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LiVES
風、緑、太陽。自然事象を住まいに生かす。 豊かな土地ならではの健やかな暮らし
さまざまな空間で過ごす家族の様子が伝わる、半屋外のような吹き抜けの大空間
2014.04.21

風、緑、太陽。自然事象を住まいに生かす。 豊かな土地ならではの健やかな暮らし

大人になって改めて気づく、自然が与えてくれる安らぎ、暖かな日の光や、澄んだ風に包まれる、心と体にやさしい住まい

TRIP
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三重県で建築家として活動する米田雅樹さんが暮らすのは、水田が平野一面に広がる中に建つ小屋のような一軒家。遠くに山々や市街の街並みを望み、空がどこまでも続いていく伸びやかな眺望が広がる。
 「子どもの頃に憧れた、ツリーハウスのような家がいいなあ、と思い描いていました」(米田さん)。家の中心にある吹き抜けの大空間には、高さ7.5mのアオダモの木。その周りを階段や廊下、各居室が囲み、ぐるぐる回りながら最上階へ登り着く3階建てプランを導いた。家の中を行き来するなかで、幹や葉のやさしい匂いが間近に感じられ、まるで森の中を散策しているかのようだ。 幼い頃からこの土地で育ったものの、大人になってから何気ない自然の一瞬に感動するようになったという米田さん。自身の家づくりにあたり、この敷地条件ならではの環境を最大限生かすことで、エアコンに頼らず、快適な生活を実現したいというこだわりがあった。

物件データ 所在地/三重県松阪市西野々町
面積/168.98m²
築年/2013年
設計/ヨネダ設計舎
http://www.yonedasekkeisha.com/
TEL/0598-67-5948
外壁は白いガルバリウム鋼板の波板。アオダモの高さに合わせ3階建ての住まいとした

「周囲に遮るものが何もない敷地なので、光と風に満たされた空間にしたいと考えました。気象庁が公開している地域別の卓越風のデータを参照したところ、夏は南東からの風が多いことが分かりました。そこで、南側と東側の壁に大きく開口部をつくり、常に涼しい風が流れ込むようガラスではなく、エキスパンドメタルをはめ込んでいます。
一方で、冬は西側からの山風が強烈なので、景色だけ取り込む複層ガラスの窓を採用しました」(米田さん)。


周囲に広がる水田と遠くの山並みが見渡せる2階バスルーム。サッシが隠れるよう窓を設計
3階の北側には、周囲に広がる水田と遠くの山並みが見渡せる2階バスルーム。サッシが隠れるよう窓を設計
3階の北側には、風の抜け道としてエキスパンドメタルをはめた小さな開口を設置した
3階の北側には、風の抜け道としてエキスパンドメタルをはめた小さな開口を設置した

また、この家のシンボルであるアオダモの木も、空気環境の調整に効果を発揮している。夏場は、根から吸い上げた水分が葉からたくさん蒸散し、空気から熱を奪うため、室内の気温を下げてくれる。「本当にエアコンがないのかと思うほど、外との温度差は明らかに違います」と米田さんはいう。葉が落ちる冬場は、太陽の熱が室内を包むため、自然の清潔な空気で暖かく健康的に過ごすことができる。


玄関を入るとアオダモがお出迎え。湿地帯のため、1階はRC造とし、2階以上は木造に
玄関を入るとアオダモがお出迎え。湿地帯のため、1階はRC造とし、2階以上は木造に
ガラスで閉じられていない、ぽっかりと開いた天窓。室内にこもった熱い空気を外に排出
ガラスで閉じられていない、ぽっかりと開いた天窓。室内にこもった熱い空気を外に排出

「木漏れ日が室内に降り注ぐ様子や、 外から舞い込む風が、葉や枝をゆする音を聞きながら楽しむ暮らしは、のどかなこの地の空気にぴったり。自然のままの風の流れや太陽の暖かさを感じられるのは気持ちいいし、少しずつ変わっていく四季の景色や樹木の葉の成長を見ていると精神的に癒されます」(米田さん)。


ダイニングとリビングを結ぶ通路に、本棚とベンチを造り付けて図書コーナーとした
ダイニングとリビングを結ぶ通路に、本棚とベンチを造り付けて図書コーナーとした
2つの子ども部屋の間は、太陽が沈む様子を眺めることができる「夕焼けの部屋」
2つの子ども部屋の間は、太陽が沈む様子を眺めることができる「夕焼けの部屋」

text_ Kei Hoshida  photograph_ Osamu Kurihara

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