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お互いの領域を大切にして、大らかに関わる。三世代の家族が良好につながる住まい
家族全員のコミュニケーションの場となる親世帯の1階LDK。建替え前からお母さまが手を入れてきた庭を見晴らせるように設計
2018.10.19

お互いの領域を大切にして、大らかに関わる。三世代の家族が良好につながる住まい

上下階で各世帯の生活の場を分けつつ、動線の重なりとオープンな部分を設けることで、穏やかな関係を保てる二世帯住宅に

TRIP
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めがねや繊維といった地場産業が盛んな福井県は、雇用環境が安定しており、結婚後も仕事を続ける女性が多い。共働き率は全国1位。安心して仕事と子育てが両立できるよう、若いうちに親と同居する夫婦が見られ、二世帯同居率は全国で2位だ(※平成 27年国勢調査)。福井市内の住宅街に家を建てた中川さんも、まさにそのケースだという。

 
物件データ所在地/福井県福井市 面積/211.59m² 築年月/2015年3月 設計/原田学(㈱ハウズ)haws.jp

「子どもを産むタイミングで同居を始める知人が多かったので、自然な流れでした」(奥さま)長男の誕生後、すぐにご主人の実家で暮らすことに。しかし、築30年の和風住宅 には使い勝手に限りがあり、建替えを決意した。 二世帯住宅は、各世帯の領域をどのくらい持ち、どのくらい交流を望むかで形態が変わる。中川さんが理想としたのは、「暮らしの気配が伝わる、ほどよく独立した家」だった。

冬に雪が積もらないよう切妻屋根に。雪が落ちても問題ない方向に架けられている。2カ所に駐車場があり、車は大人が1台ずつ所有
ご両親が休みの日小学校から帰った長男は、玄関から1階のLDKに直行するという。玄関の右手前に納戸、奥にはサンルームを設けた

親世帯は1階、子世帯は2階とし、1日の中で使 用 頻 度の高いLDKやトイレ、洗面は別にしたが、玄関とメインの浴室は共有とした。親世帯の1 階LDKは、全員でもだんらんできるよう広めに設計。出入口のドアにガラスを使い、2階に上がる姿やLDKの様子が見えるようにした。 所々に動線の重なりや、オープンな部分をつくることで、おのずと家族の関わりが生まれている。

吹抜けにして開放感を出した2階LDK。雨が多いことで知られる福井県だが、瓦屋根にしたことで雨音が気にならなくなったという

また、気候がもたらす影響にも十分配慮している。日本海に面する福井県は湿度が高く、冬の積雪量が多い。吸放湿性のある木造にしたほか、高性能の断熱材や床暖房、窓にLow‐E複層ガラスを採用して結露を防止。スタッドレスタイヤや除雪用のスコップなどを置ける収 納スペース、室内干し用のサンルームを各階に確保した。地元の素材も積極的に取り入れ、屋根は越前瓦、襖は越前和紙、柱は県産の杉を使っている。

2階に設けた洗面コーナー。「水回りが不足するとストレスになるので」と奥さま
「仕事から帰ったら、すぐに入ってさっぱりしたい」との希望で、専用浴室を備えたご両親の寝室

ご両親は飲食業を営み、ご夫妻は平日フルタイムで勤務。それぞれが違 う生活パターンだが、週に一度は一緒に夕食をとるという。 「互いに気持ちがぶつかることなく、いつも穏やかでいられます。建替え前のストレスがなくなり、快適です」(ご主人)

和室は、縁なしの琉球畳を使うなど、モダンなインテリアに馴染むデザインにしている。越前和紙を使った襖は天井までの高さに
text_Yasuko Murata photograph_Kai Nakamura

HOMETRIP Styles of living

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