいですね。ゲストが来たときも、すぐコミュニケーションが取れます」(ご主人)

間仕切り壁の上部をオープンにして圧迫感を軽減。視線が抜けるよう、扉や壁の上部にガラスの欄間を設けた
メインの空調は1台の床下エアコン。冬は床下の温風が窓際から給気され、寒暖差を防ぐ。また断熱ブラインドなどを採用してより高断熱に

「ご家族にとっての最良の住まいを突き詰めた結果、地域で受け継がれ てきた形を活用することになりました。現代の価値観に合わせ、伝統を再解釈する試みになったと思います」(川島さん)
空と光をいっぱいに感じる住まいで、今日も家族のだんらんが育まれている。

北側の寝室兼子どもスペース。長いテーブルは家族共有のワークスペースとなっている。ベッドに横たわるとハイサイド窓から空が見える
text_ Makiko Hoshino photograph_ Akira Nakamura

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