日照権とは にっしょうけん
必要な日照、日当たりを確保する権利。隣地の建物や近隣の高層建築物等に日照を遮られることを防止する権利。
太陽光線を受けることが肉体的および精神的な健康を保つために必要であるという考えは一般的である。また、洗濯物を干す、最近では太陽光発電を行なうなど、日常的な実用性もあることから、憲法第13条(幸福追求権)、第25条(生存権)等が日照権の根拠となるとされている。しかし、一方で、日照権について明文で直接的に保障する法律があるわけではない。
建築基準法は、第56条の斜線制限により、日照、採光、通風等を確保するために建築物の高さおよび形態を規制し、さらに、第56条の2の日影規制により、住宅地における高層建築物の建築を規制して、日照の確保を図っている。
判例では、建築行為を行なった相手方に建築基準法違反があることや、日照を遮る時間が長く受忍限度を超えていることなど、相手方の違法性を要件として、日照権の主張が認められている。工事の差し止めだけでなく、損害賠償や金銭の支払いによる和解などの金銭による紛争解決が図られる場合もある。
情報提供(株)不動産流通研究所「R.E.words」